神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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今回から修学旅行編です。


第9話 修学旅行の時間

 

 

 

 

「神栄君!班決まった?」

 

茅野が机に身を乗り出して聞いてきた。

 

「んあ?はんって、何が?」

 

ハン?

はん?

HAN?一体何を言ってるのか…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「修学旅行の班だよ!」

 

 

 

 

 

 

修学旅行。3年の1学期位に行う最大のイベントだ。

 

 

 

 

 

 

 

「んー、まだ決まってないや。茅野は決まったのか?」

 

「うん!渚と杉野くんと奥田さんがいるよ!あと女子1人と男子1人以上必要なんだよ。来てくれる?」

 

「お、おう」

 

 

 

 

 

神栄的にはみんな知ってる人なのでありがたい。

 

「カルマ。お前ここの班来いよ。どーせお前を誘う奴なんざいねーだろ?」

 

「んー、いいよ」

 

すると、杉野が少し残念そうにしている。

 

 

 

 

 

「おい!神栄!あいつ何するかわかんねーから、誘うのやめよーぜ!」

 

 

神栄は渚の肩をそっと叩き、

 

「渚、言ってやってくれ」

 

「まぁ、知ってる人だし、大丈夫だよ」

 

「まさか、喧嘩とか気にしてるの………?その点は大丈夫、多種多様の力を使って口は封じるからから。安心して」

 

カルマは悪魔の顔をして、ボッコボコにされている不良の写真をこれでもかと言うくらい見せてくる。

 

「安心出来ないから杉野は困ってんだろ」

 

話を聞かないカルマは女子が1人少ないことに気づく。

 

 

 

 

 

「なぁ、女子1人足らないよ?」

 

杉野はドヤ顔でこちらを見てきた。

 

なんだろう、殴りたい。

 

 

 

「ふっふっふ、この時の為に前から誘っておいたのだ!クラスのマドンナ、神崎さんでどうでしょうか!」

 

「おおー、異議なし!」

 

茅野が納得の班。渚も納得の班。杉野的にはちょっと困った班………になってしまったが、まぁ、大丈夫だろう。

 

「みなさん。班は決まりましたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん??

 

 

 

 

 

 

 

殺せんせーの隣に、とても大きいバッグが見える。

 

バッグには、殺せんせー危機一発や、こんにゃくなどなど、はっきり言えばどうでもいい荷物ばかりが見える。

 

 

 

 

 

「さぁて、先生、しおり作って来たんですよ!」

 

先生のことだから、要点だけまとめた素晴らしいしおりが来るんだろう。そう思っていた。

 

「はい、これが修学旅行のしおりです」

 

「あんなこと考えた俺がバカだった」

 

一体何ページあるんだ!?と思うほどどうでもいいことだらけのしおりだ。

 

まるで国語辞典のようだ。

 

「殺せんせー!これ鞄に入んないよ!」

 

岡島が愚痴を漏らす。

 

「本当無駄だよ、これ」

 

速水 凛香(はやみ りんか)はしおりを殺せんせーに返す。

 

「にゅやっ!?意外に低評価ですか!」

 

 

 

 

 

「当たり前だろ、だったら自分達でまとめた方が100倍マシだ」

 

神栄の言葉が、殺せんせーの心臓を突き刺した。

 

「……………ひどいです。神栄君」

 

「こんなの、絶対使わないだろ」

 

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体育の時間、烏間先生から修学旅行の暗殺についての話があった。

 

「君たちの修学旅行を極力邪魔したくないのだが、これも任務なので仕方ない。修学旅行では腕利きのスナイパーを呼んである。君たちには、狙撃しやすい場所へ奴を連れ込み、スナイパーに殺してもらう、といった形を取る」

 

 

「………って言われてもねぇ」

 

中学校で一回しかない修学旅行でも、暗殺があるのか……と思うと、やる気もなかなか起きない。

 

「渚ー、どこ見るか決めよーぜ」

 

「そ、そうだね」

 

体育が終わり、修学旅行のルート決めが始まった。

 

スナイパーが見つかりにくく、なおかつ自分達も楽しめる場所を見つけるのは、とても難しかった。

 

 

修学旅行前日。

 

神栄宅、

 

「っしゃ、荷物入った………」

 

神栄は大きな荷物にライフルを入れるのに苦戦していた。

 

分解できないため、そのまま入れなければならない。

 

邪魔だったのは、あのしおりだった。

 

結局、しおりは置いていくという結論に至った。

 

「…………殺せんのか……?あいつを」

 

そう言って、布団に入った。

 

 

 

 

 

 

修学旅行当日、

 

 

「みんな集まったか!じゃあ、新幹線乗るぞ!」

 

学級委員である磯貝を先頭に、新幹線に乗り込んだ。

 

1班、2班……と続いていく。

 

ちなみに、神栄は4班だ。

 

「あいつらはグリーン車で俺らは普通車か。いつもの差別ですか」

 

すると、以前神栄と渚にやられた男二人組がこちらを覗いてきた。

 

「成績優秀者には優先されてるんだぜぇ…」

 

「おやおや?君たちからは貧乏な臭いがするよ……」

 

おい待てコラ、成績優秀者なら、俺とカルマはグリーン車だろ。

 

………と思ったが、死んでもあんなところへは行きたくはない。

 

こっちの方が、100億倍マシだ。

 

 

全員乗ったのを確認すると、遅れて金髪の女性が普通車にやってきた。

 

 

「ご機嫌用クソガキ共」

 

これが、休んだ時言ってた英語教師、イリーナ・イェラビッチだ。

 

「あら?あんたがカミサカって奴?中々イケてる男じゃない」

 

「………これはお世辞をどうも、ビッチ先生」

 

ピク、と一瞬固まる。

 

「誰だ!こいつにいらん事教えたやつ!!!知らないのを利用してイリーナ先生って呼ばせようとしたのに!」

 

なにやら銃を突きつけてきた。

 

おそらく、あれは本物の銃だ。

 

「こうなったら………!!!」

 

ビッチ先生は神栄に接近して、

 

銃を床に落とし、頭を両手で持つ。

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キス。

 

「………!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかも、ベロチューだ。舌と舌が何度も絡まる。

 

「イリーナ、何をしている……!それと、なんだその服装は……!」

 

 

 

 

 

「ははひほほひははひへほ、ははふはぁ!はひほほひほほはほ………」

(固いこと言わないでよ!カラスマ!ガキ共に大人の………)

 

 

 

 

 

烏間先生はとても低い声で怒った。

 

「いいから、脱げ、着替えろ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

烏間先生のおかげで、キス地獄から脱出した神栄は、頭を抱えて叫んだ。

 

「クソ野郎……!ファーストキス奪われたあああ!!」

 

いくら神栄でも、その辺はきっちりしている。

 

すると、岡島がそっと、

 

 

 

 

 

 

 

「どんまい、神栄」

 

「お前が言うとエロく聞こえるんだよ…………!」

 

 

 

 

 

 

to be continued……………

 





喧嘩最強班の決定だ、これは……ひどい

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