朝、
「……さて、学校行こ」
いつもの道を歩いている。
とても平和だ。
『あれ』が無ければな!
学校に着くと、殺せんせーは追っかけられている。
みんな、ナイフを持って
「おお!神栄!」
昨日いなかっただけなのに、「久しぶり!」と言われるのは、何だか気になって仕方がない。
「ヌルフフフ、おはようございます、神栄君」
「…………これ」
神栄はとある紙を殺せんせーに見せた。
《請求書、食器5,000円分を買え》
「にゅやっ!?まだ覚えてたんですか!?」
「さぁ、俺に5,000円よこすか、俺の目の前で買うか、どうする?」
殺せんせーは黙り込む、
そして、消える。
数分後、殺せんせーはビニール袋を持って来た。
「買ってきました」
「おいコラまて、万引きしてきたのかよお前、数分で買ってこれるわけねーだろ」
ダラダラと殺せんせーの顔から汗のような液体が流れてくる。
「べっ、別に万引きなんかしてないんだからねっ!
」
「お前のツンデレなんて需要ねーよ」
「……いいじゃないか、ツンデレ」
さりげなく登場してきた竹林。
竹林はこういう系の事があると必ずと言ってもいいほど登場してくる…………のか?
「お、おう。ソウダナ、竹林」
彼は無言で校舎に戻っていった。
いろんな意味でカッコいい。
「さて、そんなことは置いといて、授業しますよ」
はぁ、また忙しい1日が始まる…………。
1時間目、2時間目………と時は流れていく。
4時間目が終わると、食事の時間となる。
神栄は毎日自分で作っている。
冷凍食品に頼っているが。
「これが中々美味いのよ。冷凍食品、ナメんなよ」
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食事を済ませたE組は、何故か校庭に出て一列に並び始めた。
「おい渚、なんで並ぶんだ?」
「あぁ、神栄君は初めてなんだっけ。椚ヶ丘中学校では月一で集会があるんだよ。E組は一番最初に並び終わらないと、罰があるんだ。だから昼休みを返上して本校舎に行かなきゃいけないんだ」
「ご丁寧な説明ありがとう。で、罰って何なんだ?」
磯貝を先頭に皆歩き始めた。
渚は歩きながら説明してくれた。
「そうだなぁ、前は花壇の掃除とかだったな……」
すると、前原がやって来た。
「そーそー!あそこだだっ広いんだよなー!一苦労したぜ!」
「お前、ずっとサボってただろ」
磯貝の冷静なツッコミが炸裂した。
「……ばれたか」
「ったりまえだろ、今回はそんな事がないように早く行くぞ!」
そして、本校舎に着いた。
「これが本校舎か、初めて見るな」
E組の校舎と比べると10倍程綺麗だ。
「おい!早く行くぞ!」
「「「「「はーい………」」」」」
体育館では、E組以外の生徒がダベっている。
「なぁ、渚。カルマ見てなくね?」
神栄が渚にボソッと言う。
「サボりだよ。集会バックれてバツ受けても痛くもかゆくもないってさ」
「なるほど」
あいつらしいと言えばあいつらしい行動だ。
そして、集会が始まった。
まずは、校長先生の話だ。
「えー、あなたたちは全国から選りすぐられたエリート達です。あなたたちの未来は私が補償しましょう!でも……怠けていると、どうしようもない誰かさんのようになっちゃいますよ?」
瞬間、どっと笑いが出てきた。
これが、エンドのE組。
「こらこら!笑わない!校長先生も言い過ぎました!」
屈辱以外に例える言葉がない。
長ったらしく、うざったい校長の話が終わり、次は生徒会の発表だった。
「zzzzzzz〜」
神栄は立ったまま寝ている。
普通に飽きたのだ。
「おい、神栄寝てるぞ」
隣の菅谷 創介(すがや そうすけ)が起こそうとするが、起きない。
「終わったら起こせばいいよ、僕も寝たいし………」
渚から、本音が漏れた。
「おいおい……………」
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気づいたら集会は終わっていた。
「………んあ?もう終わったんか」
「とっくに終わったよ。でさ、ジュース買いに行こうよ」
渚と神栄は、2人で自動販売機でジュースを買おうとしている。
「ここのジュース、めっちゃ種類あるな」
「おい渚」
聞き覚えのある声だった。
顔は見てなかったが、以前神栄の悪口的な事を言っていた奴らだ。
「お前ら、最近調子乗ってるよな。みんなの迷惑考えろよ」
神栄は寝ていたので全く知らないが、言えることは…………
「渚に用でもあるのか?てか、なんで渚だけに用があるんだ?お前ら」
「E組如きが何言ってんだ?お前らはもう人生詰んでんだよ」
「結局、それって弱い者いじめだよな。何組の生徒だか知らないけど、俺と殺り合うのか?喧嘩とか喧嘩とか喧嘩とか」
「神栄君!喧嘩しかないよ!」
こんな時でもツッコめる渚は流石だ。
「ごちゃごちゃうるせぇぞ!E組がっ!」
1人の男が神栄に殴りかかってきた。
当然、神栄は避ける。
「やーっぱり勉強脳の奴はそんなもんだよね。あーんまり舐めない方がいいと思うぜ、E組を……なぁ!」
ブワッ!!!と男に裏拳をかました。
風が男の頬に触れる。
寸止めだったが、これが本当に当たっていたら……と思ったのか、1人は逃げてしまった。
だが、もう1人は渚にこういった。
「調子乗んなよ!殺すぞ!!!」
(殺す………?そうか、殺す、か)
渚はニヤッと笑い、
「本当に殺そうとしたことなんて、無いくせに」
その言葉に、神栄はビクッとした。
(これは……殺意?)
1人の男は半泣き状態で逃げた。
「お、覚えてろよ!!!」
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「ったく、なんだよあいつら、俺らに何の恨みがあるんだか」
「結局、ジュース買えなかったね…………」
E組の校舎に戻ると、職員室から声が聞こえる。
「このルービックキューブの色を揃えたい、貴方ならどうしますか?」
「……………!」
サクッ!と刃物のようなものでルービックキューブが壊れていく。
「答えは簡単。分解して並べ直す。合理的です」
この声は……………!!!!!!
そう、椚ヶ丘中学校理事長。浅野 學峯だ。
渚と隠れて見ていると、殺せんせーはマッハでお茶とお菓子を出す。
そして、理事長の肩を揉み始めた。
「これはこれは!遠いとこからよく来てくださいました!それはそうと、私の給料もうちょいプラスしてくれませんかね!」
「……………なんでこいつ給料暮らしなんだよ」
「知らないよ……」
2人が見ていることを知らない理事長は、話を始める。
だが、この話は教師同士の話なので、神栄達には理解出来ないところが多々あった。
そして、一番分からなかったのは、
「なんとも悲しいおかたですね、地球を救う救世主のはずが、地球を破壊する巨悪になるなんて………」
地球を救う………?滅ぼす……?
2人は悩んでいた。
「ああ、それと………殺せんせー、《コレ》を一秒以内に解いてください!」
理事長は知恵の輪を空中に放り、それを殺せんせーはマッハで解こうとする。
しかし、解けなかった。
「殺せんせー、世の中にはスピードで解決できないこともあるんですよ?」
膝を床につけて、理事長は微笑む。
そして、去っていく。
ガラッ!と理事長が出てきた。
「あ…………」
理事長はニコッとしている。
「やあ!中間テスト期待してるよ!頑張りなさい!!」
この乾いた応援は、暗殺者から落ちこぼれのE組に引き戻された感じがした。
「なんて人だ。なんというか、ラスボス感半端ないな」
「そ、そうだね……」
浅野 學峯。一体あの人は何がしたいのか………未だにわからない。
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次の日、
「さぁ、授業しましょう」
なんか増えてる。
殺せんせーが、いっぱいいる。
そして、たくさんいる殺せんせーから授業を受けている。
「気味が悪い…………」
神栄から、とても冷たい声が出てきた。
なんか、残像が見える………。
なんかミッ○ーとかドラ○もんまで見える。
「これがこうなってですね………この答えになるんですよ」
説明はわかりやすいが、速い。
授業後、
「ハァ…!ハァ…ハァ…ハァ…!」
たくさんある触手を利用してうちわを何枚も使っている。
「…………今なら殺れそうだよな、これ」
中村がナイフを持ちながら、
「殺せんせー!大丈夫?」
と言いつつ、ナイフで刺そうとする。
殺せんせーはひらりと身をかわした。
「てゆーかさ、勉強してなんか意味あんのか?」
「そうだよね、100億あればなんでも出来るし……」
殺せんせーの顔が変わった。
顔にバツがついている。
「今の君たちに、暗殺者の資格はありませんねぇ……」
そう言って、校庭に全員を集めた。
殺せんせーはくるくる回り始めた。
「………何やってんだ?」
「君たちは、『俺らには暗殺があるからいいや』なんて考えてますよね。それは、劣等感の原因から逃げてるだけです。もし、私がここから居なくなったら?もし、あなた達以外の何者かが私を殺したら?あなた達はE組の劣等感しか残らない」
「………」
生徒達は皆黙っている。
事実だから、何も言えない。
「そんな君たちにアドバイスです。
第二の刃を持たざる者は、暗殺者を語る資格なし!!!!!」
竜巻以上の風が、E組の校舎から吹き荒れる。
「もし、君たちが自信を持てる第二の刃を示さなければ、相手になる暗殺者がいないとみなし、校舎を平らにして、私は去ります」
「!!!!!!」
それは、殺せんせーだったらやりかねないことだ。
「そして、明日の中間テスト、全員50位以内に入りなさい」
「………はぁ?」
「君たちの第二の刃はすでに私が育ててあります。ですから、自信をもって、笑顔で仕事を成功させるのです」
…………上等じゃねーか、殺ってやるよ!テストも、殺せんせーも…!!!!
to be continued……………
竹林君の初セリフはこれです。
そして次回、テスト開始です。
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