神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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今年最後の投稿です。




第153話 想いの時間

 

「俺はこの手で殺せんせーを殺す!何事も殺す気で勝ちに行くって、俺は教わってきたんだ。そして殺せんせーを殺し、かつカルマに勝つ。これが俺のミッションなんだ!それを今更放り投げるなんてしたくねぇ!」

「碧くん。私はそれでも、殺せんせーを助ける。違う方向から何かを見つける事も、大事だから……!」

「だとしても……俺は殺すね」

 

神崎は神栄の横へ逃げ、足を出し神栄が持っていた対殺せんせー用ナイフを落とさせる。

しかし、神栄が動揺することはなかった。

「ははっ、ナイフを無くさせて肉弾戦でもやる気が?だけど残念だ。ナイフは死ぬほどあるよ」

「だったら……ナイフを取らせない!!」

神崎は素早く自分のナイフを落とし、小型の銃を取る。

「これでどう?動いたら撃つよ?」

「上手いね。でも、作戦は刻一刻と遂行されてるんだ。俺はこのまま止まっててもいいけど、有希子が死ぬだけだぜ」

 

「なにを言ってるの?今間違いなく不利なのは碧くんだよ?武器を取り出す時間もない、前に進める暇もない、お手上げ状態じゃない」

「じゃあ大ヒント。俺は銃を捨てたよね。その銃、詳しく見てみなよ。そんな余裕があるなら」

 

神崎は後ろを向くことなく、周りに散乱している自分の銃以外を見る。

すると、明らかに形がおかしいものがたくさんあることに気づく。

まさか……と神崎の顔は青ざめていく。

 

「ボタン式拳銃型手榴弾。中身は真っ赤なペイント付、そこら中にあるから逃げることはほぼ不可能だよね。俺を殺せば逃げれるけど、俺にボディーチェックでもする?どこにあるかわからないボタンを探す?」

 

「……っ!まさかここまで計算していたの?」

「いや?たまたまイトナがくれたのを思い出したから。さぁどうする?俺は自爆覚悟でやるよ?そっちが撃ってきたらボタンを押すし、拳銃捨ててこっち来たらそれはそれで押すし、どうする!!!」

 

「だったら……私は……」

神崎は持っている銃を上にあげる。

「戦いを放棄する……。

 

 

 

 

1対1の戦いを!!!!」

神栄が上に視線を上げると、神崎はにこりと微笑む。

「もっと周りを見な?碧くん」

 

おそらく神崎は今撃とうとしている銃には仲間に助けを求める弾が入っている。

そして、神栄は上を見ていたゆえ、神崎が太もも近くで銃を構えていたのに気づかなかった。

躊躇なく発砲する神崎に、神栄は反応が遅れる。

だが、神栄は余裕の表情だった。

「想像以上の短期決戦だったな。周りを見なかったのはお前だよ有希子。終わりだ」

 

神栄は右手の親指を曲げ、4の字を作ると神崎の後ろで風船が割れたような音がする。

「……え?」

 

そして、神栄は右手の手袋を外し、撃ってきた弾を受け止める。

その直後、神崎の背中は赤いインク塗れになった。

「前は囮さ。実際使えるけど、全部発動させるとかバカな真似はしないよ」

「嘘……ゲームで負けることなんてあんまりなかったのに……負けるなんて」

「修学旅行の借りは返さしてもらったよ。じゃーな」

 

 

神栄がいなくなると、神崎は座り込む。

「碧くんと想いのぶつかり合いで負けた……悔しいけど、なんか…楽しかったな」

 

神崎有希子、死亡。

 

 

◇◆◇◆◇

 

『お疲れ神栄。死ななくてよかったよ〜。こっちとしても戦力はなくなって欲しくなかったしね』

「はぁ……もうああいう勝負はごめんだぞ。いろんな意味で死ぬかと思ったわ…」

『さすがというべきか、おいというべきか…。まぁいいや。次のターゲットは前原ね。磯貝とかは速水さんがなんとかしてくれてるから』

「言おうとしたことを先に言うな」

 

神栄は木の上で相手の動きを探っていた。

カルマの指示通り、前原を優先して捜索しているが、なかなか見当たらない。

仕方ないので、他の人を探していると、近くの木で岡野と茅野が戦っていた。

茅野はいつも見せないような動きで岡野を翻弄していた。

茅野が木から落ちたかと思ったら、銃を取り出し、構える。

これはさすがに負けたか?と思ったら茅野の後ろで木村が茅野の背中を撃ち抜く。

そして高速コンビは森の中へと消えていった。

「素早いなぁ……。で、前原を探さなきゃな」

 

 

そうしているうちに、どんどんと相手と自軍の人数が減っていっていた。

気づけば殺す派は8人、助ける派は5人と、若干殺す派がリードしている。

「前原発見した。けど速水たちの方にいるぞ。どうするカルマ」

『速水さんたちが磯貝たちをできれば殲滅。最悪相打ち。神栄は裏に回って速水さん達を手伝って。寺坂たちは旗を取って行って』

 

「……了解。速水、イトナ。頼むぞ」

『神栄こそ』

 

 

一方、助ける派は決戦に備え、会議をしていた。

「……守備は捨てる!狙うは速水達のいるところだ。勝てば勝算がある。行くぞ!!」

 

磯貝の合図でこの場にいる4人は速水がいる巨大な木に向かって突撃した。

戦いに備えていたのか、速水はすぐに奥田を撃ち抜く。

(磯貝を倒せば……勝ったも同然!先ずは磯貝を狙う!!!)

 

速水は磯貝を狙い………撃つ。

「うわっ!!」

磯貝の頭には、赤いインクがべったりと付いていた。

 

 

磯貝悠馬、死亡。

 

 

 

「よし!」

と、調子が良くなってきたのか、次は矢田に焦点を当てる。

すると、青いインクの付いた球が速水の首元に当たる。

 

「………え!?」

速水凛香、死亡。

 

速水を撃ち抜いた矢田はすぐさまイトナに撃たれる。

矢田桃花、死亡。

 

イトナが矢田を撃ち抜くと、背後から誰かが来るのを予想していた。

来るのは同然、助ける派でかつこの場で生きている前原だ。

 

前原の第1撃はなんとか持っていた銃でガードできたが、第2撃を避けることが出来ずに、真っ青なインクを身体中にべったりとつけられた。

堀部イトナ、死亡。

 

この決戦では、助ける派が1人の差で制圧していた。

 

 

 

 

一方中村達はこの隙を狙って旗を取りに向かっていた。

旗まで残り数メートル。走っていた4人は勝利を確信していた。

しかし、赤羽 業は目撃してしまった。4人の真上では、迷彩柄の死神が降臨しているのを。

ここで、4人が一気に死亡し、残るは殺す派がカルマと神栄、助ける派が前原と渚となった。

 

「……ったく、コレだから渚くんは」

(……もらった!!)

カルマの背後では、前原が奇襲を企んでいた。

だが、

 

 

 

「はいどーーーん!」

神栄が横蹴りで前原を遠くへと飛ばす。

「お前の相手は俺だ。もっと遠くで殺り合おうじゃあないか。あいつらはあいつらで殺らせて、こっちはこっちで、本気の戦いやろーじゃねーか」

 

「いいぞ神栄……!」

 

 

「……最終ラウンドだぜ!来いよ前原。本気で、倒してやるよ」

 

 

 

 

 

神栄VS前原。

渚VSカルマ。

 

本当の最終決戦が、始まった。

 

 

 





やっぱりバトルシーンは苦手ですね…。そもそも普通のですらまともに書けてないですけど。

次回、神栄VS前原、渚VSカルマ。どうなるのか?

ワーキングの小説も読んでもらえると嬉しいです。感想とかも書いてくれると嬉しいです。評価なんかしてもらったら嬉しい以上の感情が出ます。
では、来年もよろしくお願いします。来年は受験とかで投稿遅くなるけど、必ず完結させますんで、待っててください!

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