神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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あ、20万UA突破ありがとうございます。こんなのが20万なんて……突破した時は嬉しかったです。

あと、れんちょんかわいいのん。僕は赤ちゃん時代のれんちょんが一番好きです





第149話 守る時間

………確かに、不可能ではないと言った。

 

が、ちょっと無理っぽいかもしれない……。

 

 

全力で走っていても、距離が短くなってる気はしなく、ただただ時間だけが過ぎているような感じだ。

 

 

時計を見ると、現在午後6時半。茅野がメールで送った時間まで残り30分である。

 

そして、残りの距離は20km。

 

 

30分で10kmしか進んでいないのに、残り30分で20km進むのは流石に厳しい。

 

 

神栄はただ立っていることしか出来なかった。さながら木のように。

 

 

 

「くそっ……!奇跡さんよ、今の俺の姿を笑ってくれても構わねぇ!それでもいいから、起きてくれよ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ブォン!とすさまじい風が神栄の周りで起きる。

 

 

 

「奇跡は望んで起きるものではありませんよ神栄君。ヌルフフフ」

 

 

 

 

「……っ、これを奇跡って呼ぶんだよ。殺せんせー!」

 

 

相変わらずのヘタ変装の姿で、うちの担任、殺せんせーは笑っていた。

 

これだから、マッハ20は怖いんだよ……。

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「全く……何をしてるんですか神栄君は、こんな大事な時に…」

 

 

「……茜音が海外へ行ったんだ。仕事の都合らしいが、それが何か変というか、その…」

 

 

「別に、変ではないでしょう。突然の出来事なんかザラにありますよ。………今回のように、ね?」

 

さすがの殺せんせーも茅野のことを気にしているということか。確かに自分含めほぼ全員が唖然とするほど驚いた出来事だ。

 

 

「でも、やっぱ疑っちゃうんだよ。海外に行ったフリして、また俺らの前に立ちはだかろうとしたり……」

 

「……神栄君はまた戻るんですか?せっかく人を信じてこれてきたというのに、また信じなくなるんですか?先生だって、全てを信じるほど聖人ではないですが、生徒全員を信じると決めています。茅野さんのことにしろ、今のことにしろ」

 

 

「じゃあ、殺せんせーは茜音のことも信じるってのか?」

 

「敵対勢力だった茜音さんですが、十中八九今回の事は本当だと思います。茜音さんだって、喜んで海外に行ったわけでは無いでしょうし」

 

 

 

 

『最後の《姉として》のいじわるだよ碧君……最後の、いじわる』

 

ふと、最後の言葉を思い出す。本当に、その笑顔の裏には悲しみがあったのだろうか。

 

確証がない今は、《信じておく》しかないのか。

 

 

 

「もういいや……唯一の姉のことだ。ひょっこり出てくんだろ。味方として」

 

 

「そうですねぇ。ヌルフフフ」

 

 

 

「それより急いでくれ。そろそろ茅野が指定した場所に着かないとヤバいぞ」

 

 

「それはご安心を。1分で着きますから」

 

 

 

バヒュン!という音と共に、神栄を乗せた殺せんせーは上空へと飛ばす。

 

……本当に1分後、すすき野原前に着くと、みんなが集まっていた。どうやら10分前からいたらしい。

 

 

「殺せんせー。今みんながいるからこそ、言いたいことがあるんだ」

 

磯貝が1人だけ前に立ち、皆を見ながら殺せんせーに言い放つ。

 

覚悟を決めたように、目をカッと開き……。

 

 

「もし、全てが終わったら、殺せんせーの全てを話してください。俺らは《そこ》まで来てしまったんだ……」

 

 

「……言い逃れしても無駄な様だな……。わかりました。全て、つまり茅野さんとの闘いが終わった時、私の過去のことを話します」

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「……ん?時間通り来た様だね?それじゃ始めよっか!」

 

 

茅野はこの時期とは思えない薄着で、触手をだらりと見せつけ、笑顔になっていた。先日狂気の顔で殺せんせーを襲っていたとは思えないほどに。

 

 

茅野は薄着だが、異常なまで汗をかいている。イトナ曰く、触手を植え付けられた人に見える特殊な現象らしい。

 

 

「……茅野。その汗の量は触手を植え付けられた人特有の現象と聞いた。その末路は………死」

 

 

「うるさいよ神栄君。ベラベラ………うるさいよ!!!!」

 

 

茅野が触手を使い飛び跳ねると、空中で触手を器用に使い、円を描いた。

 

その瞬間、円を描いたところから次々と発火し始めた。

 

 

「炎のリング?これは殺せんせーの苦手な環境変化か!!

 

……それになんだよあれ……炎の触手だと!?」

 

 

茅野は狂った笑顔で炎の触手を見せつける。時々ブンブンと動かし、挑発をする。

 

 

「どんな欠点も弱点も磨き上げれば武器になる。つまり、体が熱いなら触手も熱くすればいい!」

 

「バカ野郎!そんなことしたらお前の体が……!?」

 

 

「やる、と決めたら私は一直線なの。どんな形でも、私はやるの!!!」

 

 

「うるせぇ!だったら俺はそれをやらせないぞ!どんな形だろうと、お前の暗殺を阻止してやる!」

 

 

 

 

神栄はゆっくりと足を動かす。全ては茅野の命のため、神栄は、炎のリングの中へと入る。

 

 

「……死にたいの?」

 

 

「お前こそ、死にたいのかよ」

 

「いいわよ、殺せんせーの前に出ようものなら、神栄君も一緒に殺ってあげるわ!!」

 

「だったら俺は、お前を生かしてやる。また一緒に楽しい暗殺生活を送らせてやるよ!」

 

 

神栄はポケットから対殺せんせー用ナイフを取り出し、構える。

 

一方茅野は触手を先ほどとは全く違う速さで振り回す。

 

 

「……覚悟は、いい!?」

 

「こっちの……セリフだ!!!」

 

 

2人の戦い……もとい死闘が始まった。




空白の2ヶ月。主にぼーっとしてました。
(なお、大量のアニメと音楽を聴いたり見てたりした模様)

多少は書いてましたが、全部ボツ。そして新しい小説に手を出すという所業に出る誰ビジブルとかいうやつがいるんですよ。本当頭おかしいですよね。

てな訳で一番納得したのがコレだったので、早速投稿です。


PS.新しい小説書きました。良ければ見てください。
あと、次回以降に結構重大(と思われる)お知らせしますね。

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