神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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編集で本文を全部削除した後にコピーした新しい話をペーストすると削除したやつと全く同じ文が出てくる怪奇現象にあったので1話を消してまた新しい1話を出します。

こんな感じであと140話くらい書き直します。最近のやつは書き直すつもりはないです。



本編
第1話 前日の時間 ☆


 

最悪だ。この上無く最悪だ。

 

 

神栄 碧(かみさか あお)は諸事情により椚ヶ丘中学校3年B組に転入予定だったのだが、3年E組に転入する事になってしまった。

 

本来、3年『E組』には来るはずではなかったのに……。

 

 

 

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急遽2週間後に転校すると、祖母から聞いた俺は、現実を受け入れたくなかった。

 

今まで楽しく学校生活を共にしてきた仲間と別れるのは、とてもつらいことである。

みんなと遊んだこと、みんなと怒られたこと、今になってたくさん思い出してしまう。

転校が決まってから2日後くらいだっただろうか。いつも話している友人から声をかけられた。

 

「神栄ー!転校するんだって?寂しいけど、仕方ないよなー!」

何故か友達の声は軽かった。

普通だったら、少し悲しい感じで話しかけるのに……まるで《本当の友達》ではないかのような声だった。

 

「あ、あぁ、そうだな。仕方ない……事だよな」

そのあと、友人は今まで聞いたことのないような低い声でボソッと呟いた。

「いいよな………頭いい奴は有名中学校で楽しく学校生活。どーせ俺らみたいな奴といるのが嫌だったんだろ?蔑んだ目で見てたんだろ?なぁ!!」

 

「……は?」

 

こいつらは、一体何を言っているんだ……?

 

今日までそんなことを思ったことなんか一度もない。普通の友達として、分け隔て無く接してきた。

勝手な被害妄想を言われたのかと思い、つい神栄は怒鳴り散らしてしまった。

 

「何言ってんだよ!そんなこと思ってるわけ……って、え………?」

 

クラスの人の目が……狂っている。

『本当はそんなこと思ってるわけないくせに』

そう言ってるかのようにクラスの人は狂った目で神栄を見つめている。

 

 

しばらくして、一人の男子生徒が口を開いた。

「なぁ、神栄。このクラス、いや、この学校にお前も味方はいないってこと、知ってたか?」

「な……にを言ってるんだ?」

 

 

「金持ち、天才、イケメン。そんなお前が俺らみたいな奴らと普通に学校生活を送ってて、イライラしないほうがおかしいっつーの。まさか気づかなかったのか?」

 

 

今までの時間は、全て演技だったのだろうか。

楽しいと思ってた時間は、全部ウソだったのか?

 

いや、そんなはずはない。絶対……絶対にありえない。

ウソだと、言ってほしい。

今まで一緒にいた人間が、どんどんと自分から遠ざかっていくのを感じた。

味方なんか誰もいない。

 

 

 

「……どうだ。見方がいなくなった気持ちは?」

「…………してやる」

「は?」

「跡形も無く、壊してやるよ……!」

 

 

神栄からは笑顔が消え、殺意に満ちた笑みだけが残った。

 

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 

 

その日から、暴力の日々が続いた。

 

昔から格闘技をやっていたので、皆簡単に倒れる。

当然、やられた子の親は黙って見過ごすことなどなく、退学にしろだの補導をしろだの言われた事もあった。

だが、神栄はそんなのは気にしてなかった。

 

「俺に刃向かう言う奴は、どんな人間だろうとぶっ殺す」

それが常套句だった。

 

 

しばらく経つと、『○町の怪物』と言われ、不良生徒として名を残した。

そして月日は流れ、転校する日になる。

 

その日もいつも通りで、お別れ会などと言ったものがあるわけでもなく、先生からも、「元気でやるんだよ」とかの一言すら貰えなかった。

 

むしろ、「二度と帰ってくるな」と言われ、さらに生活指導もされるという、踏んだり蹴ったりな日だった。

 

面倒な学校が終わり、引越しのための準備で早歩きで家に帰ろうとしていると、黒い高級外車が、神栄の目の前に止まった。

車の窓から誰かが見えた。そして、こちらにやってくる。

「君が、神栄 碧君だね?」

 

 

 

知らない人からの問いかけに、神栄は少し固まってしまった。

「………ええ。そうですけど、変な宗教とかの勧誘だったらお断りですよ」

 

「いや、違うよ。私は椚ヶ丘中学校の理事長、浅野 學峯(あさの がくほう)だ」

今度行く学校の名が出てきて、やっとその人が何の為に来たのかわかった気がした。

 

「君はこの学校に来るにあたって、一つやってもらいたいことがある」

「やってもらいたいこと………?」

「その前に、今まで君が起こしたことは前々から耳にしている。君はあの出来事以降友達というものを全く信用してないね?」

どうやって事情を知ったのかわからないが、全くその通りだった。

 

「………はい」

 

 

 

「だから色々壊そうとしたのかい?人間関係や、自分の過去を」

「あながち間違ってはいないですね」

 

すると、理事長は突然拍手を神栄に送った。一体何に拍手しているかはわからなかったが。

 

「…………?」

「おめでとう、君のクラスは3年E組だ」

「E……組?」

 

 

転校するにあたって、3年E組の噂は聞いていた。

3年E組は通称、『エンドのE組』と言われ、他クラスから差別されているということ。

本校舎とはとんでもない位離れており、山奥に校舎がということ。

学食もない、便所も汚い、おまけに落ちこぼればかりだということ。

そして、E組から抜け出すには、テストで素晴らしい成績を取り、なおかつ教師が復帰を認めないと本校舎に戻れないこと。全て把握している。

 

 

「……なんで俺はE組なんですか?」

「君の大好きなことで、やってもらいたい事があるそうだ。明日になれば……きっとわかるさ」

 

「それが最初に言ってた事なんですか?」

「そうさ。物分かりが良くて助かるよ。私はそれを伝えに来ただけだから、これで失礼するよ。あ、あとこれ、E組までの道のりを書いた地図だ」

 

そう言って、紙を神栄に渡し、車を走らせてしまった。

あの人の言葉は、何か企んでいるように思えた。

あの人は一体、何をさせたいのか……?

 

「はぁ……俺みたいなやつに何をしてもらいたいんだよ……」

 

 

 

 

 

 

1時間後、私立椚ヶ丘中学校、本校舎理事長室にて………。

 

「これでいいんですね?烏間先生」

 

そう言って、理事長は椅子に腰掛けた。

「ありがとうございます。彼には暗殺のことは言ったんですか?」

「言ってませんよ、ただ、『やってほしいことがある』と言っただけです、あとは烏間先生が全ての事を伝えてください」

「……………はい」

 

烏間先生という人は、理事長室から出ると1人で考えていた。

「彼は、このE組でどのような力を発揮してくれるのだろうか………」

 

 

 

 

神栄が理事長の言葉を全てを知るまで、あと11時間……。

 

 





ゆっくり書き直しつつ新しい話も頑張ります。

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