神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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なんだかんだで120話か………早いですね。





第120話 死神の時間、5時間目

 

「なんだと!?」

 

 

 

死神は驚いているが、少し笑顔だ。

 

 

 

「まぁいい……何人か殺せば嫌が何でも出てくるだろう」

 

 

死神はE組の人たちの首につけておいた爆破装置を爆破しようとした。

 

 

 

 

しかし、

 

 

 

 

爆破装置だけが牢屋の中に残って、生徒は誰一人もいない。

 

 

「アレだけ外して逃げたのか!?人質とあのタコがいなければ水を流す意味がない!もう一度振り出しに戻してやる!」

 

 

 

 

 

============================

 

 

「爆破したってことは、この状態を見ていたってこと。多分動揺してる死神は烏間先生の所まで戻るはず、結果がわかるまではこのまま我慢だ」

 

 

 

「……マジか、きっついなこれ」

 

 

「それにしてもよく考えたもんだな、保護色になって壁と同化って……普通思いつかねーよ」

 

 

 

 

「はぁ……ラジコン盗撮の主犯共が大活躍なんて……いいのか悪いのか……」

 

 

 

物は使いようだってことか……うちの男子はクソみたいなことにしか得意なことを使わねーからな…。

 

 

 

 

どうしてこうなったかというと、ビッチ先生の投げた爆破装置をイトナが見て、乱暴に破壊しても問題なかったから、とりあえず全部壊して、手錠も壊して、カメラの性質を利用し菅谷がなんとかしてくれた、という訳です。

 

 

「問題は…死神が烏間先生のところまで行くかだよな……」

 

 

 

 

 

 

場面は変わり、烏間先生とビッチ先生がいる所に移る。

 

 

 

 

烏間先生はワイシャツを引き裂き、がれきの一部を使ってビッチ先生の腕を固定した。

 

 

 

「左腕は骨折の可能性があるな。他に痛む所はあるか?」

 

 

「うぐっ……!」

 

 

 

ビッチ先生は鼻血を出す。

 

 

 

「おい!大丈夫か?」

 

 

 

「いや……あんたが良い体過ぎて興奮した」

 

 

 

「脳に異常かと思ったがお前の場合それが正常だな」

 

 

 

確かに烏間先生の体はとんでもなくすごい。

 

 

「お前に嵌められてもなお、生徒たちはお前身を案じていた、それを聞いてプロの枠にこだわっていた俺の方が小さく思えた。思いやりが欠けていた……すまない」

 

 

 

烏間先生がビッチ先生に謝っていると、何か殺気を感じた。

 

 

「戻ってきたか……。イリーナ、お前が育った世界とは違うかもしれない。だが、俺と生徒がいる世界にはお前が必要だ」

 

烏間先生は歩き出す。

 

 

 

 

 

そして、がれきで埋もれた所から、爆発音がした。

 

 

 

そこには死神がいる。

 

 

「イリーナ……烏間は?」

 

 

 

「……別の道を探しに行ったわ、ひどいじゃない、私ごと爆破するなんて」

 

 

「いやぁ、ごめんよ。ああでもしないと目的が達成できなくてね。文句があるなら今度は確実に殺してやれるけど?」

 

 

 

 

ビッチ先生はため息を吐き、死神に左腕を見せつける。

 

 

 

「別にいいわよ。私もね、すぐオトコを乗り換えるビッチだから」

 

 

 

 

 

「……え?」

 

 

その瞬間、死神の後ろに誰かがやってきて、身動きが取れなくなった

 

誰かというか、烏間先生だが。

 

 

 

 

「自分のスキルを過信せずに、もっと信頼できる仲間を作るべきだったな。この場所じゃどんなことされるかわからない。スッキリした場所に行こうか」

 

 

 

烏間先生は死神と一緒に下にある大きな穴へと飛び降りた。

 

 

 

「思ったんだが……お前そんなに大した殺し屋か?」

 

 

 

 

烏間先生は着地する寸前で死神を捨て、受け身を取る。

 

 

 

 

捨てられた死神も受け身を取った。

 

 

 

「受け身のスキルはさすがだな。だがツメも脇も甘すぎる、ブランクでもあったのか……?」

 

 

 

 

ベシャッ!

 

 

 

 

 

烏間先生の前で何かが浮いている。

 

 

 

「お前の顔……?」

 

 

 

 

 

 

「黙って聞いてりゃ言ってくれるね」

 

 

 

「なんだ?その顔は!」

 

 

 

まるで骸骨のような顔になっていた死神。

 

 

「顔の皮は剥いで捨てたよ。それがコレさ、お前を殺して顔の皮でも貰うつもりさ!!!」

 

 

 

 

 

「いくら何でもお前は生徒の教育に悪すぎる、ここから退出願う」

 

 

============================

 

 

「うわっ!烏間先生、死神と殺りあってんぞ!」

 

 

 

「本当だ!すげぇ戦いじゃん!」

 

 

「でもよ、ハイレベルな戦いに見えるけど、お互いに決定打がない。どっちにも有効な攻撃がなければ、いつまでも終わらないぞ」

 

 

 

神栄がメガネをかけながら言うと、死神が攻撃を避けながら何かを語り出しているのが見えた。

 

 

 

「真実を言うよ烏間先生、僕は実は大金持ちの何不自由ない家庭で育った。悲惨な境遇で育った、というのは嘘さ」

 

 

 

「……?」

 

 

 

「でもね、僕の親は殺し屋に殺された。いろいろ恨まれる仕事をしていたからね、家でも横暴だったし死んでも大して悲しくはなかった。その代わり、僕は目の前で親を殺した殺し屋をみて、こう思った。『なんて美しいスキルなんだろう』…てね」

 

 

「………」

 

 

 

 

「目の前で見る野球選手の華麗なキャッチはそれだけで少年の進路を変えてしまうインパクトがある。僕の場合それが暗殺だった。こうして殺し屋になった僕が極めたスキルの極致を見せてあげよう」

 

 

 

 

死神は服の中をゴソゴソと漁り、一本の薔薇を持つ。

 

 

そして、投げる。

 

(これが僕のスキル、見えない鎌さ!)

 

 

 

 

一瞬烏間先生は薔薇を見てしまう。

 

 

 

死神はゆっくりと腕を下ろす。

 

 

 

プシュッ!という音と共に、烏間先生の胸から血が出てきた。

 

 

 

(フフ……わずか10口径、極小サイズの仕込み銃から放たれる弾丸は避けられないだろう)

 

 

 

「これが僕のスキルさ、どうだい?烏間先生」

 

 

 

 

烏間先生はその場で膝をつき、何も言わない。

 

 

 

血が吹き出ている。

 

 

 

 

死神は烏間先生の前に立つと、違和感を感じる。

 

 

 

 

「……?」

 

 

確かに血が出ている。

 

 

 

でも、烏間の後ろに何か伸びているものがある。

 

 

「まさか……タコの触手だと!?」

 

 

 

 

牢屋の方では、殺せんせーはトマトジュースを飲んでいる。

 

 

 

「……あー、うん。何してんだよ殺せんせー」

 

 

 

 

 

「それよりも……烏間先生ですよ」

 

 

 

 

死神は動揺して動けない。

 

 

 

そこに烏間先生が一発、下突きを決めた。

 

 

 

決めた場所が股間なので死神はめちゃくちゃ痛がっている。

 

 

 

「うぐおおおおおおお!?」

 

 

「やっと決定的なスキを見せたな。死神でも急所が同じでホッとした」

 

 

 

 

(まさか……血管の位置に触手を貼りそれで弾丸を受け止めてジュースで出血に見せかけたってことか!?一体どうなってるんだ!)

 

 

 

「それと…覚悟はいいな死神。俺の大事な生徒と同僚に手を出したんだ」

 

 

 

 

「ま、待て!僕以外に誰が奴を殺れると思ってるんだ!」

 

 

 

「スキルならE組に全て揃っている」

 

 

 

 

烏間先生は思い切り死神を殴り、死神は気絶した。

 

 

 

「殺し屋なんて辞めたらどうだ、職安に行けば役立つスキルはたくさんあるぞ」

 

 

 




夏休み早いなー、そろそろ学校かー、9月になったら文化祭かー、いやだなー。


文化祭、invisibleが生きてきた中で最大のピンチかもしれません。

今もなんか話し合ってるそうで……怖いです。


僕は生きて帰ってきて暗殺教室の小説を書き続けるんだ!(完全にフラグ)

そんなわけで次回、(作者次第で)オリジナルストーリーです。どっかの誰かさんの言ってた『2つの事件』の2つ目が……?




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