インフィニタスポテンシア~無限の可能性~   作:北欧狐

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平和への分岐点

 

[・・・と、まぁこんなところだな。って

何でみんな揃って泣いてんだよ。]

 

輝が自身の過去を語り終わって秋斗たちを見ると全員が泣いていた。

 

「そりゃあ当然だろ。お前にそんな辛い過去があったなんて。むしろなんで輝は泣いてないんだよ。」

 

[言ったろ?俺は道徳関係を教わってなかったからその辺鈍いんだよ。それに過去に2回本気で泣いたからな。その2回でもう泣ききったんだと思う。]

 

「それで、【春人】って何よ。」

 

[【春人】は俺の元々の、【白銀の輝】や【白銀輝】を名乗る前の実の両親がつけてくれた名前だ。んで、ラウラが前に戦ったあの時のが【春人】。所謂、元々の人格で俺は改造の果てに生まれたもう1つの人格だよ。それが改造の果てか【春人】が作り出したのかはわからないけどな。ところでセシリア、なんで【春人(あの名前)】を知ってたんだ?]

 

「それは、クロさんに聞いたからですわ。」

 

そもそも【春人()】の名前を知ってるのはこの世界どころか元の世界にもいないはず。それなのにクロが知っていたことに輝は驚いた。

 

[どういうことだ!?クロ!!]

 

『それを説明する前に確認させてください。輝が【春人】の名前を捨て【白銀の輝】名乗りつづけ、それ以降【春人】の名前は使っていないのですね?』

 

[ああ、その通りだ。だからお前が知ってるのが不思議なんだ。]

 

『それなら私が知っていてもおかしくありません。だって・・・・・・。』

 

クロが言葉を区切ると突然光りだした。光が止むとクロだった者は違う姿をしていた。ほとんどクロと変わらないがクロよりどこか幼さを感じるような感じだ。その姿がこの場のみんなは誰かわからないだろうが俺にはわかる。なんせ

 

「私が【春人】の名前を覚えてる最後の人だもん。」

 

なんせ、産まれて初めて好きになった人だからだ。

 

推奨BGM

『伊藤由奈』さんの『trust you』

 

[そんな・・・・・・、【クロナ】・・・・・・。でも・・・・・・どうして?・・・・・・]

 

俺は目の前にクロナがいることに頭が追いついていなかった。

 

「死んだあと私はずっと君の守護霊として側にいたの。君に幸せになって欲しかったから。そしてこっちに来るとき女神様が言ってくれたの。『彼は散々苦しみ続け辛い思いをしてきました。そんな彼に幸せになって欲しいのと私たちの願いを聞いてくれた彼へのせめてものお礼です。』ってね。そして私は君の専用機【クロ】として蘇ったの。」

 

[あ・・・・・・、あ・・・・・・]

 

そして俺はゆっくりとクロナに近づきクロナの肩や腕、顔や髪を触った。確かに触れる・・・。つまり目の前にクロナがいる・・・!

 

そして俺は膝から崩れ落ちた。それをクロナはしゃがんで抱き締めるように支えてくれた。

 

「あの時のことでずっと苦しんでいたんだね。ごめんね。私のお願いであなたをここまで苦しめていた。それとありがとう、私をずっと覚えてくれていて。あの時の伝えられなかったの今言うね?【助けてくれてありがとう。私のヒーロー】」

 

[ああああああああああああああ!!!」

 

 

そして、輝は人生で3度目である本気泣きをした。輝は気づいていなかったがその時彼の白い髪は黒と白のメッシュが同じ比率で合わさったそんな髪になった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

それからしばらくした後、世界中の軍やISが向かって来てることがハイパーセンサーでわかるようになった頃突然通信が入った。

 

『現在IS学園空域及びその周辺に近づいている人たち全員にデータを転送します。

私は篠ノ之束です。』

 

ウインドウには束が映っていた。

 

『つい先程全世界の軍事施設のミサイルが何者かにハッキングされ発射されました。そのミサイルたちはIS学園方面に向かっておりそのデータに表示されている範囲にミサイルが落ちます。その範囲はIS学園や商業施設、他にも人口密集区域があり放っておくと沢山の犠牲者が出ます。世界をこんなに歪めた私が言えることではないと思います。それでも言わせてください。

 

 

 

お願い!みんなを守って!』

 

その言葉を聞くと同時に輝たち白夜の黒十字のが動いて遠距離武器を展開して迎撃に向かった。その後秋斗たちも動いた。秋斗たちが動いた少し後にミサイルが飛んできた。全員で撃って向かってくるものを全て撃ち落としていた。だがあまりの量に苦戦し撃ち漏らしたと思ったらどこからかの銃撃により破壊された。その方向を見ると戦闘機が複数飛んでいた。

 

「あれは自衛隊!?他にも中国やイタリアの軍まで!?」

 

鈴が言ったように自衛隊や各国の軍が駆けつけて迎撃に加わってくれた。いつの間にかIS学園の生徒や各国の代表候補生、代表操縦者まで駆けつけていた。さらに

 

「隊長!!我々も参戦します!!」

 

「クラリッサ!お前たち!」

 

ラウラの所属部隊『黒兎隊』やドイツ軍も参加していた。

 

(これだけいればなんとか地上への被害はゼロで済むだろう。)

 

秋斗がそう考えているとクロエから通信が入った。

 

『今そちらに複数のISが接近しています。この反応は【女性権利団体】です!』

 

「輝さん!!」

 

[安心しろ。そっちも俺の計画通りに行ってれば大丈夫だ。]

 

輝のその言葉の通り女性権利団体は輝や秋斗、戦闘機には目もくれずミサイルの迎撃に加わった。女性権利団体が加わることによりそこにはある1つの奇跡が起きていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ラビット社司令室

 

「束様・・・。私が見ているのは夢でしょうか。それとも幻ですか?」

 

「私もそう思えてしょうがないけど現実だよ。本当に嬉しいことにね。くーちゃんに前言ったよね。『人間は何か1つの目的があれば簡単に1つになれる』って。この光景を見てどう思う?」

 

クロエと束が見ているモニターにはミサイルを迎撃している光景が映っていた。2人の男性操縦者、IS学園の生徒各国の代表候補生、代表操縦者、各国の軍、そして女性権利団体、その全てがミサイルの迎撃をしていた。

 

「『市民の命がかかっている。』こんな状況で初めて1つになるとは・・・。皮肉なものですが悪くはありませんね。」

 

そこに言葉はない。会話もない。合図もなければコミュニケーションは何もない。真の意味で『1つになった』と言うには程遠いだろう。それでも『市民を守るためにミサイルを1発残らず撃ち落とす。』その意思の元に確かに世界は1つになっていた。

 

 

それがずっと続き結果として街に落ちたミサイルは1発もなかった。故に市民の犠牲者は0だった。

 

 

 

この事件は後に『世界が本当に1つとなり平和な世界になるきっかけ又は第1歩』として『平和への分岐点(ターニングポイント)』と呼ばれ歴史の教科書に載ることになるのだがそれはしばらく後の話。

 

 





いかがでしたか?だいぶ駄文感が出てしまったと思いますが文才のない私が頑張って書いた結果なので多目に見ていただけたら幸いです。そもそも待っている方が見るかも怪しいですが。

ちなみにミサイル迎撃のシーンは『ガンダムOO』のピラー装甲迎撃シーンをモデルにしました。アレはリアタイで見てて泣きました。

次回、遂にエピローグ!?

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