インフィニタスポテンシア~無限の可能性~   作:北欧狐

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墜ちる白と白銀、動く愚者

 

『もうすぐ福音と接触する。各員戦闘に備えろ。』

 

千冬からの通信が入り俺たちは福音まで数百Mのところまで来ていた。

 

[ということだ。鈴たんとセッシーは俺たちが福音と戦闘を始めたら援護開始。それじゃ、いくぞ!!]

 

そして俺は福音の周りを高速で移動しつつ攻撃し、秋斗は両手に刀を展開して手数で対応していた。鈴の衝撃砲とセシリアのブルーティアーズによる援護で福音は満足に攻撃が出来ず時々出すエネルギー弾を俺は余裕で回避し秋斗は刀で斬って無効化し鈴とセシリアは大分距離があるため難なく回避できた。こちらの攻撃は7〜8割がた通り福音の攻撃は殆どこちらに通っていない。これなら問題なく鎮圧できるだろう。そう思っていた。だが、いつ如何なる時でも不測の事態とは必ず起きるモノだ。

 

『前衛及び中衛に通達!そちらにISが1機向かった。この反応は・・・。【紅椿】だ!!』

 

 

[何しにきた篠ノ之!!お前は作戦不参加で待機のはずだろ!!]

 

「黙れ!!貴様があまりに不甲斐ないから来てやったのだ!!さぁ!!秋斗!!私と秋斗でアレを倒すぞ!!」

 

「黙るのはお前だ箒!!作戦室で言われたようにお前は専用機を貰ったばかりで戦力にならない!!はっきり言って専用機持ちの中で1番弱い!そんな奴が居ても邪魔なだけだ!!」

 

「ふざけるな!!私が弱いわけないだろ!!」

 

篠ノ之が言ってるが気づいてないのか?さっきの言い争いの間お前は動きを止めていたが俺たちはずっと福音と戦ってたんだぞ?

 

『輝さん、秋斗さん。戦闘海域内に船が一隻おりますわ!!』

 

船だと!?確かこの辺の海域は封鎖してるはず・・・。クソッ!密漁船か!!

 

「もういい!帰らないならせめて船を安全なところまで誘導しろ!!」

 

「誘導だと!?なぜ私がそんなことをしないといけない!!あれは密漁船だろ!なら放っておけ!!」

 

「邪魔だから誘導するついでに下がってろって言って・・・!?」

 

秋斗は続きが言えなかった。なぜなら

 

『師匠!!そっちにISが1機飛んでいった!!この反応は・・・。』

 

ああ、わかってる。目の前で事が起きているからな。

 

[何のまねだ!『織斑一夏』!!]

 

秋斗の腹を背中から雪片二型で貫いている織斑一夏の姿があった。

 

「邪魔だから殺しただけだ。」

 

雪片を抜きながら返して来た。刺された秋斗はそのまま海に落ちていき駆けつけた鈴が受け止めた。鈴に遅れてシャルロットやセシリア、シャルロット、ラウラ、作戦室にいたマドカと簪も到着した。

 

そして、織斑は福音に近づいていき

 

「そうだよ。こんな使いづらい機体じゃなくって最初からこうすれば良かったんだ。」

 

そう言って福音に手を伸ばし触れた瞬間織斑と福音が光りだしその光が消えた時、そこには福音を纏った織斑の姿があった。

 

「思い通りにならないなら全部力と恐怖で支配すれば良かったんだ!!そして」

 

そう言い終えると織斑はハイパーセンサーでギリギリ追えるかの速度でセシリアの前に移動して右手を振りかぶってクローで貫こうとしていた。

 

[セシリアーーーーーーーーーー!!!」

 

 

俺は今まででそして黒羽の最大速度でセシリアの元に飛び出した。

 

輝side end

 

 

セシリアside

 

貫かれると思って目を閉じましたが一向に貫かれる痛みが来ません。恐る恐る目を開けると

 

 

[がはっ!]

 

クローで胸の真ん中を貫かれている輝さんの姿がありました。

 

「そんな・・・。輝さん?どうして・・・?」

 

[危ないと思ったからな・・・。それにいつの間にかお前といるのが好きになってたんだ・・・。だからだよ・・・。]

 

そんな・・・、輝さんが・・・嘘・・・。

 

そして輝さんは気を失った。

 

セシリアside end

 

 

輝side

 

『誰か聞こえる?』

 

突然聞いたことのない声が聞こえて来た。

 

(誰だ?)

 

『僕は【銀の福音】のコア人格。こんなことになったことを謝りたくてきたんだ。』

 

(何があった?)

 

『よく覚えてないけど誰かに変なプログラムを入れられたのは覚えてる。』

 

つまり、第3者のせいか。

 

(てことは、お前のせいではないんだろう?なら気にすんな)

 

『うん、ありがとう。それと1つお願いがあるんだ。今彼が纏ってる僕の中にまだナターシャ・・・僕の搭乗者がいるんだ。この後、少しだけ彼の動きを封じる。だから、その間に彼女を連れて逃げてほしい。』

 

 

(まかせろ。)

 

俺が意識を取り戻すと福音が光り1人の女性が出て来た。その人は簪が保護した。

 

[全員聞け!!簪はそのまま福音の搭乗員の保護、旅館に送り届けろ!ラウラはワイヤーブレードでそこの馬鹿を拘束してそのまま連れてけ!最悪骨へし折って意識ぶっ飛ばしてもいい!マドカは今にも織斑に殴りかかろうとしている鈴を連れてけ!シャルロットはセシリアを頼むぞ!行け!!]

 

そう言うと織斑は俺を貫らぬいていた腕を抜いた。その際、傷口から出た俺の血がセシリアの髪にかかってしまった。せっかくの綺麗な金髪を汚しちまったなぁ。

 

そして俺は海に落ちていった。

 

「輝さん!?嘘!?輝さん!!

 

いやーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀の福音迎撃作戦

 

専用機持ちの活躍で福音を追い詰めるも篠ノ之箒の命令違反、織斑一夏の暴走により織斑秋斗は負傷。篠ノ之束の協力により一命を取り留めるも意識戻らず。白銀輝も負傷、海へと落ち消息及び生存不明という最悪の結果となった。

 

 

 

 

 

 


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