知らないドラクエ世界で、特技で頑張る   作:鯱出荷
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色々アップデートした影響か、Wordやメモ帳が一瞬非アクティブ化する現象が多発して文字入力がまともにできず、ストレスがマッハで心が折れかけています。

今週知り合いに見てもらう予定ですが、それまではこの状態で頑張ります。

【2015/10/17 追記】
直りました(*´∀`*)

原因はいまいちわかりませんでしたが、知り合いが1時間ぐらいでやってくれました。


【第24話】先生!レイザーの立ち位置、そこじゃないです

----レオナSide----


ダイ君達が死の大地に乗り込んでから間もなく。

一度超竜軍団に滅ぼされたカール王国の女王フローラ様に導かれ、私達はカールのアジトに身を潜めていた。

そして衰弱したポップ君とマァムを担いだクーラによって大魔王に敗れた経緯を聞かされ、丸二日今後のことをどうすべきか話し合っていると、突然見張りをしていた兵士が駆け込んでくる。

「た、大変でございます!突然砦の側に魔族が現れ、妙な術でポップ様と複数の門番が身動きを奪われております!!」

「…まさかと思うけど、変な踊りをする魔族ではないでしょうね?」

私の返事を待つ前に、ずっとレイザーの命令を聞いて待ち続けていたクーラと、新しく合流したエルフ族のナーミラが駆け出していった。

あの二人ならレイザー以外の魔族だった場合でも返り討ちにしそうなので行きたくないのだが、必死に急かす兵士がいるため、渋々様子を見に行く。

だが門の前まで来てみると、クーラ達は騒ぎの中心を遠くから眺め、私に忠告してくれる。

「レオナ姫。巻き込まれますので、近づかないほうが良いですよ」

その騒ぎの中心を見るといつも通り踊るレイザー以外に、アストロンを唱えられたのか、全身鉄の塊となっているポップ君。
そして『メダパニダンス』を使われたらしい見張り役の皆が、像となって絶叫するポップ君に抱き付いていた。

「チロル。ほら、また抱っこしてやろう。…それにしてもしばらく見ないうちに、随分固くなったんだな。念入りにブラッシングしてやるからな」

「あぁ…、ソアラ。再びこうして会えるとは…」

「ポップ殿…!俺、ずっとあんたのことが…!!」

「レイザー!問答無用で殴り掛かった俺が悪かった!だからこのアストロンを解除してくれ!…それと素でやばい奴が一人いるんだが!?」

「このドラクエ世界のアストロンは、呪文を使われた相手も喋れるんだな。…まぁ、一回落ち着け。まずはあと数秒で俺が唱えたアストロンが解除されるから、それを確認してメダパニを止めるからな」

「逆!解除する順番が逆だから!!…それとメルルも、目をキラキラさせてないで助けてくれぇ!!」

ここ最近の大魔王による無差別攻撃などのストレスで限界な私は、クーラにバイキルトとピオリムを自身にかけさせて、レイザーに近寄る。
そして全力でレイザーの腹部を殴りつけた。


----レイザーSide----

レオナ姫による踊り封じ(物理)をされた俺は、この二日間ハドラー達に会っていたことはにごして正座で事情を説明していた。

「…というわけで、用事が終わったんでリリルーラで合流しようとしたら、急にポップが殴り掛かってきて、それにつられた周りの人間も襲って来たから仕方なく『メダパニダンス』とマヌーサで自己防衛をしただけで…」

「あなたの『仕方なく』は意味がわからないわよ。…それとポップ君。レイザーを殴りたい気持ちはわかるけど、事情を知らない人の前でそうするのは良くないわ」

「いや。こいつが大魔王相手に変に頑張ったせいで、初めから本気の大魔王と戦う羽目になったことを思い出して、つい…」

「ただ俺が作ったアイテムで、相手の装備を外すトラップをしただけだろうが」

ポップの一言に俺からも当時の状況を補足するが、周囲からの警戒心が上がった気がする。

何だかオンラインゲームでパルプンテなどギャンブル系の技で、ボス戦を台無しにしたときの空気に似ている。

あと地味に膝へのダメージが蓄積されていくので、さっきから正座している俺にのしかかるように背中から抱き付いているクーラを、どかしてもらえないだろうか?

「レイザーさん。クーラちゃんはずっとあなたを待って、また寂しがっていたんですよ。反省して、少しは我慢してください」

マリンの言う通り、人前にも関わらずクーラはこれまで以上にくっついてくる。
会うのは久しぶりだし、甘えさせようかと思い始めたが、クーラがぶつぶつ何か言い出す。

「くんくん。…多少変な匂いがしますが、他の女の匂いはしませんね。以前嗅いだことがある気がしますが、女でなければ何でもいいでしょう」

改めてマリンを見つめると先ほどまでとは打って変わって、申し訳なさそうな表情を浮かべている。

だがクーラのこともあってか俺への説教を諦めた様子のレオナ姫が、メダパニが解けた時からずっと地面にひざまずくように落ち込んでいる見張り役に声をかける。

「あの…元気だしてください。このレイザーは色々規格外ですし、今バランさんは弱っているんですから、メダパニにかかってしまったことを気にしなくても…」

「心遣い、感謝する。…だが容易くメダパニにかかったこともあるが、命の恩人に斬りかかってしまったことに私は落ち込んでいるのだ」

以前会った時と服装が大きく違っていたのでまさかと思っていたが、先ほどまでポップに抱き付いていたメンバーの一人は竜騎将バランだったようだ。

「意識あるときに会うのは、鬼岩城以来だな。俺のザオリーマは成功したようだけど、調子悪いのか?」

レオナ姫の言葉からバランにインパスを使ってステータスを見るが、その能力は元竜騎将とはとても思えない、周囲の兵士と大差ない能力だった。

「恐らく竜の騎士である私に、無理に蘇生呪文を使用した反動だろう。命だけは助かったが、魔力はもちろん竜の騎士としての力も全て失ってしまい、今の私は人並みの人間でしかない」

もしかして今までの俺の蘇生呪文が成功しなかったのは、復活させた相手にダメージと能力低下を与えるからではないだろうか?

しかも割合とかではなく固定ダメージを与えているようなので、それに耐えきれない者は蘇生すらされないのだろう。

「…悪い。もしかしたら、俺が未熟な呪文を使ったことが原因だったかもしれない」

俺がバランに頭を下げようとすると、ダイがそれを止めてくる。

「謝らないで、レイザー。あの場で蘇生呪文を使えるのはレイザーしかいなかったし、もし呪文を使ってくれなかったら、父さんと二度と話すことは出来なかったんだから」

そう言いながら、ダイはバランの手を握り締める。
二人が揃ったところを見るのは初めてだが、どうやら親子仲は順調なようだ。

「レイザー様。ひとまず、中にお入りください。他の方にレイザー様を紹介しなければならないですし、今の状況を説明します」

どうやら抱き付くことに満足したらしいクーラが、ようやくのしかかるのを止めてくれた。


----マァムSide----

先ほどのひと騒動があった後、クーラとナーミラに引かれながら合流したレイザーと情報交換をする。

見た目だけは綺麗な精霊とエルフに囲まれるレイザーに視線が集まるが、二人がどういった人物か嫌というほど周囲に伝わっているため、嫉妬の視線はなかった。

「…そっちの状況はわかった。バランを受け入れてもらうために女王様とどういった会話をしたのか気になるが、時間もないし、後で直接聞くよ」

相変わらず頭だけはよく回るようで、簡単な説明でレイザーはこちらの状況を理解してくれる。

対するレイザーは、地上に残された魔王軍の拠点を調べ、役立つ物がないか探していたらしいが、バーンパレスによる無差別攻撃もあり、収穫は今一つだったとのことだ。

実際渡されたアイテムも、何に使うかわからない黄金の腕輪や、女性にケンカを売っているとしか思えない水着のような防具ばかりだった。

違う意味でレイザーを勇者として見るような視線が増えていく中、唯一異なる視線を向ける人物がいた。

「ふふふ…。噂通り、あなたは面白い人ですね」

まるで眩しい物を見るかのように、フローラ様はレイザーを見ている。

「レオナ姫やアバンの使徒から聞いていますが、あなたは普段からそうやって自分が道化となることで、私達を和ませてくれているのでしょう?」

ポップやレオナ姫は「何を言っているのですか?」と叫びたそうにフローラ様を見ているが、それでもフローラ様の話は止まらない。

「生み出した幾つもの優れた武術。誰も作ることを真似できない道具の数々。大魔王でさえも一瞬にして正気を失わす戦い方。そしてこれほどのことが出来るにも関わらず、横柄な態度を取ることなく皆に接し、精霊やエルフからも慕われている。…アバンもあなたのように、普段はその素顔を隠していました」

…どうしよう。
恐らくフローラ様は先生のような素敵な前例があったせいで、レイザーのことをかなり誤解している。

レイザーもそのことを察したのか、必死にフローラ様の言葉を否定していく。

「…なるほど。あなたは普段からそうやって、敵どころか味方さえも欺くようにしているのですね。でも、忘れないでください。私やあなたの恋人のように、あなたがしていることを本当にわかっている人もいるのです」

今まで見たことのないような表情で、レイザーはこちらに助けを求めている。
あのレイザーでも、純粋な好意で絶賛されるのは苦手らしい。

結局フローラ様による先生へののろけ話は、テランからの古文書の解説が終わったという学者が来るまで続いた。



他作者様の小説を探している時に気づいたのですが、この話が累計ランキングで一時100位以内に入っており、嬉しさとプレッシャーとかでちょっと涙ぐみました。

始めた当初はここまで来れるとは到底思っていなかったため、読んでくださっている方々のおかげとひとえに感謝です。