海田雪様へ。
突然のお手紙で困惑しているかと思います。
いつもながらに意味が分からないかとも思いますが、しかし、並大抵の覚悟でこの手紙を出したのではないということだけは理解してください。
私も、皆も。
思えば、貴方はいつもそうでしたね。
何をするにも誰かに振り回されて、貴方自身の口から何かを主導ですることなんて数えるほどもないのではないでしょうか。
それを不幸だとは簡単には言えませんが、それでも、きっとそれは悲しいことなんです。
だって、その関係は対等ではなく、その想いは一方通行なのですから。
少なくとも、私はそんな貴方を見ていて時々そういった感情に襲われる時があります。
でも、そんな時でも貴方は笑っていましたね。
ずっと辛いことがあって、ずっと消えない傷があって。
それでもそんなことを感じさせない程に笑っていた貴方を私は本当に凄いと思うのです。純粋に。
辛い時に泣くことは弱さではありません。
それは人にとって必要なもので、なくてはならないものだと思います。
でも貴方はその涙を見せようとはしませんでしたよね。
中学の時も、穂乃果が倒れた時も、その他にも私が知らないこともたくさん。
辛いことは誰よりもあったはずなのに、それでも結局笑って戻ってきましたよね。
誰かが泣いていた時、貴方は自分だって辛いはずなのにそれでも人のために行動できる人だと知っています。
それはとても強いことで、同時に私はそれが怖いのです。
いつか、限界が来てプッツリと糸が切れてしまうのではないかと。
心配症なのは自覚しています。余計なことだとも。
きっと私がいなくても、貴方はちゃんと生きていけるのでしょう。
だから、これは私の我儘です。
できればこれからも。
ずっと貴方の傍で心配させてください。
ずっと貴方の傍にいさせてください。
ずっと、貴方を支えていきたいし、支えられたい。
私の気持ちはそれだけです。
園田海未。
海田雪君へ。
好きです。
凛より。
「ん?」
八通もの想いを受け取って。
小さな文字で消え入りそうな文字で記された凛の手紙を読み終わった。
最後に残った封筒、宛名は「東條希」だった。
先程までと同じように丁寧に封を切って。
「・・・・・」
中身はピンク色の婚姻届けだった。多分これあれだ、ゼク〇ィの付録のヤツだ。
きっちりと半分は埋まっているし、なんだったら僕が書くはずの部分も既に記入済みである。
残るはハンコを押すだけで、婚姻が完成するというなんともまあアレなラブレターだった。
つかこれラブレターか?ラブレターでもないよね最早。
「ふぅ」
全部の想いを受け取って、少し疲れて目頭を揉む。
さて、僕もちゃんと、考えて。
そして、決断しなければ。
じゃなきゃ、この想いを受け取った者としての責任を果たせないのだから。
どうも!グリモア!高宮です。
秋アニメも順調に始まって、さて何を見ようかとウキウキしてます。
個人的には三月のライオンかな。血界戦線も楽しみです。
ということで次回もまたよろしくお願いいたします。