タカコア×1
サイコア×1
コブラコア×1
プテラコア×!
クジャクコア×1
トラコア×1
ゴリラコア×1
トリケラコア×2
カメコア×1
コンドルコア×1
バッタコア×1
ゾウコア×1
ティラノコア×1
ワニコア×1
サソリギジ×1
ジーサードとの戦いから2日が過ぎた。あの後、あんなに死ぬようなことを言ってたあいつはどうやら落下の途中で気が変わったらしく・・・落下の途中でダミー版のプトティラに変身して飛んで無事に着陸したらしい。その証拠に今朝郵便で届いたDVDの映像では部下の女どもとビーチにいるジーサードの映像があった。色々と負け惜しみみたいなことを言っていたが・・・あいつはかなめのことを『ジーフォース』ではなく、確かに『かなめ』と呼んでいた。兄さんといい、かなめといい・・・そしてジーサードといい、俺達兄弟は一筋縄じゃいかないやつらばっかりだな。そんなことを考えながらクスクシエで寛いでいると・・・注文したハンバーグを持ってきながら何かに気がついた千代子さんが話しかけてきた。
「あら?なんだか嬉しそうな顔をしてるじゃないキンジくん。何かいいことでもあったの?」
相変わらずこの人は表情だけで確信をついてくるな。時々思っていたが・・・何者なんだこの人?ウワサでは昔、どっかの高校で女番長だったって聞いたことがあるが・・・まさかな。
「別に何も・・・ただ兄弟に・・。今まで会えなかった家族に会えただけです」
「そう、アンクちゃんがここにこなくなっちゃってからあまり元気がなさそうな顔だったから安心したわ」
さすがに元気がないの・・・バレバレだったか。
「心配かけてすみません。・・・でももう大丈夫です」
俺はもうアンクを助けるために・・・あいつと・・・ショッカーアンクと戦う覚悟ならもう決めた。だからもう・・・諦めたりなんかするものか。そう考えつつもハンバーグを食べ終わると・・・何やら後藤が慌てた様子でクスクシエへと入ってきた。
「遠山!ここにいたのか!」
「ん?どうしたんだ後藤?」
何だか急いでいるように見えるが・・・何かあったのか?
「ドクター真木達の潜伏先・・・グリードのアジトが判明した!」
「何ッ!?」
真木博士のアジトだと!?ってことはそこにショッカーアンクが・・・。
「他のメンバーにもここに来るように連絡している。詳しくは集合してから話す」
数分後、俺達バスカービルは全員クスクシエに集合すると、後藤はすぐさまやや大きめの地図を広げるとマーカーで真ん中から少し下の辺りをチェックした。
「つい先日逮捕されたチョウ兄弟の情報と明石先輩の調査結果からして・・・ここにあるドクター真木の別荘が拠点で間違いなさそうだ」
「・・・・・」
俺がジーサードの戦いの後・・・海に落ちた時に助けてくれたのはチョウ兄弟だった。何でも真木博士が変身したグリードによってデッキを破壊され・・・行くあても無しにブラブラしていたらしい。その後で俺は「真木博士の計画を止める」という約束で2人に自首をしてもらい・・・情報がそれなりに入ってきたと言う訳だ。
「すでにドクターに味方するライダーはいなく戦力はグリードが3体・・・いや、ドクターも含めると4体か。・・・それで作戦なんだが・・・」
後藤が作戦を説明してくれてから1時間後・・・俺達は真木博士の別荘周辺へと辿り着いてそれぞれの配置についた。
「・・・・・えいッ!」
俺が作戦開始の合図をすると・・・理子はフラッシュグレネードを別荘の中へと投げ入れる。
「「ハァァァァッ!」」
そして周囲の見張りをしていた様子のホウジロザメヤミー数体をアリアと白雪の攻撃で怯ませ、そこにレキが以前後藤が使っていた磁力分裂弾を撃ち込んで倒してゆく。
「きゃっ!?」
「うおぉっ!?なんだぁ?」
「・・・・・・・」
フラッシュグレネードに怯んだ様子のグリード達のスキをついて室内に侵入した俺は視界に入った猫系3枚のコアメダルを掴み取る。
「ようやく来たか。そろそろ来る頃だと思っていたぞオーズ」
「・・・ショッカー・・・アンクっ」
上の階から俺を見下ろすように玉座に座っているショッカーアンクはこの突入作戦を予想していたらしく・・・ほとんど動じていない。
「ずいぶんと余裕じゃねぇか。こっちはラトラーターコンボのメダルを揃えたんだぞ」
「だからどうしたというのだ?貴様さえ倒せればこの体の最後の1枚・・・タカのコアも手に入り、他のメダルもまとめて手に入る。いわばそれはハンデのようなものだ」
くそっ、なめやがって!俺はイライラを抑えながらも回りを見渡す。光に弱いガメルはまだ行動不能ですでに動けるメズールはノスフェラトゥとなってキックホッパーとバースを相手に戦っていた。正直矢車はこの前のカザリ戦でのケガが回復しきってないからあまり戦わせたくはないんだが・・・なんせ相手が相手だ。俺達だけじゃとてもじゃないがキツイ。
「やはりこの場所を突き止めてやって来るという予想は的中しましたね」
「真木博士・・・・」
俺達の前に姿を現した真木博士は・・・全身がセルメダルで包まれたかと思うと紫色の恐竜のような怪人へと姿を変える。
「もう・・・完全に人間じゃなくなったのか?」
「はい。じきに君もそのようになるでしょう。このような終末を迎えたくないのなら君の中にある紫のメダル・・・私に頂けませんか?」
「断るぜ。・・・あんたにこの力を渡したら・・・世界が大変なことになるからな」
「そうですか。その方が君もこれ以上苦しまずに終末を迎えられたものを・・・。ではショッカー君、打ち合わせ通りに・・・」
「いいだろう。ただこの場で倒すだけではつまらないからな。・・・お前の考えた余興にもう少し付き合ってやろう」
そう言ったショッカーアンクは翼を広げて何処かへ飛び去っていくと・・・気がつけばメズールとガメルも姿を消していた。
「・・・真木博士。あんた・・・いったい何をする気だ?」
「・・・ちょっとした実験ですよ。その内容が知りたいというのならラクーン台場にでも行ってみてください」
「は?それはどういうことだ?」
「行けば分かりますよ・・・すでに準備は整っていますから」
黒い霧のようなものを周囲に放ち、目くらましをした恐竜グリードは俺達の前から姿を消してしまった。
「・・・突入作戦は・・・実質失敗か」
「メダルも手には入ったし・・・試合には勝ったけど勝負には負けたって感じね」
「そう言えばさっき真木博士が・・・っ?」
アリア達のところに集合した俺は先ほどのことをアリア達にも伝えようとすると・・・俺の携帯の着信音が鳴り響いた。
「はい、もしもし・・・」
『トオヤマっ!大変だッ!』
電話をかけてきたワトソンは・・・何やら慌てている。
「どうした?何かあったのか?」
『ラクーン台場で数十体のヤミーが暴れている!ボクも今、現場に向かっているんだけど・・・たまたまそこにいたらしいアケチとライト・・・テンペストのメンバーの数人が応戦しているのだが・・・ホウジロザメのようなヤミーだけでなく、おそらくはショッカーアンクのヤミーだと思われるクジャクとコンドルのようなヤミー。さらには例の紫の恐竜タイプ・・・トリケラトプスとティラノザウルスのようなヤミーまでいるらしく手におえないらしい』
やられた。・・・まさか自分達のアジトを囮にしてヤミー達を動かしていたなんて。
『今、映像が入った。そっちに繋げる』
そう言って一度通話を切ったワトソンは・・・メールで動画を送ってくる。俺はその動画を再生してみると・・・ラクーン台場にいる人々がトリケラヤミーとティラノヤミーによって足を氷付けにされて身動きが取れなくされていた。
『さぁ、命が惜しければオーズを呼べ!!』
『お、オーズってなんだよ!?』
『助けてぇぇぇっ!?』
当然のようにオーズのことを知らない一般客は慌てふためくと・・・トリケラヤミーは1人の男性の全身を完全に氷付けにした。
『フンッ!』
「「「っ!?」」」
そしてティラノヤミーが拳を振るうのを見てアリアと白雪、そして理子の3人は次に起こることを察して画面から目を逸らす。すると次の瞬間・・・全身を氷付けにされた男性は粉々に砕かれてしまった。
『お父さぁぁぁんっ!』
男性の娘だったらしい少女が嘆くのを他所にヤミー達は人々の方に振り返る。
『お前達もこうなりたくなければオーズを呼び続けろ!』
『う、うぁ・・・オォォォォズゥゥゥゥゥ!』
『『『オォォォォォズゥゥゥゥ!』』』
「「「「・・・・・・」」」」
映像はそこで終了し・・・・俺達は何も話せなかった。衝撃的な光景のせいで思考が追いついていなかったからだ。だけどどこの1つだけは分かる。
「はやく行かないと・・・」
俺が行かないと・・・あの場にいる人々の命が危ない。そう思った俺はすぐさまベルトをつけてラトラーターコンボの3枚をセットする。
「待て遠山!これは絶対に罠だッ!ここはもう少し様子を・・・」
「こうしている間にもまた誰かの命が消えるかもしれないんだぞ!待ってなんていられるかよ!俺は行くぞッ!」
グリードとの戦いに・・・俺の戦いにこれ以上無関係な人を巻き込むわけにはいかない。もうこれ以上・・・手が届かずに命が失われていくのは嫌だ。
「変身ッ!」
『ライオン!トラ!チーター!ラッタッラッタ~・ラトラ~タ~~!』
バイクで道路を走るよりも森林をそのまま突き抜けていった方が速いと思った俺はオーズ・ラトラーターコンボに変身してラクーン台場まで駆け出す。
「相棒ッ!・・・後藤、俺達も追うぞ・・・」
「あぁ!・・・神崎、すまないが俺達も先に行くぞ」
「ちょ、ちょっとッ!・・・」
矢車と後藤はライドベンダーに跨るとすぐさまエンジンをかけてラクーン台場へと急ぐ。
「・・・手を伸ばせば助かる命のなのに・・・手を伸ばさなかったら死ぬほど後悔する。それが嫌だから手を伸ばす。・・・そんなふうにキンジは前に言ってたわ」
アリアはネコ探しのときに俺が言ってた言葉を思い出し・・・呟く。
「キンちゃんは・・・ずっと誰かに手を伸ばし続けている」
「それじゃきーくんには誰が手を伸ばすの?」
白雪と理子もアリアに続いて呟くが・・・4人にはすでに答えが出ていた。
「私達・・・バスカービルのメンバーですよね」
レキがメンバーの意思を確認するかのようにアリアに視線を送ると・・・3人は頷く。
「・・・そこでショッカーアンクとの決着を1人でつけるつもりよ。・・・たぶんキンジのことだから、また紫の力を使おうとするに決まってるわ。別に今回ばかりは止めはしないけど・・・あんまり長く使わせないためにもキンジにはショッカーアンクだけを相手にさせたい。・・・もう言いたい意味はわかるわよね?」
アリアは白雪達の方を振り向くと・・・3人は静かに頷く。
「・・・それじゃあたし達も急ぐわよ!」
決意を固めた4人は車に乗り込むとすぐさまラクーン台場へと向かい始めた。
・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
アリア達の乗った車が走り出した頃、俺はすでにラクーン台場の入り口が見える辺りまで来ていた。
『ENGINE MAXIMUM DRIVE』
「絶望がお前達のゴォォォルだぁぁぁぁぁッ!!」
『TRIAL MAXIMUM DRIVE』
アクセルトライアルに変身していた照井はエンジンとトライアルのマキシマムを発動して高速でホウジロザメヤミーを斬りつけるのが見えたかと思うと・・・そのすぐ近くではWのルナトリガーとなった正太郎と陽もマキシマムを発動しようとしていた。
「こいつで決めるぜ」
『TRIGGER MAXIMUM DRIVE』
「「トリガーフルバースト!!」」
無数の黄色と青の光弾でWは残りのヤミーを倒すが・・・別のところからホウジロザメヤミーがやってくる。
「くそ、また増えるのかよ・・・これじゃ捉えられてる人達を助けにいけねぇ・・」
「ん?正太郎、もしかしてあれは・・・」
「・・・オーズ。遠山か」
再びホウジロザメヤミーと戦い始めようとする3人は俺が向かってきていることに気がついた。
「おいキンジ!サメの群れは俺らに任せろ!」
「君は捕らえられている人達をッ!」
『CYCLONE JOKER』
「すまない・・・任せた」
サイクロンジョーカーに変わったWは回し蹴りでホウジロザメヤミーを蹴り倒して道を開けてくれたので俺はそこを突き抜けてラクーン台場の広場へと向かう。
「オーズ!たすけてくれぇぇぇ!」
「「「オ~~~ズ~~~ッ!」」」
そしてここまでくると嫌でも足元を氷付けにされて身動きが取れなくなっている人達の助けを呼ぶ苦しい声が聞こえてくる。
「・・・・ハァッ!」
両腕のトラクローを展開した俺はラトラーターの熱線エネルギーをトラクローだけに集中をし始める。
「・・・中々オーズはこないな。戒めにもう1人ぐらい始末しておくか」
「ひっ!?」
ティラノヤミーは近くにいた女子高生を氷付けにしようとしていたところが見えたので・・・俺はさらに加速する。
「死ねぃッ!!」
「きゃぁぁぁぁぁっ!?」
「ハァァァァァっ!!」
「くっ!?」
俺はライオンヘッドから強い光を放ってヤミー達の視界を一瞬だけ妨げると同時にトラクローから殺傷力のない熱エネルギーだけのエネルギー斬を足元を氷付けにされている人たちに放つ。
「早くッ!早く逃げてください!」
「た、助かった。はやく逃げよう萌っ!」
「う、うん・・・」
無事に氷が解けて動けるようになった人たちをこの場から逃がした俺は4体のヤミー・・・そしてその中心に着地したショッカーアンクと向かい合う。
「カザリのメダルを使っただけあって中々はやく到着したな」
「ワザと俺にメダルを与えたこと・・・後悔させてやるぜ」
俺はトラクローでショッカーアンクに切りかかろうとすると・・・トリケラヤミーが間に立ってガードをする。
「邪魔だどけぇぇぇぇッ!!」
トリケラヤミーを蹴り飛ばして再びショッカーアンクに攻撃をしようとすると・・・今度はティラノヤミーがガードをした。するとクジャクヤミーとコンドルヤミーが同時に複数の火弾を放ってきたので俺はすぐさま後ろへと下がる。
「くっ!?5対1かよ・・・」
これじゃショッカーアンクを攻撃するどころか・・・下手をすると近づくことすら難しくなる。
「まずは邪魔なヤミーをどうにかしないと・・・」
「だったらあいつ等は俺達に任せろ!」
「えっ?」
声の聞こえた方向に振り向こうとすると・・・バースがバースバスターのエネルギー弾でコンドルヤミーとクジャクヤミーを狙撃して攻撃を妨害し、キックホッパーがティラノヤミーとトリケラヤミーを蹴り飛ばす形で乱入してきた。
「相棒、ここは俺達に任せて・・・アンクを・・・」
「でも2人だけじゃそのヤミーは・・・」
ただでさえ矢車は手負いなのに恐竜系ヤミーと鳥系ヤミーを2体ずつだなんて・・・そう思っているとさらに2人の仮面戦士もやってきた。
「おっと、2人だけじゃないぜ?」
「はぁぁぁっっ!!」
Wは風を纏った回し蹴りで恐竜系のヤミー2体に追い討ちを与えると、通常の形態に戻ったアクセルもエンジンブレードで鳥系ヤミー2体を斬りつけた。
「正太郎、それに陽と照井まで・・・あのサメどもはもういいのか?」
「あぁ。ちょうど代わりの助っ人が来てくれたからな」
俺は先ほどW達が戦っていた場所を振り返ると・・・そこには次々とホウジロザメヤミーを倒すNEW電王の姿があった。
「ヤミーは俺らが何とかしておくから、とっととアンクを連れ戻して来いよキンジ」
「任せたぞ相棒」
「・・・・・」
静かに頷いた俺はヤミー達を任せるとショッカーアンクと向かい合うように立つ。
「なぁアンク・・・早く帰ろうぜ。みんな待ってるぞ」
「・・・何を言っている?すでにあいつの自我なんぞ・・・」
「お前は黙ってろ!俺はアンクに話してるんだ!!」
俺はまだあいつの意識がなくなったなんて思わない。きっとまだあいつの意識があることを信じてる。
「ふんっ、いいから最後の私のメダル。・・・タカのメダルを寄こせ!」
「お前のじゃない!!あいつのだッ!!
『プテラ!トリケラ!ティラノ!プットッティラ~ノザウル~~ス!』
紫の3枚が黄色の3枚を弾くようにしてベルトに収まる。そして俺はそのメダルをスキャンしてプトティラコンボへと変身すると右拳を強く握りながら冷気をはなった。
「凍てつく氷の桜吹雪。散らせるものなら散らしてみやがれ!」
「氷は・・・散らすものではなく溶かすものだ」
周囲で俺の放つ吹雪とショッカーアンクの火の粉がぶつかり合う中、俺とショッカーアンク 俺とショッカーアンクの戦闘が始まった頃、バースは自在に空中を飛んで移動するクジャクヤミーに翻弄されていた。
「ハァァァッ!」
カッターウイングを装備して空を飛びながらバースはバースバスターのエネルギー弾を連射するが・・・バースよりも空中で小回りの効くクジャクヤミーはあっさりとそれらを回避する。
「そんな攻撃、当たらないぞッ!」
「・・・くっ!?」
クジャクヤミーの炎で打ち落とされたバースはカッターウイングが解除されてしまった。
「・・・こうなれば・・・奥の手を使うか」
そう呟いたバースはセルメダルが大量に入ったリュックに駆け寄るとベルトに次々とセルメダルを投入する。
「・・・ドクター真木の設定したプログラムでは作業用のための時間が優先され1000秒間稼動させるためだけに1000枚もセルメダルを必要とする高コストのものだったが・・・戦闘のためにプログラムをそれなりにイジッて2~30枚で1分動かせるようにした」
「・・・何の話をしている?」
クジャクヤミーは空中からバースを怪しがるように睨んでいると・・・バースは30枚目のセルメダルを投入し終える。
「見せてやる。俺の・・・仮面ライダーバースの底力を!」
『クレーンアーム・キャタピラレッグ・ブレストキャノン・カッターウイング・ドリルアーム・ショベルアーム』
バースがベルトのレバーを回転させると・・・バースの全装備が出現と同時に装着されずに1つに集まってサソリのような形に合体する。
「CLOW,sサソリ。基本的には作業運搬に用いられるメカだが・・・バースのシステムの集まりだ。当然戦闘もできる。呼んでいられるタイムは短くなったがそのブンの低コストにできたからな・・。この1分でお前を倒す」
クジャクヤミーにそう宣言をしたバースはシャドーをするかのように右拳を振るうと、それに連動するようにサソリもカッターウイングが変形している鋏を動かす。その鋏で近くの木を切断すると、反対側のショベルアームがその木を挟んでクジャクヤミーへと投げつけた。
「フンッ!こんなものッ!」
投げつけられた木を一瞬にして燃やし尽くしたクジャクヤミーはバースとサソリを睨みつけると・・・バースはまた次の一手を放とうとしていた。
「コントロールシステム正常・・・。相手との距離3、2メートル。ロックオン・・」
バースは標準を合わせると尾の先端となっているドリルアームがクジャクヤミーへと放たれ、クレーンアームのワイヤーで巻きつける。
「このぉ・・・っ!!」
「ハァッ!!」
クジャクヤミーが炎でワイヤーを焼き切ろうとするよりも先にバースが右に一回転をするとサソリも連動して回転し、そのままクジャクヤミーを地面に叩きつける。
「・・・クッ!おのれ・・・っ!?」
ドリルアームからの拘束から開放されたクジャクヤミーはすぐさま翼を広げて得意の空へと戻ろうとすると・・・バースが次にどうするのかに気がつき動きを止めてしまう。
「シュゥゥゥウトッ!!」
「ぐおぉぉぉぉ!?」
サソリの尾の先端から放たれた虹色に輝く光線はクジャクヤミーへと直撃すると・・・クジャクヤミーが広げていた翼はセルメダルとなって周囲に散らばった。
「これでもう空には逃げられないな」
「くっ!?まだまだぁぁぁぁぁッ!!」
キレ気味で連続で炎弾を放つクジャクヤミーの攻撃に・・・バースは防御をするどころか突っ込んでいく。
「フンッ!!」
そしてその一発がバースに直撃し、周囲に爆煙が舞うと・・・煙の中からはCLOW,sをフル装備してバース・デイとなったバースがドリルアームを構えながら立っていた。
「これで決めるッ!!」
キャタピラレッグを動かし突撃したバース・ディはドリルアームをクジャクヤミーに突き刺すとショベルアームで空に投げつける。
「ブレストキャノンッ!シュゥゥゥゥゥゥトッ!!」
『セル・バースト』
「ぐわぁぁぁぁぁっ!?」
バース・ディのセルバーストを喰らったクジャクヤミーは爆発してセルメダルが周囲に散らばる。それと同時にバース・ディの装備は全て解除された。
「CLOW,sサソリの状態からのバース・ディへの切り替えシステム・・・万が一のために設定はしていたが、ぶっつけ本番だったからな。・・・成功して助かった」
『クレーンアーム』
一安心したバースは再びクレーンアームを装備して散らばったセルメダルを回収してリュックに詰め込むとホウジロザメヤミー達と戦うNEW電王のところへと走り出した。
「ハァァァァッ!」
「FOOOOOOUッ!!」
バースがCLOW,sサソリを呼び出した頃、飛行強化形態であるアクセルブースターとなっていたアクセルはコンドルヤミーと空中で何度もぶつかり合っていた。
「これでどうだッ!!」
『ENGINE MAXIMUM DRIVE』
「こんなスローじゃ・・・ミーはやられないッ!」
アクセルブースターはエンジンのマキシマムを発動して斬りかかって当たりはしたが・・・倒せていない。パワーや防御力ではアクセルブースターの方が上だが、スピードはコンドルヤミーの方が速いらしくアクセルブースターの剣が当たると同時に流されてしまっているからだ。
「速さ・・・そうか。速さが足りないのか。ならば・・・」
アクセルブースターはコンドルヤミーよりも高度を上げると・・・ベルトのメモリから強化アダプタを外して通常のアクセルの姿へと戻る。
「ハァッ!」
そして剣を離してバイクフォームになったアクセルは剣を足場代わりに後輪で弾くように加速をすると勢いよく降下してくる。
「おっとそう来る?でもそんな落下みたいなストレートじゃミーは簡単に避けれるよ?」
「それはどうかな?」
『TRIAL』
アクセルは通常の形態に戻るとすぐさまトライアルメモリを起動してアクセルトライアルへと変身すると、メモリをマキシマムモードに変形させてカウントを始める。
「それがどうしたって・・・えっ?」
コンドルヤミーは特に気にせずに安全なコースへと移動しようとすると・・・アクセルトライアルは自分の脚をワザと蹴って空中で方向転換をしてコンドルヤミーに再び標準を合わせた。
「ちょっ!?そんなのってないっしょっ!?」
「さぁ・・・このまま振り切るぜ」
方向転換をしつつ落下するアクセルトライアルは脚を目に見えない速さで動かしながら連続キックをコンドルヤミーへと決める。
「あぶぶぶっ!?」
「自慢のスピードでも・・・こうも連続のキックでは回避しきれまい」
『TRIAL MAXIMUM DRIVE』
地面に着地したアクセルトライアルはメモリのカウントを止める。
「5、2秒。それがお前の絶望までのタイムだ」
「FOOOOOOOOっ!?」
爆発してセルメダルとなったコンドルヤミーを見届けたアクセルトライアルは、メモリを付け替えて通常のアクセルへと戻ってバースと同じくNEW電王の加勢へと向かった。
バースとアクセルがそれぞれ鳥系ヤミーに勝利した頃、ティラノヤミーと戦っていたキックホッパーはカザリ戦のダメージで全力で戦うことができずに苦戦していた。
「どうした!どうした!貴様の力はそんなものか!!」
「・・・・」
「砕けてしまえッ!!」
一撃で氷付けになった人を粉々に砕くほどの強力な破壊力を持ったティラノヤミーの攻撃を喰らうわけにはいかないキックホッパーは攻撃を避けるのに集中して反撃ができていなかった。
「・・・今の俺じゃスピリッツキックを使うことができないんだが・・・スピリッツキックには劣るがこの前の特訓で身につけた新技が幾つかある。・・・1つ実験台になってもらうぜ」
「新技だと?」
・・・ワケではなかった。
「・・・知ってるか?刃物が切れるのは一部が鋭くて一転に力を込めやすくなってるからなんだぜ」
「だからどうしたぁ!!所詮そんな技なんぞ、俺に通じるはずがないッ!」
ティラノヤミーのパンチをギリギリのところで回避したキックホッパーは少しだけ距離を取ると右脚にライダーパワーを集中する。
「ライダーパワーを・・・一点だけに集中して・・・文字通り振り『切る』。」
「っ!?」
キックホッパーの振り下ろした右脚はまるで剣で斬ったかのように鋭い一撃を与えた。
「・・・ポイントキックとスピリッツキックの応用みたいなものだ。・・・名づけるなら・・・そうだな。『ライダーキックスラッシュ』ってところか」
「グォォォォォっ!?」
キックホッパーの新技『ライダーキックスラッシュ』を喰らったティラノヤミーは爆発して一枚のセルメダルが転がった。
「・・・・・」
そのメダルを拾い上げたキックホッパーはまだケガが完治していないのに身体を無理に動かして戦ったせいで・・・とうとう限界になり倒れて変身を解除すると意識を失った。
キックホッパーがティラノヤミーを倒した頃、もう1体の恐竜系ヤミーであるトリケラヤミーと戦うWはそれなりに善戦していた。
「おらおら、どうした?恐竜系って言ってもこの程度か?」
サイクロンメタルとなっているWは左手に握られているメタルシャフトでトリケラヤミーの攻撃をガードしつつ、右手で殴ってダメージを与える。
「この程度だったらまだ鋼鉄マッチョの方が強かったぞ」
「・・・・・・・」
「こいつで決めるぜ・・・ん?」
Wはそのままメタルシャフトにベルトのメタルのメモリをセットして必殺技を放とうと構えると・・・メタルシャフトとそれを持つ右手は氷付けになっていたことに気がついた。
「正太郎ッ!ヒートだッ!」
「あぁッ!」
『HEAT METAL』
ヒートメタルに変わり、ヒートの熱で氷を溶かしつつ距離を取ろうとすると・・・自分達の周囲が凍り始めている事に気がつく。
「・・・人質にしてた人達を動けないように凍らせていたのはお前か?」
「だったらどうだというんだ?」
「・・・全力でお前を倒す。・・・それだけだ。陽ッ!」
「分かってる!」
『CYCLONE JOKER』
『『XTERIME』』
サイクロンジョーカーに戻ったWはすぐさまエクストリームへと変わるとプリズムビッカーを手に取る。
「正太郎・・・相手は瞬間的に周囲を凍らせることができる相手だ。この前完成した技の1つを使おう」
「分かった・・・行くぜ」
『HEAT MAXIMUMDRIVE』
W・CJXはビッカーでトリケラヤミーの冷気をガードしつつ、腰のマキシマムスロットにヒートのメモリをセットする。
「「ヒートストリームッ!!」」
右拳に炎を灯したW・CJXはその拳でトリケラヤミーを殴る。
「フンっ!」
「「くっ!?」」
トリケラヤミーは冷気を放って反撃してきて、W・CJXの両足は氷付けになるが・・・それでも再び殴る。
「正太郎っ!いくらビッカーでガードしてヒートのマキシマムで熱を纏っているとはいえ、そう長くは持たない!決めにいくよ!」
「あぁ!」
『XTERIME MAXIMUM DRIVE』
「「ヒートストリームエクストリームッ!!」」
ビッカーを投げ捨てて全身に炎を纏ったW・CJXは自身の氷を溶かして身体を横に一回転させるとそのまま右拳を決める。
「オラッ!!」
そして尽かさず左拳も決めて、もう1度右拳を決める。
「ぐおぉぉぉぉっ!?」
さすがのトリケラヤミーも2度のマキシマムには耐え切れずに爆発するとW・CJXはその場に倒れつつ変身を解除する。
「・・・痛っ。まったくよぉ・・・凍傷にはなるし、硬くて拳は痛いしで思ったより厄介だったぜ」
「ははっ・・・同感。後藤くんや照井隆のようにエルの援護にはいけそうにないや」
2人は苦笑しつつも俺とショッカーアンクが戦っている広場の方を見る。
「・・・俺達の方は終わったぜ。キンジ・・・ここまでお膳立てしたんだ。絶対にアンクを連れ戻せよ」
そう呟いた正太郎はダメージと疲労で意識を失ってしまった。
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
矢車や正太郎達がそれぞれヤミーを倒し終えた頃、NEW電王に変身してホウジロザメヤミーと戦っていたワトソンはその数に苦戦を強いられていた。
「くっ・・・いくらバースとアクセルが加勢に来てくれたとはいえ、まだ軽く見て3~40体はいるな」
『エル、どうする?君のフリーエネルギーの残量もほとんど残ってないぞ』
フリーエネルギーはライダーパワーのようにその人物の持つ‘気’のようなものなのだが・・・さすがのワトソンでもこれだけの数を相手にしているとエネルギーも持つはずがなかった。
「フルチャージ・・・あと何回いける?」
『良くて1回・・・2回目を使うと変身も維持はできない』
「・・・・」
NEW電王はアクセルとバースが戦っている方向を振り向く。2人も先ほどまで戦っていたこともあり、それなりに疲労していてどちらも苦戦していた。
「・・・1人13体ぐらいは倒さないといけないのに・・・どうやって乗り切ろうか。・・・ん?なんだあの怪人は?」
残りのホウジロザメヤミーをどうやって倒そうかを考えようとしていたNEW電王は自分達の方へと走ってくる1体の怪人に目が止まる。その怪人は明らかにホウジロザメヤミーではない。それどころかヤミーの特徴すらなく・・・俺達が知らないタイプの怪人だった。
「逃がすかよッ!!」
『ファルコ!セイバーストライク!』
何処からともなく飛んできた鳥のようなエネルギーの塊はその怪人に直撃し・・・爆発の中から出てきた魔法陣のようなものは鳥のような攻撃が飛んできた方向に向かっていくと・・・そこに立っていたライオンのような顔の金色の戦士のベルトに吸い込まれた。
「ごっつぁん!」
ご馳走様のポーズをした謎の金色の仮面戦士は苦戦しているNEW電王たちを視界に捉える。
「何だか知らない奴らが戦ってんな。戦っているのはファントムじゃないっぽいが・・・食後の運動だ。手伝ってやるよ」
「君は・・・いったい?」
「俺か?俺は指輪の魔法使いビーストだ!」
ビーストと名乗った戦士は手に持っている剣でホウジロザメヤミーを切り伏せる。するとNEW電王はビーストの後ろに全身に紫色のヒビができている1人の少女に気がついた。
「おい!あそこに人が・・・」
「分かってる。皆まで言うな。・・・そろそろあっちも終わった頃だな」
「・・・?・・・っ!!」
ビーストが何かを言いつつ少女の方を振り向いたのでNEW電王も振り向いてみると・・・少女の目の前にいきなり赤い魔法陣のようなものが出現し、そこからはオフロードバイクに乗った赤と黒がメインの両手に指輪をつけた仮面戦士が出てきた。
「ったくよぉ、同級生を助けに来たらファントムがいやがったし、この事件に乗じて絶望させにくるだと・・・ふざけやがって」
愚痴をこぼしながらバイクから降りた指輪の戦士は周囲を見渡すと左手の指輪を変える。
「そこの蒼いの。だいぶ限界そうだな。・・・あとは俺が何とかしてやるから下がってろよ」
『シャバドゥビタッチヘンシ~ン!』
「君は・・・何者なんだ?」
「指輪の魔法使いウィザード・・・あいつ風に言うと・・・仮面ライダーウィザードだったな。・・・さぁショータイムだ」
『フレイム・ドラゴン』
『ボ~!ボ~!ボ~ボ~ボ~!』
ウィザードの周りを炎のドラゴンが一回転したかと思うと・・・そのドラゴンはウィザードと一体化し、ウィザードの姿は黒が主体から真紅がメインのカラーリングに変わり、各部のデザインも少し違ったものになった。
「俺もあまり無駄に魔力使いたくないしパパッとやっちゃってくれ」
「おいマヨネーズ!お前も少しは手伝えよ!」
「マヨネーズ言うなって!・・・別にこの数ならお前1人で大丈夫だろ?」
「・・・あとでマヨネーズの変わりにケチャップかけてやる」
『チョ~イイネ!スペシャル!サイコ~~!』
胸のところにドラゴンの顔が出現したウィザードはそこから炎を放ち残っている半分のホウジロザメヤミーを倒すと、再び左手の指輪を変える。
『ハリケーン・ドラゴン』
『ビュ~・ビュ~・ビュ~ビュ~ビュ~!!』
『コネクト・プリ~ズ!』
黄緑色が主体のカラーリングに変わったウィザードは魔法陣の中に手を入れ剣を取り出すと、それを逆手に持って次々とホウジロザメヤミーを切り伏せる。
「さてと・・・もう同級生も助かってるようだし・・・とっとと決めて帰るか」
『チョ~イイネ!サンダー!サイコ~!』
右手からドラゴンに見立てた雷を放ったウィザードはその攻撃で残っていたホウジロザメヤミーを一掃する。
「設定の一部分に魔法の原理を組み込む仮面戦士はそう珍しくないが・・・全てを魔法にしている仮面戦士がいたなんて・・・」
「・・・まぁ、世界は広いってことだ。ほら、帰るぞマヨネーズ」
「だから俺はマヨネーズって名前じゃないって何度言えば・・・」
『ファルコ!ファ!ファ!ファルコ!』
「ちょ、ちょっと待ってくれない・・・か。・・・行ってしまった」
変身を解除したワトソンは2人の指輪の仮面戦士に情報を聞き出そうとするが・・・2人はそれよりも先に飛び去って帰ってしまった。
「・・・ひとまずはこちらも終わって・・・残るはトオヤマのところだけか」
そう呟いたワトソンは後藤たちと合流をすると正太郎と矢車を病院へと搬送した。
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ウィザードと名乗る人物がヤミーを倒してビーストと共に帰った頃、ショッカーアンクと戦う俺は苦戦を強いられていた。
「どうした?もう氷の桜吹雪は出さないのか?」
「・・・・・」
ショッカーアンクの戦闘力は俺の想像を遥かに超えていて・・・プトティラの冷気では凍らせることはできないどころか、一方的にサンドバッグにされていた。一撃一撃がガメル並に重い。たぶんカザリの持っていた他のグリードのコアメダルまで取り込んでいやがるな。
「くそっ・・・どうすれば・・・」
ヒステリアになってない俺が暴走を押さえ込みながら戦おうとすると・・・プトティラは60パーセントぐらいでしか戦えない。そんな力じゃこいつに・・・ショッカーアンクを倒すことなんてできない。
「くっ・・・」
俺はショッカーアンクに首を絞められつつも周囲に人がいないかを確かめる。
「いないな・・・。なら、いいか」
こいつを確実に倒す方法・・・それはフルスペックのプトティラで挑むしかない。それをするには・・・
「ガァァァァァァァァッ!!」
ワザと暴走するしかない。・・・そう思った俺は最小限の自我を残して‘力’に身を任せる。
「ヴオォォォォォォォ!!」
「っ!!」
地面からメダガブリューを取り出した俺はショッカーアンクへと斬りかかろうとすると・・・ショッカーアンクは『危険』と判断したのか、すぐさま空中へと飛翔する。
「グヴォォォォォオォガァァァァ!!」
俺もそれを追うように翼を広げて飛び上がる。そしてそのままショッカーアンクと向かい合うとガブリューで力いっぱい切り掛かる。
「ハァァッ!」
対するショッカーアンクも両腕の羽に炎を灯してガブリューの攻撃を受け流す。
「ガァァァァァッ!!」
『スキャニングチャージ!』
受け流されてしまってもすぐさま体勢を立て直した俺はスキャニングで冷気を放ち、一瞬だけ怯ませるとそのまま両方の翼を肩の角で貫く。
「くっ!?」
「ヴォォォォォッ!!」
そして怯んでいるところに特攻し、右の翼をガブリューを切断するとショッカーアンクはバランスを崩して落下をし始めた。
「くっ!?」
「ガァァッ!!」
落下しているショッカーアンクのもう一枚の翼を切断した俺は地面に着地すると墜落して倒れているショッカーアンクへと駆け出す。そして倒れているショッカーアンクから感知能力でショッカーグリードとしての意思があるコアメダルを感じ取って・・・
「ヴオォォォォォ!!」
「う、うおぉぉぉぉぉ!?我が野望がぁぁぁぁ!?」
そのコアメダルの3枚だけを砕いた。そしてショッカーアンクは爆発し・・・俺はもう一度感知能力で気配を探る。・・・もう完全にショッカーグリードとしての意識はない。
「フンっ!・・・ハァ・・ハァ・・」
さすがにそろそろ不味いと判断して自我を強く持って暴走寸前なところを押さえ込む。だけどもう・・・限界だ。半ば暴走してたのに無理に押さえ込んだせいで意識が沈みかけている。
「うぅぅ・・・」
「キンジっ!」
俺は変身が解けると無意識のうちに誰かに助けを求めるように手を伸ばす。すると俺のところに駆けつけてきた人物が俺のその手を掴んだ。
「・・・アリ・・ア・・」
「本当に・・・本当によくやったわ」
アリアに続き白雪、理子、そしてレキが俺のその手を掴む。
「キンちゃん・・・無事でよかった」
「あんまり無茶しちゃ駄目だよきーくん」
「・・・おつかれさまでした」
「・・・みんな・・・っ?」
安心した様子の4人の表情を見て俺も安心していると・・・散らばっているアンクのコアメダルが周囲のセルメダルを集め始める。
「上出来・・・いや、それ以上だ。礼を言うぞキンジ」
「・・・おう・・感謝しやがれ・・」
コアメダル5枚で復活したアンクは怪人態の右手を眺めて俺に視線を向けずに告げてくる。俺達はそんなアンクを見て安心をしていると・・・ショッカーアンクが取り込んでいた青と灰色のコアメダルをその場にやってきた2体が回収した。
「ふぅ・・これで私達も完全復活だわ」
「俺のメダル、あと3枚」
駆けつけてきたメズールは9枚そろえて完全体となり・・・残りが3枚となった古代インカガメルは野生のような俊敏の動きで俺に向かって突撃してくると・・・そのまま俺からサゴーゾの3枚を奪い取った。
「しまっ・・・!?」
「これで、俺も全部揃った」
「行くわよガメル」
完全体となったメズールとまだ残りの3枚を手に持ったままで取り込んでいないガメルは何処かへ去っていってしまった。
「待ちや・・がれ・・」
俺はすぐさま2体を追いかけようとするが・・・プトティラを暴走ギリギリの力まで引き出して限界を迎えていた俺はそこで意識を失った。