緋弾のアリア 欲望の交差   作:彩花乃茶

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最上階と声援と偽物との戦い

俺が海に落ちてしまってすぐの頃、武偵高が最も激戦区となっているため星伽から帰ってきた白雪は理子達と合流して俺の落ちた海へと走っていた。

 

「待っててキンちゃん。今行くから!」

 

「き~くんピ~ンチ!・・・って冗談も言いづらいくらいヤバそうなんだよねぇ」

 

「・・・キンジさん。・・・っ!?」

 

 しかし仮面戦士達が戦って数は減ってはいるものの敵の最前線とも言える場所なので当然のように戦闘員達が白雪達の行く手を阻んだ。

 

 

「キンちゃんが危ないって時によくも邪魔を・・・」

 

「ゆきちゃん。・・・後ろのオーラが黒いよ」

 

 

「っ!?・・・誰かがこちらにやってきます」

 

 レキが誰かに気づいた様子で振り向くと・・・そこには金色の仮面戦士が2人立っていた。

「・・・・」

 

『MIGHTY』

 

 グレイブは1枚のカードを武器にスラッシュすると金色の斬撃で陽助達の前にいたショッカー怪人を一掃する。

「・・・・・」

 

『RIDER STING』

 

 それに続くようにザビーはザビーゼクターの針を突き刺すようにしてスカル魔を次々と殴り倒した。

「・・・早く進め」

 

「えと、誰かは分かりませんがありがとうございます」

 

 まだ明るくなりきってなく、暗くて誰かが分からなかった白雪はとりあえずその二人にお礼を言って先へと進むと、そこにはいつの間にかエターナルがZのメモリを持ちながら立っていた。

「もういいのか?お前達の弟を助けに行ったりはしないのか?」

 

「たしかに俺達もエヴィルの行動を探っていたが・・・これはもうあいつ等の戦いだ。俺達が行っていい戦場じゃない」

 

「そうか。・・・」

 

『ZONE MAXIMUM DRIVE』

 

 エターナルが腰のマキシマムスロットにメモリをセットすると・・・グレイブやザビーもエターナルと共に消えてしまった。

 

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

 ブレイド達がドラスを撃破した頃、Wに変身して影月のところを目指した正太郎と陽は、シャドームーンへと姿を変えた影月と対峙していた。

「仮面ライダーW・・・貴方達のライダーパワーは順調に成長してくれました。そろそろ頂かせてもらいます」

 

「エヴィル№2シャドームーン・・・いや、ツカサ首領の執事の影月信彦!」

 

「「さぁ、お前の罪を数えろ!」」

 

『JOKER MAXIMUM DRIVE』

 

「「ジョーカーエクストリーム!!」」

 

 半分に分かれたWはそれぞれのタイミングをずらしての2度のキックを決めに掛かるが・・・・

「残念ながら今更数えられるほどでは収まりませんよ!!」

 

 片手だけで受け止めて投げ飛ばされた。

「ハァァァァァッ!」

 

『CYCLONE METAL』

 

『METAL MAXIMUM DRIVE』

 

「「メタルツイスター!!」」

 

 サイクロンメタルとなったWは風を纏ったメタルシャウトで竜巻を起こすように回転しながらシャドームーンに攻撃しようとするが・・・それはあっさりとシャドーサーベルに受け止められてしまった。

「まだまだぁ!!」

 

『LUNA METAL』

 

『METAL MAXIMUM DRIVE』

 

「「メタルイリュージョン!」」

 

 さらに追い討ちを掛けるためにルナメタルになったWはメタルシャウトを鞭のように振り回しながら黄色い円盤状のエネルギーを複数生成すると自在に弾き飛ばして様々な方位からシャドームーンに攻撃を与えた。

「くっ!?・・・以前の力ではありませんね」

 

「俺達だってあれから特訓したんだよっ!」

 

『HEAT METAL』

 

『METAL MAXIMUM DRIVE』

 

「「メタルブランティング!!」」

 

 さらにヒートメタルに変わったWは再びメタルシャウトにメモリをセットしてシャウトの先端に炎を灯すと、その炎を至近距離でぶつけるかのように振り被って叩き付けた。

「ぐおっ!?」

 

「お次はこいつだ!」

 

『HEAT JOKER』

『JOKER MAXIMUMDRIVE』

 

「「ジョーカーグレネイド!!」」

 

 ヒートジョーカーになって半分に分かれたWはそれぞれの拳にメモリの力を炎のように灯らせて何度も殴りつけた。

「くっ!?・・・ハァッ!!」

 

「逃がさないよ」

 

『LUNA JOKER』

 

 マキシマムの連撃から一旦逃れようとしたシャドームーンが後ろに跳び上がった瞬間、Wはさらにルナジョーカーに変わって右腕を伸ばしてシャドームーンの足を捕まえた。

「「ハァッ!」」

 

ドカッ!

 

『JOKER MAXIMUM DRIVE』

 

 そしてシャドームーンを思い切り地面に叩きつけたWはさらにマキシマムスロットにメモリをセットする。

「「ジョーカーストレンジ!!」」

 

 半分に分かれてルナサイドを5つに分身させたWは、5つのそれぞれのルナサイドの腕を伸ばしてチョップのような攻撃を喰らわせる。

「おらっ!!」

 

 その攻撃に怯んでいるところにジョーカーサイドが殴りかかると・・・ルナサイドの分身は1つに戻ってルナサイドとジョーカーサイドは再び1つに戻った。

「くっ!?シャドービーム!!」

 

『LUNA TRIGGER』

 

 シャドームーンが電撃のような攻撃を放ってきた途端、Wはルナトリガーとなり、すぐさまメモリをトリガーマグナムにセットした。

『TRIGGER MAXIMUM DRIVE』

 

「「トリガーフルバースト!」」

 

 金色や青く輝く無数の弾丸はそれぞれ様々に移動して電撃のような攻撃を相殺すると・・・Wはさらに次のメモリを取り出す。

 

「・・・早撃ち一点狙いだ」

 

『CYCLONE TRIGGER』

 

『CYCLONE MAXIMUM DRIVE』

 

「「トリガーエアロバスター!!」」

 

 

「くっ!?」

 

 溜めなしで放たれた風よりも速い弾丸はシャドームーンの電撃を放っている手に直撃し、電撃を中断させる。

「サタンサーベル!!」

 

「「・・・・・・」」

 

『HEAT TRIGGER』

 

 切り込んできたシャドームーンの剣を上に跳んで回避したWは空中でヒートトリガーに変わるとトリガーマグナムに再びメモリを入れる。

 

『TRIGGER MAXIMUM DRIVE』

 

「「トリガーエクスプローション!!」」

 

 そして銃口から強力な熱線を放ってシャドームーンを城の外へ吹き飛ばしたWの元にはエクストリームメモリが飛んできた。

『CYCLONE JOKER』

 

「エクストリームで勝負だ」

 

「おうっ!」

『『XTEREME』』

 

『PRISM』

 

 サイクロンジョーカーエクストリームとなったWはプリズムビッカーにプリズムメモリをセットして剣を引き抜いて外へと出ると・・・城の屋上ではシャドーセイバーを2本持ったシャドームーンが立っていた。

「どうやら私はあなた方を見くびっていたようです。ここからは本気で戦わせてもらいます」

 

「上等だ・・・掛かってきやがれ!」

 

『PRISM MAXIMUM DRIVE』

 

「「プリズムブレイク!!」」

 

 黄緑色に輝く斬撃をシャドームーンに向けて飛ばしたW・CJXだったが・・・その斬撃は2本のシャドーセイバーから放たれた真っ赤な十字の斬撃によってあっさりと打ち消されてしまった。

「なっ!?プリズムブレイクが・・・」

 

「正太郎!今はあの攻撃を防がないと!」

 

『CYCLONE MAXIMUM DRIVE』

 

『LUNA MAXIMUM DRIVE』

 

『HEAT MAXIMUM DRIVE』

 

『METAL MAXIMUM DRIVE』

 

「「ビッカーファイナリュージョン!!」」

 

 プリズムビッカーから放たれる光を拡大した雪の結晶のような魔法陣っぽく収束したW・CJXは、プリズムブレイクを打ち消してさらに迫ってきたサタンサーベルの斬撃を収束された光の盾で受け止めるが・・・・

「くっ!?止めきれない!」

 

「ぐっ!?」

 

 勢いを殺しきれずにプリズムビッカーが城の真下へと落下させてしまった。

「しまっ・・・」

 

「仮面ライダーW・・・これで終わりです」

 

 真っ赤な十字の斬撃を無数に放ったシャドームーンは・・・それを回避するW・CJXに向けて、先ほどまで放っていた電撃よりも一回りも大きい電撃を放ち吹き飛ばした。

「「うわあぁぁぁぁぁぁっ!?」」

 

 吹き飛ばされてしまったW・CJXはそのまま真っ逆様に地上へと落ちていく。

「僕達の力ではここまでが限界だったようだね・・・ん?」

 

 

 いくら仮面戦士といえども、このまま落ちたら唯では済まない勢いと高さで落ちているW・CJX・・・陽はどこからか聞こえてきた声に気づいた。

「「・・・って・・・・・ダー!」」

 

「あれは・・・」

 

 正太郎も何かに気づいて振り向いてみると・・・そこにはたくさんの武偵生徒達がそれぞれの学科棟の屋上に上がって声援を送っていた。

「「「仮面ライダー!!」」」

 

「・・・正太郎。耳には聞こえないけど・・・アキちゃんやジャンヌ、中空知さんの声がはっきりと聞こえた気がするよ」

 

「あぁ・・・俺もだ」

 

「「「頑張って!仮面ライダー!!」」」

 

 その声援はどういう訳かは分からないが・・・空き地島にある風車を急速に回転させるほどの突風を引き起こした。

「っ!?陽!風が・・・学園中の風が!!」

 

「あぁ!僕達に・・・力をくれる!」

 

 突風をベルトに受けたW・CJXはクリスタルカラーになっていた部分を黄金に輝かせて、背中に出現した6枚のマフラーをまるで風車を思わせるかのように広げると屋上に向かって飛び上がった。

「なっ!?その姿はいったい・・・いえ、どんな姿となろうと同じことです」

 

 新たな姿になったWを視界に捉えたシャドームーンは少し後退してしまうが・・・すぐに冷静さを戻す。

「ハァァァァァッ!!」

 

 シャドームーンは真っ赤な斬撃と同時に電撃を放って、文字通り全力でWへと放つが・・・新たな姿のWはそれらの攻撃をすべて払いのけながらシャドームーンへと飛び上がる。

「「ライダーキィィィィィィク!!」」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 金色のWの両脚キックをまともに喰らったシャドームーンはそのまま何百メートルも空に吹き飛ばされると、その後すくに急降下してきて地面にめり込んだ。

「・・・ジン・・・ガ様・・」

 

 最上階へと手を伸ばすかのような動作を見せたシャドームーンは・・・そう呟いて力尽きてしまい変身が解除されて人間の姿に戻った。

「あいつはただ・・・エヴィルの首領を守りたかっただけなのかもな」

 

「たとえ誰かを守るためだとしても・・・力の使い方を間違えてしまえばそれは‘悪’になってしまうんだね」

 

 再び城の中に戻ったWは・・・途端に黄金からクリスタルに戻って6枚のマフラーも消えてしまい、通常のCJXに戻るとエクストリームメモリがベルトから外れて変身が解除された。

「・・・どうやら先ほどの形態の反動で力を大量に消費してしまったようだね」

 

 陽は自身の手に着地した力がまるでなさそうなエクストリームメモリを見てそのような判断をした。

 

「まだこれからって時に仕方ねぇな。やっぱり基本が大事ってことか?」

 

『JOKER』

 

「・・・何事も基本だよ正太郎」

 

『CYCLONE』

 

 正太郎と陽は再び最上階を目指して走り出した。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

 

 

 Wがシャドームーンに連続メモリチェンジをしている頃、アンクと五代さんの変身するクウガは黒いディケイドと向かい合っていた。

「エヴィル首領・・・ツカサとか言ったな!お前の姿はさっきまで一緒に行動してたピンクの仮面戦士にそっくりなように見えるんだが・・・その姿はなんだ?」

 

「仮面ライダーダークディケイド・・・‘いくつもの世界’に存在する秘密結社の悪意の結晶みたいなもんだ。お前らグリードみたいな欲望の塊だと思っとけ!」

 

 アンクは「なるほどな」と呟くとクジャクのコアメダルを拾い上げてクウガの方を振り向く。

「それにしてもエヴィルの親玉だけじゃなくショッカーグリードも相手にしないといけないとはな。・・・まだ戦えるかリク?」

 

「うん・・一応はね。だけどもう一度‘究極の闇’に変身して、それを制御するほどの体力は残ってないって感じかな」

 

 何とか立ち上がったクウガは基本となる赤い姿へと変わるが・・・ダークディケイドとショッカーグリードとの2体を相手にする力は残っていない様子だった。

 

「ならばショッカーグリードは俺達が相手をしよう!」

 

「えっ?」

 

 クウガとアンクは後ろから聞こえてきた声に振り返ると・・・そこには1号や2号そしてV3といった7人ライダーが立っていた。

 

「仮面ライダー1号・・・おい、お前らの所で特訓を受けていた矢車はどうした?」

 

「双君は新たな必殺技を完成させるために最終調整をしている。・・・もう少し遅れるだろう。それはそれとしてディケイドとフォーゼは2人と協力してエヴィル首領の方を頼む。俺達はショッカー首領の遺物でもあるショッカーグリードを倒す!」

 

「言われなくても分かってる。あんた等はとっととケリをつけろ」

 

『ATTACK RIDE BLAST』

 

 いつの間にかやってきたディケイドはホルダーを変形させた銃でダークディケイドを狙撃するも・・・大して効いているようには見えない。

「仕組みは同じディケイドなのに防御が俺よりも高いってなんだよ。本当にこの世界は俺に喧嘩を売ってる奴らばっかだな」

 

「んなこと気にすんなって!今度は俺がタイマン張らせてもらうぜ!」

 

『ROCKET・ON』

 

「ライダーロケットパンチッ!」

 

 フォーゼは右腕にロケットを装備して、その推進力を活かして特攻するも・・・・そのパンチはあっさりとダークディケイドに受け止められてしまう。

「えっ!?この距離で掴むなんてマジかよっ!?」

 

「マジだ!」

『ATTACK RIDE CLOCK UP』

 

 ダークディケイドはベルトにカードをセットしてクロックアップをし始めた途端・・・・

「・・・・・」

 

『CLOCK OVER』

 

「仮面ライダー・・・カブト!」

 

 カブトがダークディケイドの剣をクナイのような武器で受け止めていた。

「ナイス天道!」

 

 そしてそれに続くかのようにして次々とドラスと戦っていた仮面戦士達のメンバーがやってきた。

「ちっ!7人ライダーだけじゃなく平成10人ライダーの仮面戦士までそろいやがったか。さすがに面倒になりそうだぜ」

 

「「「彼らだけではないぞ!!」」」

 

「ん?」

 

 ダークディケイドは何人かの声が聞こえた場所に視線を移すと・・・そこにはスカイライダーやスーパー1、ZXにブラックRXといった7人ライダー以外のレジェンドライダー達が立っていた。

「まさかレジェンドライダーが全員揃っちまうとはなぁ。しかもどっかのだれかは知らんがブラックを召喚するなんて余計なことをしやがって!」

 

『FORM RIDE OOO GATAKIRIBACOMBO』

 

『『『FORM RIDE・・・』』』

 

 再びガタキリバコンボに変身したダークディケイドはまたもやそれぞれ追加変身して偽ライダーとなって並び立つ。

「いくら我々と同じ姿になろうとも、心を持たん偽者では我々を倒すことはできん!!」

 

「本物の仮面ライダーの力を見せてやる!」

 

「いいぜ!掛かって来いよ!たとえどんなに仮面ライダー共が束になろうと俺には敵わないってことを教えてやるぜ!」

 

 ダークディケイドは剣を突き刺すように構えると・・・自身の周りにいる偽ライダー達は本物の仮面戦士達を取り囲む。

「いくぞ隼人!」

 

「おう本郷!」

 

「ショォォォカァァァッ!!」

 

 1号と2号は自分達の目の前にいた偽ライダーを殴り飛ばしてショッカーグリードへと駆け出すと・・・・1号はキック、2号はパンチをショッカーグリードに決め込む。

「くっ!?これでは浅いか・・・」

 

「ショォォォォカァァァァッ!!」

 

「「ぐあぁぁぁぁぁっ!?」」

 

 ショッカーグリードの放ったエネルギー弾に吹き飛ばされた1号と2号は再び立ち上がると、もう一度ショッカーグリードに駆け出した。すると他のその場にいる仮面戦士達はダークディケイドの分身達が変身した偽ライダー達と戦い始める。

「フンっ!」

 

 レジェンドライダーではないメンバーの中で真っ先に駆け出したアギトは偽者のアギトと互いの拳をぶつけ合った。

「なぁ・・・つまり本郷さん達が怪人を相手にしてくれるってんなら俺達は偽者達を倒せってことだよな?」

 

『SWORD VENT』

 

「さっきから本郷さん達はそう言っているだろ。きちんと理解をしろよ馬鹿・・・ハァァァッ!」

 

 手首をスナップさせてファイズはイマイチ理解をしていなかった様子の龍騎を馬鹿呼ばわりすると偽者のファイズに殴りかかる。それに続くようにして龍騎も自分の偽者にドラグセイバーを振り下ろした。

「ウェェェェェェイ!!」

 

『SLASH』

 

 ブレイドはラウザーの切れ味を上げてダークディケイドが変身している偽者に斬り込むが・・・あっさりと剣を受け止められてしまった。

「・・・おばあちゃんが言った。時折は鏡の前で自分と見詰め合い、今の自分を確かめなければならない・・・と。今の俺がどれほど実力か試させてもらうぞ!」

 

『RIDER KICK』

 

「・・・・・・」

 

『FINAL ATTACK RIDE KA・KA・KA・KABUTO』

 

 カブトは偽者のカブトと互いの回し蹴りをぶつけ合う。

 

「天道くん。・・・たぶんおばあさんは今の状況とは違う意味で言ったんだと思うよ。それ以前に鏡じゃないし・・・波っ!」

 

 響鬼はカブトの言葉になんとなくツッコミを入れながらも偽・響鬼を2本の音撃棒で叩く。

「いくぜ!いくぜ!いくぜぇぇぇっ!」

 

 電王はヤンキーのように剣を振り回しながら偽・電王に突撃するも・・・その剣は片手だけで受け止められてしまった。

「・・・偽者とはいえカッコイイ止めかたじゃねぇか。さすが俺」

 

『モモタロスってこんな止め方できないよね?』

 

「うるせぇ!くっそ~!せっかく俺がここのボスをカッコよくぶっ倒してヒーローになりたかったのによぉ!」

 

『だったら早く偽者を倒して挑めばいいんじゃないかな?』

 

「んなことわかってんだよ!あ~~!俺の偽者が邪魔だぁぁ!!まだまだクライマックスでいくから覚悟しとけよこん畜生!!」

 

 電王はそう叫びながら何度も偽者に剣を振りまくった。

「キバと戦うことになっちゃったけど・・・どうしたらいいのキバット?」

 

『んなの大丈夫だって!こういう特訓で自分との戦いっていうシチュエーションによって新しい力が目覚めて主人公ってのは強くなるもんなんだからよぉ!』

 

「・・・それはマンガの中での話でしょ?第一これは特訓なんかじゃないし。とりあえず頑張ってみるよ・・・明日もあかりさんと会うためにもね」

 

 偽キバに飛び掛ったキバはかかと落としでパンチを弾くと、すぐにパンチをしてきた腕を掴んで背負い投げをした。

「おぉと!どうやら舞台は整っているらしいぜ」

 

「僕達もいくよ正太郎」

 

「「ハァァッ!」」

 

 ようやく最上階に辿り着いたWは偽者のWに風を纏った回し蹴りを繰り出した。

「もう一回言うけど・・・宇宙キターーーーーーーーーーーーー!!俺の偽者!お前とはしっかりとタイマン張らせてもらうぜ!」

 

「う、宇宙キター・・・」

 

「って!?マネすんなよっ!?しかもテンション低いしっ!」

 

 気分的に宇宙を叫んだフォーゼは偽者のフォーゼにタイマンを希望すると・・・偽者のフォーゼはやる気のなさそうに両腕を上げて囁いた。

「オリャァァァァァッ!」

 

 自分の偽者を倒したクウガは再びダークディケイドと向かい立つと・・・その横にはメダジャリバーを持ったアンクが並び立った。

「リク・・・お前とこうして肩を並べんのは久しぶりだな」

 

「だから俺は五代祐輔だって・・・それにリクとしての時だって肩を並べて戦ったのなんてグリード達と当時のアークやダークキバから城を守ったときの2回だけだろ?」

 

 クウガがアンクの方を向きながらそう告げると・・・アンクは「フッ」と笑いながらジャリバーをダークディケイドへと向ける。

「あぁ・・・そうだったな。リク・・・まだ戦えるよな?」

 

「みんなの笑顔を守りきるためにも・・・俺はまだ倒れないよ」

 

「おいおい・・・俺も忘れて貰っちゃ困るぜ!」

 

 偽者のアクセルとデルタを切り倒したディケイドはアンクとは反対側のクウガの横に並び立つ。

「俺はあのヤロウをぶん殴んないと気が済まないんだよ!いくぞアンク!それと、この世界のクウガ!」

 

「へっ!なら破壊者同士、破壊し合おうじゃんか!」

 

 アンクとクウガ・・・そしてディケイドはダークディケイドへと立ち向かっていった。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

 Wがシャドームーンを倒した頃、海に落ちてずぶ濡れの俺は海岸で横たわりながら同じくずぶ濡れのアリアに呼びかけられていた。あの時の攻撃で気を失ってしまったから、海に沈んだかと覆っていたが・・・どうやらアリアが引き上げてくれたらしい。

「キンジ!キンジ!しっかりして!」

 

「・・・あぁ大丈夫だよアリア」

 

 すると意識を取り戻した俺は自身の身体・・・というよりも血流に違和感を感じた。

「・・・・?」

 

 どうして俺はヒステリアモードになっているんだ?・・・アゴニザンテのヒステリアでもなければベルセでもないし・・・だけど通常版のヒステリア・ノマ―レになる条件である性的興奮に繋がるようなことはしていないはずだぞ。

「本当に良かった。・・・あの時落ちたときはもう駄目かと思ったよ」

 

「心配をかけちゃったね。ごめんよ」

 

 しかしどうしてだか分からんが・・・・何だか唇にさっきまで何かが当たっていたような感触が残っている気がするんだよな。もしかしてアリアが人工呼きゅ・・・いや、アリアが自分からそうゆうことをするなんてありえないな。どうやらアリアも相当俺を心配してくれてたみたいで涙目になりながら顔を物凄い赤面させている。そんなに心配してくれたのか。

「キンジ・・・これ・・」

 

 アリアはタカとトラとバッタ・・・3枚のコアメダルを俺に渡してくる。これで一応は紫を使わずにオーズに変身できるな。

「ありがとうアリア・・・これは俺からのお礼だ」

 

 メダルを受け取ったヒステリアの俺はアリアの右手をやさしく握ると・・・その手の甲にキスをする。こんな恥ずかしいことをしてくれるからヒスるのは嫌なんだが・・・今回はさすがにヒステリアの力が必要不可欠っぽいな。

 

「王子様はお城に住んでいる魔物を倒してくるから・・・お姫様は王子様の帰還を信じて待っていてくれ」

 

 ヒスってる俺はそんなメルヘンチックな言い回しでアリアに「ここで待っていてくれ」と伝えると・・・最初はあんなにも一緒に着いていこうとしていたアリアは頷いてくれた。

「あたしの武偵パートナーとしてじゃなく・・・1人の仮面ライダーとして戦いたいって訳ね。いいわ、それじゃあ行ってきなさい!その代わり、絶対に戻ってこないと風穴なんだからね!」

 

 約束は守るさ・・・ヒステリアモードの俺は女との約束を破ることはできなくなるんだからな。

「無事だったんだねキンちゃん!」

 

「きーくん相変わらず見かけ以上にタフだね~!」

 

「ご無事で何よりです」

 

 ベルトにメダルをセットしていると白雪達がこちらにやってきた。・・・どうやら俺が海に落ちるのを見ていた様子だな。

「・・・きーくんもしかして・・・」

 

「・・・・・」

 

 理子とレキは俺がヒスってることに気づいたような反応を見せると顔が真っ赤のアリアに視線を移す。すると顔を真っ赤にしているアリアを見て何かを悟った様子の白雪は般若のような形相になった。・・・何だか怪人とかよりも怖いからそろそろ行こう。

「変身!」

 

『タカ!トラ!バッタ!タットッバッ!タトバ、タッ!トッ!バッ!』

 

 オーズに変身した俺はバッタレッグのジャンプ力を最大限まで発動して何度か城の壁を蹴りながら一気に先ほど落とされた最上階まで上っていった。

「もう一度言うけど負けたら風穴だからね!」

 

「頑張ってねキンちゃん!」

 

「いっけ~~!きーくん!!」

 

「・・・キンジさんご武運を」

 

 アリア達の声援を受けながら・・・俺は今度こそ首領を倒すために最上階へと急いだ。

 


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