緋弾のアリア 欲望の交差   作:彩花乃茶

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counttheMedal!現在オーズの使えるメダルは

タカコア×1
ライオンコア×1
クワガタコア×1
サイコア×1
シャチコア×1
トラコア×1
カマキリコア×1
ゴリラコア×1
ウナギコア×1
チーターコア×1
バッタコア×1
ゾウコア×1
タココア×1


ノブナガと雷と始まりの合図

「んっ・・・・・あぁ」

 

 窓から聞こえた雀の声に、俺は武偵病院のいつものベッドで目を覚ます。・・・あれほどの戦いの連続で、俺も使えるコンボは全て使った状態で一月ほど寝込んでいてもおかしくはないと思っていたのに10日ほどで目が覚めることができた。しかし主治医を担当してくれた伊達さんによるとコンボであんなに激しい戦いをしたせいでそれなりにやばかったらしい。・・・肉体を変質させる仮面戦士だけあって普通の人よりは治りが早いといってもさすがに骨折を10日で治すことは無理だったが入院してから15日ほどで一応ギブスは取れた。そんなこんなで今日は8月10日。・・・夏休み終了まであと20日になってしまった。

「・・・今日で・・・退院か」

 

 寝ぼけた頭でニュースを見ながらここ数日のことを思い出す。・・・コンボの反動で気を失った俺は武藤達に助けられてそのまま武偵病院に入院させられたと聞かされた。イ・ウーがどうなったかは・・・知らないし、知りたくない。まぁ、リーダーを失って組織としては終わっただろうから・・・もう考えなくていいか。3日前に俺の病室に政府関係者を名乗る黒服の男達が鉄人先生を含む数人の武偵高教師とやってくるとイ・ウーの話を根掘り葉掘り聞いてきた。・・・その時に回収したラスのデッキとコーカサスゼクターは・・・その人達に預けることとなり、かわりに新車バイクを3台は買えるぐらいの金を貰えた。そして「事後処理は我々が行うから今回のことは永久に他言無用」言い残されて去っていった。それと兄さんとパトラは・・・予想していた通り東京から姿を消した。何処にいったかは分からない。

「ようやく起きたか。・・・飲むか?」

 

「ああ、1本貰う」

 

 そう振り返っていると、病室にアンクが2本の缶コーヒーを持って入ってきた。・・・どうやら現在のコアメダルは3枚らしいが・・・本人曰く怪人態には部分的にしかなれなくなっているらしい。

「そんで・・・今日アリアは?」

 

「今日も帰ってきてなかった」

 

「・・・そうか」

 

 ここ最近アリアはイ・ウー関連で出ずっぱりになっているとアンクから聞かされている。冤罪で囚われている母親の裁判に向けて証拠集めや弁護士との打ち合わせがあって忙しい。とはいえ俺の意識が戻ってから1度も見舞いに来ないのはいかがなものか。・・・少し冷たいんじゃないか?

 

「まぁ・・・あれだ。とっとと退院の手続きを済ませてこいよ」

 

「そうだな・・・」

 

 俺は退院の手続きを済ませて病院のロビーを出て行くと・・・・

「キンちゃん!退院おめでとうございます!」

 

 白雪がいた。・・・白雪は俺の入院中、俺の意識がない間も付きっ切りで看病してくれていたらしい。特製の漢方薬を作ってくれたり、宿題を手伝ってくれたりしてくれたのだ。まぁ・・・ウェストや脚の長さを計らせた覚えがないのに俺の体型と1ミリの狂いもない制服を新調してたり、俺のスタッグフォンからアリアのアドレスが削除されていたり、アンクが俺の病室を出て白雪の声がしたかと思うと・・・窓から見えた帰るアンクが怪人態の右腕だけになっていたりすることもあったが・・・問い詰めないでおこう。・・・なんか怖いし。

 

「・・・そういえば白雪。この前、漢方薬の材料を持ってきたときの袋が小香港の紙袋に入っていたな。1人で台場まで買いに行ったのかよ?」

 

星伽神社の箱入り娘の白雪は学校と神社以外の外出を禁じられている。昔は武偵高から出るモノレールに躊躇っていたが・・・最近は成長したんだな。

「うん!最初はちょっと不安だったけどちゃんとお買い物できたよ!」

 

 俺達はそんな話をしながら武偵高の教務科へと向かおうとすると・・・どこからともなく悲鳴が聞こえた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「「「っ!?」」」

 

 悲鳴の後に銃声が響いたので俺達は悲鳴の聞こえた体育館裏に向かってみると・・・そこには顔が白ヤミーのような鎧武者の怪人が十字架に見えなくもない剣を武偵高の生徒の喉に突きつけてた。

「俺を殺したのはお前か?」

 

「な、何の話だ!?」

 

「・・・天誅」

 

 鎧武者怪人は生徒に向かって剣を振り下ろす。

「やめろぉぉぉぉぉ!!」

 

『タカ!トラ!バッタ!タットッバッ!タトバ、タッ!トッ!バッ!』

 

 俺はオーズに変身すると展開したトラクローで鎧武者怪人の剣を防いだ。

 

「早く逃げろっ!!」

 

「は、はいっ!」

 

「セヤッ!」

 

 生徒はその場から逃げたのを確認すると押し返すように蹴り飛ばす。

「何だあの怪人?・・・メダルの気配はするが・・・グリードでもヤミーでもないぞ」

 

「どうゆうことだアンク!」

 

 俺はアンクからジャリバーを受け取りながら聞いてみるが・・・

 

「んなこと知るか!!」

 

 ・・・どうやらアンクにも分からないらしい。

「・・・とりあえず戦えってことか」

 

「・・・・・フンッ!」

 

 俺と鎧武者怪人の剣と剣がぶつかり合い火花が散る。・・・いったいどんな力を持っているか分からないからコンボはまだ使わない方がいいな。・・・正直に言うとまだ内蔵が完治したわけじゃないんでコンボは控えたいってのが本音だが。

「セイっ!」

 

 俺はジャリバーを横に振り払って鎧武者怪人と距離を取るとウナギのメダルを取り出す。

「・・・ったく、病み上がりだってのに」

『タカ!ウナギ!バッタ!』

 

 俺はトラのコアメダルを外して変わりにウナギのメダルを入れてスキャンした俺は電気鞭で鎧武者怪人を叩き、怯ませる。

「このまま押し切ってやる・・・セヤッ!!」

『タカ!ゴリラ!バッタ!』

 

「ぐっ!?」

 

 俺はタカゴリタへと変わりの全力で殴り数メートルほど飛ばすと・・・鎧武者怪人は少しふらふらしながら立ち去っていった。

 

「追え!キンジ!」

 

 

「ああ!」

 

 俺は近くにあったライドベンダーをバイクモードにしてまだ遠くに行っていないはずの鎧武者怪人を追いかけるために道路に出ると・・・

「う・・・・うぅ」

 

「うおっ!?」

 

 いきなり俺の運転するベンダーの前に1人の男が倒れてきた。

「おい!しっかりしろ!おい!」

 

 俺はその男を軽く揺さぶるも・・・意識は戻らない。

「キンちゃん。とりあえず安全なところに運ぼう」

 

「そうだな」

 

 俺はその男をアンクの後ろへと乗せてひとまずクスクシエへと走り出そうとした た。・・・その瞬間・・

「「「っ!?」」」

 

 黄緑色の雷の後に大きな音が鳴り響いた。こんな晴れの日にも関わらずあんな雷がなるだなんて。

「変な怪人に出くわすは・・・何だか訳が分からない日だな」

 

 そう呟いた俺は右手でハンドルを握りつつも変身を解除してバイクを走らせた。

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

「う・・・うぅ?」

 

「おっ!気が付いたか?」

 

 俺は白雪と合流してクスクシエへと向かうと・・・先ほどの男が目を覚ました。

「は~い。チャーハンできたわよ~」

 

「ありがとうございます千代子さん」

 

 千代子さんからチャーハンを受け取った俺は男にチャーハンを差し出す。

 

「まぁ、とりあえず喰えよ」

 

「・・・・・・」

 

 男は俺からチャーハンの皿を奪い取ると手ですくうようにしてガツガツとチャーハンを食べ始めた。・・・そんなに腹が減ってたのか?・・・おっと!まずは名前を聞いておかないとな。

「・・・俺は遠山キンジ。そんで後ろの2人が・・・」

 

「泉・A・信吾だ。・・・覚えておけ」

 

「星伽白雪だよ。よろしくね!」

 

「お前の名前はなんて言うんだ?」

 

 次の瞬間・・・男は日本の歴史で有名な人物の名前を口にした。

「ノ・・・ノブナガ・・・」

 

「ノブナガって・・・あの織田信長?・・・まさか・・・」

 

 さすがの白雪もこの男のノブナガという名前には少し驚いた様子だった。・・・でも俺的にはこの学校は偉人の子孫、もしくはそうじゃないかと言われる奴らが知り合いでそれなりにいるからあまり気にならないな。

「そんで?苗字は?」

 

「・・・・分か・・・らない。ここは・・・どこだ?・・・俺は・・・・何をしている?」

 

 俺と白雪はその言葉に衝撃が走った。・・・こいつまさか!?

 

「キンちゃん・・・もしかして・・・」

 

「たぶん・・・記憶喪失だろうな」

 

 こうして俺達は記憶喪失の青年・・・ノブナガと出会った。

 

「先輩!退院なさってここに来たって聞いたんで参りましたぁ!・・・ってあれ?」

 

「東條殿!そこを避けないと拙者が入れないでござる。・・・師匠!ご無事で何よりでござる!・・・む?・・・何やら不穏な気配が・・・」

 

 東條と風魔が入ってきてもクスクシエの沈黙は続く。これが夏休みに起こった新たな物語のプロローグ。・・・そして・・・エヴィルとの戦いが本当の意味で始まりを告げる合図だった。あれから数時間後、とりあえず俺は教務科に連絡を取ってしばらくノブナガを俺の部屋に住まわせることにして部屋に帰ったら・・・いきなり面倒なことが起きた。

「おいノブナガ!?それは帽子じゃない俺のパンツだ!!」

 

「キンちゃんのパンツを被るなんてうらやま・・・いけないことだよ!」

 

「てめぇ事ある事に俺を叩くの・・・・いえ、なんでもないです。すいませんした」

 

 とりあえず簡単に状況を説明すると・・・1つ、部屋に入った途端洗濯かごに入っていた俺のパンツをノブナガが被る。2つ、それを見た白雪がどういう訳かアンクを叩き始める。そして3つ、アンクは白雪に日頃の恨みを晴らそうとしたが物凄い形相で睨まれたので土下座をする。・・・なんていう状況だ。・・・頼む。誰か何とかしてくれ。

「・・・・・・」

 

 俺がこの状況に焦っている時、ノブナガはテレビのリモコンのスイッチを押してテレビの電源がついた。

「・・・・?」

 

「ああ、それはテレビだ。やっぱりこれも分からないのか?」

 

「・・・・・・」

 

 ノブナガは無言でテレビを眺め始める。・・・とりあえずこれで大人しくなったな。・・・後ろの2人もおとなしくなったな。

「・・・・メダルが・・・セルメダルが・・・」

 

「・・・しぶといね。まるでGみたい」

 

 後ろを振り返るとアンクが右腕だけになり台所に出現するGを捕まえるためのホイホイに貼り付けられていた。

「白雪。セルメダルがもったいないからアンクを痛めつけるのはやめてくれないか?」

 

「ご、ごめんなさいキンちゃん!そうだよね!キンちゃんのメダルがもったいないよね。アンク!これに懲りたらそんなことはしちゃ駄目だよ!」

 

「・・・・俺が何をしたっていうんだよ」

 

夕飯を一緒に食べた白雪が帰ったのを確認した俺は2~30分掛かって何とかアンクをGホイホイから剥がしてタンスにしまって置いたセルメダルでアンクを回復させた。・・・しかしその間もずっとノブナガがテレビを黙ってずっと見ていたのが何となく気になった。

 

 

翌朝、雀の鳴き声で目は覚めるがいまいち起きたくないと思っていると・・・

 

「起きるのだキンジ」

 

「ぶるぁっ!?」

 

 いきなり何者かに腹を踏まれたのですぐさま飛び起きた。・・・ったくアンクの奴、俺はまだ内臓の調子があまり良くないのに。・・・・俺を踏んだのはアンクだと思っていたが、その予想は外れていた。

「白雪嬢が朝食を作り終えている。お前もはやく起きて来い」

 

「え?・・・ノブナガ?」

 

 昨日まで言葉という言葉を話せていなかったはずのノブナガが・・・信じられない事にぺらぺらと日本語を話していた。・・・何があったんだ?・・・そう思っていると左手に箸を持ち右手にお椀を持ったアンクがやってきた。

「どうやらソイツはあれからずっとテレビを見ていただけで日本語を覚えたらしいぜ」

 

「は?そんなことができるのかよ?」

 

「そうじゃなかったらこいつがどうしてこんなにしゃべってんだよ。俺が起きた時もずっとテレビの前にいたんだぞ」

 

 マジかよ。・・・だとしたらノブナガはどれだけ物覚えがいいんだよ。・・・そう思いつつも白雪の作った朝食を食べ終わると・・・ノブナガは俺の私服を適当にあさってそれに着替えた。

「キンジ。現代の世の中を知っておきたい。書籍が置いてある場所を教えてくれ」

 

「あ・・・ああ」

 

 記憶喪失の奴が現代を知りたいと言い出したことに違和感を少し覚えたつつも、俺達はとりあえずノブナガを一般にも開放してくれる武偵図書館に案内してやった。

「・・・ご苦労。あとは問題ない。夕食の時間には戻るようにする」

 

 そういい残すとノブナガはすたすたと図書館の中へと入っていった。

「いいのキンちゃん?・・・ノブナガ君を1人で行かせて?」

 

「正直驚いているが・・・あの様子だと1人でも大丈夫なんじゃないのか?」

 

『PPP』

 

 少しノブナガが心配だと思いながらもひとまず帰ろうとすると・・・スタッグフォンではなく普通の携帯のほうにメールが来た。

「ん?・・・教務科からだな」

 

「なんて書かれているのキンちゃん?」

 

「『遠山キンジ 探偵科 1単位不足』・・・えっ?」

 

 何でだ!?あんな激闘までやってがんばったのに!!・・・そう思って下の方も呼んでみると・・・『輸送車輌の警備は怪人とはいえ襲撃犯に車輌ごと盗まれてしまったので評価を減点する』とあった。・・・マジかよ。だとするとアンクもやばいんじゃないのか?

「き、ききききキンちゃん!た、たた、単位が!たたたた」

 

 俺以上にパニックってる様子の白雪はしばらくオロオロアタフタすると武偵手帳を開いた。そして血相を変えて小さな筆ペンで何やら書き込み始めた。

 

「・・・・・」

 

 あまりに必死に書き込んでいるので、ちょっと不安になり覗いて見ると・・・

 

 

 絶対必須⇒単位を取る⇒一緒に進級⇒一緒に進学(ここでアンクとお別れ)⇒一緒に武偵企業に就職⇒寿⇒赤ちゃんを7~8人産む⇒全員キンちゃん様にソックリ

 

 

 などと空恐ろしい人生計画がビッシリと書かれていたのが一瞬見えたような気もしたが、字が達筆すぎて読めなかった。・・・読めなかったことにする!俺は何も見てないぞ!

「キンちゃん!夏休みはまだ19日あるよ!1単位、何とかしよう!」

 

「そ、そうだな!・・・アンク!俺とお前の単位が危ない!急いで教務科に行くぞ!」

 

「くそっ!?なんて散々な目に合う夏休みだ!!」

 

 俺とアンクは慌てて近くのライドベンダーをバイクモードにして跨ると俺の方のベンダーに白雪も乗ってきた。

「待ってキンちゃん!私も行くよ」

 

「あ、ああ!」

 

 俺達が教務科に到着すると・・・掲示板には俺達以外にも数人立っていた。

 

「信司と・・・後藤、それに天道か」

 

 さらに近づいてみると・・・3人は振り向いたのに信司だけは俺に振り向かずにただ掲示板を見て唖然としていた。

「あ・・・あ・・・・」

 

「どうしたんだ信司・・・っ!?」

 

 信司の単位を見て・・・本当にびっくりさせられた。

 

『城戸信司 情報科 3単位不足』

 

 3単位って・・・・マイナス1単位じゃんかよ。どんだけお前はバカなんだよ。

 

「城戸・・・お前はバカだと思っていたが違った。・・・お前は大馬鹿だったようだ」

 

「う、うるさい!ただ1学期は国語以外全教科赤点だったり毎日遅刻してただけだ!・・・それに天道だって単位が足りてないじゃんか!」

 

「・・・おばあちゃんが言っていた。仕事よりも大切なものは家族だと。・・・俺はただひよりの彼氏という人物が誰なのか24時間体制で監視して探っていたら単位を少しとっていなかっただけだ。・・・大馬鹿のお前とは違う」

 

 24時間って・・・お前それストーカーより酷いじゃんか。・・・信じたくないほどのシスコンだな。ある意味信司よりも酷いぞ。・・・『天道総冶 仮面戦士科 0,4単位不足』か。割とはやく天道は済みそうだな。

「後藤も俺と同じで1単位不足か」

 

「ああ、やはり輸送車の警護を失敗したことは大きいな」

 

 後藤は何やら変わったデザインの銃を持っていた。見たことない銃だな。どこのモデルだ?

「後藤・・・その銃はいったい?」

 

「この銃はバースバスターといって仮面ライダーバースのメイン武器だ。伊達さんは俺がバースを受け継げるほどの実力をつけろとこの銃を俺にくれたんだ。わざわざメイン武器を俺にくれたんだ。期待に沿えるように強くなり・・・いつかお前や矢車達と肩を並べてみせる」

 

 ここ最近見ていなかった間に以前よりも後藤は筋肉がついていた。・・・こんな短期間でこんなに筋肉をつけるなんてどんな鍛え方をしているんだ?・・・後で練習を見に行ってみよう。

「アンクの単位は・・・・どうなんだ?」

 

「アンクは・・・『泉・A・信吾 強襲科 1,5単位不足』と記されている」

 

 1,5単位か。まだまだ足りないが・・・信司よりは希望がある単位だな。

「・・・・・・・チッ!」

 

 アンクは少し離れた所で空を睨みつけるように見ながら舌打ちをしていたた。・・・さすがにアンクも1,5単位には危機感を感じているようだな。

「まぁ、とりあえずアンク。あと19日で単位を何とかしようぜ」

 

「変身しろキンジ・・・」

 

「は?」

 

 俺はあまりにも以外なアンクの返しに気の抜けた返事をしてしまう。

「いいからとっとと変身しろって言ってんだよ!!」

 

「そうだ。変身して貰わなければこちらとしてもつまらん」

 

 どこからともなく声がしたかと思うと・・・俺達の目の前の空間が歪む。そこからは仮面ライダー1号、2号に似ているがグローブやマフラー、そしてブーツの色が違う6人の戦士達が俺達の前に出現した。

「あれはまさか・・・ショッカーライダー!?」

 

 ショッカーライダー・・・それはバカの信司でも知っているほどの有名な相手。かつて本郷さんと一文字さんが何度も激闘を繰り広げた偽ライダー達だ。スペックや能力も1号、2号と同じで本郷さん達も苦戦したが・・・思いの強さで戦って何とか勝利した。と仮面戦士科の教科書には記されている。

「我々はエヴィルの首領様が直々に作り上げてくださったショッカーライダー。・・・遠山キンジ。及びグリードながらも人間に加担するアンク。・・・貴様らを倒しコアメダルを首領様に謙譲させてもらう」

 

 くそっ!?・・・またエヴィルかよ。・・・俺はエヴィルの怪人とは絶対に戦いたくないと思っていたのに・・・。

「くそ・・・変身!」

『タカ!トラ!バッタ!タットッバッ!タトバ、タッ!トッ!バッ!』

 

 

「「変身!」」

 

『HENSIN』

 

『CAST OFF CHANGE BEETLE』

 

 俺がオーズに変身すると・・・信司も龍騎に変身し、天道もカブト・ライダーフォームに変身して俺の隣に立った。

「しゃぁっ!・・・何だかよく分かんないけど・・・とりあえずヤバイってことは何となく分かった」

 

 

「ショッカーライダーか。・・・俺が最強ということを見せてやるには丁度いい相手だ」

 

 

 コンボがまともに使えなさそうな俺にとって二人の参戦はだいぶ助かる。

 

「白雪!後藤!援護を頼む!」

 

「うん。分かったよキンちゃん!」

 

「了解した」

 

 白雪は数枚のお札を懐から取り出すと、後藤もバースバスターを構えた。すると右腕を怪人態にしたアンクはショッカーライダー達とは真逆の方を振り向く。

「・・・キンジ。ここはこいつ等に任せておけ。・・・俺達はアイツの相手だ」

 

「あれ?気づいてたんだ?・・・さすがはアンクだね」

 

「カザリ・・・・」

 

 アンクが向いている先には・・・裁鬼に変身した鉄人先生・・・もといサバキ先生の足を引っ張りながらこちらに歩いてくるカザリがいた。

 

 




 要望があったので次回の後書きから主役級ライダー達を2~3人づつキャラ紹介をしていこうと思います。

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