緋弾のアリア 欲望の交差   作:彩花乃茶

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パートナーと相乗りとビギンズナイト

「で?・・・あの変身・・・Wはいったい何なんだ?」

 

 理子が帰って翌日の午後、俺とアリアは正太郎と陽から話を聞くためクスクシエに来ていた。ちなみにアンクは今日は学校をサボっている。・・・何でも「あの力の出所を探ってくる」とか言ってライドベンダーでどこかに行っちまった。

「・・・まぁ、俺と陽が変身すんのは分かってるだろ?」

 

「ああ、昨日の戦いを見ていて気づいた」

 

 俺は正太郎の言葉に頷くと、アリアは陽のほうを向いた。

「えっ?そうなのライト?」

 

「気づかなかったのアリア?」

 

 俺もアリアなら気づいていたと思っていたんだが・・・てか、アリアと陽って面識あるのかよ。・・・ちゃっかりあだ名で呼んでるし・・・。

「仮面ライダーW・・・ミュージアムの開発したガイアドライバーG・・・通称ロストドライバーの後継機にあたるガイアドライバー2G・・・ダブルドライバーを使い‘僕達’が変身した仮面戦士だよ」

 

「俺がベルトをつけると特殊なプログラムで陽の腰にも同じベルトが出現するんだ。そんで陽がそれにメモリをセットすると陽の意識がメモリと共に転送されてきて・・・2人で1人の仮面戦士・・・仮面ライダーWに変身するってわけだ」

 

「いったいどうしてそんなシステムを持ってるの?・・・そもそもなんで二人で変身する必要性があるのよ?」

 

 アリアは席を立ち上がりながら正太郎達を問い詰める。そういえばアリアはあの事件のことを知らないんだったな・・・正太郎と陽の出会いと相棒になるきっかけの連続爆破事件『爆弾蜘蛛(スパイダー・ボマー)事件』のことを・・・

 

 

 

 

・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

「あ~・・・めんどくせ~」

 

 アリアが転校してくる3ヶ月ぐらい前・・・まだ兄さんがシージャックの被害にあっていなく、俺が2つの力を拒みつつも武偵を目指していた俺が、親戚である正太郎が偶然この東京武偵にいたために何度か組んで依頼を受けていた頃のことだ。

「まったく・・・猫探しなんてハードボイルドであるこの俺がするようなことじゃないぜ!」

 

「真面目に探せ。ミッションは完全調和・・・『パーフェクトハーモニー』が大切なんだぞ。2人ともチームの士気を下げるんじゃない」

 

 その日はまだやさぐれていない矢車と俺、そして正太郎の3人で猫探しをしていた。

 

「で?・・・矢車、今回の猫の名前は何だったっけ?」

 

「『ミック』・・・ミュージアムの社長さんの家の飼い猫らしい。品種はブリティシュショートヘア・・・と聞かされている」

 

「・・・仕方ねぇな。こんな依頼とっとと終わらせたいし・・・こうなったら俺のとっておきだ」

 

「にゃ~ご!」

 

 正太郎は骨を鳴らしながら近くの広場の中心に立つと怪しげな踊りを始めた。

「・・・お前・・・ふざけているのか?」

 

「ま、待て矢車!!たぶんあいつなりに真面目に・・・」

 

 矢車は正太郎に殴りかかろうとするのを俺は抑える。

「あれの何処が真面目に探していると言えるんだ!!」

 

「にゃ~ご!」

 

「・・・・・・・」

 

 み、見えねぇ~~!!悪い正太郎!庇うことは無理そうだ。・・・そう思った時だった。

「にゃ~~」

 

 一匹の猫が正太郎に近づいてきた。しかも俺たちが依頼で探していたはずの猫・・・『ミック』が・・・

「どうだ~~!俺の猫ダンスは!!」

 

「し、信じられん!まさかあんな行動で・・・」

 

「すっげえ無駄なスキルだな。そんなことより・・・依頼人に猫を届けに行こうぜ」

 

 自慢してくる正太郎に驚く矢車の隣でツッコミを入れ、俺達は依頼人の家へと向かった。

「3人で押しかけるのも何だよな・・・正太郎。見つけたお前一人で行って来いよ!」

 

「それはいい。はやく行け明智。ミッションは素早く遂行するんだ」

 

「はい、はい。分かったって。行ってくればいいんだろ?」

 

 門の前に立った正太郎はインターホンのスイッチを押す。

「どうも。東京武偵高の生徒ですが依頼された猫をお届けに上がりました」

 

「はい。今、出ます!」

 

玄関から出てきたのは黄緑のワンピースを着た少女だった。

 

 

 

 

 それが正太郎と陽のファーストコンタクトだった。・・・そしてそれから1月が過ぎた頃だ。

「え~それじゃあ転校生を紹介しま~す!」

 

担任と副担任が橘先輩の訓練ミスで怪我をして入院したため第一食堂のオーナーでありながら通常授業の家庭科をたまに教える講師でもある‘‘津上昇一(つがみ しょういち)さんが代わりに来てくれて転校生の紹介をし始めようとする。すると教室に入ってきたのは・・・中性的な顔立ちをした男子生徒だった。

「小林・・・明(あきら)・・・よろしく」

 

 なんか大人しそうな奴が転校してきたな・・・。

 

「・・・なんだアイツ・・・どっかで見たような・・・」

 

 この時の正太郎でも・・・明が陽であることには気づいていなかった。そして昼休み。

「なぁ、一緒に学食にいこうぜ!」

 

「え?・・・ぼ、僕も?」

 

 どこか近寄り難い雰囲気を放つ明を正太郎は学食に誘っていた。

「行くんならクスクシエにいこうぜ」

 

「なんだキンジ!また財布がピンチなのか?」

 

「うるせぇ。同情すんなら金をくれよ!」

 

俺は冗談交じりに正太郎にそう告げると・・・・

「・・・はい」

 

「はっ?」

 

明はバックから100万はある札束を取り出し俺に渡してきた。

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」

 

 俺や正太郎を含む、丁度この教室にいた生徒は全員その行動に驚いた。・・・当たり前だ。普通こんな簡単に100万って渡してくるか?

「い、いやいや明!冗談!冗談だからな!」

 

「そうなんだ・・・じゃあ僕が奢るよ・・・行こう」

 

 明はスタスタとこの教室から一番近いAGITΩに向かう。いかん、なんかこのままだと高い物を奢ってくれそうだが気まずいぞ。

「・・・あの声・・・小林・・・あの大金・・・・もしかして!?」

 

「しょ、正太郎・・・」

 

 正太郎はいつの間にかコーヒー飴を舐めてヒステリアモードになっていた。どうやら何か分かったようだな。

「明の正体が分かった!急いで明を引き止めてクスクシエに移動しよう!」

 

「は?正体?どういうことだ?」

 

「いいから行くぞ!」

 

 俺と正太郎は急いで明を引き止めて気軽に話しやすい雰囲気のクスクシエに向かった。

「・・・単刀直入に言うが・・・明・・・お前は女だろ・・」

 

「えっ?」

 

 俺は正太郎の言葉に驚いてしまった。

「しかもただの女子じゃない。ミュージアムの社長さんの娘さんだろ」

 

「・・・・どうして分かったんだい?」

 

 明は反論もせずに正太郎に真相を聞いてきた。

 

「まずはさっきの大金だ。・・・あんな大金を簡単に渡す時点でどっかの社長の子供ってことは分かった。そして小林っていう苗字でミュージアムの社長の子まで分かった」

 

「・・・・しかしそれでは僕が女と分かるものはないよ?まさかカンってやつかな?」

 

「いや、俺とお前はあったことがあるだろ・・・『ミック』の飼い主さん」

 

 ああ、そうゆうことか。正太郎は自称ハードボイルドだが、はたから見れば女子の前でいい格好をしようとしてる半熟の‘ハーフボイルドだ。だから一月前の猫探しで出会った娘さんを覚えていたってことだな。

「・・・まさかあの時ひさびさに女の子の格好をしていたのが仇になるとわね・・・」

 

「一つ聞かせてくれ。・・・なんで男装なんてしてるんだ?」

 

「・・・僕があの『小林芳雄』の孫娘だからさ」

 

 は?どうゆうことだ?

 

「『小林芳雄』って・・・確か・・・」

 

「ああ、俺の曾じいちゃん・明智小五郎の助手で『小林少年』って呼ばれていた人のことだ。けど・・・どうしてそれが関係してくるんだ?」

 

「祖父と母以外は僕が男じゃなかったから僕を一族の落ちこぼれ扱いをした。だから僕は『三代目小林少年』になるために男装をして育ってきたんだ・・・そして今日・・・武偵高に入学したと思ったら・・・こんなに早く正体がばれちゃうなんてね」

 

たしかにそれは悪いことをしたような気がするな。・・・でも・・・そんな生き方は虚しいだろ。・・・そう思っていると正太郎は口を開いた。

「お前はお前だろ・・・周りに決められた生き方じゃなく自分らしく生きてみろよ」

 

「っ!!・・・・そんな言葉・・・おじいちゃんとお母さん以外に言われたのは初めてだよ・・・」

 

 明は正太郎の言葉に感動したらしく涙を流していた。

 

「・・・僕の本当の名前は小林陽・・・よければ覚えておいて」

 

 俺と正太郎はその言葉にゆっくりと頷いた。それが俺達が‘小林陽’に本当の意味で出会った瞬間だった。 しかしこの1週間後・・・正太郎が探偵科から仮面戦士になることとなったとある事件が起きた。

「聞いたか遠山?・・・どうやら最近謎の爆破事件が多発しているらしい」

 

「ん?・・・何だそれ?・・・詳しく聞かせてくれ矢車」

 

 明・・・陽の正体が判明してから1週間後・・・俺達はあいつの秘密を誰にもバラさずにいつも通り過ごしていた日のことだった。

 

「建設物、人間問わずいきなり爆発してしまう事件だ。・・・それも不思議なことにその現場からは火薬のような物は発見されていない」

 

 火薬のようなものがないだと?・・・ってことは可能性としてはドーパントが色濃いな。

「もしかしたらドーパントの可能性が高いんじゃないのか?」

 

「ああ、その可能性が高い。だから念のために明智も誘って仮面戦士科の俺と強襲科の遠山、そして探偵科の明智の3人で周辺の探索に向かおうと思う」

 

「分かった。正太郎を呼んでくるからクスクシエで待っていてくれ」

 

「了解した。・・・一応事件の資料を幾らか持っていこう」

 

 俺は正太郎を探しに探偵科の学科棟へと向かった。

「明智?・・・あれ?今日は来ていないな?」

 

「そうか・・・悪いな!」

 

 学科棟には正太郎はいなかった。・・・しかも誰も今日は正太郎を見ていないらしい。依頼を受けてもいないらしいし・・・いったいどこにいったんだ?

 

 

 

 

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

「ここが・・・おばあちゃんのお墓なんだ」

 

「・・・そうか。・・・でも何で俺も連れてきたんだ?」

 

 俺が正太郎を探している頃、正太郎と陽は学園島から少し離れた墓場にいた。

 

「僕を僕らしくとおじいちゃんとお母さん以外に始めて言ってくれた人なんだ。物心つく前に死んだおばあちゃんも同じことを言っていたらしいし・・・連れてきて当然だよ」

 

「そ、そうか!」

 

 正太郎は少し照れくさそうにしながら後ろを向いた。

 

「あ!そういえば・・・最近謎の連続爆破事件が起こってるらしいから注意しとかないとな」

 

「たしかに原因不明の爆破事件の情報が何件も確認されているね・・・あの事件はもしかしてドーパントかもしれないね」

 

「ドーパントか・・・そういえばドーパントはここ数年に出現し始めたガイアメモリってものを使って人間が変わる怪人だろ?どうしていきなり出現したんだろうな?」

 

 正太郎は軽いノリで陽に話題を振ったつもりだったが・・・陽は深刻な顔をした。

「出回っているガイアメモリっていうのはね・・・僕のお母さんの会社で製作されていたライダーシステムのデータが何者かに盗まれてしまいより凶暴にされて出回ってしまっている物なんだ・・・」

 

「えっ?」

 

 陽の言葉に正太郎は固まってしまった。

「だから・・・ドーパントは責任を持って僕が片付けないといけないんだ」

 

「はは、残念だったな!それをやる前にお前たちは死ぬぞ!!」

 

「っ!?あぶねえぇぇぇ!」

 

 正太郎は地面を動く蜘蛛のような何かに気づくと陽を抱えて瞬時にその場を離れて、正太郎達が先ほどまで立っていたはずの場所はいきなり爆発で吹き飛んだ。爆煙が晴れてくると2人の十数メートル先には蜘蛛の怪人がいた。

「・・・ほう、まさか俺様のメモリの能力の蜘蛛爆弾に気づくとは・・・ただの人間ではないな。貴様は何者だ?」

 

「明智正太郎・・・武偵高の生徒だよ・・・ん?」

 

「お墓が・・・おばあちゃんの・・・お墓が」

 

 正太郎は先ほどの爆発でお墓がめちゃくちゃになり取り乱している陽に気づいた。

 

「はっはっ!たかが死人の埋まる場所なんてどうなってもいいだろう!」

 

「許さないっ!」

『JOKER』

 

 陽は腰にL字型のベルトをつけると一本の黒いメモリを起動する。

「ガイアメモリ!?・・・いったいなんで陽が持ってんだ?」

 

「僕のお母さんの会社はガイアメモリを使ったライダーシステムを作っているんだ。僕は念のため護身用にこれを持たされてるんだ・・・変身!」

『JOK・・・ER』

 

「うわっ!?」

 

ベルトにメモリをセットし、変身しようとした陽だったが・・・なにやら変身しそうになった瞬間にメモリがベルトから吹き飛んだ。

「やっぱり僕じゃこのメモリの相性は良くないか・・・」

 

「どうゆうことだ?」

 

 陽は吹き飛んだメモリを急いで回収した。

「ガイアメモリは相性がいい人に使われようとする意思みたいなのがあるんだ・・・僕では駄目だったようだ」

 

「だったら俺に変身させてくれよ。もしかしたら俺なら・・・」

 

「駄目だ!ドーパントは僕が倒さないと・・・」

 

「・・・話し合いは終わったか?」

 

「ちくしょうっ!!陽!!」

 

 2人の足元にゆっくりと近づいてきた正太郎は陽の右手を握り急いでその場を離れた。

「はっはっ!!蜘蛛の糸に絡まった者が逃げ切れると思うなよ」

 

 2人は近くの廃工場の中に逃げ込んだ。

「僕が・・・僕がお母さんのためにもドーパントは倒さないと・・・」

 

「・・・一人で抱え込む必要はないだろ・・・もしお前が最悪な道を辿るんだとしても・・・俺がついて行ってやるから」

 

 正太郎は再び変身をしてみようとしてる陽の手を抑えた。

 

「・・・無理だよ・・・どうせ僕は落ちこぼれなんだ・・・誰も僕と一緒には・・・」

 

「んな訳あるかっ!俺は絶対にお前を見捨てない!お前のためなら俺は悪魔と契約したっていい!」

 

 後先考えず今を守ろうとする。・・・それが俺の知っている正太郎だ。

「そうか。・・・なら・・・悪魔と相乗りしてくれるかい・・・正太郎?」

 

「ああ、やってやる。たとえどんなピンチでも・・・いつでも俺は切り札を掴み取ってやる!」

『JOKER』

 

 その瞬間陽の手に握られているガイアメモリの音が響きながら紫色に輝いた。

「・・・どうやら切り札は・・・いつでも俺の手に来るらしいぜ」

 

 正太郎は陽の手からベルトとメモリを受け取ると・・・ベルトを腰につけメモリをセットするとコーヒー飴を口に入れて噛み砕いた。

「変身!」

『JOKER』

 

 正太郎はこの瞬間から・・・仮面戦士になった。

 

 

 

 

・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・・・・・・

「ハハハ!これならどうだ!」

 

「ったく目撃証言があったから急いで来てみれば・・・なんつう野郎だよ・・・」

 

 俺と矢車は携帯を持っていなかった正太郎を探すのを諦め町を探索していると蜘蛛の怪人が暴れているとの証言があったので駆けつけたんだが・・・変な蜘蛛を爆発させるなんて面倒なことをしてくれるな。

「遠山!俺がライダーキックを決める。援護してくれ!」

 

「了解っ!」

 

 俺は拳銃でスパイダードーパントの注意を引き付ける。その間に矢車の変身するキックホッパーはジャンプをしてキックの体勢を取っていた。

「ライダァァァキィィク!」

 

「喰らってたまるか!!」

 

「ぐわッ!?」

 

 スパイダードーパントはライダーキックがあたる寸前にキックホッパーに蜘蛛爆弾を投げつけて妨害した。

「大丈夫か矢車?」

 

「ああ、大丈夫だ・・・もう一度隙を作ってくれ・・・そしたらクロックアップからのライダーキックを決める」

 

 キックホッパーはさっきの爆発で予想以上にダメージを受けながらもふらふらしながら立ち上がる。

「・・・いけるのか?」

 

「ミッションはしっかりこなす・・・それがパーフェクトハーモニーだ」

 

「そんなふらふらじゃあ必殺技は無理だろ。俺が・・・いや、俺たちが決める」

 

 俺たちの前には陽・・・いや、矢車もいるし明と呼んでおこう。・・・明をお姫様抱っこで運んできた黒い仮面戦士がいた。

「その声・・・正太郎か?」

 

「ああ、でも今の俺は・・・仮面ライダージョーカーだ」

 

 この時初めて俺は正太郎の変身する・・・仮面ライダージョーカーの姿をみた。

 

「正太郎・・・相手はおそらく君が近づいた瞬間に先ほどのキックホッパーのように爆弾を投げつけてくるだろう。キックホッパー・・・その攻撃を蹴り返せるかい?」

 

「当然だ・・・俺を誰の弟子だと思っている。伝説の仮面ライダー1号・・・本郷さんの弟子だぞ」

 

さすが明と言ったところか、的確な指示だ。

「ならいくぜ?・・・ライダーキックだ!」

 

『JOKER MAXIMUM DRIVE』

 

 ジョーカーは腰のスロットにベルトから外したメモリをセットして右脚に力を溜めて跳び上がる。

「いい加減に死ねぇぇぇぇ!!」

 

「フンッ!」

 

 キックホッパーは蜘蛛爆弾を蹴って空に上げると数十メートル空でそれは爆発した。

「な、なんだと~~!!」

 

「おぉぉらぁぁ!!」

 

「う、うわぁぁぁぁぁ!?」

 

 防ぐ手段のなくなったスパイダードーパントにジョーカーのライダーキックが決まり、こうして連続爆破事件が解決した。明の家族の墓も修理されることが決まり、すべて解決したと思っていた。・・・しかし30人も爆死させた男は警察に引き渡す前に謎の言葉を残した。

「ふん、俺様を倒してしまったことを後悔するんだな。・・・いよいよ動くぞ・・・イ・ウーが!!」

 

 その時は大して気にしていなかったけど・・・その一月後・・・俺たちの運命を変えることになったシージャック事件が起こってしまった。

 

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

 

「ジョーカーに変身しているロストドライバーは試作品なんだ。それに本来、ジョーカーのメモリは二人で一人の仮面戦士のために設計されたメモリなんだよアリア」

 

「俺と陽が二人で一人なのは・・・あの時からずっとなんだからな」

 

「・・・・・・」

 

正太郎はシージャック事件で姉さんを失った。・・・それでも正太郎は誰もいなかった俺や矢車と違って陽がいたから武偵であり続けようと決めたらしい。陽も自分の覚悟を正太郎に見せるために女であることをみんなにばらしたおかげだ。矢車は弟が死んでない可能性を信じていて助けるまでは絶対に武偵をやめないことを誓った。だけど俺は・・・兄さんの死亡が確実だった上にマスコミにシージャック事件を防げなかったのは兄さんのせいだと散々言われ「武偵は報われない」と言うことを悟って目標を完全に失った。・・・そんな俺に目的を与えたのが・・・

「何ボーっとしてるのよキンジ?」

 

何だかんだでアリアなんだよな。・・・たしかに俺は武偵を辞めるつもりだ。この意思は変わらない。・・・でも・・・転校予定の四月までは・・・

「パートナーとしてお前と相乗りしてやるよ」

 

「な、何よいきなり!?変なものでも食べたの?」

 

「いや、別に・・・」

 

 パートナーとしてコイツを絶対に守っていこうと思う。

 

 

 

 

・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・

「まったく・・・あの化け物の気配を辿っていたら・・・まさかヤミーを発見しちまうとはな」

 

「「「「ギィィィィィ!!」」」」

 

俺が正太郎達の関係を思い出して再度決意を固めている頃アンクは大量のカニヤミーが学園島に迫ってきてるのを発見していた。

 


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