俺の事が好きなのであろう人形使いが毎回付きまとってくるのだが一体どうすればいいのだろうか? 作:エノコノトラバサミ
夕方、妹紅の家。俺は彼女に頼み事をしに来た。
「──という訳だ、頼むから死んでくれないか?」
「私も長年生きて……たのか分からないけど、死んでくれなんて頼まれたの初めてだぞ。いいけどさ」
さっすがもこたん!! インしたお!!
「誉めてんだか貶してんだかわかんねぇよ」
「地味に心読むなよ」
~~~
「……ん、あぁ、死んだ。さて、三途渡って閻魔んとこ会いに行くか」
三途の川。死者が閻魔に裁かれる前に渡る川。生前の罪によって向こう岸に着くまでの時間が変わるとか、なんかそんな場所。俺は今からもこたんと二人でこの川を渡るのだ。なんか、心中したみたいだな。
「説明半端だな……ん?」
どうしたんだ、もこたん。
「えっと……一つ良いか?」
どうぞ遠慮なく。
「この物語ってあの飛脚の一人称だよな」
そうだよ。
「飛脚は死んでないよな」
うん。
「なら普通、私に一人称が入れ替わるか三人称になるだろ」
そうだね。
「お前誰だよ」
変態です。
「作者が物語に出てくんじゃねぇよ! 共々クソみたいな話が余計クソになるじゃねぇか!」
登場人物にクソって言われる作品ってどうよ?
「仕方ねぇだろ、事実なんだから」
て言うか~俺作者じゃねぇし~。
「じゃあ誰が書いてんだよ?」
モ○ゴンさん。
「止めろォ!! 幾らよく感想書いてくれてるからって他ユーザーの名前出すんじゃねぇ!! よく考えればさん付けしてる時点で違うじゃねぇか!!!」
あ、バレた?
「まず騙されてねぇよ!!」
そんなに照れなくていいじゃないの。
「怒ってんだよォ!!!」
もう分かった、分かったよ。地の文みたいに振る舞ってりゃいいんだろ。
「分かったら二度と出てくんな」
妹紅は激怒した。必ずや、かの変態無秩序な作者を「待てやゴラァ!!」
ん、どうかしたの?
「あのなぁ、マジでそれはヤバイぞ」
そうかなぁ……仕方ない、真面目にやるか。
「あぁ~、だるッ」
なあ、この腑抜けたワカメみたいなのが閻魔さん?
「腑抜けたワカメって何だよ、て言うか出てくんなよ」
あ、ごめん。生きてるのか死んでるのか分かんない妹紅は飛んで川を渡り、閻魔である四季映姫・ヤマザナドゥの元へ着いた。死神形無し。
それよりヤマザナドゥって何だ?
「お~い、閻魔~」
「な、蓬莱人!」
「ちょっと聞きたい事があんだけど」
「後二時間で仕事終わるの! お願いだから邪魔しないで!!」
「人里にいる新太郎って奴のおばあちゃんなんだけどさ、ここに来てからどうなった?」
「忘れた!!」
「……あ、手が滑って書類が大へ」
「ごめんなさい分かりました今から調べます」
閻魔ァ……
「確か……あのおばちゃんはそんな悪いことしてないから転生するわよ、そのうち」
「で、今はどうなってんの?」
「忙しいから後にして!」
「隣の部屋にあるモータ○コン○ット、データ消しちゃ」
「御免なさい謝るから止めてくださいお願いします」
意外とエグいゲームしてんな。
てか死後の世界にゲーム置くなよな。
「──冥界?」
「ええ、あそこにいる霊はほとんど転生するのを待ってる奴等だから、探せばいるわよ多分」
「そっか、ありがとな」
「礼を言うなら帰って頂戴」
「飛脚が私の腹踏んづけるまで生き返れないから、隣でモータ○コン○ットしてるわ」
「大人しくしといてよ!!」
「そしてゲーム機を
「やめてェ!!」
「ドラァ!」
「ぐふッ!?」
死んでから約二時間。頃合いを見て踏んづける。分からないのは当たり前だけど、死んでる奴に触るの案外気持ち悪いんだよ。
「うぅ……閻魔に『二度と来るな』って言われた……」
「何したんだよ……それで、どうだった?」
「おばあちゃんは多分冥界だってさ……それから先はあの幽霊コンビに聞いた方が良さそうだ……」
「あお、十分だ、ありがとな!」
思い付いたらすぐ行動。俺は直ぐ様冥界へ向かった。
「今度一緒に心中しような~」
嫌だよ。