IS ~THE BLUE DESTINY~   作:ライスバーガー

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第39話 ラスト・リゾート

照り付ける黄金色の太陽、運ばれて来る潮の香り、透き通るような青い空と巨大な入道雲、対となる母なる海は穏やかに波音を立てている。

幾多の先人達が口にした使い古された台詞だがあえて叫ばずにいられない「海だぁーっ!」全力で響いた声の後ろから「ぜぇぜぇ」と荒い息遣いが聞こえていなければ完璧だった。

 

「や、やめろ鈴、気が滅入る」

 

IS学園夏の風物詩、臨海学校が持つ別名地獄の強化合宿の真っ只中。

学園からバス移動を経て旅館に到着次第ISスーツに着替えて即砂浜集合、長距離走開始の惨状では生徒達の悲鳴が重なると言うものだ。

海を横目に見ながら長い砂浜を折り返す長距離走のクリア目標は十往復、平地ではなく不安定な足場と燦々と身を焦がす太陽が行く手を遮る。おまけにすぐ横が海と魅了効果抜群の存在が控えているのだからたまったものではない。

唯一の男性がいようが関係なく体調不良でもない限りは全員参加でありISスーツ姿に対して羞恥を覚えている場合ではない。

砂浜のなれない環境でも懸命に足を進める一夏の少し前を走っている鈴音が先ほどの叫びの主。声を上げた鈴音も元気が有り余っているわけではなく、むしろ空元気の部類だ。そうでもしないとやってられない気持ちの表れだろう。

 

「わ、私、今日ほどISに関わった事を後悔した日はありませんわ」

「頑張ろうセシリア、もう半分まで来たよ!」

「ま、まだ半分ですの!?」

 

一夏の少し後ろではセシリアとシャルロットが挫けそうな心を励まし合いながら走っている。

もう半分とまだ半分、結果的に同じだがこれほどまでに意味合いが違うのだから言葉とは恐ろしい。

美女揃いの生徒達が水着同然のISスーツで走っているにも関わらず一夏に観賞を楽しむ余裕も他者を気遣う余力も無い。

一夏を含めこの一団が先頭集団だ。正確には少し先を単独首位を維持しているラウラがいるが、現役軍人の彼女ですら顔色が良く無い。走り出す前に「話には聞いていたが日本の夏は恐ろしいものだな」と呟いていた事からも原因は推し量れる。今日の太陽はご機嫌なのだ。

男性である一夏や軍務経験のある代表候補生でこの状態だ、後続の生徒達の死屍累々たる有様は言うまでも無いだろう。

 

「も、もう駄目~ 私のわらび餅は残しておいてね~」

「きな粉! この状況で想像させないで、口の中がもっふもふになる!」

「てひひ~」

 

布仏 本音と併走する一組の面々は先頭集団から遅れを取っているがそれでも踏ん張っている方だ。

言論から意外に元気そうな様子に思えるが覚束ない足取りに緩んだ背筋、目の焦点が合っていないと散々な姿を晒している。

脱落者の一番多いクラスが宿泊先の旅館が誇る大浴場の掃除と言う罰ゲームが付属している為か皆が必死だ。

 

「代表候補生三人に織斑君のいる一組が負けるわけにはっ」

「こうなったら仕方ない、七月のサマーデビルと呼ばれた私のダッシュを見せてあげる!」

「あ、馬鹿!」

 

マラソンにおいてやってはいけない事柄のひとつ、途中での全力ダッシュ。僅か数秒でみるみる失速しスタミナの無駄遣いを自覚する羽目になるのは言うまでもない。

 

「だぁ! 走りにくい!」

 

先頭を淡々と走るラウラを追う形となっていた鈴音と一夏だが、鈴音の我慢がついに限界を迎えサンダルを脱ぎ捨てる。

舗装された道やグラウンドを運動靴で走るのとはわけが違う。柔らかい砂浜の長距離走は困難を極めるもので履物を取り除けば抵抗が減るのは道理で足の負担はかなり軽減できる。

が、当然ながら熱せられた砂が素足の指の隙間に入り込む結果になる。サンダルの時よりもダイレクトに伝わる熱砂が足の裏を刺激する。

 

「熱っつ!」

 

数歩を駆けた鈴音が跳ねるように戻る。

 

「一夏ァ、背中貸して!」

「へ?」

 

大股で飛び跳ねながら接近する鈴音は軽やかに一夏をよじ登り背中を蹴り上げて肩車の体勢に落ち着く。

 

「はぁ、熱かった」

「お前なぁ当たり前だろ。ってか降りろ!」

「ん~? 何よ、今更私の色気にメロメロなわけ?」

 

うりうり、と悪戯心に満ちた笑みを浮かべた鈴音が太腿を擦り付けるように身体を左右に揺する。

友と認識していると言っても一夏も年頃の男だ、何も思わないはずもなく流石に羞恥を感じるが同時に自身の汗をすり込まれているような感覚に不快感で身の毛が弥立つ。

 

「やめい!」

 

頭上の友人を剥ぎ取り足首を持ち自分を中心に回転すればジャイアントスイングの完成だ。

 

「ちょ、や、やめれーっ!」

 

一瞬で入れ替わった立場に鈴音の悲鳴が響き渡るがその様子は何処か楽しそうでさえある。

 

「織斑ー、海に入る許可はまだ出してないぞ」

 

離れた箇所に生徒同様にISスーツに身を包んだ教師達がおり、メガホンスピーカーを手に千冬が注意を促す。

地獄の長距離走については理解している為か、雑談や多少の悪ふざけは大目に見ている感はあるがジャイアントスイングから海に投げ込む暴挙は見逃さない。

 

「い、一夏! ダメ、ゆっくりっ!」

 

台詞が台詞ではあるが、当の本人は全力回転中。海に投げ込むかと模索していた一夏は姉に目論見を封じられ、止むを得ず方向を変える。

そうでなくとも汗をかいており手が滑るのだから長時間の回転など出来るはずがなく、スポッと擬音を立てるように鈴音の足が一夏の手から抜け落ちる。瞬間に鈴音は絶望的な表情を浮かべていた。

砂浜から頭に突っ込む危険な遊びは止めましょう。次回以降の合宿の注意事項には加えようと山田先生が誓ったとか何とか。

 

「殺す気か!」

 

頭から熱砂を被った鈴音が勢い良く一夏の背中に戻り頭を振るう。今度は肩車ではなくおんぶの姿勢。流石に罪悪感を感じたのか一夏も今回は振り落とさない。

本当に危険であればISが緊急展開しているが、場合によっては首に影響を与えていてもおかしくない豪快なダイブだったのだ。

 

「夏は女を大胆にさせますわね」

「多分、今のはそういうんじゃないと思うなぁ」

 

呆れ顔と苦笑を浮かべるセシリアとシャルロットはギャーギャー騒ぐ二人の声を背景にここぞとばかりに抜き去っていた。

 

「凰、自分で走れ。それから随分余裕があるみたいだな? 追加で一往復だ」

「えっ!?」

「それから織斑、さっきのは十分にセクハラに通じるぞ。追加で二往復だ」

「げっ!?」

 

砂浜を走る生徒達を監視する千冬の目は厳しいが、夏の影響か少し楽しそうに二人に宣言する。まだ始まったばかりなのだと。

長距離走はいわば準備運動に過ぎず、地獄の強化合宿と言われるだけの事はあると生徒達が理解するのに時間は必要なかった。

何せその後は飛行が基本であるISを装着した状態での短距離走にISの基礎動作練習や組手に至るまで全てが砂浜で行われるのだ。

ISの数に限りがある以上、順番が来るまで当然のように生身でも行われるのだから悲鳴が途絶える事が無い。

念入り過ぎる準備運動を経て、念願の海となっても合宿の一環に変わりはなく、次に待つのは遠泳だ。

とは言え泳げない人間もいる。希望者は浮輪装着も許されているが、無理をさせるわけにはいかない。

 

「泳げない者は山田先生の所にいけ」

「はーい、泳げない人、遠泳に自信の無い人はこっちですよー」

 

山田先生が待機しているのは海の一角に用意された簡易スペース。万一流されてしまわないようと足が届かなくなる辺りにブイとゴム柵が用意されている。

 

「いいですか皆さん、IS搭乗者には様々な責務が生じます。競技としてISを使えれば良いと言うわけではありません」

 

泳げない、或いは自信の無い生徒を集めた山田先生は腰に手をあて小学生に言い聞かせているような非常に様になる姿で優しく言葉を紡ぐ。

 

「例えば災害時です。ISに乗れる人は非常時に救助のお手伝いをする必要があります。勿論、その時にISが無い場合もありますが、ISを学ぶと言う事はそういった非常時に備える意味を持つと覚えておいて下さい」

 

ISを装着している限り溺れる危険性は無いに等しいが、万一海上でエネルギーが切れたり展開できない状態に陥った場合にどうなるかは言うまでもない。

非常時とは全く想定できない事態を指すと言っても良い。ならば非常時に備えるとはどうすればいいのか。とにかく万全にを期す以外に無いのだ。

IS乗りが国益に数えられるのは予測不能の非常時に対応できる人員だからだ、災害時にISありませんから手伝いませんでしたと最低の言い訳をしない為にも泳ぐ技術は必要になる。それはISに乗らない整備希望の人間であっても同じと言える。

 

「と言う事で泳げない人や自信のない人は合宿中に克服出来るように頑張りましょう。遊ぶ時間ではありませんよ? ちなみに私もIS学園在学中の合宿期間に泳げるようになりましたから大丈夫です。あ、どうしても無理な人は言って下さいね」

 

人間はやる気があろうとなかろうと、出来る出来ないではなくどうやっても不可能な場合がある。

精神的に拒否反応を起こす人間はいるもので、この場合は海や泳ぐ行為に拒否を示す場合だ。その際に無理をさせても結果にならない。泳がないのであれば砂浜で別の地獄が待っている訳だがどちらを選ぶかは生徒次第とも言える。

 

「山田先生~ 質問です」

「はい、何ですか?」

「先生の時はどうやって泳げるようになったんですか? 私はどうも苦手なんですけど」

「どうって……。泳げるようになるまで海から出られませんでしたよ?」

「……え?」

「私が海から出たのは日付が変わる直前だったんですが、今では良い思い出です。指がお婆ちゃんになっても泳ぐ練習をしていました」

「ち、力技ですか!?」

「さぁ、皆さんも練習あるのみです。早くしないと夜の海は怖いですよ?」

 

 

 

 

 

阿鼻叫喚の地獄絵図は嵐が過ぎ去ってからこそ良く分かるのかもしれない。疲労困憊、満身創痍、旅館に戻った生徒達の装いは酷い有様だった。

部屋まで辿り着くのも困難でロビーで崩れ落ちる者や廊下にへたり込む者、IS学園に来て恐らく最も体力を使った一日に違いない。

 

「し、死ぬかもしれない」

「明日もあるの?」

「去年は十人位遊んだらしいけど、これって遊べるかどうかじゃなくて、遊ぶ元気があるかどうかじゃない?」

 

代表候補生も唯一男性も関係なく皆が脱力しきっており全身が疲労を訴えかけている。この後に食事や風呂と学生の楽しみとも言うべき時間が控えているが、揃って休息を求めていた。

状況を見れば体罰のように取れるかもしれないが、実際には全員が自分で選択した結果だ。

教員達はやるべき内容の指示はするが、無理はするなと徹底されており、生徒達の身体には最大限の注意が払われている。各々が判断し励んだのだ。

 

「ロビーでへばるな、食事は部屋まで運んで貰うように手配したからさっさと戻れ」

「お、鬼」

「ほう? まだ元気そうだな織斑。明日が楽しみだ」

「う、嘘です、ごめんなさい!」

 

手を叩きながらロビーで座り込む生徒達に喝を飛ばした千冬に思わず一夏が漏らしてしまう。流石に出席簿で叩かれはしなかったが、姉から向けられる言葉に何とか行動を開始する足取りは重い。

最も、翌日には合宿とは異なる非常事態を経験するのだが、それはまだ千冬さえも想像出来ていなかった。

 

 

 

 

アメリカの荒地の地下にあるシルバーシリーズ開発基地。シルバーシリーズ一号機であるシルバーワンに追加武装である銀の鐘(シルバー・ベル)を装着。銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)として生まれ変わっている最中にそれは起こった。

銀の福音を筆頭にシルバーシリーズは現行の第三世代機にしては珍しい頭部パーツがメットタイプになっており大型のバイザーが顔全体を包み込む形状だ。

広域レーダーと高速演算を有し、広域殲滅型と銘打つのは何も武装と機動力が特徴だからではない。優れた地形把握と索敵能力こそが最大の武器だ。

本来であれば頭部パーツ装着と同時にハイパーセンサーと連動され陸海空の空間を把握する広域レーダーが起動するのだが、この時は各種レーダーが起動しなかった。

 

(……え?)

 

搭乗者ナターシャ・ファイルスが疑問に思った時には銀の福音は操作不能に陥り、ナターシャの視界も頭の中も全てが黒く塗り潰されていくビジョンだけが脳裏に焼き付いていた。

声が出ず、意識が朦朧としていくのが自覚できる。全身を悪寒と痙攣が襲い、優れた乗り手である彼女は自分と愛機の置かれている状況を理解した。

 

異変に気付いたのは周囲で観測していた研究員達だ。ナターシャからの応答が途切れバイタル信号が異常を検知する。

激しく痙攣を始めた銀の福音に対し緊急用の拘束用の鎖が展開され四肢と武装を羽交い絞めにし落ち着くように声をかけるが返って来るのは苦しそうな呻き声。

 

「おい! どうしたナタル!!」

 

銀の福音の完成に伴い友人の下をを訪れていたアメリカ国会代表イーリス・コーリングが駆け寄る。

非常事態において下手に刺激を与えるのは得策ではないと判断し愛機であるISファング・クエイクを展開し押さえるように鎮静を促す。

 

「くっ、何があった!?」

「分かりません! 銀の福音が拒絶反応を起こしています!」

「銀の福音がナタルを拒絶? そんな訳ねーだろ! とにかく落ち着かせるんだ、強制解除は!」

「解除信号受け付けません!」

 

「イーリス様! 鎮静剤です!」

 

注射器を片手に銀の福音に近寄る研究員はシルバーシリーズの開発に初期から携わっている男だ。故に誰も疑問に思わなかった。

直接的に関わりの無いイーリスですらその男の行動はごく自然に見え、周囲の研究員も違和感を覚えない。ISの強制解除が出来ないのであれば搭乗者を落ち着かせる為に鎮静剤を打つのは珍しくはないからだ。

だが、この時に誰か一人でも気付くべきだった。男が笑っていた事に。

 

首に打ち込まれた注射器から透明の液体が流し込まれていく。外部からの攻撃や内部に対する侵入物にはISは自動で防御を働かせるが起動テストの関係上システムに全てを委ねていたナターシャは異物を受け入れざる得なかった。

ビクンと大きな痙攣の後、銀の福音は糸が切れたように動かなくなりナターシャの意識が完全に途絶える。

鎮静剤の効果があったのだと誰もが思ったが、システムを確認していた研究員の一人が声を張り上げた。

 

「離れろ!!」

 

銀の福音とナターシャのバイタルデータには「制御不能、搭乗者意識無し、出力限界突破、危険領域突入、自己防衛モード、エラー、エラー、エラー、エラー、バーサーカーシステム起動」と表示されている。

次の瞬間には銀の福音は再起動を果し拘束とファング・クエイクを力尽くで弾き飛ばしていた。

 

「ふ、ふはは! 成功だ、この瞬間を待ちわびていたぞ!」

 

行動を再開した銀の福音を確認しナターシャに鎮静剤と思われる注射を打ち込んだ男が歪んだ狂喜を顔に浮かべている。イーリスの中にわだかまる悪い予感が一気に膨れ上がる。

それは他の研究員達も同じで直ぐに男を拘束しようとするが、男は自らの懐から銃を取り出し躊躇う素振りも見せずに自らの顎に銃口を突き付ける。

 

「私の役目は終わった、この青き清浄なる世界を破壊するのは我々だ!」

 

悲鳴と銃声。引鉄が引かれ顎から脳天を貫いた銃弾が当たりに血と脳髄をぶちまけ瞬く間に命を奪う。咄嗟の出来事に何が起こっているのか理解の範疇を越え、研究員達の思考が追いつかない。

いち早く冷静さを取り戻したイーリスがファング・クエイクを駆り銀の福音に飛びかかるが、銀の福音はイーリスに気を止める様子も見せずに瞬時加速で急上昇する。

 

「なっ!?」

 

見上げたイーリスの視線の先、ドーム状のホールから外に直結しているIS用の円柱状出入り口を銀の光が矢の如く飛翔していく後姿が確認出来た。

防災用のシャッターが何の意味も成さずに弾かれ銀の福音は大空に舞い上がる。

 

「くそっ! 追い掛ける、そっちは任せるぞ!」

「は、はい!」

 

遅れて思考回路を取り戻した研究員達が床を蹴り飛びあがるイーリスを確認して行動を開始する。

 

「国防に連絡!」

「他のシルバーシリーズは無事か!?」

「強制解除信号の呼び掛けは続けろ! とにかくシルバーワンを止めるんだよ!」

「注射器を解析班に回してくる!」

 

慌しく男達が動き始め、最新鋭ISの暴走が始まった。

 

 

 

上空で始まった追跡劇はファング・クエイクが圧倒的に不利な状況だった。

国家代表の専用機でもありイーリスのファング・クエイクは相応にカスタムされている機体であるが、機動力を重視されている銀の福音がスピードに関しては上だ。

 

「ナタルっ! 応答しろナタル! くそったれが、何がどうなってる、どうする……。どうすればいい!」

 

追いつけないにしても全力飛翔を続けながらイーリスは考える。

状況的に考えれば搭乗者に意識は無くISの暴走状態。それも人為的に引き起こされたものだ。

注射にて何を打ち込まれたか分からないが直ぐに手当てが必要になる可能性もある。

 

だが、分からないのだ。銀の福音の目的も目的地も。確認しようにも首謀者は既に絶命している。

暫くは荒地の続く地域ではあるが銀の福音が都市部でも攻撃しようものなら火の海になるのは明白。無論、防衛部隊が許しはしないだろうが、どちらにしても友を危険に晒す。身体的にも立場的にもだ。

 

「都市部じゃないな、何処に向かってる?」

 

そろそろ視認するのも苦しい程に引き離された距離であるがハイパーセンサーが捉えている進路は都市部ではない。方向的には太平洋に真っ直ぐ向かっている。

 

「止まれ、止まってくれよナタル」

 

焦る気持ちの中でイーリスは冷静に状況を思い返している。決定的なのは注射を打ち込まれた後だが、その前から様子がおかしかった。

あの男はシルバーシリーズの開発に関与しているのであればもっと前から準備をしていたのだと想像出来る。

他のシルバーシリーズは無事なのか、そもそもあの男は何者なのか。考えれば考える程に分からない。

そして、最も想像したくない最悪の未来を予測してしまう。国家代表として、軍人として、自らの手で友人を殺さねばならない可能性。

 

「くそ、止まれって言ってんだろうがぁ!!」

 

友の声は狂暴化する戦士の耳には届かない。




八巻購入しました。まだ読んでません。
参考にはすると思いますが、新たに追加されているであろう内容に関してはスルーするかと思います。ご了承下さい。

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