ステルス・ブレット   作:トーマフ・イーシャ

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奉仕部との出会い

蓮太郎は、目を覚ました。

ぼんやりと見えるのは、自宅の木造とは違う、青白い天井、そして木更。

 

「……よう、木更さん」

 

「お帰りなさい、里見くん」

 

日の光に照らされ瞳を潤わせながら懸命に微笑む木更を、綺麗だと蓮太郎は朦朧とする意識の中、思う。

 

「俺は、どれくらい寝てた?」

 

「半日と少しくらい。XDが落ちていた川辺の少し下流の岩陰に里見くんがいたわ。簡単な応急処置がされた状態でね。それでもかなり危険な状態だったわ」

 

「比企谷、か……」

 

影胤は、付近の民警は殺したと言った。あの場で、蓮太郎を救助できた人間は1人しかいない。

 

「その比企谷くんから手紙を預かっているわ。手紙の内容は、『ケースは蛭子の手に渡った。その間の取引によって、俺と留美は一時的に蛭子と行動することになった。お前らを裏切るつもりはないが、今回は指示には従うことは出来ない。携帯電話は壊され、盗聴器が仕掛けられている可能性があるので、手紙という形を取らせてもらった。以上』とのこと。要点だけを箇条書きみたいに書いた文章ね。比企谷くんらしい、といえばそうなのかしら。あの2人は今も彼らの舞台で戦っているのね」

 

「あいつは、今、どこに?」

 

「分からないわ。事務所にこの手紙が置いてあったから、東京エリアにいることは間違いないと思うわ。けど、比企谷くんを見つけることの困難さは、私たちが一番よく知っているでしょ?」

 

たしかに、マリオネット・インジェクションを使用していれば、目の前にいても発見は不可能だ。

 

だから、今の蓮太郎には、祈ることしか出来ない。

 

「無事でいてくれよ、比企谷……」

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

放課後、俺は勾田高校を訪れた。もちろん、授業や補習を受けるためではない。ある人物とコンタクトを取るためだ。学校になんて来たくはなかったが、携帯電話が壊された以上、直接会うしかなかった。

 

廊下を歩いていると、時折生徒がギョッとした顔でこちらを見る。俺が学校で嫌われているわけではない。というよりは誰も知らない、が正しいか。生徒が驚くのは、俺の今の格好が原因だろう。

 

俺は今、家で新しい勾田高校の制服を着替えて来てはいるが、春先なのに手袋と口元まで巻きつけたマフラーをしている。今、俺の素肌に埋め込まれたナノマテリアルは、数時間前の小比奈との戦闘によって故障し、肌の色を表示させることが出来ない。顔は小町から借りた化粧品でごまかせているが、この手袋とマフラーは顔以外の肌を出さないようにするために着用している。

 

俺が所属するクラスにはまだ多くの生徒が残っていたようで、ガヤガヤと喋っていた。俺が戸を開けても、誰も気が付かない。今日も俺のステルススキルは絶好調のようだ。気づかれないうちに用事を済ませてしまおう。きょろきょろしてると、窓際で談笑しているギャルやキラキライケメンのグループを見つける。その中に目的の人物を見つけた。

 

「海老名さん」

 

俺は眼鏡の少女に小声で話しかけ、そっと紙切れを渡す。紙切れを受け取った少女は、寂しそうな、嬉しそうな、よく分からない表情を浮かべていたが、紙切れをポケットにしまって談笑に戻った。じゃあ、とっとと帰るか。帰るからそこの金ドリル婦人は睨まないでくださいます?

 

「ヒッキー!昨日も今日も学校サボってどこにいたの!?というか、姫菜とどういう関係だし!さっきも、なんか手紙渡してたし!も、もしかしてラブレター……?」

 

巨乳ビッチがなんか言ってるが、俺はヒッキーなんて名前の人間を知らないので帰る。

 

「ちょっと、ヒキオだっけ?あんた、なにユイを無視してんの?」

 

金ドリルがなんか言ってるが、俺はヒキオなんて名前の人間を知らないので帰る。だれだよそのヒキなんとかさん。女王がお呼びだぞ早く出てきてやれよ。俺は帰る。

 

「まあまあ、ヒキタニくん。ちょっと話に付き合ってくれない?」

 

キラキライケメンが俺の肩を掴みながらなんか言ってるが、俺はヒキタニなんて名前の人間を知らないので帰る。いや、うすうす俺なんじゃないかって思ってましたけどね?ちゃんとほら、ちゃんと名前で呼ばないと分かんないし。ていうか全員俺の名前間違ってるってなんやねん。

 

「まず、どうして昨日今日と学校を休んでいたんだい?それと、姫菜とはどういう関係か教えてもらっていいかな?」

 

「知らん、そんなもんヒッキーでもヒキオでもヒキタニでも他の奴に聞けよ。俺は用事があるから帰る」

 

「ちょ、あんた、隼人に向かってその言い方なんなの?ケンカ売ってんの?」

 

「悪かったよ、比企谷。それで、さっきの質問には答えてもらえるかな?」

 

「知るか」

 

まあ、律儀に答える必要もない。俺は教室の戸のほうへ向かう。と、俺が今まさに開けようとしていた戸が開いて、平塚先生がどしどしとこちらに向かってくる。

 

「比企谷。ちょっとこい」

 

そういって、手首を掴んで引っ張られる。俺はそのまま引きずられるようにして連行される。気分はまさにドナドナ。さっきまでキレかけていた金髪ギャルがポカンと口を開けてこちらを見ている。

そのまま職員室まで連れてこられ、平塚先生は自分の椅子に座る。

 

「で、比企谷。昨日今日と私の呼び出しを無視して学校をサボった理由を聞かせてもらおうか」

 

「海老名さんから聞いていませんか?」

 

「ああ、体調不良だと聞いている。しかし聞くところによると授業をしていたところにいきなり学校を飛び出していったそうじゃないか。体調不良というには元気が良すぎるんじゃないか?」

 

留美と延珠が小学校で問題になったときか。下手に説明して『呪われた子供たち』がどうのこうの言われると面倒くさいな。生き残った人類の約9割が潜在的イニシエーター差別者と言われる中、基本的にここにいる全員が差別者と考えて行動すべきだ。相手は教師で、学校同士のネットワークも存在するだろう。下手をすれば延珠や留美が『呪われた子供たち』であることを隠して再び学校に通うことになった時にネットワークを通じて余計な情報を流されたり、里見や俺、もしかしたら司馬や海老名にも飛び火するかも知れない。

 

「まあ、ちょっと。それより、俺、帰らせてもらっていいですか?ちょっと急用があるので」

 

「帰らせると思っているのか?君には罰として奉仕活動を命じる」

 

付き合いきれん。帰るとするか。俺はその場から立ち去ろうとする。

と、平塚先生が拳を腹の横で構える。座った状態で立ち去ろうとする俺に顔を殴ることは出来ないだろう。それにここが学校であることを考えると、座った状態でも拳が届いて殴られた後が服の中にしか出来ない場所、つまり俺の腹を殴ろうとしているのが分かる。

普段からイニシエーターの速度や蓮太郎の武術としての拳を見慣れている俺にとって、分かりやすく、ゆっくりした動作だ。だが殴られれば小比奈との戦闘の傷が開く可能性があるので、サンドバッグになるつもりもない。仕方ない、正当防衛だ。自己責任ということで、悪く思わないで欲しい。

とっさに近くの机の上にあったボールペンをつかんで、平塚先生の拳が飛んでくるルートに重ねるようにボールペンを腹の前に持ってきて、先端は平塚先生のほうへ向ける。このまま平塚先生が拳を振りぬけば、ボールペンは先生の手に突き刺さるだろう。しかし、拳はボールペンに触れる前に止まる。

 

「比企谷、どういうつもりだ?」

 

「いえ、平塚先生が拳を振りかぶったので、とっさに。それで、俺を殴るつもりでしたか?だとすれば、何か問題でも?」

 

「……ついてこい」

 

何かを俺に感じた様子の平塚先生がついてくるよう命じる。あまりもめても仕方が無い。従っておくか。いざとなればマリオネット・インジェクションを使って逃げればいい。制服のナノマテリアルは十全に機能するし、肌の部分も、一部は正常に作用しないが、一般人の目から見ても空中に漂うゴミ程度にしか認識出来ない程度には機能する。

 

「……素直によけてそのまま帰ったほうが良かったかな」

 

 

 

 

 

 

「平塚先生、入るときにはノックを、とお願いしていたはずですが」

 

平塚先生に連れてこられた先は、プレートもかかっていない空き教室。そこにいたのは、黒髪の少女。俺はこの女子を知っている。雪ノ下。彼女の家柄は天童と同じ政治家を多く輩出する家系だ。そのうえ彼女の父親は聖天子副補佐官で、聖天子、天童菊之丞に続く東京エリアの3番目のポストについている。仕事柄、こういったことは知ることが多いが、彼女と俺との面識はない。

 

だから俺の顔を見て露骨に不快そうな顔をして乱れてもいない襟元を掻き合わせるようにしてこっちを睨まれるのに心当たりが無いんですけど?

 

「彼は比企谷。入部希望者だ。比企谷、君にはペナルティとしてここでの奉仕活動を命じる」

 

そういって教室を出て行った。あのクソ教師、自身じゃ手に負えないからか他人に擦り付けやがったぞ。俺も帰るか。教室から出たと同時にマリオネット・インジェクションを使えば教室を出たばかりの平塚先生に気づかれることなく帰ることができるだろう。教室の戸に手をかける。

 

「あなた、さっきの先生の言葉を聞いていなかったのかしら?あなたはペナルティとしてこの部に入部することを命じられた。なら部長である私の指示なしに帰ることが許されるとでも?」

 

さっきまでお前がいやそうな顔をしていたから帰ってやろうと思った(嘘)のに帰ろうとすると引き止めて、椅子に座らせる。これがツンデレ?そんなわけないか。

 

「そうかよ。ならこの部活はなんの部なんだ?俺はわけも分からんままに引っ張られてきたうえに急用があるからいそいでいるんだが。付き合ってやるから早く帰してくれや」

 

「あなたの事情なんて、知ったことではないのだけれど。……そうね、ではゲームをしましょう。ここは何部でしょう?」

 

うぜぇ。

 

「帰るわ」

 

「あなた、考えることもせずに逃げるなんて恥ずかしくないのかしら。気持ち悪い」

 

「くだらんことしてんじゃねぇよ。さっさと終わらせろ」

 

「なら早くクイズに答えることね。単細胞生物みたいな思考ね。その頭のなか「奉仕奉仕うるさいから奉仕部とかそんなところか?」……正解」

 

クイズの答えも簡単に正解されて悔しがる様も単純だな。どっちが単細胞生物なのやら。

 

「つまり、罰を負った人間がこの部に所属させられて何らかの奉仕活動やボランティア活動を強要される刑務所みたいな場所……ということか?」

 

「全然違うわね。優れた人間は哀れな者を救う義務があるのよ。私が、あなたの問題を矯正してあげる。感謝なさい」

 

「だから活動内容はなんなんだよ……」

 

あと俺が間違えたからってそのドヤ顔やめろ。

 

「簡単に言うと、哀れな者が抱える悩みや不安を優れた人間である私が解決する部ね。あなたの問題も解決してあげるわ」

 

自己評価高すぎィ!あとその言い方だと平塚先生が哀れな者みたいに聞こえなくもないぞ?

 

「どうしてそんなことを?」

 

「ガストレアが現れてから10年、この世界に生きる人々は醜くなったわ。あの時、ガストレアが人類を攻撃し、人々は大量に殺され、餓えた。今の東京エリアはある程度回復しつつあるけど、まだあの時に生まれた人の醜さは消えていないわ。人の足を引っ張って、自身が生き残ろうとする……。だから変えるのよ、人ごと、この世界を」

 

なんだ、結局はこの娘はただの世間知らずな箱入り娘じゃないか。人の醜さ?それはそうしなければ生き残れないからだろう。この世界はもう綺麗事では動かなくなってしまった。それを認識していない。まだ、人の醜さがただ醜いだけのものだと思っている。ガストレアが存在しなかったころはその考え方が正しかったのかもしれない。だが今は違う。その醜さが無ければ、死ぬ。それだけだ。

 

「……なら、お前は『呪われた子供たち』をどう思う?」

 

「あれこそが、醜さの象徴とも言えるわね。人として生まれながら、ガストレアとして生きる生物。おぞましい。あんなものは、ただの人から生まれたガストレアよ。あんなもののせいで、人は醜い部分を生み出してしまったわ」

 

「そうか」

 

……帰るか。

 

 

 

 

 

 

 

雪ノ下side

 

「そうか」

 

平塚先生が連れてきた男子生徒は、そう言って席を立つ。また帰るつもりかしら。私みたいな美少女と同じ空間に2人きりなのに、手を出さないどころか、帰ろうとするなんて。それも、何度も。別に手を出して欲しいなんて思わないけれど、一般的な男子なら、もう少しそれらしい反応があるのでは無いかしら。まあ、手を出してきたところで、身につけた合気道の技で投げ飛ばすだけなのだけれど。

 

「待ちなさい、帰ることは許さないと何度言ったら分かるのかしら?それとも、3歩歩けば忘れるほどに鳥頭なのかしら?」

 

さっきまではこれでしぶしぶといった表情でまた席に戻ったが、今回は止まらない。仕方がない、平塚先生から依頼を受けた以上、必ず達成させる。そのためにも、多少手荒なことをさせてもらうわ。私は、彼を合気道の技を使用して投げ飛ばすべく、席を立ち、接近する。教室の戸に手をかけようとする彼の腕を掴もうと、後ろから近づき、手を伸ばして、

 

 

 

彼が突然振り返って、私に向かって何かを投げてきた

 

 

 

とっさに両手を顔の前に持ってきて、防御態勢を取る。腕にこつん、と何かが当たって、床に落ちる。腕の間から足元を見ると、どこにでもあるボールペン。

 

と、さっきまで目の前にいたはずの彼が、どこにもいない。あたりを見回すも、誰もいない。と、首元にヒヤリとした感触。窓を見ると、さっきまで戸の前にいたはずの彼が、私の背後に立ち、手に黒いナイフを持って私の首に向けているのが反射して見えた。

 

「ヘンな真似をすると、首を掻っ切る」

 

勘違いをした男子に体を触られたことは、今までも数回あったが、いつもすぐに腕を掴んで投げたり捻ったりしていた。だが、こうやってナイフを突き付けられればそれも出来ない。たとえ彼にその気がなくとも、私が動けばナイフが首を切り裂いてしまう。

 

「『呪われた子供たち』の優秀さ・将来性・可能性を理解しようとせず、『呪われた子供たち』というだけで否定した。それがお前の醜さだ」

 

彼は私を突き飛ばした。数歩よろけて、態勢を整える。後ろを見ると、誰もいない。どころか、周囲には誰もいない。教室の戸が開いていることに気が付き、慌てて廊下に出るも、誰一人いない。教室に戻ると、さっきまでしまっていた窓が開いていたことに気が付き、窓から顔を出して下を見るも、帰宅する生徒や部活に向かう生徒がいるだけで、彼はいない。

 

『呪われた子供たち』。人から生まれるが、生まれたその時点で、体内にガストレアウィルスを保有している。体内浸食率が50%を超えれば形象崩壊し、ガストレア化する。なまじ人の姿をしているため、見た目には『人間』か『呪われた子供たち』か分からない。そんなもの、地面に埋まった不発弾と変わらないじゃない。いつ爆発するか分からず、爆発すれば周囲に甚大な被害が発生する。おまけに、その不発弾は子供の姿をして町中を闊歩するなんて、脅威でしかないわ。

 

誰もいない教室で、私は携帯電話を取り出し、電話を掛ける。

 

「もしもし、姉さん?少し、調べて欲しい人物がいるのだけど」

 

 

 

 

 

 

八幡side

 

「はい、これでナノマテリアルのメンテナンスが完了したよ。あとグローブの調整はもう少しかかるかな」

 

「すまんな、いきなりこんなこと頼んで。グループのほうは大丈夫だったか?」

 

「うん、大丈夫。うまくごまかしておいたよ」

 

奉仕部とかいう部活を抜け出し、学校を抜けて訪れたのは、司馬重工が持つとあるラボ。このラボは、今俺の目の前にいる海老名姫菜専用のラボである。

 

留美には、彼女のことを後援者(パドロン)と説明しているが、厳密には少し違う。そもそも、戦闘でも黒子に徹する俺では広告としての効果は期待できないだろう。

 

彼女の親は、かつて俺を機械化兵士にしたアーサー・ザナック先生の助手だった。その関係で、姫菜も研究室でたびたび研究を見学したり、先生と研究内容について話していた。先生はよく、「彼女は素晴らしい、もう少し彼女が生まれてくるのが早ければ私たちは四賢人ではなく五賢人と呼ばれていただろう」と言っていた。学校ではそういった所を見せないようにテストなどで気を配っているが、間違いなくあの学校で一番だろう。

 

俺と海老名は幼少期に研究室で知り合った。同年代ながら被験者と研究者の娘という関係ということもあり、最初はなじめなかった。向こうもいろいろ思うことはあっただろうし、今もそれは変わらないだろう。

 

彼女は勾田高校に通いながら司馬重工で技術者・研究者として働いている。俺に司馬重工が後援者としてついてもらえるのも、彼女が裏で手をまわしてもらったおかげである。また、それとは別に、俺の皮膚や服に埋め込まれたナノマテリアルやバラニウムコートワイヤーの調整・ケガや病気の治療も彼女が担当してもらっている。その費用は、アーサー・ザナックが負担している。曰く、「比企谷くんのナノマテリアル技術が外部に流出すれば、それを利用して、誰かが機械化兵士を作るかも知れない。私やほかの四賢人ならともかく、そこらの人間が手を出せば、成功なんてまずしない。オベリスクの被害者はこれ以上出したくない」とのこと。この意見には賛成だが、何かあるといつも海老名を頼る必要があるため、心苦しく思うところもある。

 

「いつもすまないねぇ」

 

「それは言わない約束でしょ」

 

俺にとって海老名は、数少ない一緒にいて落ち着ける人間である。

 

「それで、里見君との進捗は?ヤった?」

 

これさえ無ければ。

 

「何もない。以上だ」

 

「つまんないな~」

 

あってたまるか。

 

「はい、グローブの調整も完了!弾薬とその他物資も届いたから、後で受け取っておいてね!」

 

「ありがとな」

 

「……ねぇ、無理はしないでね」

 

「……もちろんだ」

 

急にシリアスな死亡フラグ建てるなよ。こういうの苦手なんだよ。

立ち上がり、ポシェットにまとめられた物資を受け取って、ラボを立ち去る前に一言。

 

「……蛭子影胤を知っているか?」

 

「え、うん。今回の一件の首謀者だっけ」

 

「そいつ、里見に完全のホの字だぜ。いや、ホモの字というべきかな」

 

俺はラボを後にする。ラボに『キマシタワー!』の絶叫が響き渡った。

 


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