ガラッ
「ただいま~。」
「お帰りじゃ、明久、雄二。」
「…………おかえり」
教室に入ると、美少女・秀吉とムッツリスケベ・ムッツリーニが迎えてくれた。
「ワシは男じゃぞ!?」
「誤解…………っ!(ブンブンブン)」
あれ?僕の考え読まれてる?まぁいいや…
「いやいや、だって秀吉はどの女の子よりもかわいいじゃないかぁ!どこかのペッタンコと比べたら全ぜ腰の骨が砕けるうううぅぅぅぅっ!!」
うおぉっ!?何だっ!? 腰骨に激しい痛みがっ!?
「だれがペッタンコよおおおぉぉぉっ!」
「いやっ、違う!誰も美波とは言ってな痛だだだだだだだだ!!」
「ごまかしたって無駄なんだからっ!言われなくたってわかるのよっ!」
「見え、見え……っ!(カシャカシャ)」
「ムッツリーニは写真とってないで助けてよ!」
「命よりも、大事なものがある………っ!(パシャパシャ)」
「おのれムッツリーニ…!じゃあまぁこいつでもいいや雄二助けて!」
「俺にお前を助ける理由はない」
「雄二貴様あああぁぁぁっ!!って待って!それ以上されたらホンとに死んじゃうよぉっ!…あぁでもこれはこれで気持ちいじゃなくてホントに……」
バキッ
「ぎゃあああああぁぁぁっ!!!」
「…はぁ、はぁ……ホントに死ぬかと思ったよ…」
「相変わらず騒がしいのう…して、お主らは何をしておったのじゃ?」
「…気になる」
「そうね。一時間目はまるごと自習になっちゃったし。一体何してたの?」
「うん、それがね…」
«30分前、体育館にて。»
「よし!では二人とも召喚してみろ」
「「試獣召喚!」」
ポンッ←二人の召喚獣登場
「えっと、堺くんのはスカジャンに…拳銃かぁ。」
Fクラス 堺 翔太
総合科目 728点
「……仕方ないじゃないか!わかんなかったんだから!」
…すごい。僕の最初の頃くらいの点数だ…
「でも、その点数でその武器は結構すごいと思うよ?」
「そ、そう?」
「うん!」
そんで…
「へぇ~、中川さんの召喚獣は軍服に剣か~。」
Fクラス 中川涼子
総合科目 3759点
「「何ぃっ!?」」
「3500点台だと!?」
「すごい…!そのくらいの点数ならあクラスは確実なのに…どうして!?」
「いや~、振り分け試験の日に風邪ひいちゃって、休んじゃったんだよね。」
「先生!それなら追試をすればよかったじゃないですか!」
「残念だが、それは無理だ。」
「どうして…!」
「いや、もういいよ。体調管理も実力のうちって言うでしょ?」
「でも…!」
「それに、吉井くんみたいな優しい人だっているでしょ?人の価値は決して学力だけじゃないと思うよ?」
「な、中川さん…!!(ウルウル)」
何ていい人なんだ!僕ちょっと惚れたかも…!
「ほら、泣かないで?はい、ハンカチ」
「あ、ありがとう…」
「というわけで、これからよろしく、吉井くん!」
「僕からも。よろしく!」
「うん。二人ともよろしく!あと、別に呼び捨てでいいよ?」
「そう?じゃああたしも呼び捨てでいいよ。よろしく、明久!」
「じゃあ僕も。よろしく明久!」
「(ゴホンッ)あー、そろそろいいか?」
そこに鉄人が入ってくる。なんて間の悪い…あ、そっか。きょうは召喚システムの説明に来たんだっけ。
「このあと、二人で操作の練習をしたあと、四人で模擬試召戦争をしてもらう。」
「待って!僕点数低いから勝てっこないししかもフィードバックがあるんですよ!?」
「それは『観察処分者の利点』を利用して何とかしろ」
「そんなぁっ!!」
«時は戻ってFクラスの教室»
「というわけ…はっ!?殺気!?」
危険を感じた僕は、とっさにその場から飛び退く。すると…
シュカカカッ!
一瞬前まで僕がいた場所にシャーペンやカッターが突き刺さる。
犯人は…
『吉井…またお前なのか?』
『転入初日の美少女と呼び捨てし会う仲になるとは…おのれ!!』
『しかも我々にアタックする暇も与えないとは…っ!』
『皆の者!これより異端審問会を始めるぞ!』
「待って!そんなことを言ったら雄二は入学前から婚約者がいたんだよ!?」
「おい待て!俺を巻き込むな!」
「そうだな…では吉井は異端者の告発の報酬としてデコピン一回に減刑、そして坂本雄二は死刑だ」
「待て!俺と翔子が幼馴染みなのは既に知っているだろう!」
「ふむ…」
「待って!話によると、雄二は小さい頃から霧島さんとお風呂に入ったことがあると言う話も」
「坂本雄二死刑」
『『『『『異議なし』』』』』
「よし、連行しろ」
「くそおおぉぉぉぉ!覚えてろよ明久ああああぁぁぁ!!!!」
ふっ。愚かな雄二め…黙っていればもう少しましだったものを…
「あ、お帰りなさい明久君」
「うん。ただいま。」
「あら?堺くんと中川さんは?」
「ああ。あの二人は『負けて悔しいから召喚獣の練習をしたい』って言ってまだ体育館にいるよ。」
「あれ?負けたんなら点数がもうないんじゃないの?」
「いや、あれは実習用フィールドだから、召喚しなおせば点数は戻るんだ。」
「ほう。それは便利じゃのう。」
「そだね。…そういえば雄二は?」
「ああ、坂本くんなら、さっき覆面の人たちに焼却炉の方につれていかれましたよ?」
「…瑞希、そこは止めるところじゃない?」
「いえ、止めようとしたら覆面の人が『これから勉強しにいくんだ』って言ってたので」
「そう…」
さすが姫路さん。そんな無茶な言い訳を信じるとは…『おいやめろそんなことしたら本当に死nぎゃああぁぁぁ!!!』
今雄二の声が聞こえたのはきっと気のせいだろう。
ガラッ
「「ただいまー」」
「あ、おかえり二人ともー」
「えーと、改めて。」
「堺翔太です!」
「中川涼子です!」
「「よろしくお願いします!」」
「うん。よろしく!」
「よろしくじゃ」
「よろしく~」
「こちらこそよろしくお願いします!」
「…よろしく」
こうして、僕らの新しい物語が始まった。