とりあえずなろうに置いてあった方を一気に更新します。
「吉井っ! サッカーゴール運んでおくように!」
「へーい…」
どうも。文月学園二年Fクラス所属、吉井明久です。
今、観察処分者の仕事、雑用をこなしている最中です。
『それが終わったら世界地図運んでおくように!』
「へ~い…」
観察処分者とは、ここ文月学園にある特殊なシステム、<試験召喚システム>を使った罰則で、試験召喚システムとは、テストの点数に比例した強さを持つ召喚獣で戦うと言うものなんだけど…
「重いなあ…何で僕ばっかり…」
「それが観察処分者の処遇だ。」
「まったく…」
そう言いながら召喚獣にサッカーゴールを運ばせる。
本来召喚獣はものに触れられないんだけど、観察処分者のそれはものに触れられる。
でも、僕にとってメリットは何もないし、それどころか…
「しまった!手がすべっ…痛ぁっ!」
召喚獣の感覚が召喚者にフィードバックされるから、疲れるし痛いんだよね…
『HRのあとは小テストやるから、ここまでの範囲復習しておくように!』
時は少し飛んで、FクラスのHR。
「まず、今日は転校生がいる。よし、入ってこい!」
「何だ、このクラスに転校生とは、珍しいな。」
そういったのは、僕の悪友、坂本雄二。赤いツンツンした髪が特徴だ。
「そうだね。他のみんなも同意見みたいだよ?」
『どんな奴だろうな?』
『女子だといいな。』
『だな、この教室はどうしても男むさいしな…』
『…』
『…』
「少し違うみたいだがな」
「そだね。さて…」
ガラッと音をたてて、Fクラスのボロいドアが開いた。
そして入ってきたのはーーー
黒髪のショートカットの、男子だった。
……………………
『『『『『『ちぃっ!』』』』』
「えっ!?何!?何で入った瞬間に舌打ちされるの!?」
なぜか彼には親近感を感じる。
「ありゃ、驚いちゃったか…」
「そりゃそうだ。教室に入っていきなり舌打ちとは誰も思わないからな。みろ、鉄人も頭を抱えてるぞ」
「でもまあ、少し残念だったよ…あれ?誰か走ってきた。」
ガラッ
「すみません、遅刻しました!」
そう言って入ってきたのは、セミロングの銀髪の少女だった。
そしてFクラスは………
『うおおおおぉぉおおぉおおおっ!!』
『生きててよかったーっ!』
盛り上がってました。
「すまんな…これがFクラスだ…」
「「あはは…」」
「おいおい、鉄人も呆れてるぞ…」
「あの二人も苦笑いしてるよ…」
「…ゴホンっ! では二人に自己紹介をしてもらおう。」
「えーと…初めまして、水無月高校から転校してきました、堺 翔太です。よろしくお願いします!」
「えっと、同じく水無月高校からきました、中川涼子です、よろしくお願いします!」
「…というわけだ。仲良くするように。それと、二人はこのあと試験召喚システムについて説明するから、こっちに来い。」
「「はい!」」
「あと、坂本、吉井も俺についてくるように!」
「「はーい」」
…と言う訳で、鉄人に連れられて体育館にやって来た。
「よし、全員いるな。…では、これから試験召喚システムの説明をはじめる。…承認!」
鉄人の声と同時に、体育館全体に召喚フィールドが展開される。『Training』の文字が流れてるってことは…総合科目、それも実習用フィールドか…懐かしいな…
「よし。じゃあ吉井たちは召喚獣を出してくれ。」
「へ~い。」
「「試獣召喚!」」
ポンッ
Fクラス 吉井明久 & Fクラス 坂本雄二
総合科目 1980点 & 2475点
掛け声と同時に、足元に毎度お馴染み幾何学模様が浮かび上がり、召喚獣が姿を現した。
「へ~、これが召喚獣か~」
「なんかかわいいねー(むにむに)」
とかいって、中川さんが僕の召喚獣をさわってきた。
「そんで、こっちの召喚獣も…あれ?触れない?」
「ああ、僕の召喚獣は特別で、物に触れられるんだけど、普通の召喚獣は触れないんだよ。」
「へー、そうなんだ~。(びろーん)」
「痛い痛い痛いっ!伸ばさないでっ!」
「えっ、何で?」
「僕の場合召喚獣の痛みが僕にフィードバックされるんだよぉっ!」
「えっ!?、ああ、そうだったの?ごめんっ!」
そう言ってやっと召喚獣が解放される。助かった…
「(ゴホンッ)あー、遊ぶのはそのくらいにして、説明に入るぞ。」
あ、そうか。今回は召喚システムの説明のために来たんだっけ。
「知っているとは思うが、この召喚獣はテストの点数に比例した力を持っている。今は実習用フィールドだから武器は持っていないが、通常のフィールドで召喚すれば、武器も装備される。じゃあ、二人とも召喚してみろ。」
「はい!」
「「試獣召喚!」」