Steins;Gate 観測者の仮想世界   作:アズマオウ

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アズマオウです。

今回は息抜き回で、かなりゆったりした物語になっております。結構楽しみながらかいたので、満足です。

ちなみに時間は相当飛んでます。ご注意ください。なお、SAOキャラクターとの絡みはまだ未定です。

では、どうぞ。


美少女コンテスト・前編

 ここは、どこなんだ……?

 

 俺は、目を覚ます。朧気な眼をはっきりさせ、どうにか倦怠感を振り落とすと、何もない、白い空間が見えた。何だこれは……? 夢なのか、幻なのか……? 少なくともSAOにも現実世界にもこんな場所はないはずだ。

 自身の姿を見てみると、俺は白衣を羽織っていた。現実世界での、白衣をまとい弱小サークルで下らない発明を繰り返している自称マッドサイエンティストの俺だ。

 これは夢だろう。何故なら今俺がいる場所はSAOであり、現実世界ではないのだから。早く夢から覚めないだろうかと思いながら、ぼんやりとその空間の中で佇んでいた。

 

「…………べ……たろう……」

 

 すると声が、聞こえる。聞き覚えのある声だ。俺は周囲を見渡す。すると、そこにはジャージ姿の娘がいた。ジャージ姿の娘は厳しい表情でもう一度口を開く。

 

「岡部倫太郎、聞こえる?」

 

 快活で馴れ馴れしく、しかし他人行儀な喋り方をするのは一人しかいない。俺はその名前を呼んだ。

 

「鈴羽……? 鈴羽なのか!?」

 

 ジャージ姿の娘はうんと頷いた。やはりそうだ。間違いはなかった。俺の世界線漂流を幾度もなく助けてくれた若き戦士、阿万音鈴羽だった。でも、彼女が現れるはずはない。何故ならば、彼女はこの世界線で産まれていないからだ。これで確定した。これは夢であると。

 

「岡部倫太郎。伝えなきゃいけないことがあるんだ。この世界線は……狂い始めているんだ」

 

 何を言っているんだ。いや、鈴羽は変なことを言う癖があった。たまに、まゆり以上に常識ハズレなことを言うことがある。まあ彼女はそもそも常識を知らないだけなのだが。

 それとも…近くに彼女の言うことは真実なのか。牧瀬紅莉栖は敵だという発言もあながち間違いではなかった。無論彼女は仲間だったが、紅莉栖がSERNに囚われて人類の敵になり得た世界線もあったのだ。まあ、その前にタイムリープして無かったことにしてしまったのだが、ともかく彼女は嘘をつかない。

 ……何を真面目に考えているんだ? これは夢だ。夢なんだ。鈴羽のいうことはきっと俺が勝手に考えていることだ。俺の夢の中で何か言っているだけなんだ。真面目に考える必要はーーー。

 

「ーーーーーーっぐっっ!!?」

 

 突然、世界がぶれた。真っ白の空間に不気味な歪みが生じ、頭がぐわんぐわんと揺れていく。視界はスパークし始め、鈍器で思いきり殴られたような痛みが身体中を襲う。これはまさか俺のリーディングシュタイナーが発動したのか?

 でも、あり得ない! これは夢なんだ。夢の中でもリーディングシュタイナーは発動などしないと思っていたのに!

 揺らぎは収まり、スパークが弱まっていく。が、その歪みのなかに……鈴羽は消えていく。

 

「鈴羽!!」

 

 まるでその歪みが俺と鈴羽を隔てているようだった。俺は今も残る鈍痛を堪えながらも手を伸ばす。しかし、その手が届く前に……鈴羽は口で何かを言って、姿を消していった。

 

「岡部倫太郎……世界を……」

 

 鈴羽の掠れた声と共に白い空間は溶け崩れるように壊されていき、俺の体は暗闇へと放り投げられーーー。

 

 

「うわっ!?」

 

 ベッドにて目覚めたのだった。荒い息を整えながら俺は辺りを見渡す。すると、何てことはなかった。ここはSAO内の俺の自室だ。どうにか自室に戻れたと安堵しながらも、どうしてあんな夢を見てしまったのか、どうして夢の中でリーディングシュタイナーの感覚が作動したのか、思い当たる節はなかった。

 俺は視界に映るデジタル時計を見る。午前2時だ。途中で起きてしまったことに後味の悪さを覚えながら、俺はもう一度ベッドに横たわる。しかし意識は、先程の夢のせいで覚醒してしまい、気のせいか冷や汗がだらだらと垂れている。

 仕方なく俺は寝るのを諦めて、ベッドからゆっくりと出た。隣のベッドではダルがぐうぐうといびきをかいて寝ているが、起こさないよう注意してドアを開ける。

 部屋から出て、階段を降り、新しく出来たギルドホームのドアから外へと出る。夜風が舞い込んできて、気持ち悪い感触を払拭していく。

 

『この世界線は……狂い始めているんだ』

『岡部倫太郎……世界を……』

 

 鈴羽の言葉がフラッシュバックする。頭がちくっと痛くなる。あの意味はなんだったのだろうか。いくら夜風に当たっても嫌な感じは消えることはない。もし鈴羽の言葉が本当だとしたら……いったい俺の知らぬ間に何が起こっているのだろうか?

 夜空に光る星を眺めてすべてを忘れようとしたが、刃が冷たく俺の背を撫でるような気味の悪い感触が離れることはなかった。

 

 

***

 

 

「あ、オカリン、おはよー」

 

 朝8時になり、ようやく皆が起きてきた。一番にまゆりが起きてきて、一階にいる俺に挨拶をして来た。

 

「うむ、おはようまゆり。ふわぁ……眠いな……」

「あれ? オカリン眠いの?」

「まあな……昨日ちょっと夢見て起きたんだ」

「そうなんだー。どんな夢だったの?」

 

 まゆりはにっこりと聞いてくる。一応夢の内容ははっきりとは覚えているが、どう言葉にすればいいか分からない。俺は適当に流すことにした。

 

「よくは覚えていない。まあ、大したものではないだろう。皆はどうしたんだ?」

 

 話題を切り替えるとまゆりはうーんと顎に手を添えながら答えた。

 

「紅莉栖ちゃんは今シャワー浴びてるよ。ダル君はまだ寝てて、ルカ君とフェリスちゃんはお料理しているよ。萌郁さんも寝てるんじゃないかな……まゆしぃ起こしてくるよ」

「全くダルと指圧師は弛んでいるな。頼んだぞまゆり」

 

 はーいと言ってまゆりは階段を上がっていった。リビングに一人残された俺はぐるっと中を見回した。

 

 ここは、ギルド《未来ガジェット研究所》のギルドホームである。つい3ヵ月前に建てたホームであり、規模は小さ目だが、何せラボメンことギルメンがたったの7人しかいないので十分すぎるほどの大きさだ。部屋は有り余っているし、はしゃぎ回ることもできる。

 ギルド設立をしたのは2013年初頭だ。ギルドを設立するには第3層にある《ギルド結成クエスト》をクリアしなくてはならなかったので、ラボメン全員でどうにかクリアし、結成することが出来た。その後はギルドホーム設立のために金稼ぎを頑張って行った。まゆりが呉服店を開いて自身の手製の服を売ったり、ダルがとあるギャンブルで勝って稼いだりして、どうにか目標金額300,000コルを貯めることが出来た。ホームの大きさは20人分で、入ってみた感想として開口一番に語られたのは、なにしろ広すぎるというものだった。

 その後もそれぞれ好き勝手に活動し、時にはボス攻略に参加したりして、思い思いに過ごしていた。まさに、《未来ガジェット研究所》である。

 2014年2月初頭の今日も、未来ガジェット研究所の新たな一日が始まろうとしていた。

 

 

「キョウマーー! 朝御飯出来たニャーー!!」

 

 俺が物思いに耽っていると、エプロン姿のフェイリスの元気のよい声が聞こえた。俺ははっとして分かったとフェイリスに叫び返した。

 

「岡部……いえ、凶真さん、皆はまだですか?」

「もうすぐくるはずだがな。お、紅莉栖が来たな」

 

 ルカ子と話していると、紅莉栖が私服のラフな格好で来た。

 

「遅かったではないかじょぅしゅぅよぉ……貴様だけのうのうとシャワーとは、随分とセレセブのようだな」

 

 俺は挨拶がわりにからかってやると、案の定紅莉栖はムキになって返してきた。

 

「セレセブ言うな! 別にいいでしょ!? なんならあんただって使えばいいでしょ?」

「ふんっ! 俺は貴様のようなセレセブ生活は送らないのだ。というか貴様こそ、この世界では汗をかくことがないのに何故、シャワーを浴びるのだ?」

「習慣だからよ、何? 何か文句ある?」

「おのれ助手の分際で!」

「だから私は助手でもないといっとろうが!!」

 

 わーわーと俺と紅莉栖が騒いでいると、まゆりに起こされたダルと指圧師が眠気眼で降りてきた。

 

「朝から夫婦喧嘩乙。他所でやっててください」

「ふ、夫婦ちゃうわ!!」

「こんなやつと夫婦など、何を冗談をいっているのだスーパーハカーよ!」

 

 俺が叫ぶと、突然シャッター音が聞こえた。振り替えるとそこには、写真を撮ることができる記録結晶を持った萌郁が立っていた。

 

「勝手にとるな!!」

 

 俺が叫ぶと、萌郁はウィンドウを開いてすさまじい速度で表示されたホログラムキーボードを乱打していく。数秒後、俺の視界に新着メッセージがありますという通知が来ていた。俺はそれをクリックすると、萌郁からのメールが来ていた。

 

『ごめん(;>_<;)

 だって何か楽しそうだったんだもん! でも夫婦喧嘩っていいよね、恋人出来たことないから分かんないけど。ねえ岡部くんって、どうしてそんなにモテるの? 

 私も恋人ほしいな(/▽\)♪

 男の人って何すれば喜ぶの? チョコとかあげたりすればいいの? 恥ずかしい格好すればいいかな? エッチなの好きそうだし。

 他にはーーー』

 

 俺は全部読むのを断念して閉じる。無論指圧師の質問に答える気もないし、そもそも前提が違う。俺はモテてなどいない。指圧師が答えを欲しがっているような目線を送るが、俺は断固拒否して席に座る。

 やがてまゆりが元気よく帰ってきて全員が揃った。一斉にいただきますと斉唱して目の前にある巨大サラダやトーストを手にとって頬張った。ルカ子とフェイリスの料理スキルもうなぎ登りに向上していって、とっても美味しい食事が毎日食べられる。この二人は将来いい妻、もしくはいい夫になるだろう。特にフェイリスは金持ちだから得しかしないだろう。

 

「ねえねえフェリスちゃん。なんかこんな企画があるんだけど」

 

 食事中、まゆりがウインナーを食べながらあるチラシをメインメニューから取り出した。そこには、¨第1回美少女コンテスト¨とかかれてあった。俺には無縁の話だと割りきって、目の前にある目玉焼きを箸で取ろうとしたのだが。

 

「それ知ってるニャン。ニャンか優勝すると、賞金がもらえるのニャ!」

 

 ぴくっと俺の耳が反応した。賞金、だと?

 現在俺たち《未来ガジェット研究所》の資金は底をつきかけている。これほどの豪華な朝食を用意できるのは、金があるからではなく、粗悪品しか使っていないからだ。無論ルカ子やフェイリスの料理スキルのお陰で美味しくなっているのだが、それも食べられなくなる日も近い。俺は食べるふりをしながらその話に耳を傾けていた。

 

「そうなん、フェイリスたん? だったらこの未来ガジェット研究所の女性陣全員で出るべきだと思われ」

「それが1チーム2人までって決まっているニャン。フェイリス的には、ルカニャンと萌ニャンでいくべきだと思うニャン!」

 

 フェイリスの提案にルカ子はおどおどしながら反対した。

 

「え、ええっ!? そんな、ボクは無理ですよ! それに男ですし……」

 

 確かにルカ子は男だ。だが、この容姿で女装すれば間違いなく美少女だ。俺はフムと考えた。

 

「何を考えているのよ、岡部」

 

 俺のとなりに座る紅莉栖が怪訝そうな表情で聞いてくる。俺がこうして考えていることを悟られるわけにはいかない。こうなったら、どうにかはぐらかすしかーーー。

 

「あ、そういうことか。あんた賞金狙ってるんでしょ?」

 

 ーーーバレた。あっさりバレた。

 

 俺は項垂れるとああそうだと吐いた。

 

「我がラボは資金難に陥っているからな、全力で優勝しなければ俺たちに未来はない」

「まあそれには同意するお。でもさ、出る人どうする? 僕的にはフェイリスたんを推すんだけど」

「ーーー投票で決めようと思う」

「投票?」

「ああ。皆で誰がコスプレ大会に出るか、目隠しで手をあげて多数決で決める。一人2回だけだぞ、手をあげるのは」

「なるほど、いい案ですね」

 

 ルカ子は俺の意見に賛同してくれた。さすがは我が弟子だ。俺は早速実行すべく指示を出した。

 

「では皆のもの、そこの机に顔を伏せ、適切だと思った人物二人に手をあげよ」

 

 俺の指示が行き通り、皆顔を伏せた。俺はまず一人目を読み上げた。

 

「ラボメンナンバー順にいくぞ。まずは、まゆりがいいと思うもの、手をあげよ」

 

 まゆりの推薦について問う。手をあげたのは、ルカ子だけだった。もしかしたら日々のコスプレの要請の恨みもこもっているのではないかと思ってしまう。ルカ子に限ってそれはないと信じたいが。

 とりあえずまゆりは終わりだ。次にいこう。

 

「次は紅莉栖だ。手をあげよ」

 

 紅莉栖の場合はコスプレ経験があるため、適任ではありそうだ。だが、思ったほど手をあげた人数は多くなかった。挙げたのはまゆり、ルカ子のみだった。理由は恐らく全員ただひとつ。ツンデレ天才科学者のコスプレが見たい。それだけだろう。無論俺もだ。

 

「次は指圧師だ。手をあげよ」

 

 萌郁のコスプレは見たことがない。奴はスタイルは良いのでまゆり辺りは手をあげると思う。が、俺の予想に反し、まゆりは手をあげなかった。あげていたのは指圧師とフェイリスのみだった。どうやらコスプレ願望があるようだ。後でまゆりに伝えておこう。プライバシー? 狂気のマッドサイエンティストがそんなことを気にするとでも?

 

「では、次にルカ子だ。手をあげよ」

 

 これはどのくらい上がるのだろうか。実際優勝するに当たっては欠かせない人物だと俺も思う。さあどうなるか。

 手をあげさせると、凄いのか、それともやはりなのか、ルカ子以外の全員があげていた。まあ俺も参加していたらあげていたことだろう。これで決まりだな。

 俺は声音を変えずに次へと移した。

 

「では次、フェイリスだ。手をあげよ」

 

 俺がそういった瞬間、ダルが音速とそう変わらない速度で手をあげた。まあこいつはフェイリス推しだし、そうでなければ後でダルに問い詰めようと思っていたが、杞憂に終わったようだ。その他にも、紅莉栖やフェイリスもあげていた。フェイリスは自己顕示欲の塊だからーーー少なくともフェイリス・ニャンニャンの時はーーーまあ上げるだろうとは予想していたが。

 

 これですべて終わった。もういいぞとラボメンたちに告げて、顔をあげさせる。

 

「では、結果を告げる。今回この血みどろの戦いを勝ち抜き、勝利をつかみとった戦乙女はーーー漆原るかと、フェイリスである!!」

 

「え?」

「やったニャ!!」

 

 ルカ子とフェイリスは、一斉に反応し、声をあげる。ルカ子はこの世の終わりが来た時のように顔を青ざめ、フェイリスは嬉しそうに飛び上がった。しかもルカ子の方が票が多かったため、なおさらかわいそうだ。だが、これも……。

 

「ルカ子よ、そう青ざめるでない。何故ならこれが、シュタインズゲートの選択だからだ」

「いや、何をいっているんだおまいは」

 

 ダルがすかさず突っ込むが、俺は無視した。

 

「やっぱルカ君がそうなるとまゆしぃは思ってたよ! だってかわいいもんね!」

「漆原さんは適任なんじゃないかしら?」

「私も……そう思う……」

「うは、フェイリスたんにるか氏とか僕得すぐるだろjk!」

「ルカニャンも一緒に頑張るニャ!!」

 

 ルカ子に対する賛辞の声が多い。観念するしかなさそうだ。ルカ子はすでに泣きそうになっている。どうしたものか。

 

「ルカ子よ、泣くでない。お前は、未来ガジェット研究所に貢献できるのだぞ。俺たちはもうすぐで飢え死にしてしまう。それを食い止められるのはお前とフェイリスだけなのだ! しかもフェイリスだけではダメだ、お前の秘められし力が必要なのだ! 頼む、やってくれないか」

 

 俺はそう説得する。紅莉栖からは、そんな説得じゃ無理だろと言われたがーーー純粋なルカ子を甘く見てほしくないものだ。ルカ子はプルプル震えながらも、答えた。

 

「は、恥ずかしいですけど……その、凶真さんのためだったら……や、やります!!」

「キターーーーーーー!! るか氏の出演実現とか、オカリンGJ過ぎるだろ!! 僕らにできないことをさらりとやってのけるとか、そこに痺れる憧れるーーー!!」

「フゥーハハハ!! 弟子の心を操るなど、造作もないことだ!!」

「調子乗るとすぐこうなるな岡部は……」

 

 俺は高笑いすると、まゆりの方を向いた。そして、高らかに叫ぶ。

 

「まゆりよ、ではお前にミッションを授ける。確かこの大会の開催は3日後で、服装は自由と書かれてあるな?」

「うん、そうだよ」

「ならばーーールカ子のコスプレ衣装の作成を命じる!!」

「え、ええっ!?」

 

 ルカ子が驚く。だが、もう遅いぞルカ子よ。まゆりのコス作りに対する情熱は激しいぞ。例え目の前にジューシー唐揚げナンバーワンがあろうとも、それを無視して……いや、まゆりならばどちらもやるか。

 とにかく、まゆりの情熱はすごいものがある。現に……。

 

「よぉーし、じゃあルカ君になに着せよっかな! 雷ネット翔関係かな? それともブラチューかな? それともプチキュアかな? うーん、まゆしぃは結構迷うのです!!」

「あ、あわわ……ま、まゆりちゃん……そんなに気張らなくても……。それにコスプレなんて……」

「だってせっかくルカ君にコスプレしてもらえるチャンスだよ! まゆしぃの能力すべてをつぎ込まなきゃいけないのです!」

 

 とこのように、暴走し始めるのである。こうなってしまっては、俺でも止められない。すまないルカ子よ。俺は心の中で謝った。

 

「さて、まずはスリーサイズを測るよー。ルカ君こっちこっち!」

「も、もうやめてぇーーーー!!」

 

 まゆりに更衣室へと引っ張られるルカ子の、可愛らしい断末魔が聞こえるが、俺は心を無にして聞いていた。脳内に、このフレーズを繰り返しながら。

 

 

 

「だが、男だ」

 

 

 




ルカ子のコスプレ何になるでしょうか?
では用語解説です。


・牧瀬紅莉栖のSERNへの寝返り

α世界線にて紅莉栖やダルやオカリンがラウンダーに拉致されて、紅莉栖は無理矢理タイムマシン開発に協力させられることになる。そして紅莉栖はその後事故で死ぬ。紅莉栖のせいでディストピアが完成してしまった。無論岡部のタイムリープによってそれは消滅したのだが。

・セレセブ

説明する必要があるかはわからないが、一応します。紅莉栖のあだ名のひとつ。セレブセブンティーンの略で意味はセレブな17才。ちなみに紅莉栖は18才である。岡部いわく語感こそ全て。

・プチキュア

女子向けの子供アニメ。美少女たちが変身して悪と戦う内容で、女児はおろか成人男性にまで人気を博している。元ネタはプリキュアである。

・リーディングシュタイナー

説明する必要はほぼ皆無かもしれないが重要なので説明します。常に変動する世界線の移動を感知でき、過去の世界線での記憶を引き継ぐことができる能力。ただし欠点があり、移動した世界線での記憶を覚えていないことである。その能力は全ての人間がわずかながらに発動しているのだが、岡部にはそれが一段と強く現れ、ほとんどの世界線変動を感知できるのである。


では、感想やお気に入りお待ちしております。

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