風の聖痕~和麻のチート伝説~ 作:木林森
ちなみに風の聖痕は、アニメでしか見たことありません。
神凪家。代々古くから伝わる退魔の家系。伝わると言っても、歴史の表側で活躍するのではなく、裏で活躍している家系だ。今でも、中々の権力を保持している。退魔師で神凪の名を知らぬ者はいない。
そんな神凪家だが、彼らは炎の精霊王から炎の加護を受け、その精霊達を使役する事ができる。その炎は浄化の力が宿っており、妖魔と呼ばれる人ならざる者を消滅させる事ができる。神凪の他にも、炎を使う術士は存在し、その者達を総じて炎術士と呼ばれる。
炎術士以外にも、風術士、水術士、地術士と呼ばれる
者達がいるが、精霊の力を使う者達は精霊術士とも呼ばれる。
さて長々と話したが、つまり神凪の血を継ぐ者なら、炎を使えて当然なのだ。
しかし、神凪の直系で分家でも無いのに炎を使えない少年がいた。
少年の名は和麻。神凪和麻。彼は炎を使えない事以外は全て完璧だった。神凪家で生まれなければ天才と言われ、持て囃されていただろう。
しかし、彼が生まれたのは神凪家。炎術以外の才能は、無価値に近いものだと思っている。一部は違うが大体がそう思い込んでいる。
故に和麻は、神凪に組する者達に無能と蔑まれていた。
だが、彼は天才であり、炎術の代わりに他が突出していた。それは--。
神凪家の屋敷。
その庭の一角に子供達が集まっていた。
「おい、出来損ない!お前みたいな無能者が神凪を名のってんじゃねーよ!」
「そうだそうだ!炎を使う事もできねー癖によ!」
「お前は精々俺らの的になってりゃいーんだよ!」
いじめだった。
彼らは炎を使う事が出来ない和麻を集団でリンチしているのだ。
神凪の炎術士は炎の精霊王の加護を受けている。だから、炎をその身に浴びても、特に何ともない。
しかし、炎の精霊王の加護が無い和麻が炎を受けると、普通に燃えてしまう。
彼らはそれを知っていながら、和麻に炎術を使う。
だが、この和麻。ハッキリ言って普通では無かった。普通からかけ離れている少年だった。
「おら!喰らえ!」
子供達の一人が和麻に向けて炎を撃ち出した。が、
「遅い」
と、先程炎を放った少年の後ろから声がした。
「くそっ!」
少年は、後ろに向けて炎を出そうとしたが、
「だから遅いって」
和麻は、その少年の頭の上で片手で逆立ちをしていた。
そしてそのまま、ストッと降りる。
しかし少年は、炎術も使えない落ちこぼれにおちょくられてると感じ、怒りのボルテージがMAXになった。
「囲め!囲んでこいつに炎を撃って灰にしちまえ!!」
少年は、周りにいる子供たちに命令し、そして子供たちも少年の言う通りに和麻を囲む。
そして、炎を放つが
「囲んでも意味無いっての」
全部避ける。そのままさっき命令を出した少年の方へ行き、
「おりゃ」
何とも覇気の無い声と共に殴り飛ばした。この間約0.2秒。
「ぶげぁ!!」
少年が殴り飛ばされ、気絶したのを目の当たりにした他の子供たちは、顔を青くして、蜘蛛の子を散らすように逃げていった。
和麻は、気絶している少年をそのままにして、
「あー。宿題しなきゃ」
メンドくせ。と吐き捨てながら、自分の部屋に帰っていった。
この時、和麻はまだ12歳であった。
ちなみにある少女が気絶した少年を見て、悲鳴を上げたとか何とか。
このように、彼は炎を使えない代わりに、ぶっ飛んだ身体能力を持っていた。
そのせいか彼は性格も既に図太い少年になっていた。
これは、正史とは違う和麻が繰り広げる物語......なのかもしれない。
こんな感じで身体能力チートな和麻君。
自分が今連載してる作品の主人公も身体能力チートですが、それよりは劣っています。
一応和麻が追放されるまでは考えています。
もしかしたら続くかもです。