3歳から始めるめざせポケモンマスター!   作:たっさそ

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第20話 3歳児は激戦を制する

「お前みたいなガキンチョがタケシさんに挑戦するなんて100万年早いぞ!」

 

 おおっ、ちゃんと言い間違いに気付いて1万光年から訂正されている

 そうだよね、光年は時間じゃなくて距離だもんね。

 

「100万年なんてタケシさんが寿命で死んじゃうほうが早いよっ!」

「舐めた口を! 行け! イシツブテ!」

「イッシッ!」

 

 キャンプボーイに喧嘩を売られたので、全力で叩き潰すよ。

 

 さて、こっちは何を出そうかな。

 

「ピカチュウ?」

「ピッカ!」

「キミはこのジムでは悪いけど役立たずなの。」

「ピカッチュウ!? ピカァピカ! ピカッチューウ!」

 

 出たい出たいと駄々をこねるピカチュウ。

 

「そんなに出たいの? じゃあ君を選ぶけど、勝ちたい?」

「ピカッチュ!」

「じゃあ、こちきて。」

 

 ピカチュウを手招きでわたしの方に寄せると、わざマシンケースから【アイアンテール】を取り出す。

 

「悪魔の取引だ。ピカチュウ。今からキミに苦痛を与える。でもね、それは、わたしがキミの事が嫌いだからじゃない。勝つための手段を君に与えるだけだ。それでも、キミは苦痛を受け入れる?」

「ピカッチュ!」

「おーけぃ。」

 

 やる気十分のピカチュウの頭の上に、CDのようなディスクをセットする。

 

>やるんだな。

 

 うん。ピカチュウの望みなら、叶えてあげようかな。

 

>オレンちゃんも、案外ドSだな

 

 あは、だって同一人物だよ、わたしたち。

 

「気合入れて。耐えるんだよ。レッド、くりむちゃん。よく見てて! トレーナーになるってどういうことか、今からわたしが見せるから!」

「な、なにを言ってるんだ?」

「どうしたの、オレンちゃん!」

 

 

 技マシンが光り輝いて、その光がピカチュウを包む。

 

「ピグゥ………ピカァアアアアア!」

 

 いきなり始まった苦痛に、ピカチュウはもがき、苦しんで暴れ出す。

 電撃もところ構わず出してしまった

 

「ちょ、オレンちゃん、なにやってるの!?」

「今すぐ辞めるんだ! ピカチュウが苦しんでいるじゃないか!」

 

 わざマシンの技をピカチュウにインスコしている最中。心配してわたしの近くにいたくりむちゃんとレッドが慌てて近寄るが

 

「ピガァチュゥゥゥゥ………・」

 

「ちょ、なんだよ、この状況………バトルは………」

 

 キャンプボーイもいきなりのピカチュウにわざマシンを与える僕に困惑しながらイシツブテと待機している

 ごめんね、ポケモンを出して貰ってなんだけど、まだバトルは始まっていないんだ。

 

「チュウゥゥゥゥゥゥゥ! 」

「わっち!」

 

 暴れるピカチュウの電撃が、わたしの腕に当たる。

 わたしの身体が小さいからか、それだけで全身がしびれてしまう

 

「落ち着けなんて言わない。キミが受け入れた苦痛だよ。身を任せて、ほら、痛みが引いていくよ、ゆっくり呼吸して、すって、吐いて」

 

 そんなピカチュウをしびれる体のまま抱きしめ、その体をさする。

 

 

「ピ………カ、チュ」

 

 

 暴れ疲れたのか、くたっと身体から力が抜ける。

 

「ほら、スパルタで行くよ。ピカチュウ、アイアンテール。」

「ピカチュ………」

 

 わたしの腕に抱かれながら、ピカチュウは尻尾に力を込めると、アイアンテールが発動してギザギザの尻尾が鈍色に輝いた。

 よかった、成功だね。まぁ、失敗したことなんてないんだけどさ。

 

「これで、キミはイシツブテに勝てる力を手に入れた。勝ったらわたしがピカチュウにおいしいおやつをあげよっか。行けるよね」

「ピカチュ! ピッピカチュ!」

 

 おやつという単語に反応して、わたしの腕の中から飛びだすピカチュウ。

 苦しかっただろう。

 痛かっただろう。わざマシンとは、わざを無理やりポケモンに覚えさせるというのは、そう言うことだ。

 

 苦痛を受けた後だ。体力も少し持って行かれただろう。

 ここは、ゲームじゃない。現実なのだから。

 

 それでも、苦痛を受け入れてわたしを信じてくれたピカチュウにはありがとうと感謝をして頭を撫でてやる。

 すると、気持ちよさそうにわたしの手に頭を擦りつけてくる。かわいいなぁ

 

 でも、電気ショックを消して10万ボルトをわざマシンで覚えさせるんだけどね。

 覚えるレベルまで待ってられないよ。

 

「お、オレンちゃん、今のはいったい………」

 

 ピカチュウの苦しむ姿に少し怯えながらも、もう大丈夫だと判断したくりむちゃんがわたしに聞いてきた

 

「今のは、【わざマシン】だよ。ポケモンは、強くなってレベルが上がる以外にも技を覚えることが出来る。本来ならば覚えることが出来ないわざ。それが、わざマシンなんだよ。」

「わざマシン………あ、そういえば、タケシさんにもらった」

「そう、それだよ。それを使えば、ポケモンは強くなる。ただし、そのポケモンがそのわざマシンを覚えてくれるかは適性によるけどね。ジム戦で勝つためには誰だって必ずポケモンにわざマシンをつかうだろうし、くりむちゃんやレッドだって、旅に出るなら必要なわざマシンは存在する。」

「………」

 

 秘伝マシンなんかはその典型だ。

 旅で使わなければ先に進めないのだから。

 

「さきに教えておきたかったんだ。トレーナとは。旅に出るとはどういうことなのか。ポケモンが苦痛を覚えることも、トレーナーは把握していないといけないってことをね」

 

 こればっかりは、ポケモンが苦しそうだからやりたくないでは押し通せない。

 やらなければならない、いわば通過儀礼だ。

 

「待たせてごめん。1万光年くらい待っちゃった?」

 

「い、いや、3分程度だよ。」

 

「そっか。よし、ピカチュウ、キャンプボーイに苦戦するようなら鍛え直してあげる。さあ、バトルを始めよう」

「ピッピカチュ!」

 

 

 ポケモンが苦痛を伴うのも、一瞬のことである。

 注射がチクっとするのと同じだ。

 

>それとはちょっと違うだろ

 

 うっさい。ピカチュウはすぐに元気になってくれたでしょ

 やる気のこもった電撃を頬からビリビリさせるピカチュウ。

 うーん。電撃はつかいませんけどね。

 

 そう思いながら、バトルをするために身構えていたところに―――

 

 

「なにやら騒がしいと思ったが、今回の挑戦者は本当に子供じゃないか」

「んにゅ?」

 

 

 誰か来た。

 

 あれは………?

 

 

 うわ、タケシさんだ!

 

 

 16歳くらいの少年じゃないか!

 エリカ様よりも年下か。

 うっひゃー、眼ぇ細いなぁ。

 

「キミが噂の最年少トレーナーのオレンちゃんだね」

「はい、初めまして。オレンです」

 

 トレーナーカードは受付で渡したから、わたしの情報はもう届いているはずだ。

 

「なにやら面白いことをしていたみたいだけど?」

「うん、ピカチュウに“アイアンテール”を覚えさせたんだよ。このジムでは岩タイプがメインだから、弱点になるタイプを突かないと勝てないからね」

「なるほど、キミはその後ろのレッド君よりもポケモンについて詳しそうだね」

「事情があるからね」

 

 

 そういや、レッドは一度タケシに挑んで負けたんだっけ。

 きっとタイプ相性も無視してヒトカゲで頑張っちゃったんだろう。

 マンキーでも捕まえてくればよかったのに。

 

 そう思ってレッドを見れば、負けたこと、無知なことを恥ずかしそうに目を逸らした。

 現実を直視しなさい。

 頭を使わないとポケモン勝負には勝てないよ。

 

 

「それじゃ、この試合の審判はオレが務めよう。」

「ええっ! タケシさんが!?」

 

 キャンプボーイが驚きの声を上げる。わたしもびっくりしちゃった

 

「うん? いいだろう、別に。誰が審判をやったって。オレもオレンちゃんの勝負には興味があるからな」

「うーん、緊張しちゃうなぁ」

 

 わたしは頬をぽりぽりと掻きながら呟く。

 あれだよ。後ろにはくりむちゃんとレッドというトレーナー初心者が居るのだ。

 タケシにも見られていれば緊張しない方がおかしい。

 

                  ☆

 

 

「これよりジムトレーナー“トシカズ”対チャレンジャー“オレン”の勝負を開始する!」

 

 

 タケシの宣言によって、両者が構える。

 

「使用ポケモンはジムトレーナーが2体。チャレンジャーは6体まで。ポケモンの交代とアイテムの使用はチャレンジャーにのみ認められることとする! では、始め!」

 

「いけ、イシツブテ!」

「イッシッ!」

 

「GO! ピカチュ!」

「ピカッチュウ!」

 

 両者とも、傍らに控えさせたポケモンを繰り出す

 

「イシツブテ、たいあたり!」

「ピカチュウ、覚えたての技をぶつけてやれ! アイアンテール!」

 

「チュゥウウウ! ピッカア!」

 

 ピカチュウがイシツブテの体当たりに合わせてアイアンテールをぶち込む。

 まだ尻尾を使った攻撃に慣れていないのか、体の軸はブレているし、力も籠っていない。

 

 力が分散してしまっているようだ。

 

 だが―――

 

「イッシッ」

 

 アイアンテールは効果抜群。

 

 多大なダメージをイシツブテに負わせたらしい。

 イシツブテはもう満身創痍。効果抜群てすごいなぁ。

 

「立て直す隙を与えるな! “でんこうせっか”!!」

「チュッピィ!」

 

 ピカチュウの電光石火がイシツブテにぶち当たる。

 

 もともとの素早さも上だが、体力の少ない敵には電光石火でとどめを刺すのは当然だ。

 

 

「ああっ! イシツブテ!」

「勝者、ピカチュウ!」

 

 タケシの宣言により、キャンプボーイのトシカズがイシツブテに駆け寄って、無事を確認するとボールの中に収納する

 

 

「くそ、今度は負けねェぞ! 行け、サンド!!」

「きゅう!」

 

 続いてトシカズが繰り出して来たのは、サンド。

 

 あれ、そういえばサンドって“地面”単体じゃないか?

 原作でも思ったけど、これはどういうことなのです?

 

「タケシさん、サンドって地面タイプ単体だよ。いいの?」

「ああ、別にルール違反ではないさ。ジムトレーナーもそのタイプに応じた技を持っているからね」

「そういうことね。ピカチュウ、戻って。さすがに分が悪い」

「ピカァ………」

「不満そうにしないの。ちゃんとおやつを買ってあげるから。」

「ピカチュ」

 

 キミもあれだね、バトルジャンキーだね。

 

 とはいえ、さすがに地面単体のポケモンを相手にピカチュウでは無理がある

 相手が“マグニチュード”でも使ってみろ。ピカチュウは一撃で倒れちゃうよ

 

「ブイー?」

 

 足元のイーブイも心配そうに見上げてくる。

 でも、キミはレンジのポケモンだから、ジムバトルでの使用はしないよ。

 

 

「さて、ミニリュウ。出番だよ」

「みゅー♪」

 

 

 わたしのカバンからにょろにょろと這いだしてくるピンクの生き物。

 色ミニリュウだ。

 

「行けるね、ミニリュウ」

「みゅりー♪」

 

 くねくねと喜びを表現して見せるミニリュウ

 

 よろしく、現パーティの最強わざを見せてやれ!

 

 

「先制はわたしがもらうわ! ミニリュウ、“りゅうのいかり”!」

「りゅうー、みゅー!」

 

 

 小さな小さな角の先に溜めたオーラを、サンドに向けて発射する

 

「きゃうー!?」

 

 そして、命中。

 

 

 竜の怒りは固定ダメージ。

 相手の体力を40ほど、確実に削るわざだ。

 

 相手のレベルは未だに20にならない所だ。

 

 ならば、相手の体力はよくても60程度。現実だから固定ダメージとか言われてもよくわかんないけど、低レベルの時では“ナイトヘッド”などよりも確実に相手を刺せる最高の技だ。

 

 ミニリュウの持ちわざである“でんじは”はこのジムでは使えず、“たつまき”はたいした威力が出ない“まきつく”も同様だね。

 

 だから、最近覚えた最強の技。“りゅうのいかり”で、ほぼ確実に相手を戦闘不能に陥れる!

 

「サンド、“きりさく”攻撃!」

「きゅー!」

 

 サンドのきりさく攻撃に対し、避けるすべを持たないミニリュウは、もろにその攻撃を受けてしまう

 

「みゅ――――!!」

 

 サンドの体力を大幅に削ったおかげか、威力は高くなさそうだが、ミニリュウを深く傷つけた

 

「ぬ、ぐ………もどって、ミニリュウ」

 

 

 これ以上傷つく姿を見てられなかったので、ボールに戻す。

 すこし休んでからだ。

 

 もともと、ミニリュウの体力は低い。

 なにせ、逆Vなのだから。

 

 ミニリュウは十分に頑張った。

 相手の体力はもうほとんど残っていないはずなのだから。

 竜の怒りとは、それほどまでに強力なわざなんだよ

 

 つぎは………

 

「ピカチュ!」

「やる気? でも、キミじゃ厳しいよ」

「ピカピカ、ピカッチュ!」

 

 仇を討ちたいって?

 うーん。サンド相手では厳しいけれど、やってみようか

 アイアンテールを当てることが出来れば、わたしたちの勝ちだ。

 

 

「GO、ピカチュウ!」

「ピッピカチュ!」

 

 

 ピカチュウを繰り出す。

 しかし、すかさずトシカズも技を叫ぶ

 

「“がんせきふうじ”!!」

「マジで!?」

 

 ここに来て岩タイプの技。

 

「ピカーッ!?」

 

 しかも、こちらのスピードを下げる、とても厄介な技。

 素のスピードならピカチュウの方が上だろう。

 

 このネズミ対決は一瞬にして圧倒的にサンドが有利になってしまった。うう。

 

「ピカチュウ、アイアンテール!」

「サンド、マグニチュード!」

 

「きゅうー!!」

「ピカピカピカ、チュビッッッ!?」

 

 

 ピカチュウはアイアンテールを放つ前にマグニチュードの直撃を受けてしまう

 

 隆起した地面に突きあげられて宙を舞い、地面に叩きつけられたんだ

 

 アイアンテールは命中力に不安の残るわざだ。

 この結果は悔しい

 

 プルプルと震える足で立ち上がるピカチュウ。

 今にも倒れてしまいそうだ

 

 しかし、立っている。

 立っているならば、負けていない。

 負けていないならば、チャンスを見逃すな!

 

「もう一度、マグニチュード!」

「アイアンテールを地面に刺して耐えて!」

 

「ピッカ!」

 

 言われたとおりに、ピカチュウは揺れる地面に対し、身体がぶれないように5本目の足を地面に突き刺した

 

 マグニチュードはダメージがランダム。

 それに賭けるしかない。

 

 とはいえ、効果は抜群。耐えきれる保証はない。

 

 ピカチュウの真下の地面が割れる。

 

―――来る!

 

「跳んで!」

「ピッカァ!」

 

 その瞬間。地面が隆起して盛り上がる。

 

「足場が来たよ! 大ジャンプ!」

 

 自分のジャンプの高さが頂点になる頃に下から迫ってくる地面に降り立つことで、ダメージを極限まで押し殺す。その立ち上る地面のスピードを借りてさらに上にジャンプ

 

 クルクルと縦方向に回転しながら大きく宙を跳ねたピカチュウの着地予想地点は、サンドの真上!

 

「アイアンテールを叩きつけて!!」

「ピカッチュウ!!」

 

「なに!?」

「うわ、すごーい!」

「やるな、オレンちゃん」

 

 感心した声聞こえるも、わたしの脳はすでにその声をシャットアウトして何も聞こえなくなる。

 必要な情報だけをみつめて! 勝つ方法を模索するんだ!

 

「いっけえええええええ!!!」

「ピッカァアアアアアア!!!」

 

 

 ガギン!!

 

 という、地面を金属が穿つ音が聞こえた。

 

 

「ピカ!?」

「外した!?」

 

 

 くそっ、コレだからアイアンテールは………。

 命中率低すぎだ

 

「チャンスだ! サンド! “きりさく”攻撃!!」

 

 しかも、地面にアイアンテールが刺さってしまい、ピカチュウは動けない! ここまでなの!?

 せっかくギリギリまで追い詰めたのに、こちらが相手に無防備な姿をさらしてしまった。

 

 ピンチはチャンス。チャンスを不意にして、ピンチになってしまったのだ。

 もう、なすすべはないのだろうか………

 

 

>諦めるな

 

 

 声が聞こえた。自分の声………いや、レンジの声だ。

 レンジ………でも、このままじゃ………

 

>まだ、負けちゃいねーだろ

 

 まだ………そうだね、まだピカチュウが倒れた訳じゃない。負けた時は―――

 

―――ピカチュウが倒れた時だ!

 

 まだ、負けてない!!

 

 

「尻尾解除で地面から抜いて! すかさず“でんこうせっか”!」

 

 思考停止、命令停止は即座に敗北を意味する。

 ならば、最後まで足掻くのが、わたしの戦争だ。

 

「きゅー!」

 

 きりさく攻撃で、サンドの爪がオーラを纏って伸びる。

 腕が重くなったのか、サンドが大きく振りかぶった。

 ピカチュウは身動きが取れなかった。サンド自身の体力も残っていない。だから振りかぶったのだろう。

 確実にピカチュウを仕留めるために。

 それが、吉と出るか、凶と出るか。それは誰にもわからない事だ。

 

 

 そこでようやくピカチュウの尻尾が地面から抜ける。

 時間的にはギリギリか

 

「臆するな、行って!!」

「ピカァアアアアア! チュァアアアア!」

 

 アイアンテール解除からの電光石火の移行は、ほぼノータイム。

 

 技を繋いだ。

 これなら!

 

 

「チュッピィ!!」

「きゅあー!!?」

 

 サンドの爪がピカチュウの頬をかすめる

 

 だが、ピカチュウの電光石火はそれを無視してサンドのドテッ腹に吸い込まれていった。

 

 急所だ。

 

「き、きぃ………きゅぅ………」

 

 

 サンドは目を回して失神してしまった。

 

「勝者、チャンレンジャー“オレン”!」

 

 

 肩で息をする僕とピカチュウ。

 危なかった。一歩でも怯んでいたら、致命傷を負っていたのはピカチュウの方だ。

 

 ピカチュウはクルリと身体の向きを変えると、しばらくの間、見つめ合うと

 

 

 

「ピカチュウ」

「ピィカ………」

「おいで」

 

 嬉しそうにわたしに向かって飛びこんできた。

 


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