はまち外伝   作:ふたなり2

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いよいよ、ほのかの告白が始まる、果たしてどうなる?








留美と八幡 ( 大好き! ) 留美編 最終回 

 

 

告白当日を迎えた。ほのかの勝負する日だ。

 

何だか自分が告る様な感じがしてホント、

ドキドキしちゃう。

試合は午後1時からみたいだけど、朝9時から

練習らしく日曜にしては朝早くから自宅を出て

ほのか、先輩達と学校に集合した。

 

「うす。」「八幡おはよ!」「比企谷先生おはようございます!」

 

「留美ちゃん、ほのかっち、ヤッハロ~!」

 

「鶴見さん、一色さん、おはよう!」

 

「「おはようございます、由比ヶ浜先輩、雪ノ下先輩!」」

 

「緊張するけど大丈夫だから、皆んなそばにいるからね!」

 

由比ヶ浜先輩が鼻息荒くほのかにエールを送る。

 

「うん、大丈夫…殲滅しましよう。」

 

「雪ノ下、敵じゃないんだから殲滅したらダメだぞ。」

 

「そうね、兎に角頑張りましょう!」

 

雪ノ下先輩は、どうもこの手の応援の類いは苦手みたい…

由比ヶ浜先輩が苦笑いしてる。

 

八幡に小声で話しかけてみた。

 

「八幡、昨日はありがと付き合ってくれて・・・」

 

「あ~別に・・それより留美、昨日はあれから大変だったんだぞ!」

 

「えっ?どうかした?」

 

「家に帰るなり小町に色々と根掘り葉掘り聞かれるし、

一色の姉ちゃんからスマホに電話が掛かってきてアレヤコレヤ

言われて堪らんかった。」

 

「色男さんはモテて仕方ないみたいで良かったですね!」

 

思いっきり二の腕を抓ってやった。八幡、「てぇ~!」って悲鳴を

上げるから皆んなビックリしてこっち見たから思わず首を

引っ込めちゃったよ・・・あ~はずかし。

 

 

・・・・・・

 

 

「約束の時間は10時……果たして彼は練習を抜けて

来てくれるのかな?」

 

「どうかな?」

 

「来てくれるよ、きっと…。」

 

ほのかはさっきまで、緊張してたけど落ち着いたのか

前を見据え時間の来るのを待っている。

 

場所は校舎東側の踊り場にした。あそこはあまり人が来ないし

今日は日曜で丁度いい。隠れる所も割とあるから取り巻きが

隠れるのにはもってこいだ!

 

そろそろ時間になる各自緊張が走る……物陰に隠れてと。

だけどね、一番緊張してるのほのか本人、何だよね。

私達まで緊張する必要あんまり無いんだけど。

 

・・・・・・

 

そして、定刻通り彼はやって来た。彼こと浜田君は真っ黒に

日焼けし帽子を目深に被り野球のユニフォーム姿でやって来た。

 

ほのかを見つけると爽やかに掛けて来た。

 

「おはよ!一色、俺を呼び出したのって君かな?」

 

「うん、おはよ!浜田君!そうよ、私だよ。」

 

「そっか、あの話しって何かな?」

 

「うん、あの…これお弁当何だけど良かったら

食べてみて。いつも応援してる…試合頑張ってね!」

 

「えっ?いいのか?」

 

「うん!作ってみたの…」

 

「ありがとう、一色…お昼に頂くよ。」

 

「うん…」

 

「あのね、浜田君……」

 

「なに?」

 

「私ね、あなたの事が好きなの…入学した時からずっと…」

 

「えっ………」

 

「よかったら私と付き合って下さい……。」

 

「そっか……悪い、俺・・・他に好きな子いてさ…一色とは

付き合えない……友達でよければ」

 

「あっ…そうなんだ…仕方ないね…ありがとう。

……聞いて貰えてよかった。」

 

つぶらな目に涙を一杯溜めて頬に一筋伝う。

真っ直ぐ目を逸らさずに彼を見つめ、やがて笑顔を向ける。

応援していた私の目にも涙が溢れていた。

 

バツが悪いのか浜田君は頭をかきながら彼は

恥ずかしそうに笑い、ほのかにとんでもない事を言った。

 

「一色、お前の勇気を出した告白ありがとな・・・

俺も一色を見習って片思いの相手に告ってみるよ。」

 

「えっ?」

 

ほのかちゃんの顔が一瞬に青ざめた。だってそうだよね、

今さっき大好きな人に勇気を出して告白したら振られちゃって、

その勇気を感心されて自分も違う女の子に

好きだと告白するって目の前で言われたのだから。

 

「うん、頑張って自分の思いを告げてみるよ鶴見に。」

 

「…………………。 」

 

今ここで見てる全員がフリーズしている。

 

「俺、鶴見…留美の事が好きなんだ。

だから、他の誰とも付き合いたくない。」

 

「予選でいい結果が出せたら留美に告白しようと思ってる。」

 

ハニカミながらトボけた事を言ってる……バ〜カ。

 

「彼は相手の気持ちを考えた事が無いの?」

 

「最っ低~!」

 

「それは言わないお約束だよな?」

 

雪ノ下・由比ヶ浜先輩が超怒ってる・・・激怒だ、

雪ノ下先輩はゴミでも見るかのような感じで、由比ヶ浜先輩は

キッ!と目を吊り上げコブシがプルプルしてる。

八幡なんか不気味なひきつり笑いをしてる…

 

聞いていた私も駆け出して行って彼にビンタを喰らわせたい!

そりゃビックリはしたけど相手の事を思いやれない奴は

大嫌いだ。

 

「じゃ、一色ごめんな。」

 

彼は照れ臭いのか頭をかきながら帽子を被り直し走り去って

行った。残されたほのかは、やがて、しゃがみ込みすすり泣いている。

 

どうしていいのか分からない、声をかけていいのかも。

 

「八幡…どうしたら…」

 

「由比ヶ浜、悪いが頼む…」

 

「分かった。」

 

由比ヶ浜先輩が「頑張ったね。」と言ってほのかちゃんを

慰めに行ってくれた。先輩も涙ぐんでる。雪ノ下先輩も心配そうに

ほのかを見ている。

 

「留美、俺と来い。」

 

私と八幡はその場を離れて休憩所の自販機で買った

コーヒーを飲みながら半ベソをかいてる私に

ポツリポツリと話をした。

 

「流石に留美がほのかの所今行くのは辛いだろう。

落ち着いてから慰めてやるといい。」

 

「分かった、そうする。」

 

「これからお前達の友情なり友達関係が崩れる可能性がある

でも其れはある程度仕方の無い事もある。自分がほのかの立場になって

考えればいい顔ができないのも分かるだろう。」

 

「うん、分かるし…分かってる。」

 

「でも恨んじゃダメだぞ留美。」

 

「うん…ありがとね八幡。」

 

「お礼を言われる様な事はしちゃいない。」

 

「ううん、ありがとう。」

 

「だから、お礼を……?」

 

涙が溢れちゃってもう駄目と思ったら

八幡に抱き付いて泣いた。

 

八幡、ビックリしてたけどヤレヤレとすぐに頭を撫ぜてくれた。

そう…私が落ち着くまでそうさせてくれた。

 

「ほのかが可哀相だもん…うっ、あんなに好きって…

言ってたのに。」

 

「そっか。」

 

「ううっ、何で浜田のバカ…ほのかの事もっと思いやれないの?」

 

「ああ、そうだな。」

 

「浜田なんか全然ガキだし嫌い!」

 

「告白する前から嫌われたもんだな浜田は、俺もガキだけど。」

 

「八幡は違う!」

 

「顔も見たくない!絶対無視してやる!」

 

「私が浜田だったら絶対ほのかの告白受けるもん!」

 

「その気持ちはわからんでもない。」

 

「うっさい、バカ八幡!」

 

「留美がほのかの事、本気で応援してたの本人もよく分かってるし

俺も知ってる。雪ノ下達も皆んな知ってる、だから分かるぞ。」

 

「バカ八…幡…」

 

 

八幡の胸で顔を押し付け思いっ切り泣いたら落ち着いてきた。

あ~あ、シャツが涙で濡れてベタベタに。

 

やらかしちゃった…恥かしい。

 

顔を上げたくない、泣き顔…八幡に見られたくない。

 

「ごめんなさい…八幡、顔を見ないで…離れるから。」

 

「分かった。」

 

下を向いて避けるようにして化粧室に駆け込み

顔を洗っているほのかに出くわした。

 

「あっ…やっば、ダメだった。」

 

「そんな事ないよ、ほのかは女を上げたもん!」

 

「浜田がいなくなってから泣いたし我慢したもん!」

 

「浜田なんか大っ嫌い!」

 

「彼の事悪く言わないで、お願い…ううっ」

 

ほのかが彼を庇いすすり泣き出した。

 

「分かったから泣かないで、ほのか。」

 

「彼から…告白があったら真剣に…考えてあげて。」

 

「そうだね・・・考えてみる。」

 

ほのかの手前そう言って慰めた。

 

「ありがとね、留美。」

 

いつまでも優しいほのかを思いっきり抱き締め、

二人で泣きあった。

 

 

・・・・・

 

 

こうして奉仕部の告白作戦は見事失敗に終わったのであった。

 

「八幡、今日はありがとう…」

 

「雪ノ下先輩、由比ヶ浜先輩ありがとうございました。」

 

「残念な結果だけど、いつかもっと素敵な恋をすると思うわ、

一色さん、鶴見さん。」

 

「うん、残念だけどね、ガンバ!」

 

「お二人には感謝で一杯です、ありがとうございました!」

 

「比企谷先生、今日までありがとうございました。

とても楽しかったです、感謝します。」

 

ほのかが、元気を取り戻し三人に挨拶をし、お互い目があったとこで

声を合わせ最後の挨拶をした。

 

「「三人の先輩方また、遊びにきて下さいお願いします!」」

 

「おう、じゃまたな!」

 

「それじゃ、さようなら。」

 

「留美ちゃん、ほのかちゃん、元気でねまた!」

 

「「はい、ありがとう皆さん!」」

 

学校を後に三人は帰っていった。

 

 

・・・・・

 

 

とうとう二人ボッチになっちゃった。

 

「帰ろっか、ほのか?」

 

「うん、明日も学校だね留美!」

 

「そうだね、明日からまた奉仕部依頼があるかも?」

 

「それ大変!二人で何とかなるかな?」

 

「困ったら、また先輩達に相談しなきゃ。」

 

「来てくれるかな?」「大丈夫だよみんな相談に乗ってくれるよ、

スーパーアドバイザーの八幡もいるし。」

 

「あはは、ホントそうだね!」

 

ほのかも、もう大丈夫だと思う。

 

「二人で頑張ろ!」「うん!」

 

夕日の差し込む校舎を後に二人で誓い合った。

 

校庭を出ようとして正門まで二人で行くと

八幡がポケットに両手を突っ込んで正門の壁に

もたれて一人待っていてくれた。

 

「三人で帰ったんじゃないの?」

 

「悪い、忘れ物をしてな待ってたんだ。あいつ等には先帰って

もらった」

 

「何を忘れたの?」

 

不思議に思い首を傾げ八幡を見ると恥ずかしそうに

下を向きながらポツリ言った。

 

「ほのかから聞いたけどカンパしてくれたの留美だよな。」

 

「そんな事、みんなの感謝の印よ私だけじゃないわ。」

 

「言い忘れてた。」

 

「・・・・何を?」

 

「ありがとな・・・」

 

「えっ?」

 

「授業、ちゃんと聞いてくれてありがとな、あとプレゼントも」

 

「別にいいよ、八幡にはもっと色々して貰ったし。」

 

「いや、俺は何もしちゃいねえよ。」

 

「ううん、一杯して貰った、助けてくれた、優しくしてくれた・・・

ありがとう・・・八幡・・。」

 

「もっと、もっと八幡にいて欲しかった!でも駄目だよね・・・」

 

「ああ、もう実習も終わった。」

 

「でも将来、先生になるのもいいかもなと思った。」

 

「・・・駄目かな?」

 

「何?・・・」

 

「また会ってくれるかな?」

 

「ああ、また部室へ遊びに行くよ。」

 

「違うの勉強とか、買物に付いて来て欲しいし・・・・」

 

「ああ、機会があればな。」

 

「絶対よ!」

 

八幡の傍にそっと近づいた・・そして頬にキスをした。

 

「バッカおっ、お前!今何を・・・」

 

「八幡 ・・・ 大好き!」

 

ほのかが口をポカンと開いてたけど、やがて笑いながら

さよならと手を振り自転車で駆けて行った。

 

「八幡、バスが来ちゃうから速く行くよ!」

 

「バッカ、おいっ、お前急ぐなよ!」

 

「お前じゃない、留美!」

 

 

 

 

 

 END

 

 






留美と八幡を読んで頂き、
ありがとうございました!感謝感激です!
誤字脱字など読みにくく大変失礼致しました。

皆さんの考えている留美よりも少し幼さが残り
八幡に甘え、依存する傾向をどうかと思いましたが
(原作の留美は八幡同様、一人で何でもしようとする
ちょっと冷めた寂しい感じがする少女でした。
しかしながら、クリパ後、皆んなと打解けまた、
本来の活発で少女らしい生活を取り戻し高校生活を
スタートした設定であればいいかと思いました)
自立し八幡に恋心を抱きながら、ほのかとの絆が
強くなる過程を何とか下手ながら自分なりに
まとめる事ができたと思います。

次回、由比ヶ浜のショート1話を考えています。

また、機会あれば留美と八幡その後を・・
奉仕部に厄介な以依頼をそれも
あの人から・・とか?



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