はまち外伝   作:ふたなり2

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留美と八幡
留美と八幡 ( やっと会えた…)


今日も長梅雨のせいでジトジトとして制服のブラウスが

湿っぽくて嫌になる。何時も憂鬱…

 

 

クラスの連中はそんな事関係のないがごとく何かしら

話題にして盛り上がっている。何が面白いのだろうか?

 

 

周りの連中は私を腫れ物を触るがごとく付かず離れず

時たま話題を振ったりして相手をしてくれる。

 

 

別に気を遣わなくても良いのに…私も気が向けば

話をして退屈を紛らわす毎日。

 

 

あの日…小学校でボッチだった私をヒロインにして助けてくれた

あいつが懐かしい。

 

 

全然、群れなくて黙ってるんだけど1人で寂しいな嫌だなって

思ってる時話してくれた。

 

 

「八幡…どうしてるかな…」

 

 

クリスマスの時、嬉しかった…やっぱりみんなといると

楽しい…そう教えてくれたの八幡だった。

 

 

あれから何度か学校帰りに八幡の学校の校門の前で待ったりもした。

だけど会えなかった。仕方ないよね、だって連絡先も知らないし

会ってもどうしようもないじゃん!

 

 

だけど、また会いたいなぁ……

 

 

ボンヤリとまた朝のホームルームが始まった。

 

 

静先生は私達の担任で何時も気怠そうにしてる私を

奉仕部という怪しげなクラブに入部させた。

 

 

「ど〜したんだ鶴見?いつも気怠そうにして?

そんなに面白くないのか?そ〜か、そ〜か、じゃ〜

しよ〜がないな!奉仕部に入れ!」

 

 

「別に面白くない訳じゃありません、ただ何となく」

 

 

「ただ何となく?だから君の生き方を面白くするのが

君の目的でもあるから其れを見つける為にも奉仕部に入れ!」

 

 

何か無茶苦茶な論理だったけど取り敢えず入部する事にした。

どうせ、やる事ないし暇だし。

 

 

クラブには同じクラスメイトの「一色ほのか」も静先生に

よって入部させられたみたい。

何でも、ほのかのお姉さんもここのOGらしくて生徒会長を

していたらしい。

 

 

しかし、ほのかは凄く人見知りで大人しく教室の隅で

1人ポツンといる。この子といると私が気を使っちゃう!

だけど何だか昔の私を見てるようで少しだけ気になるし

だけと、やっぱ声を掛けづらい。

 

 

ホントに上手くやっていけるんだろうか?しかし、まだ

初まったばかりだけど何をやっていけばいいのかな?

 

 

取り敢えず、毎日授業が終われば部室に行ってほのかと

何となく顔を合わせ気不味いながらも本を読んだりして

暇を潰したりしていった。

 

 

そんなあの朝………突然あいつがやって来た。

 

 

「あ〜静かに!紹介しよう。今日から二週間教育実習で君達に

国語を教える、比企谷八幡君だ。」

 

 

「え〜それから彼は目に特徴があるが特に気にせずに。

質問があればドンドン聞いてやってくれたまえ!

何なら質問責めの時間をとってもいいそ!」

 

 

「それでは比企谷・先生挨拶をどうぞ!」

 

 

「なんでまた俺にだけそんな苦行をさせるんですか?

いくら先生が綺麗で恰好良くてもそんなだから行き遅れ…ぐはぁ?!」

 

 

「大丈夫かぁ〜?比企谷先生?あまり余計な事を言わない

お約束だぞ!さあ、比企谷〜自己紹介〜!」

 

 

「うっ、ゲホ、ゲボ…あ〜今日から国語を担当する

比企谷です、宜しく…」

 

 

「さあ、早速だか教科書87ページを開いて比企谷先生に

早速読んでもらって初めてもらうとしよう………」

 

 

やっと八幡に会えた……

 

 

八幡…じゃあなかった、比企谷先生の授業は正直普通過ぎて

詰まらなかった。意地の悪い吉田が茶化して、鋭い突っ込みに

近い質問ばかりする。だけど、比企谷先生は以外と動揺もせず

スバリと回答する。

 

 

あの時と同じだ、私が友達にボッチにされて八幡に何気に

相談した時、あんな感じだった。

 

 

やっぱり変わってない八幡は変わってないや。

 

 

思わず口元が緩んでしまう、誰かに見られたらヤダ!キモがられる!

口に手がいっちゃう!

 

 

明日からまた八幡の授業が楽しみになった。

 

 

「どうしたの?鶴見いつになく機嫌良さそうじゃん!」

 

 

クラスのリーダー的存在の浜田が私に聞いて来る、うっさい!

自分でイケメン気取って完全にナルシストそう…ナルちゃんだ。キモ…

 

 

「別に普通よ、普通過ぎて詰まらない。貴方に言われるようじゃ私も

落ちぶれたものね。気を付けなくっちゃ」

 

 

「え〜っ、いや、鶴見って滅多に嬉しそうな顔しないから何か良い事あったのかなって」

 

 

「貴方に関係ない事よ、それに良い事なんかないわよ!」

 

 

「あ〜いやっ、何時もの鶴見だね。また、良い事あったら教えてよ」

 

 

「あったらね!」ふん!よく私に声掛けて来るけど、魂胆ありありで

嫌になる……取り敢えず部室に行こう。

 

 

クラブ棟の3階に奉仕部の部室がある。もう既にほのかは来ていた。

 

 

大人しいほのかは静かに本を読んでいた。

私も何時ものごとく何もする事がないからほのかと同様、読みかけのラノベでも

読もうとしたところへドアがいきなり開いた。

 

 

「先生、ビックリするからノックをして下さいと言ったじゃないですか!」

 

 

「すまん!ん〜前も誰かに言われたかな?思い出せん」

 

 

?「先生それ、雪ノ下だよ」

 

 

「懐かしいな、そうだったな、ところで雪ノ下達は元気か?」

 

 

?「あいつらは元気ですよ、また話しますしそれより何で俺をこんな処に?」

 

 

「ん〜懐かしいだろ〜ココがお前達がいた現在の奉仕部だ!入りたまえ!」

 

 

えっ?もしかして八幡が?ウソでしょ?

 

 

「そんじゃ、ま、失礼します」

 

 

「ようこそ比企谷先生、奉仕部へ」

 

 

「私は奉仕部のメンバーの1人、鶴見留美です。こちらが一色ほのかさんです。」

 

 

「え〜比企谷です…よろしくと…」

 

 

「鶴見…何処かで…って…もしかして留美?ルミルミか?」

 

 

「ルミルミ言うなぁ〜!キモい!」

 

 

 

 


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