「さて、何が聞きたいかな? 魔導を見せてもらった分くらいは答えるよ」
家についた僕は一人と一匹を招き入れ、ユーノに言った。
「昨日の力について、あなたは一体何者なんですか?」
「まぁ そうだよな 簡単に言おうか・・・ 僕は神だ!!」
僕は堂々と答えた。間違ってはいないよね?
「真面目に答えてください!!」
「真面目に答えてるさ 僕の力はそれほどの領域なんだよ 僕は人間ではない 人智を超えた存在 召喚せし者(マホウツカイ)なんだよ」
「マホウ・・ツカイ?」
「そうだ マホウツカイは漢字で書くと召喚せし者といって・・・ 詳しくはこの子が教えてくれるよ」
そういって僕は鞄にいれておいた逆十字のアクセサリーを取り出した。
「カメリア、マホウツカイについて説明してくれ」
「わかりました マスター」
「まさかデバイス!?」
「デバイスって魔導の杖のことだろ? これは人工知能を搭載したアクセサリーだ」
「私はマスターの父と母により創られた科学の結晶、カメリアと申します それでは、マホウツカイについて説明しますね マホウツカイとは戦略破壊魔術兵器、通称『マホウ』と呼ばれる特殊な宝石と融合した人をそう呼びます マホウツカイとして覚醒したものは不死となりあらゆる化学兵器を用いても殺すことができなくなります そして自身の心象を具現化した兵器を扱うことができ、兵器には独自の能力が備わります」
「それがマホウツカイだ この不死性と人智を超えた特殊能力ゆえに、神話上に存在した神や英雄は空想上の存在ではなくマホウツカイであると、推測されている だから初めに僕は神だと言っておいたんだ」
カメリアに特殊な宝石(オーパーツ)の希少性や融合する条件などからその数はかなり少ないとの説明もさせておいた。
「そんな存在がいたなんて じゃあ 昨日の獣を貫いた時の力は・・・」
「あれは僕の神話魔術さ マホウの能力も併用した僕の必殺技 昨日はかなり手加減したけどね 本気を出すと世界が滅ぶし・・・」
僕は最後の方だけ小声で話した。
「聖君、私からも質問があるの!」
「なんだい? 先ほどから影の薄い高町なのは」
「ひどいの・・・ 昨日私のこと魔術師(マジシャン)って言ってたけど、どういう意味?」
なのはが影が薄いと言って落ち込んだ。実際さっきから薄いじゃん。
「先ほど話したオーパーツだがすべてが完全な状態であるわけではないんだ 砕けていくつかの欠片になったものも多く、その欠片と融合したのがマジシャンだ 不死性やマホウはないが特殊な力を使える存在だ」
なのはが魔力を使ったからそうだと勘違いしたんだよ、と言ってあまり深いところまで詮索されないように今度はこちらからユーノに話しかけた。
「さて、 僕が何者かは大体理解したな それよりもユーノ、魔導について詳しく教えてくれ 僕はすごく興味があるのだが」
そういってユーノに質問をしまくった。魔導や異世界、ロストロギアのことを教えてもらって、なのはも真剣に聞いている。
「ユーノ・・・ なぜロストロギアが膨大な魔力でも封印できると教えなかった! その方法なら僕でも封印できたのに!!」
「えっ!? でもあの時は君があれほどの力をもっているとは思ってなかったし・・・」
「まぁ それもそうか それよりもユーノの説明でようやくわかったよ どうして君たちが魔力を扱えるのかを」
「それは、リンカーコアで空気中の魔力素を・・・」
「そう! そこだよ!! 本来人間は魔力を生み出すことができないゆえ魔力を扱うことができない しかし、君たち魔導士は空気中から魔力を自身の体に溜め込むことで魔力を扱うことができる!! それに・・・」
僕は異世界の魔法や技術でかなりテンションが上がり、マホウツカイとの違いについて独自に考察をし始めた。 二人が異常なテンションで話し続ける僕を呆然と見ていたが、構わずに話し続けた。
(しかしデバイスか・・・ 僕も欲しいな 中の構造を理解してキセキと組み合わせるのも面白いかも)
なのはにデバイスを解体させてと頼んだが当然断られた。ユーノに今回の報酬としてデバイスをもらえないかな。
「さて、結構話し込んでしまったな・・・ 暗くなってきたし家まで送るよ」
そういって僕はなのはとユーノを家まで送ることにした。
その帰りに僕はジュエルシードを見つけた。手に取ったら僕に反応したのか突然光り出した。
(なんか光っている! これって発動の前兆なのかな!? とりあえず魔術(ルーン)を込めて大人しくさせよう!!)
そう思い宝石に魔術(ルーン)を込めて発動を阻止させようとしたが・・・
バキッ!
不吉な音がして光の収まったジュエルシードを見てみると砕け散っていた。
(いつもの癖で魔術に変換してから込めてしまったからか、それとも単純に量が多すぎたのかな?)
僕は右手で砕けている欠片をみながら思考していると、こちらをみている視線に気づいて振り向くとそこには
(コスプレイヤー?)
金髪ツインテールの戦斧のようなものを持っている少女がいた。
「ジュエルシードが・・・」
(この少女、ジュエルシードを知ってるみたいだな、もしかしてこの子も魔導士? それよりも壊しちゃったせいか泣きそうだよ・・・)
実際に少女は今にも泣きだしそうだ。そして聖のとった行動は・・・
(逃げよう!)
聖は瞬間魔力換装(フリューゲルブリッツ)を使い数キロ先のビルの屋上まで跳躍した。この技術は一瞬にも満たない間に魔力を使うので魔力を感じることはできない。なので彼女には聖が突然消えたようにしか見えないだろう。
(とりあえずユーノに連絡だな)
そして今日教えてもらった念話を試してみた。
(ユーノ、聞こえる?)
(聞こえるよ聖 ちょうどよかった 実はさっきジュエルシードの反応があったんだけど直ぐに消えたんだ なにか知らない?)
(あ~ それね・・・)
そういって僕は先ほどのことを話した。
「というわけで、壊してしまいました ごめんなさい」
「いいよ 暴走して被害がでるのなら壊してしまった方がいいよ できれば回収したいけど それよりももう一人の魔導士か・・・」
「あぁ 年は僕と同じくらいで長めの金髪をツインテールにしている少女だ 得物は長柄斧のようなものを持っていた」
「管理局からはまだ連絡がこないし 別の勢力が狙っているのかも」
「そいつもジュエルシードを狙っているのならまた何処かで会うだろ そのときに聞けばいいさ」
そういって念話を切った。
「さて、足の痛みも引いてきたし帰るか」
再び聖は瞬間魔力換装(フリューゲルブリッツ)を使い人気のないところに降り立ち家に帰った。
もっと書く時間がほしい・・・