なのは sid
私は夜の住宅街を走っている。なぜ走っているのかというと助けを呼ぶ声が聞こえたからだ。そして私は声が聞こえた方向、動物病院に向かっている。動物病院に着くと、壁が崩れる音がした。そこで見たのは、学校帰りに助けたフェレットが黒い何かから逃げているところだった。
「危ない!」
なのはは逃げ回っているうちに衝撃で吹き飛ばされたフェレットを受け止める。
「な、なんなの!?」
「来てくれたの?」
「しゃ、しゃべった!?」
黒い獣が壁を壊し、フェレットが言葉を喋って、目の前の非日常に何が何だかわからなくなる。
「とりあえずここから逃げよう!」
「はい!」
私はフェレットを抱えてそこから離れた。
「なんなの!? 何が起こってるの!?」
「お願い、僕に少しだけ力を貸して! 君には資質がある」
「し、資質って!?」
「今の僕の魔力じゃアレを止められない・・・ だから君に止めてほしいんだ! 魔法の力で!!」
「ま、魔法!?」
突然、魔法などと言われて驚くなのは。そこに黒い獣が襲ってくる。なのはは咄嗟に電柱の陰に隠れた。
「お礼は必ずしますから!」
「お礼とか、そんな場合じゃないでしょ!」
黒い獣はその場で留まっているこちらの様子をうかがっているようだ。
「でも、どうすればいいの?」
「これを」
そう言って首についていた赤い玉を渡すフェレット。
「それを手に、目を閉じて、心を澄ませて、僕の言った言葉を繰り返して」
「う、うん」
「我、使命を受けし者なり」
「我、使命を受けし者なり」
しかし、黒い獣はその魔力に反応し詠唱の途中で襲いかかってきた。
「危ないッ!!」
フェレットが叫ぶが、黒い獣の爪がなのはの目の前まで迫ってきた。しかし、直前に何者かが、間に入り獣を吹き飛ばした。
「まさか 君が魔術師(マジシャン)だとはな、なのは」
獣を吹き飛ばしたのは、両手で長槍を構えた十六夜聖だった。
なのは sid out
聖 sid
「あの獣から魔力を感じる。まさか、動物を使役するような能力者がいるのか?」
「そのようですね とりあえずアレを片付けてしまいましょう あの小動物がなにか知っているようですし」
この状況を分析し、獣を片付けようと思ったその時、なのはが呪文のようなものを詠唱し始め、足元に魔方陣が描かれた。
「これは魔力!? なのはは魔術師(マジシャン)だとゆうのか!?」
「マスター! 獣が彼女の方に!」
「くそッ! 魔術兵装(ゲート・オープン)―ッ!!」
聖はマホウを具現化させ、なのはに襲い掛かった獣に魔術(ルーン)で強化した一撃をくらわせた。
「まさか 君が魔術師(マジシャン)だとはな、なのは」
「聖君!?」
「君は一体・・・」
「説明は後だ。まずはあの獣を無力化する」
そういって聖は獣に向かって走り出し、攻撃を仕掛ける しかし、いくら傷をつけても直ぐに再生してしまう。
「どうゆうことだ この回復速度マホウツカイ以上だぞ!? そこの小動物! アレについてなにか知っているのなら教えろ!!」
「はッ ハイ!!」
小動物によればあれは願いを歪な形で叶えるジュエルシードとゆう宝石だそうだ。あれを無力化するにはなのはの力を借りなければならないようだ。
「なら 僕が時間を稼ぐからさっさと準備をしろ!」
そう言って、再び襲い掛かってこようとする獣を魔術障壁で受け止めた。
獣が障壁を破ろうとしているが、全く傷つかない。そうしていると後ろから声が聞こえてきた。
「我、使命を受けし者なり」
「我、使命を受けし者なり」
「契約のもと、その力を解き放て」
「契約のもと、その力を解き放て」
暖かい光がなのはを包み込む。
「風は空に、星は天に」
「風は空に、星は天に」
「そして、不屈の心は」
「そして、不屈の心は」
「「この胸に!」」
「「この手に魔法を!レイジングハート、セットアップ!!」」
(スタンバイレディ、セットアップ)
なのはの持っている赤い玉から桜色の魔力が放出される。
「ほう?」
「なんて魔力なんだ・・・」
興味深い現象に目を見張る聖と、その魔力量に呆気にとられるフェレット。
「落ち着いてイメージして。君の魔法を制御する魔法の杖の姿を。そして、君の身を守る強い衣服の姿を!」
「そんな、急に言われても・・・ えぇと・・・ とりあえずこれで!」
なのはは強い光に包まれる。その光が止むとそこには、手には赤い玉がついた杖を持ち、服は白がメインで青と黄色の模様が入り、胸には赤いリボンをつけていた。
「成功だ」
「えぇっ! なんなのこれ!?」
いきなり服装が変わったことに戸惑うなのは。
「ヴアァァァァ―ッ!!」
黒い獣は咆哮を上げその形を変化させ、背に翼を生やした。野生の本能が警戒したのか空に飛び立ち逃げ出した。
「えっ 逃げた!?」
「まずい、追いかけなきゃ!」
追いかけようとするなのはとフェレットだが、聖がそれを制した。
「僕に任せて アレを打ち落としてあげるよ!!」
そういって聖は自身のマホウを構えて、魔術(ルーン)を練り始めた。体から黄金色の魔術の輝きがあふれ、魔術が槍に込められていき、それを獣に向かって投擲した。
「概念殺しの主神の一撃(ランツェ・グングニール )―ッ!!!」
概念殺しの主神の一撃(ランツェ・グングニール )
攻撃に特化させた魔術を世界樹の枝(グングニール)に込めて投擲する。投擲することでマホウの能力である「あらゆる概念に関係なく、『貫く』という事実が成立する」が発動する必中の一撃。
今回は住宅街だということで魔術はあまり込めなかったが、聖の放った神話魔術は黄金色の閃光となり獣を貫こうとする。獣は複雑な動きで躱そうとするが、槍は聖の狙った獣の翼が生えている背中を翼ごと削り取り、地に落ちて行った。
聖の神話魔術に呆然とする二人だったが、正気に戻ったユーノが叫んだ。
「再生に集中しているせいか動きが止まっている!今のうちに封印術式を起動してくれ!!」
「封印術式の起動!?どうするればいいの!?」
「心を落ち着かせて。心の中に君の唱えるべき呪文が出るはずだから」
「心を…」
目を閉じるなのは。
「分かったよ!リリカル・マジカル、封印すべきは忌まわしき器、ジュエルシード!ジュエルシード封印!」
すると獣は消滅し、青い宝石だけが残った。
ロストロギアって膨大な魔力でも封印できることを忘れてた
聖にやらせた方がよかったかな?
投稿頻度落ちるかも・・・
今週は卒研のデータとりで忙しくなりそう