そんなわけでvsユーリ戦 始まります
緑が広がる雄大な草原の上空に2人のマホウツカイと一人の魔導師がいた。
「ここは……」
「こんにちは、マホウツカイさん。僕の世界へようこそ」
周囲の変化に気づいたのかU-Dは周囲を見渡している。
「貴方はあの時の……。まさかと思っていたが私と同類だったとは」
「あぁ僕もマホウツカイだ。君のようなマホウツカイを放っておくと地球なんて一瞬で滅びてしまうかね。君を止めに来た」
「無駄だ。私の存在は破壊し生み出さない。それにこの力は誰にも止めることはできません」
U-Dは自分の手を見ると、悲しそうな顔をした。
「どうして?どうして君は私を殺さないで救おうとしている?」
聖は少し考えて答える。
「望まない行為をするのを防ぐためかな。君はこんなこと望んでないのだろ」
U―Dは目を閉じて首を横に振る。
「それは不可能だ。今までも私を制御しようとした者は何人もいた。しかし、誰も出来なかった」
「確かに君の力は強大だ。だがな、僕も君と同じように人智を超えた存在、マホウツカイなんだよ。誰にも止めることができない?それは相手が人間なら無理だろうな」
そう言い、聖は
「君のその宿命に終止符を打つ」
「なら、私を壊してくれ。私の死、そのものが私にとっての救いなのだから」
U-Dもを高めて、紅い翼を出して空に上がっていく。
「死が救いだなんて悲しいことを。安心しろ。もう望まない破壊ができないよう徹底的に救ってやるさ!」
先に動いたのは聖。
聖の全身から大量の電気に似た魔力が放出され大気を震わせる。
「はあああぁぁっ!疾光迅雷ッ!!」
雷となって天空に駆け上がる聖。光速となった聖はそのまま一直線にU-Dに向かって突きを放つがその攻撃は翼が変化した巨腕で受け止められる。
「ちっ!」
「自身を雷とする能力か。だが、人間の思考では自在に動くことは困難だろう。ゆえに攻撃はある程度予測はできる」
そう言い、反対の翼も巨腕となり聖に襲い掛かる。
「十六夜流槍術―絶影円月!」
「っ!なんて威力だ。腕が痺れた」
「貴様っ!何をしている、次の攻撃が来るぞ!」
「っわかってるよ!」
ディアーテェの声で腕が痺れながらも槍を握り直す。U-Dの翼が光り、そこから無数の魔力弾が放たれた。
「
一瞬でその射程から離れるが、移動先を予測していたかのようにさらに2つの砲撃が放たれ、聖に直撃した。しかし、
「…無傷か」
「
聖はあらかじめ施しておいた書き換える我が世界により無傷だった。
その姿にU-Dは少しほっとしたような表情をした。
「なるほど。時空操作系の能力か。だが、無駄だ。みたところその力の対象は自身のみ。マホウまでは守れないだろう。それに君の魔力は膨大だが無限の魔力を持つ私には敵わない」
U-Dの翼が紅く光ると、翼に周囲の
「私のマホウ、
U-Dが手をかざすとそこに自身の魔力と周囲の魔術粒子から還元した魔力を魔術へと変換し一点に圧縮された紅い球体ができる。
「面白いっ!なら、僕の全力を以てそれを打ち破って見せる!」
聖も渾身の一撃を放つために魔術を練り上げる。そして、片足を引いて身体を捻ってタメを作る構えをとる。この技はまだ一度も成功していないが、いまならできる気がする。
「
「十六夜流槍術最終奥義―天月爆砕流ッ!!」
聖は槍を握った腕を捻りつつ前方に突き放つ。槍は周りの空気と魔術を巻き込みつ、砲撃のように突き進んでいく。
最終奥義―天月爆砕流。体全体を限界まで捻りその回転を突きに乗せて貫通力のある鋭い一撃を放つ技であり、極光の雷槍の能力、疾光迅雷を合わせることで光速で敵を射抜く。
身体を無理に捻るため負担はかかるがかなりの威力をもつ。
U-Dの膨大な魔力を圧縮させた神話魔術と聖の神話輝術までに昇華させた槍技がぶつかり合い、大爆発を起こした。
その威力は互角、というよりも聖の神話輝術の貫通力の高さゆえか、U―Dの神話魔術に穴をあけて回避することができた。
周囲に魔術粒子と煙が立ち込める中で聖は直ぐに次の行動をとった。
「疾光迅雷!雷速装填!」
「なっ!?あの攻撃を避けた!?」
雷鳴が鳴り響き、魔術がうねりを上げ周囲の煙を吹き飛ばした。聖の姿を見て無傷なことに驚いているがもう遅い。
ここが勝機だと見極めた聖は再び極光の雷槍に魔術を込める。魔術障壁を張る間すら与えないほど一瞬で。
「これで終わりだ!
ブリューナクの穂先に変換した雷の魔術を極限まで溜めた雷速の刺突。突くことに特化したこの一撃はゼロ距離においては凄まじい威力を発揮する。聖は雷速となって一気にゼロ距離まで駆けぬける。
雷速の刺突が届こうとした瞬間、
「うああぁぁぁ!!」
U―Dの色彩が紅へ変わると同時に、膨大な魔力が放出されその衝撃で聖は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。
「ぐぁっ!なんだ?今のは……なっ!?」
聖が見上げると先よりも膨大な魔術を纏うU-Dの姿があった。
「
U-Dの姿が一瞬で消える、目の前に現れると同時に腹部に痛みを感じた。
「誰にも止められない。それがたとえ神であろうと」
U-Dが聖の腹部に手を突き刺した。
「があああぁっ!!」
U-Dは手を引き抜き聖から魔力を奪い、その魔力で巨大な槍を形成する。
聖は魔力を無理やり引き抜かれた時に凄まじい脱力感に襲われ、無防備な状態となってしまった。
U-Dはその隙に膨大な魔術を巨槍に込めて投擲した。
「私を救おうだなんてもう諦めてくれ。
悲しげな表情をしながらその魔槍で聖を貫いた。
戦闘描写がなかなかうまくいかないな…