3か月も空いてしまいましたがようやくです。
PC版のカデンツァまた延期したよ……。
聖がレプリカと戦っている間に、事態は大分進展し闇の欠片もほとんど一掃できた。
そして、マテリアル3基のシュテル・レヴィ・ディアーテェも確保することに成功してシステムU-Dの対処方法について全員で話し合っていた。
「なんだと!?本当にその言葉を発したのか!?」
「う、うん。
はやてからの情報にクロノは驚きを隠せない。当然だろう。その言葉を使うのはマホウツカイという人智を超えた神のごとき存在だけなのだから。
「あぁ。
「マホウツカイって確か聖君と同じ……。でも、その聖君に話を聞くにも」
「自身のレプリカとの戦いでかなり消耗して今は魔力を回復させるために休んでいる。しばらくは起きないだろう。マホウツカイについては僕も詳しいことは分からないが、前に聖が言っていた。マホウツカイはマホウツカイでないと倒せないと」
マホウツカイを倒すには自身の心象の具現化であるマホウを破壊されるか、魔力を使い切らせるかのどちらかしかない。
マホウはマホウにしか破壊できないので聖が倒れている今、それができない。
魔力についてはシステムU-Dの能力により、常に魔力量が限界に保たれている。
「でも、ヤミちゃんを倒す必要はないんよね。なら私たちにも」
「勝ち目はある、か。砕けえぬ闇は防衛システム級の耐久力を誇り、半永久的な魔力を持っている。僕らが束になってかかってもかなわない。だが、マテリアル達の協力があれば、戦闘動作を停止させられることはできるかもしれない」
「執務官、そこからは私が」
クロノの言葉をシュテルが引き継いだ。
「対システムU―Dプログラムには、大別すると二種類――ミッドチルダ術式とベルカ術式があります。どちらもカートリッジユニットに装填して使用します。ロードしたカートリッジが効いている間だけ、砕けえぬ闇を砕くことができる」
「今カートリッジシステム付きのデバイスを持っているのはなのはとフェイト、シグナムにヴィータか……。マホウツカイ相手にするには不安だがこれに賭けるしかないか」
そこでなのはとフェイト、シグナムとヴィータはプログラム調整のため調整室へ行った。
はやてとクロノもそれぞれ夜天の書とデュランダルにシステムを入れてもらい結線の準備をしていた。
そして準備も終わりそれぞれ戦いに備えて休憩していると聖が起きてきた。
「クロノさん、おはようございます。状況はどんな感じですか?」
「聖か。もう大丈夫なのか」
「はい。魔力も体力も大分回復しました」
「そうか。現在の状況だが―――」
クロノは簡潔に状況をしらせ、今後の方針、どのようにU-Dに対処するかを話したが聖はその作戦はあまりに無謀だと思った。
「クロノさん。その作戦は無謀すぎです。貴方たちはマホウツカイを甘く見すぎています。確かにその方法ならダメージは与えられます。ですが、U-Dの防御を突破できるほどの火力が足りません」
「どういうことだ?」
「僕の見た感じですがU-Dの纏っている衣装ですが、あれはバリアジャケットと同じように魔力で編まれているものなのですが、強度はけた違いです。その防御を抜くには神話魔術クラスの威力が必要、つまり魔導士程度の攻撃では火力不足です」
「今は大人しくしていますがあれが本気で暴れたら結界なんて直ぐに壊れてしまいます。U-Dの攻撃を一度見ましたがあれは破壊に特化したマホウツカイです。地球なんて一瞬で消滅しますよ。」
「相手はそこまでの力を持っているというのか。だが二人のマホウツカイが戦うとなると結界がもたないのではないか」
「それなら大丈夫です。以前に渡された
「だが、君の魔力は……」
「まぁある程度は回復しましたが万全とは言えませんね。でもU-Dとやりあえるのはマホウツカイである僕だけです。」
「すまない聖。なら、U-Dは任せる。とにかく今は休んで少しでも魔力を回復してくれ。U-Dは今結界内で大人しくしているからしばらくは待機だ」
「わかりました。」
待機を命じられた聖は部屋から出て、周りに人がいないことを確認して、ある人に電話を掛ける。
「もしもし、先生ですか?聖です。組織を抜けた先生に頼むのもどうかと思いますが実は予言の巫女に頼みたいことがあるんです。早急に――」
『みんな、大変!』
決戦前の休息を取っていたときにエイミィから緊急通信が入る。
「何があった、エイミィ?」
「マテリアル達がシステムU―Dに制御プログラムを打ち込もうとしてたんだけど……予想よりもU―Dが強力になってたからって、シュテルちゃん一人でU―Dに挑もうとしてるの!」
「なっ!? 何を考えているんだ!?」
『多分、シュテルちゃん自分を犠牲にしてでもU―Dに出来るだけダメージを与えようとしてる!』
「止めるぞ、聖! 休憩は終わりだ」
「大丈夫です! 既に準備はできています。兎に角急ぎましょう!U-Dが暴れだしたら今度こそ地球がなくなりますよ!」
「エイミィ! U―Dの座標に転移できるか!?」
「それが、魔力濃度が高くて……直接転移するのは難しそう!」
「出来るだけ近くでいい! 頼んだ!」
「分かった。それじゃあ聖君、早く転送装置に!」
聖は海鳴市の海上に転移し、
直ぐにU-Dを見つけることができたがそこにレヴィとシュテルの姿はなく、赤と水色――星光シュテルと雷刃レヴィの魔力光の色が加わり、三色になっている翼をもつディアーチェの姿があった。
「……シュテルと、レヴィはどうした?」
「我に力を託して…消えていった……」
そう言ったディアーチェの声は震えていた。
「奴らが打ってくれた布石、奴らが残してれた力! U―Dと対峙たいじするのは我ぞ! 誰にも邪魔はさせぬ!」
「だがな、ディアーチェ。いくら三人分の力を得ても、相手はマホウツカイだ。お前一人では死ぬだけだぞ。そうしたらシュテルとレヴィは二度と――」
「黙れ 殺すぞ!」
「落ち着け。どのみちU―Dを制御できるのはディアーチェだけだろうしな。君に消滅されては困る。だから僕も行く。僕がU-Dの能力を一時的に封印する。その隙にU-Dの制御は任せたぞ。できなかったら、破壊する」
「そんなことさせぬ!必ず、我が制御してみせる。あれの破壊など許さぬぞ!!」
聖とディアーテェはU-Dが飛んで行った方に向かうと、U-Dは周辺魔力を取り込んでどんどんその力を増していた。
「うわぁ、早く止めないと拙まずいな。さすが無限を冠するマホウを持つだけあるね。なんなの?この魔力」
「何をのんきに言ってるのだ!仕掛けるのならさっさとしろ!」
「わかっている。これ以上強くなられるのも厄介だ。あんなのに暴れられたら世界がもたない」
前よりも力を増しているU-Dを前に気を引き締める。
「
聖が叫ぶと周囲の景色は一瞬で変わり、緑で覆われた世界へ変わった。
世界を滅ぼすと言われるマホウツカイから世界を守るために創られた戦闘空間、
どこまでも広がるような雄大な草原。その世界の中心にあるのは天にも届くほどの巨大な樹。それこそが聖が創りだした世界、
「さぁ、始めようか、無限を冠するマホウツカイ、システムU-D。二人だけのラグナロクを!!」
明日も投稿します。できれば……。