最近どうも気分が乗らなくて今日、一気に書きました。
そんなわけで闇の書編、クライマックスです!
夢の世界を抜け出した僕が目にしたのはバインドで拘束されているなのはとフェイト。そして闇の書が二人の頭上に巨大な石槍のようなものを生み出し、それを二人に向かって投げた。
「戻ってきて早々にこれかよ! デバイスは限界が近いというのに! こうなったら!」
聖はデバイスをしまいキセキ、
「
「
雷に変換した魔術を極光の雷槍にチャージし、雷速を以て石槍を真二つに切り裂いき、少し遅れて雷鳴が轟いた。新たな神話輝術に手ごたえを感じつつ聖は数回槍を振り回し、キセキをしまって二人に声をかけた。
「遅れてすまない。なのは、フェイ、僕が取り込まれてからどれくらい時間がたった?」
結界内を見渡すと取り込まれる前より大分ひどい状態だ。残された時間は少ない。
「えっと、10分くらいかな」
「うん。おそらく時間はあまり残されてない」
フェイトが目を向ける先には左手の装備している盾から蛇のようなものが出てきて闇の書が苦しんでいる。
「なんだ、アレは……」
(外で戦っている人、聞こえますか!)
「っ!これは!?」
「はやてちゃん!?」
(この子に取りついている黒い塊を……)
「あああああぁぁぁっ!!!」
闇の書が左手から出てくる蛇に苦しんでるように叫びだし、先ほどの声が聞こえなくなった。
「なのは、フェイト、聖!」
「ユーノ君!」
空中に画面が映し出されてユーノが映っている。通信してきたのはユーノだった。こちらに向かっているようでアルフと一緒に飛んでいる。
「融合状態で主が意識を保っている。今なら防衛システムを切り離せるかもしれない」
「何!?具体的には!どうすればいい!!」
「純粋な魔力砲でその黒い塊をブッ飛ばして全力全開、手加減なしで!!」
「さすがユーノ君!」
「わかりやすい!」
二人はデバイスを掲げて足元に魔方陣を展開し、魔力を放出した。
「ははっ、それじゃ行きますか!闇の書!ハッピーエンドの覚悟はできたか!?」
聖もデバイスを構えて
「いくぞ!闇の書っ!その運命、僕たちが斬り拓く!!」
「中距離殲滅複合魔法」
「アスガルド・カラミティッ!!」
「「「発射ー!!!」」」
3人の魔力砲が同時に放たれ、闇の書に直撃。高威力の複合魔法に呑み込まれていき大爆発が起きた。
限界を迎えたのか聖のデバイスは壊れてバリアジャケットが解除される。
アースラから分離を確認したとの報告が来たが防衛システム、ナハトヴァールの暴走までは止まっていないそうだ。
そして、上空で何かが光ったと思うとそこには、守護騎士たち。その主であろう女の子が中心に立っていた。
「はやてちゃん!!」
二人は闇の書の主、はやてのもとに向かっていった。
「良かったですねマスター。無事に助けることができて」
「そうだなカメリア。やってみるもんだな。さて、後はあれをどうにかしないとな」
海には黒く淀んだ何かがあった。おそらくあれが防衛システム、ナハトヴァール。感じるのは禍々しい破壊の思念。
なのはたちが話しているとクロノもやってきた。
「時空管理局執務刊クロノ・ハラオウンだ。時間がないので迅速に事態を確認したい。あれが闇の書の防衛プログラムで後数分で暴走する。間違いないか」
そういい黒い塊を指さすクロノ。
やはり、あの海の淀みがナハトヴァールか。なら当初の方法で討つことができるか?
「停止のプランはこちらで用意してある。…しかし、協力者は多い方が良い。闇の書の主と守護騎士の面々は闇の書の呪いを終わらせるため、なのはとフェイト、聖はこの街とこの世界を守る為に。協力してくれ」
「停止プランがある?どうやってですか?」
「方法は艦載の魔導砲『アルカンシェル』を放つ。しかし、それだと海鳴の街も壊滅する」
「どんだけ強いんですか。そのアルカンシェルって」
「効果範囲は百数十キロだ」
「僕たちに街を守るために協力してくれっていったのに街ごと吹き飛ばすんですか?悪いですがその方法は却下です」
「ならどうする。これが最善な方法だぞ」
「僕のマホウを使います」
「聖のマホウを?君のマホウは対象を確実に射抜くものではないのか?」
「確かにそうです。ただしその本質は概念の破壊。対象を確実に射抜くというのは間にある距離といった概念を破壊することで成り立っています。時間はかかりますが最大限、
「わかった。なら、その方法でいこう。収束にはどのくらいかかる?」
「3分程かな。その間、時間稼ぎおねがいします」
「よし、全員でナハトヴァールの足止めと、聖への攻撃の防御。これで決まりだな」
クロノが全員に確認をとり、配置についた。守護獣のザフィーラが聖の前に立って防御役をかってくれた。
ここからが本番だ。闇の書の闇、防衛プログラム『ナハトヴァール』の侵食暴走体。それを完全に破壊し、闇の書の破壊の歴史に終止符を打つ。
「ケイジングサークル!」
「チェーンバインド!」
ユーノ、アルフ、がナハトの動きを止めようとナハトヴァールに拘束系の魔法をかける。しかし、止まらずバインドを砕きながら進み、触手から砲撃を繰り出してきた。
ザフィーラが砲撃から聖を守る中、他の人たちは散開していく。
「第一陣、なのはちゃん! ヴィータちゃん! お願い」
「おう。…合わせろよ、高町なのは」
「うん!」
ヴィータのデバイスが変形し大きな槌となり突っ込んでいく。
「アクセルシューターバニシングシフト! シュート!」
ヴィータに襲いかかる触手や魔法弾をなのはの誘導弾が次々迎撃していく。
「轟天爆砕! ギガントシュラーク!」
元々、ヴィータの身の丈ほどもあるデバイスを振り回し、さらに数十倍にまで巨大化させてからその質量と込められた魔力による、渾身の一撃を叩きつけた。
それにより、一枚目のバリアーが破られ、二枚目にもダメージが入る。
後2分。
「第二陣、フェイトちゃん! シグナム」
「行くぞ、テスタロッサ」
「はい、シグナム」
フェイトは剣状にしたデバイスを振るい、衝撃波で触手を刈り取り、フェイトは敵後方へと飛ぶ。
シグナムは、レヴァンティンの柄に鞘を付け、弓となったデバイスを構える。
「翔けよ、隼!」
『Sturmfalken』
「貫け、雷神!」
『Jet Zamber』
炎の矢と、巨大な雷の刃。雷の刃はバリアを切り裂き、炎の矢は貫通して大爆発を起こした。
「…やったか?」
「いや、まだだ!」
煙が晴れると、ナハトは宙に浮きだして小さいバリアを多重に展開する。
「うおおおお!」
雄たけびと共にザフィーラが拳を一撃。返す刀でもう一撃。バリアがいくつも破壊される。
後一分。
「はやてちゃん!」
「「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。石化の槍、ミストルティン!」」
詠唱と共に現れた、七本の槍が突き刺さり石化し、再び海に落ちていく。
「クロノさん、あと少しです。お願いします!」
「あぁ、任せておけ。いくぞデュランダル!凍てつけ!」
「Eternal Coffin」
クロノの氷結魔法で海一体とナハトヴァールは完全に凍りつく。
そして、
「聖!準備はできたか!!」
「はいっ! コイツで終わりだっ! ナハトヴァールッ!!」
ナハトヴァールを討つのに十分な
「全てを穿つ真滅の神槍(オバーロード・グングニール)ッ!!!」
膨大な
聖の放った渾身の神話魔術はナハトヴァールを打ち貫いて、魔術粒子をまき散らしながら大爆発を巻き起こす。
しばらくしてアースラから通信が来た。
「防衛プログラム完全消滅。再生反応……ありません!」
「という訳で、現場のみんな、お疲れ様でした。状況、無事に終了しました!」
こうして闇の書が暴走を起こした長い一日が終わった。
デバイスが壊れてしまったがどうしようか。これだけ働いたんだから報酬は弾んでくれるよね。
さてさて、闇の書編もほぼ終了。1話か2話挿んでGOD編をやります。
読みが長いとルビが使えないのか……。