「んぁ……あれ?」
目が覚めるとそこは時の庭園ではなく医務室のような場所。どうやら僕はプレシアとの戦いの後そのまま寝てしまったようだ。
「お目覚めですか。マスター。ここはアースラの医務室です」
「カメリア…。 そうだ、あの後どうなった?」
「マスターがプレシア・テスタロッサを倒したことで全ての人形は機能を停止し、みなさんが直ぐに駆けつけプレシアとマスターを確保しました。プレシアは直ぐに治療室に運ばれました。回復次第身柄を引き渡すそうです」
「そうか」
僕はベットから起き上がり、詳しい話を聞くためにクロノさんを探そうと思い医務室から出た。そこでエイミィさんに会った。
「あれ、聖君。 もう大丈夫なの?」
「えぇ、もうすっかり元気になりました。ところで、クロノさんはどこにいますか?」
「クロノなら執務室にいると思うけど」
「そうですか。ありがとうございます」
艦内を歩いていると局員が慌ただしく仕事をしている。今回の事件の事後処理だろうか。たしかに今回の事件は異常だろう。管理世界外の魔法に元局員のプレシア・タスタロッサ。
「…やっぱり殺しておいたほうがよかったかな」
「マスター? なにか言いましたか?」
「いや、なんでもないよ」
いろいろ考えているうちに執務室についた。ノックするとクロノさんから入室の許可が下りたので入った。
「どうも、クロノさん。 事後処理お疲れ様です」
「あぁ、君か」
「クロノさん。 プレシアのことでいくつか質問があるのですがよろしいですか?」
「あぁ、そのプレシアなのだが」
なにやらクロノさんが話ずらそうにしているがなにかあったのだろうか。
「プレシアが先ほど息を引き取った」
プレシアはどうやら末期の癌だったそうだ。自分がいつ死ぬかもわからないのになぜアリシアを蘇らせようとしたのだろうかと思ったが、その疑問は直ぐに解消された。
時の庭園からプレシアの手記が見つかったそうだ。
プレシアはフェイトをアリシアのクローンとして生み出したわけではなかった。アリシアの妹として生み出したそうだ。よく調べてみるとフェイトを生み出す研究はアリシアがなくなる前から行っていたそうだ。
そしてアリシアを事故で失い、その後はフェイトと共に過ごしていたがアリシアの死を認められず蘇生の方法を探し始めた。魔導を極めたプレシアだが蘇生なんてできるわけがなかった。そこでプレシアは魔導で駄目なら他の力を使えばいいと思った。他世界には魔導以外の異能も発見されていると聞く。少しでも可能性があるのならと多くの世界を回り地球にたどり着き、マホウを手にしたそうだ。
しかし、その研究で無理をし続け倒れた。その時の検査で自分に癌があることを知ったそうだ。しかもかなり進行していて、手遅れだと言われた。後一歩で家族3人が揃うと思っていた。もう自分は助からない。ならせめてフェイトが悲しまないようにアリシアを残していこうと思った。一度きりの究極魔法、自身のマホウを使えば病気を治すこともできるかもしれない。だがプレシアはアリシアの蘇生を選んだ。プレシアはフェイトを悲しませないように病気のことを隠し、儀式のためにジュエルシードを集めさせた。そして最後にフェイトが犯罪者として捕まらないようにわざと酷いことを言い、親に利用されていただけと思い込ませようとしたそうだ。
「……そうだったのか。 で、フェイトはどうなった?」
「あぁ、彼女についてはそこまで罪は重くならないだろう。おそらく数年間、嘱託魔導師として活動を強いられる程度だと思う」
「そうか。 まぁ、これでこの事件は解決か。クロノさん後で報酬の件よろしくね」
「デバイスか。 わかったよ。 こちらが落ち着いたら後日連絡をするよ」
そういい僕は地球に戻った。
「それにしても死んだか。 プレシア…」
「そうですね」
「
「えぇ、あそこまでの人間はそうそういないですからね」
地球に戻った僕はカメリアと会話しつつ翠屋に向かった。なのはとユーノに会っておこうと思ったからだ。
翠屋につくと家の手伝いをしていたのか、なのはが直ぐに僕に気づき席に案内してくれた。とりあえず、飲み物を頼んでユーノとなのはと話すために時間をもらった。
「そっか。そんなことがあったの」
「プレシア女史が死んだなんて…」
二人とも僕がクロノさんから聞いた内容を話すと落ち込んでいた。
「フェイトちゃん大丈夫かな…」
「大丈夫だろ。プレシアに酷いことを言われても直ぐに立ち上がった。あの子は心が強い。
それにあいつには使い魔もいるし、君という友達もできたんだ。 直ぐに悲しみも乗り越えて元気になるよ」
「うん! そうだね!」
「そうだ。 三日後にはアースラの人たちがこの世界から離れるそうだ。 ユーノ、君はどうするんだ?」
「僕もそれに合わせて帰るよ。 いろいろと報告しないといけないしね」
「そっか…。 ユーノ君も帰っちゃうんだ」
「大丈夫だよなのは。 用事がすんだらまた会いに来るから」
「本当に! 約束だよ!!」
「それじゃ、僕はそろそろ帰るよ。 あっ、そうだ。 クロノさんが出発する前にフェイトと少し話す時間をやるから会いに来いっていってたよ」
そういい僕は勘定を済ませて翠屋を後にした。
魔導師と
無印終わった~
今回のプレシアの設定は書いてる途中で急に思い浮かんできたものでもしかしたら矛盾があるかも…。
もちろんこれでおわりではなく闇の書編もやります。まだやりたいネタもあるので。
最近はオリジナル作をつくろうと思っています。ファンタジーものと日常もの二つを考えています。ファンタジーの方は設定を組むのに苦労してます。まぁ少しずつ書き始めてはいますが、見せられるほどになるかどうか……。 日常ものの方が進んでいるのでそっちを先に出すかもしれません。
さてさて、思いつきで小説なんて書き始めたが何とか一区切り。お気に入りが増えてくれるように今後も頑張ろうとおもいます。まぁ投稿スピードには期待しないで気長に待ってください。では、今後もこの作品をよろしくお願いします。