魔法少女リリカルなのは 召喚せし者の軌跡   作:月宮如月

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第12話 模擬選 魔導vsマホウ

 

管理局と接触した次の日、僕は再びアースラに乗り込んだ。なのはは明日には合流するそうだが、どうやって親を説得したんだろう。さて、僕は乗り込んだらクロノの案内の元、再び艦長室に呼ばれた。僕の力について聞きたいことがあるそうだ。なのでユーノやなのはに話したように説明すると。

 

「まさか地球に魔法が存在したなんて……」

 

「魔力を自らの体で創りだすか……。 それならリンカーコアがないのも頷ける。 しかし、その戦略破壊魔術兵器(マホウ)と呼ばれる発掘された超金属(オーパーツ)はロストロギアなのでは?」

 

ロストロギアとは異世界に存在した高度な魔法技術の遺産が何らかの理由で別世界に流れ着いたもの。発掘された超金属(オーパーツ)は宇宙から飛来してきたと推測されている未知の科学物質なのでロストロギアである可能性は否定できないだろう。

 

「言われてみればそうかも。 そうだとしても管理局はこれに対して動く必要はないよ。すでに発掘された超金属(オーパーツ)は存在しないのだから」

 

「もう存在しないだと?」

 

「すべての発掘された超金属(オーパーツ)が適合者と融合してね、もうないんだよ。 もともと数が希少だったからね」

 

さすがに戦略破壊魔術兵器(マホウ)を管理する組織、予言の巫女(ヴォルスパー)については話す必要はないだろう。

 

「では、地球には貴方のような召喚せし者(マホウツカイ)が何人か存在するのですか?」

 

「いや、僕一人だけだよ。 2年前に召喚せし者(マホウツカイ)同士の戦争が起きて僕以外、全員死んだよ。 僕も巻き込まれたけど、なんとか生き残ることができた」

 

「そうですか。 それでは、一度その能力を見せてもらえませんか? あなたの戦略破壊魔術兵器(マホウ)と言ったものは私達にとって未知なものです。 なのでクロノと模擬戦をしてほしいのです」

 

「模擬選ですか? やってもいいですが、僕の攻撃に非殺傷なんて都合にいいものはありませんよ」

 

僕はクロノに目を向けてみるが

 

「今後の任務に支障が出そうなほどの攻撃の範囲内で頼む。 勝負の判定は相手の降参か戦闘不能とする」

 

クロノは戦闘慣れしているみたいだったから、ある程度の攻撃は大丈夫かな。しかし模擬戦ってどこでやるんだろう。

 

「それでは、こっちへ来てくれ」

 

クロノに案内されてついた訓練場は体育館程度の広さの部屋だった。周囲の壁は厚く、衝撃への抵抗は結構高そうだ。

 

「もう準備はいいか?」

 

「その前に一ついいかな。 君のデバイスって壊れても替えが利くかな?」

 

「このデバイスは汎用型のストレージデバイスだから問題ないが」

 

「そうか。 それじゃ始めようか」

 

お互いに八メートルほどを挟んで向かい合い、僕は拳を構える。対するクロノの手に握られているのは杖。

 

(最初は様子見で戦略破壊魔術兵器(マホウ)は最後につかうか。 能力はなるべく見せてやるかな)

 

模擬戦開始の合図が鳴り、クロノが飛翔し、こちらに魔法を放ってきた。

 

Side out

 

 

 

 

クロノside

 

「スティンガースナイプ!」

 

クロノは開始直後、聖から距離をとり、射撃魔法を放った。10数発もの魔力光弾は螺旋を描きながら聖に迫ってきた。

 

天を駆ける者(スラムファクシ)――!」

 

聖はその光弾を空中を駆けつつ回避しクロノに接近し、拳を振るった。しかし、その一撃をクロノは杖を使い最低限の動作で相殺し、聖に杖を向けた。

 

「そこだ! スティンガー!!」

 

ゼロ距離でクロノが放ったのは直射型射撃魔法。威力自体はそれほど強くはないが、速度とバリアの貫通能力が高く、近くで見ると目で見えないほどの速度である。さらに先ほど避けたはずの光弾が軌道を変更しさらなる追撃をくらわせた。クロノはこの距離なら外さないと思ったが……。

 

「さすがだね 魔法も戦力もなかなかだ」

 

聖は無傷だった。魔術障壁を展開し、その攻撃は届かなかった。聖の膨大な魔力で創られた障壁はただ貫通力があるというだけでは突破はできなかった。

 

「くッ! ならッ!!」

 

クロノはバインドを仕掛けて聖に動きを止め近距離で最大火力の一撃を放とうとした。

 

「ブレイズキャノン!」

 

それは熱量を伴いながら、対象を破壊する直射型砲撃魔法。クロノの放った一撃は並みの魔導師ならバインドを解く前にその一撃をくらうことになるだろう。砲撃で聖を吹き飛ばし爆発が起きた。しかし、攻撃が放たれる瞬間、聖の前に、幾何学的な魔方陣が現れていた。

 

「今の魔方陣はいったい……。 しかしあの一撃なら確実に」

 

「貫け! 世界樹の槍(グングニール)――!!」

 

しかし、次の瞬間、視界になにかが映り咄嗟に防御魔法を展開したがその防御を簡単に破り、デバイスを破壊して……。

 

「なッ!!」

 

「チェックメイトだ」

 

デバイスが壊されたことに驚く暇もなく、目の前には聖が長槍をクロノに突きつけている無傷の聖の姿があった。

 

Side out

 

 

 

 

聖side

 

「くッ! ならッ!! ブレイズキャノン!」

 

クロノがバインドを仕掛けて聖に動きを止め近距離で最大火力の一撃を放とうとした時、聖は書き換える我が世界(リライト)を使い、クロノの攻撃はあたらなかったと書き換えた。

 

(能力を見せるためにあえて使ったが、魔力の無駄だったかな。 まぁいいか、そろそろ終わりにしよう)

 

煙が立ち込める中、聖は戦略破壊魔術兵器(マホウ)を具現化させた。狙うはデバイス。煙が晴れかけてクロノのデバイスが目視できた瞬間。

 

「貫け! 世界樹の槍(グングニール)――!!」

 

聖はデバイス目掛けて戦略破壊魔術兵器(マホウ)を投擲し、破壊した。そして瞬間魔力換装(フリューゲルブリッツ)でクロノの目の前に移動し、手元に戻ってきた戦略破壊魔術兵器(マホウ)を手に取りクロノに突きつけ、

 

「チェックメイトだ」

 

「あぁ、降参だ」

 

模擬戦が終了した。

 

 

 

 

「で、十分なデータは取れましたか?」

 

聖はクロノとともに模擬戦を観戦していた艦長さんのもとに戻った。

 

「えぇ、想像以上でした。 まさかクロノが手も足も出ないなんて。 これでもうちの艦の最高戦力なのに」

 

「でも、戦力は良かったですよ。 フェイト、金の魔導師よりも魔法の扱いも上手だと思いますよ」

 

「そうですか。 それにしてもクロノの最後の攻撃はどうやって防いだのですか? 見たこともない魔方陣を展開していましたし」

 

「あれは僕に攻撃が当たらなかった、という歴史に書き換えたんですよ。 僕は自身に対する事象を一時的に書き換えることができるんです」

 

二人が呆然としている。当然だよね、自身に対するものといえど歴史を一時的に書き換えるなんて。

 

「なんて、規格外な力なんだ。 召喚せし者(マホウツカイ)とは全員これほどの力を持っているのか?」

 

「そうだね。 僕ほどの力を持っているとなると少ないだろうけどね」

 

「……召喚せし者(マホウツカイ)発掘された超金属(オーパーツ)も、他になくてよかったよ」

 

発掘された超金属(オーパーツ)が存在していたら確実にロストロギア認定されて回収しなければいけないだろうからね。

 

「それでは、聖君はしばらく待機をしていてください。 ジュエルシードが見つかりしだい連絡するのでその時はクロノと現場に向かってください」

 

「了解です」

 

 




めんどくさいけどルビタグにした方がいいのかな…。

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