温泉旅行から数日後、学校に来て教室に入ると、アリサの怒鳴り声が聞こえた。
「いいかげんにしなさいよ!!」
何事かと思い近くのクラスメイトに聞いてみると、「ボーッとしている高町さんにバニングズさんの堪忍袋が切れた」とのことだ。フェイトのことがそんなに気になるのかな。とりあえずアリサとそれを追って出て行ったすずかを追いかけて話を聞くことにした。
「アリサちゃん、なんで怒っているのかなんとなくわかるけど、あんまり怒っちゃ……」
「だってムカつくわ! 悩んでるの見え見えじゃない!」
丁度、すずかがアリサの話を聞いてた。
「なのに、何度聞いてもあたしたちにはなにも教えてくれない! ずっと隠したまま!」
「仕方ないだろ、いくら親友でも相談しにくいこともあるよ」
「聖君……」
「気になる女の子ができて、その子とまた会って話をしたいだなんて」
「はっ!?」
「えっ?」
僕は事実をある程度ねつ造して伝えることにした。友達の喧嘩なんて見たくないからね。
「偶然見てしまったのだけど、どうやらなのははある少女に一目ぼれしたらしい。 そしてお話をしたいの、名前を教えてなどと、しつこく迫っていてな。 その少女は逃げたがなのははあきらめきれないらしく、その少女が探しているという青い宝石みたいなものを手掛かりに町を探し回っているらしいんだ」
「えっと、つまりなのはは」
「まぁ、女の子を好きになった~ なんてさすがに相談できないよな」
「……なのはに誤ってくる」
アリサは誤るようだ。いや~喧嘩が長引かないでよかった。
「聖君、今の話ほんと?」
「ん、9割はね」
なのはにちょっとした疑惑が立ったが、まぁ些末なことだろ。教室に戻るとなのはから念話が来た。
(聖君! アリサちゃんがいきなり誤ってきたんだけど、おかしなこと吹き込んだでしょ!!)
(あぁ 君たちが喧嘩している所なんて見てられなくてね。 なのはがフェイトに一目ぼれしたという設定の元、彼女を探して町を歩き回っていると言っておいた)
(にゃあああぁー! なんでそんなこというの!!)
(だが、ほとんど事実だろ? 仲直りできたのだからいいだろ)
そういい授業が始まるので念話を切った。
放課後、僕は図書館によってのんびり本を読んでいたのだが、ユーノから念話で呼び出された。どうやらジュエルシードが発動し、再びフェイトの登場。なのはがお話をするために、出会いがしらに砲撃をかまして戦闘になったと。
「なんで僕も呼ぶんだろ……。 魔導関連には魔導師で対応してほしいものだ」
「でも、マスターはなんだかんだ言って手伝っていますよね」
「まぁね。 管理局から報酬をもらうためでもあるけどね。 やっぱりデバイスは欲しい」
カメリアと話しながら全速力で向かった。さて、なのははフェイト相手にどこまでできるようになったかな。
着いた頃にはなのはとフェイトは封印を後回しにして戦っている。ってジュエルシードの周りでそんなに暴れたら・・・。
「「きゃあっ!!」」
二人のデバイスがぶつかり合った瞬間、ジュエルシードが暴走し、二人はそれによって吹き飛ばされた。
「フェイト!」
使い魔はフェイトの方に向かった。聖もなのはの方に向かい、なのはを受け止めた。
「聖君!?」
「ユーノに説明受けただろ 近くで暴れるなって」
「ごめんなさい……」
二人ともボロボロだな。なのははフェイトと互角には戦えるようになったってことかな。しかしこのジュエルシードどうするかな。二人ともこの状態じゃ封印はきつそうだな。
「ユーノ、たしか膨大な魔力を叩き込めばおとなしくなるんだよね」
「うん、そうだよ」
魔力を叩きこむと言っても神話魔術じゃ破壊してしまうからな・・・直接送りこむか。
暴走してるジェルシードに近づいて、それを掴んだ。今度は破壊してしまわないように魔力を送り続ける。掴んだ手に多数の裂傷ができて血が出る。
「ちょッ! 聖!?」
「いっ! 書き換える我が世界(リライト)!!」
黄金色の魔力で描かれた幾何学的な魔方陣が現れ、聖はジュエルシードによる干渉は一切生じなかったと自身を書き換えた。そしてさらに魔力を送り続け、しばらくするとおとなしくなった。
「やっとおとなしくなったか」
聖はジュエルシードをなのはに渡そうとしたが、フェイトがこちらにデバイスを向けてきた。それに使い魔も戦う気満々だ。
「そのジュエルシードを渡してください」
「この前はしてやられたけど今度は負けないよ」
聖は二人に呆れつつ、拳を構えた。
「あの時の手合せで実力の差がわからないとは……」
魔術で身体能力を強化し、飛びかかったその時、
「そこまでだ!!僕は時空管―グハァッ!」
「あっ……」
フェイトに向かって突撃をしようとしたがその直線状に現れた管理局の人にもろにあたってしまいその一撃で意識を失い落ちて行った。魔術で強化した一撃は岩ぐらいなら砕けるから、かなりのダメージが入ったはずだ。
「……逃げるか」
「駄目だよ聖! 管理局が来てくれたんだから回収して話をしないと!!」
「フェイトちゃんがいっちゃったの」
今の騒動でフェイとたちは撤退したようでなのはは呆然とフェイトの飛んでいった方を見ている。さて、どうするかなと考えていると突然モニターが現れた。
「貴方たち、少しいいしいかしら」
「貴方は?」
「時空管理局所属 リンディ・ハラオウンです。 詳しい話を聞きたいのだけど、クロノを拾ってこちらに来てもらえないかしら?」
「クロノ? 真下で地面にめり込んでいる黒い少年ですか?」
「……えぇ、そうです」
「僕はいいですよ」
ユーノとなのはを見ると二人ともうなずいている。
「では、とりあえずクロノを起こしてあげてください」
仕方なくクロノをたたき起こしてた。そしたら先ほどの女性と何か話していると思ったら、突如足元に魔方陣が現れ、目の前の景色が変わった。気が付くと、僕たちは宇宙船のようなものの中にいた。
「ここが、時空管理局次元空間航行艦船『アースラ』だ」
魔導って凄いな。
喧嘩のシーンなんでこんなふうに書いちゃったんだろ・・・