初投稿です このような文章を書くこと自体がはじめてです
暇を見つけては投稿していこうと思います まぁ不定期になると思いますが最低でもAs編までは書きたいと思います。
「まだ抗うのか? 祐司 雅よ 私は君たちをできることなら殺したくはない」
『悠久の幻影(アイ・スペース)』
特殊な概念魔術空間の中でこの空間の支配者 最高神オーディンの名を冠する最強の召喚せし者(マホウツカイ) 芳野創世がつぶやく。
「それは無理な相談だね。息子を見殺しにしてまで生きることはできない!」
「そうよ 何としてでもあなたを止めてみせる。オーディン!!」
オーディンは膨大な魔力をその身に宿した僕を狙っているが、二人の男女がボロボロになりながらも僕を守るようにオーディンの前に立ちふさがっている。僕の父、十六夜祐司と母の十六夜雅だ。
『最終戦争(ラグナロク)』
芳野創世が自らの妻を生き返らせる究極魔法を扱うために起こした召喚せし者の生き残りをかけた儀式だ。
彼は膨大な魔力を身に宿した僕を狙っているが、創世の友人であり、戦友であった父と母が立ちふさがる。
「無駄だとまだわからないか。私のマホウ 天地創造の槍(グングニル)の力は理解したはずだ。」
そう、彼のマホウは絶大な力を有している。現に先までの戦いで『空間』 『概念』 『力』を創造してみせた。この強大なマホウの前ではいかなる力も無力だ。
ここで召喚せし者について説明しよう。
召喚せし者とは特殊な宝石と融合した人物の総称で『戦略破壊魔術兵器(マホウ)』を具現化できる存在のことだ。
戦略破壊魔術兵器(マホウ)には、以下の五つの大原則が存在する。
1.『召喚せし者』は、現在の如何なる科学兵器を用いても殺せない。
2.マホウはマホウでしか破壊できない。
3.マホウはその人物の心象を兵器として具現化した形状となる。
4.具現化したマホウ兵器には、独自の特殊な能力が備わる。
5.ゆえにマホウは、一人につき一種類まで。
僕の母はマホウの補助なしで魔法や召喚せし者マホウツカイの能力を扱える魔法使い(ユグドラシル)という稀有な存在であり、父はマホウを人工的に再現した『戦略技術創造兵器(キセキ)』の使い手だ。
「それでもお前を止める! たとえ絶望を突きつけられても、敗北って現実を見せつけられても全部乗り越えてみせる! そんなくだらない常識なんて僕たちは超えてやる!
いくぞオーディン! 『疾風迅雷(タービュランス)!!』」
祐司はオーディンに向かって走り出し自身のキセキである槍『極光の雷槍(ブリューナク)』で雷に変換した魔術(ルーン)を取り込み雷速での三段突きを行う。しかし、
「はああああぁぁ!!」
オーディンはそれをすべて拳ではじきカウンターを仕掛けてきた。ただのパンチでもオーディンの一撃は必殺の威力を持っている。しかしその一撃を祐司はあえて受けた。
「がぁぁっ!!」
腹部に拳が突き刺さり致命傷とわかるほどの血が出ていた。
「何! 貴様、何のまねだ」
「何の真似かだって?そんなもんコイツを確実にくらわせる為さ! 神討つ極光の雷槍(ミドガルズ・ブレイクニル)ッ!!」
祐司はキセキに渾身の魔術を込めゼロ距離での神話輝術を放つ
神話輝術『神討つ極光の雷槍』ブリューナクの穂先に雷の魔術を極限まで溜めた雷速の刺突。突くことに特化したこの一撃はゼロ距離では星すら砕く威力を誇る。さらにブリューナクには致命傷を負ったマホウツカイのマホウを強制的に分離させる概念魔術兵装。『融合切断(リンクスラッシュ)』が付与されている。未完成ながらこの『融合切断(リンクスラッシュ)』にかけるしか勝ち目はなかった。
渾身の一撃がオーディンの胸を貫ら抜き、融合切断(リンクスラッシュ)が発動する。
「何っ!!」
自身のマホウに異変が起こったのを感じ焦りをみせる。
「いまだ 雅! やれ!」
マホウを奪ってもマホウによって習得した技術、魔術の扱いは身についているので戦闘を行えないわけではない。取り換えされたら意味がないのでオーディンのマホウを封じた今、確実に仕留めなければばらない!!
「これで終わりよ! オーディン!! 私の全身全霊の神話魔術をうけなさい!!」
雅が極限まで高めた魔術による神話魔術を放とうとする。
「正気か、貴様は! 魔力を先までの戦いで魔力を消耗した今、人間であるお前がそれほどの神話魔術を使用すれば魔力がなくなり消滅するだけだぞ!!!」
そう、魔力とは生命力と精神力を司る万物の根源であるエネルギーの総称。マホウツカイならこれをすべて失うことはないが、人間はどちらか一方でもなくることは死を意味する。
「そんなことはわかっている! それでも息子の未来のため貴様を討つ! 凍てつけ! 絶対零度の牢獄(コキュートス)!!!」
絶対零度の牢獄(コキュートス) 指定した空間内の分子運動を強制的に停止させることで、あらゆる存在を凍らせる
「ここまでか・・・」
オーディンはそう呟き、周囲一帯は凍てつきその生命活動を停止させた。
この日、最終戦争は軌跡創りし者と魔法使い二人の死をもって終焉を迎えた。
「あれからもう2年か」
僕、十六夜聖は夢からさめそう呟いた。
最終戦争が終わってから2年が経過した。 両親を失った僕は2年間、聖者の教誨という養護施設に預けられた。しかし、両親との思い出のある島での暮らしに耐えられず、無理を言って住んでいた家を売りそのお金でマンションの1室を購入し、この海鳴市に昨日引っ越してきた。幸い両親の残した遺産が思った以上にあり、問題なく暮らせるだろう。
「魔術兵装(ゲート・オープン)」
言霊により僕の右手に現れたのは一本の槍。僕の戦略破壊魔術兵器 『世界樹の槍(グングニ-ル)』両親が研究していたマホウと呼ばれる宝石を不用意にさわってしまった結果、僕は召喚せし者となり、オーディンに狙われることになった。あのとき宝石にさわらなければ両親が死ぬことはなかったのではないかと思っている。
「おはようございます マスター」
と、女性の声が聞こえた。僕に話しかけたのはベットの上に置いておいた逆十字のアクセサリー。それに埋め込まれている人工知能であるカメリアだ。母と父が創った科学の結晶で、僕にあらゆる知識を教えてくれる姉のような存在だ。
「おはよう カメリア」
カメリアに挨拶を返し、顔を洗い、朝食をつくる。教誨にいたころ何度か料理を手伝うこともあったし、カメリアに聞けばレシピも教えてくれるので、料理は得意になってきた。
朝食を食べ終わるとカメリアが話しかけてきた。
「今日はどうしますか?」
「とりあえず荷ほどきをした後この町を探索しようか。明日から通う学校も見ておきたいしね。」
そう答え、聖は小物や本の入った段ボールを開けていき整理を始める。
時計が正午を指す頃にようやく終わり、昼食をとり町に出かける準備を始める。
「それじゃ 行こうか カメリア」
「はい! マスター!」
プロローグおわった
次は念のためのフォルテシモの用語解説と人物紹介かな~