主人公の反省回です。
phase34 ストローマン
「分かってると思うけど。結論から言うと、あんま褒められた選択じゃないよ…………唯ちゃん」
「…………」
眼前に立つのは、私より3年長く生きてる男。
腹の立つことに、髪色から目の色まで相似比の様に酷似していやがる……私の兄。
「……何?」
「P-66を『勝手に』持ち出したこと、それを既存の神機使いに投与しようとしたこと。それで、あの防衛戦で撤退しなかったことだ」
「……」
嫌味な位淡々と、分かりやすく言い聞かせるように『説明』してくる。
――――兄が怒っていることは分かる。
身内に対して兄が怒ることは本当に珍しいけど……結構本気で怒ってることは嫌という程伝わってきた。伊達に17年間も兄弟をやっていた訳じゃない。
「それを部外者のあなたに言われたくはない……作戦外行動は現場の神機使いの各判断に任されているハズ。いくら『優秀な』技官でも踏み込んで良い領域ではないと理解してる? それは局長から私たちに直接委任されてる権限。戦場に立ったことのない人に批評家気取りで口出しされれば流石に不愉快なのだけれど?」
「だが技官にでも作戦外行動の事について言及は許されている。じゃないと『素人』の現場の神機使いに任せて置いたら何されるか分かったもんじゃないから。だから一技術官として言わせてもらう。
ハッキリ言う。もし、唯ちゃんがあのままKIAした場合……P-66偏食因子を持ったまま死んだ場合、それをアラガミに捕食されたらどうするつもりだった? 更に既存の神機に投与して不適合だったらどう責任とるつもりだった?」
「……」
心のどっかで分かっていたことだったけど――――改めて他人の口から突き付けられると、かなりイラっと来る。
……特に、コイツに言われると。
「確かに唯ちゃんの言う通り技官はあくまで現場においてはサポート要員だ、戦場に出てアラガミと殴り合う力は持っていない。でも、こっちはこっちで頭と技術で日々戦っている。それを勝手な神機使いの『判断』だけで全部水の泡にはされたくない。
一つの技術を開発するのだって、時間も資源も人でもかかっていることを理解してほしい。
不安なのは分かる。だけど、P-66を持っているならあそこで退いておくべきだった」
「……でもあの状況だと、私が助けに行くべきだった」
「切り捨てるっていう選択肢もあったハズだろ?」
「……」
「何もかもが甘い。副隊長としても、フライアの一員としても。判断が温かったんだよ。
…………唯ちゃんが優しい子だってことは、俺はよく知ってる。目の前に居る人間を見捨てることなんて出来ない子だってことも……分かってるよ。
……だけど、その上で聞いてほしい。
今、唯ちゃんは責任のある立場にある。だから一番に考えるべきは『ブラッド』のこと、その次に『フライア』のことだ。その他のことは多少は切り捨てても、仲間の安全を考える義務がある……そうだろ?」
……分かってる。
分かっては…いる。
だって……。
だって、私だって、一度は……そう考えた。
……考えて……しまった。
それは正論だ。恐らくは――本来軍属の人間が行うべきであろう、冷静で合理的な判断。
整然とした理念に従い、正しい判断を下すことこそが求められるべき能力なんだ、って……分かってはいる。
けど……。
素直に受け入れることは、できなかった。
「……そうやって……」
思わず感情がこみあげてくる。
それは、すごく単純で子供じみた……怒りだった。
今まで何とか自分を覆っていた理性と言う名のメッキが剥がれ落ちるような音がする。
そう、私は――――キレた。
「そうやって……いつもいつも……いっっっっつも私のこと馬鹿にして……!」
「……唯ちゃん……」
「分かってるよ!! そうだよね!! あぁ、そうだよね! あなたから見たら……いつも特に迷いもなくすぐ即効で正解を引き当てる様な完璧超人からしたらさぞ馬鹿に見えるよね!? 一瞬で分かるような簡単なことにグダグダ言って悩んで挙句の果てに不正解選ぶような出来損ないのことなんてね!!」
「ちょ、ちょっと待って唯ちゃん! 別にお兄ちゃんは……」
「さぞ迷走!爆走!大混沌!!してるみたいに見えるんでしょーーーーーー!!」
「そこまで言ってなァい……!」
「言ってる!!」
「言ってないよーー!?」
「言ってるーー!!」
「言ってないって!!」
「言ってんだよコンチクショーー!!」
「言ったかもしれません!!」
「はい論破ーー!」
「ゴリ押し論破ー!?」
「うっさい! ……特に努力もしてないクセに何でも出来る天才肌の奴に上から目線で正論説教されたって私の精神に1ミリたりとも響かないんだからーー!! 基本スペック並以下の雑魚を舐めんなぁああーー!」
「それ以上大事な妹が自分を蔑むような言葉吐くと……流石にお兄ちゃんが泣くよ!? 泣いちゃうよ!?」
「御忠告大変ありがとうございました! 今後は頂いた御助言を最大限活用し、同じ失態を二度とやらないように誠心誠意努めるとともに、反省として活かさせて頂きます!!」
「そんな言い回し何処で覚えてきたのマイシスターー!?」
「クソ兄貴になんか……クソ兄貴になんかぁ……! 私の気持ちはどうせ分かんないんだ馬鹿ぁあああああああ!!」
「ゆいちゃぁああああん!!」
「うるさぁああい! 貴官なんかオウガテイルに下半身齧られて死んじゃえばいいんだぁあああ! ホモサピエンスのオス的な意味でーー!!」
「下ネター!? ここで妹が下ネタの死ネターー!? しょうがない妹ね……だけど! 俺の中のY染色体が今貶されて喜んじゃってるぜ妹よ!!」
「土に帰れーーーー!!」
「ひどい!!」
「無に帰れーーーー!!」
「ゆいちゃん……!」
「輪廻の輪に帰ってよ馬鹿ぁあああああ!!」
「悪口のレパートリーが増えたね唯ちゃん……! お兄ちゃんは嬉しいよー!! うわぁぁぁぁ……」
そうして、私は、兄から逃げた。
▼▼▼
「聞きましたか香月さん……今の、あの、アホの言い分を」
「えぇ、聞こえましたねレオーニさん……どーしてムキになっちゃうんだろーねー……基本的に唯ちゃんは素直なのにねー……」
「というか、ただの兄妹喧嘩じゃねーかよ……家でやれよ……」
「アレが遅れてきた反抗期ってヤツかな~?」
「10代前半で終わらせとけよ常考……」
「崩れ落ちたね~お兄さん……あぁ、ぷるぷる震えてる……」
「妹に反抗されてそんなに精神的にキツかったのかよ……」
「何だかんだで馬鹿兄妹~?」
「そう、あいつらは馬鹿兄妹……。妹馬鹿な兄貴と、本物の馬鹿の妹という地球の悪戯と奇跡のもたらした驚異のクソコンビだ。だからさー? そんな自分責めることないと思うよー……?」
「そうだよ~~元気出して~~? ……ねー? シエルちゃーんーー?」
「……」
見るからに落ち込んだシエルがおでんパンを両手で抱えこんでしょんぼり……としていた。
絶妙な距離感を保ったまま、少女は純白の背中を向けている。
ガックリと頭が垂れたまま。
「あなたは悪くない」
「駄目だナナ……ソレ、カップル限定の攻略法……」
「えー? そうかなぁ~?」
「なぁ、シエル。ホントにお前は悪くないよ……あの時点じゃあのジュリウスでさえゴーサイン出してたじゃねーか……? なー? 良くやった方だと思う! 流石だよなーやっぱ『エリートクラス』はさー! だよな、ナナ?!」
「そ、そそそうだよー! 私たちの初陣なんかよっか全然よかったよーー! 単騎敵中突破とか……」
「言うな……」
「……」
イマイチ声が届いていない。
「アレは全部アーサーのせいだから。アイツが悪いから。レーダーイカレてたのだって実はアイツ薄々気づいてたから。それでも出撃しやがったアイツの所為だから」
「えー……どうしたの先輩? ネガティブキャンペーン?」
「英国系の二枚舌なんか信用するな利用されるだけされた後ボロ雑巾の如く投げ捨てられる」
「やだー怖いね~」
「だから予測できなかったのもしょうがないって……、だからーシエルが悪かった訳じゃないよ……な?」
「そうだよシエルちゃん! ロミオ先輩は信じてるって言ってるよ!」
「…………ナナ?」
「ロミオ先輩は!! 信じてるって! 言ってるよ!!」
「ナナぁ!?」
「何?」
お前は信じてないのかよ! やだなー、信じてるに決まってるでしょー……可能な限りね! という仲の良さそうな会話をBGMにシエルはやはり落ち込んでいた。
今まで積み上げてきたものを否定されたような気分だった。
もっと、もっと、皆の役に立ちたい……と願っているのに、結局自分が学んできたことは机上の空論に過ぎなかったのか……と。
結局、自分の根源にあったものは何だったのか。
マグノリア=コンパスで己の学んできたこととは――何だったのか。
あの養護施設では一流の教育を施して貰った、職業軍人から、または対アラガミ戦のエキスパートである退役神機使いから、時には科学者さえもが教員について。
それは、何の為だったのか。
全てはアラガミを根絶させる為、一流の戦闘員になるため、ひいては神機使いを教導していく最先端部隊の戦術士となるため……。
様々な思いが脳裏をかすめていくが、どれも上滑りの言葉の様に思えた。
ただ一つ、胸の内に確かにあったのは。
誰かに必要とされたいという……小さくてささやかな、願い。
▼▼▼
本日の天候――空一つない、曇天。
特に意味もなく見上げた空は基本、いつだって曇っているような気がする。
……まぁ、雲が赤くないだけ、まだマシな方かなー……と思い直す。
隊長じゃないけど、気分が落ち込んだときにはここに来ると精神衛生にいい。
……本当に、綺麗な場所だし。
という、人類の叡智と美意識の粋を集めた場所――――フライア最上フロア『庭園』で。
「55……56……57……58……よし、問題ない」
「…………隊長…………」
「誰だ!? ……あぁ……お前か」
彼は一体何を数えていたのでしょう……。
…………多分ラケル先生の画像。
「どうかしたのか? 唯」
「……いえ……すみません……お邪魔しました……」
「いいさ、気にするな。それより、何かあったのか?」
「……」
「……席を外そうか?」
「いえ……」
出ていくのはこっちの方です――と言いかけて、辞めた。
つい忘れがちになるが隊長はれっきとした上官……それに先に居た人を追い出すわけにもいかない。
それだけの理由だった。
……それだけの理由のハズ……だった。
けど、口が勝手に動く。
「…………ここに居て…‥ください……」
「……分かった」
出会ったときと同じ、木の下に並んで腰を下ろす。
何から話せばいいのか、何処から話すべきなのか……とにかく、何か話したかった。
聞いてほしかった。
今の自分の気持ちを言語化すれば……心の整理をつけることができるんじゃないか……と考えていた。
ジュリウス隊長は黙っている。
「……前の戦闘……感応種が出現したって聞いた時……私は……」
「……あぁ」
「救援に行きました……自分が行かなくちゃ、って思ったから。
状況的にもあの距離で救援に行けたのはシエルちゃんか私だけだったハズです……。
……でも……ハッキリ言って、私はあの時迷いました………………迷いまくってました。
……シエルちゃんや……『仲間』を危険に晒してまで……助けに行くべきなのか、って……」
「……そうだな。だが、それは副隊長として……仲間を慮った結果、だろう? ……何も恥じることはない」
「…………私は……」
この先は言いたくなかった。
幻滅されるかもしれない――という恐怖があった。
いや、今更色々醜態を晒しまくっているから幻滅も何もない……とは思ってはいたけれど……。
……嫌われたくなかった。
…………この人に嫌われることが怖かった。
だから、少しだけ言いよどむ。
……それでも、ちゃんと言う、と決めた。
自分の気持ちと真摯に向き合う為に。
「……もっと……見下げ果てたことを……考えてたんです。…………本当は。
私たち『第三世代』が旧型の……『第一世代』を助けに行く必要があるのか…………って」
「……」
「我ながら最悪だって分かってます……一瞬だけ、本当に一瞬だけ……安全策を取ろう、って思った。
ここでオリガちゃんを見捨てて逃げても……戦術的な撤退が十分認められる、と。感応種はまた調査してから討伐すればいい……あの状況下で下手に戦力を分散して、ブラッド隊が全滅したらそれこそ人類にとっての損失なんじゃないか…………そう……考えてしまったんです」
自然にキツく拳を握り込む。
鳥肌が立っていることが分かってしまった――――どこかふわふわ、とした地に足がついていないような感覚が足を伝う。
「保身の為とか、自分だけが助かりたいからとかそんなんじゃない……本当に、心の底からそう思ってしまったんです。あの時私は……私は……!」
「……」
「自分も含めて、全員を――――――『人間』として考えることが……できなかった。
まるでモノか道具の一部の様にしか考えることができなかった。皆……ロシア支部の人も、エミールさんも、ロミオ先輩やナナちゃんやシエルちゃんですらも……一瞬だけ、皆を数字みたいに見えた。数値でしか見れなかった。…………それが……心底嫌になったんです……そんなことしか考えられなかった自分が」
「……」
……兄に言われなくても分かっている。
きっと兄なら、こんな下らない葛藤はしない。迷いがあっても、基本的にはバッサリ行くようなヤツだから。
でも、私は私だ。兄じゃない……兄には成れないし……遠く及ばない。
だから……本心を見透かされると腹が立った。
それが本当に人間として正しいのか? ……という疑念を忘れたかった。逃げたかった……のに。
嫌でも向き合え――――と突き付けられたから。
「……主旨は理解した。唯…………副隊長としては、合格だ」
「………は…はいぃ!?!?」
「だからソレで正解、ということだ。数ヶ月前までお前は非戦闘員だったにも関わらず、急な実践投入へのプレッシャーを乗り越えた、さらには重圧に対する責任感も理解している……更には自分たちが何者であるか、も客観視できる様だしな。……悪くない」
「……え……エェー……!?」
「見直したぞ、副隊長」
「………………」
……まさかのベタ誉め……だった。
そこはお前は間違っている一択でしょ!? 見下げ果てたクズだと罵倒するフェイズでしょう!?
お前は! 間違っていると!! 言ってほしかった人生でした!
「それを、俺に隠すことなく打ち明けたことも含めて――――な」
「…………!!」
精神が呼吸するの止めたかと思った。
急ブレーキは辞めて頂きたい。マジで辞めて欲しかった。
「お前が内面で葛藤するタイプの人間だということは、とうの昔に解っているさ……。やっと素直に打ち明ける気になっただけで合格点だ」
「そんなに低かったんですか私の評価……」
「ブラッド最低値だった」
「あー……妥当だと思いますーー……」
じゃあ何でそんなヤツ副隊長に任命しようとしたんだこの人……!? いくら危機好き人間でもそれは危なすぎる人事だろ……。イマイチ隊長と言う人が理解できない。
やっぱサッパリ分かんねえわこの人。
「数字でしか見れなかった……ということは、一面では冷静に判断した――と評価できる。だが、ある意味ソレは危険な素質でもある。
だから、絶対に忘れるな……俺達『ゴッドイーター』は、人間なんだ」
「……はい……分かってます」
「……ならいい。それに……その件に関してお前が悩むことはない。忘れたのか? 最終的に判断を下したのは俺だ」
「………ソウデシタ……」
判断丸投げしたんでした。すいませんでした。
「だからお前は自分の責任を感じることはない、いいな?」
「……」
「分かったのか」
「は……はい……」
▼▼▼
「と、いう訳で……妹と仲直りしました!! 神威ヒロキがお送りしまーーす! フライア開発新技術!! その名前も……『すぅーきぃーる・いんすとぉーーるぅーーーー』!!」
「真面目にやって。じゃなきゃ帰って」
どこぞの青狸みたいな紹介は辞めて頂きたい。
それに、別に仲直りした訳じゃない……兄と私の間には決して浅くない溝が存在しているのだ……!
「……と、最愛の妹に怒られたので真面目にやります。
オラクル細胞が『自ら思考し、捕食する』という細胞だということは最早周知の事実であり、つい先日我らがゴッデス、ラケル・クラウディウス博士がとある犠牲の上で精神感応という怖い事で教えたくれたりしましたよね……――はい!ですのでーー!! 恐らくはココに集っておられる皆様ガタガタにとっちゃ常識というコトで宜しいカナーと私は考えます。
なので以前から考えられておりました。オラクル細胞のその保持性……平たく言うと『形状記憶力』を応用した新技術です、こちらをご覧ください」
兄がスクリーンに映像を投影。
何か装置……っぽいものだと思った。
そのあと、専門用語だらけな色々良く分からない説明が入る……。
「――異常で理論説明は終了になります。次にコレに関してのメリットですが――。今現在でも周囲に拡散しているであろう遺留品神機――現場の言い方だと『遺された神機』の再利用が可能になり今まさに使われている『生きている』神機の強化が容易かつ低コストで可能となる、ということです……勿論、我らが実践部隊『ブラッド』にも例外じゃあないぜ!!そう唯ちゃんの為なら!!」
「真面目にやれって……私言ったよね?」
「調子乗り過ぎてマシタ……」
「神威技術中尉、少し質問が」
「はいどうぞー!」
……技術……中尉……? だと……!?
「……のこじ……その『遺された神機』なのですが……それらのすべてはP-53適合型です。旧型新型の違いはあるのでしょうが……『ブラッド』の持つP-66偏食因子とは適性がない、のではありませんか!?」
「ふっはははははぁー! 心配ナッシングですな!! その問題はもう解決できておりまぁーーす!! うちの唯ちゃんが! うちの唯ちゃんが!!」
「……流石に、キレるよ……?」
「えー怒られたくないので手短にー……前作戦で散々問題視されたことですが結果論から言えば『P-66型とP-53型は個体差があるとはいえある程度の親和性がある』ということは実戦証明済みです。ヨカッタネー」
ざわざわざわーと、一同騒然状態な研究員の皆様。
何故かこっちをチラチラ見る人なんかもチラホラ居る。
「よってこの新技術『スキル・インストール』に於いて殆ど事故どころか失敗さえも事前検査で確認することで極力抑えられると考えられます」
「……な、成る程……」
「そして、神機兵の兵装も……例外ではありません」
「……!!」
神機兵制作チームが身を乗り出す。
有人、無人に限らず……神機兵を強化できる。
しかも、実際戦闘にだすことなく……安全に、即戦力として練り上げることができる……。
……喉からおててが出る程欲しい技術ですよねーー……。
……もう分かってたよ最初っからな! ケッ。
「以上でスキル・インストールの理論発表は終了です。あとは実際にやってみるのみ!! れっつごー!」
「……やっぱウザい……ウザい! ウザすぎる!! 帰れ馬鹿ぁあああ!!」
「ふっ……気づいたんだよマイシスター……! 唯ちゃんの居る場所が俺の!! 帰る場所なんだぁあああ!!」
「地獄っていう故郷に帰ってクソ兄貴!! どんな地獄の底だって……あんたが傍に居てくれるよりかマシなんだ!」
「親子そろって同じこと言いやがってー。同じこと母さんにも言われたぜー!」
「少しは懲りろ!!」
「断る!!」
神よ……もうこの際アラガミでいいから神よ……。
どうか、この腐れ兄貴に鉄槌を。
……私は、その時、かなり本気で……そう祈っていた。
こんなものを読んでいるであろうそこの読者様へ。
今すぐテレビの前に座って!! BS11を付けるのです!!
本日GEAメテオライト編11話放送!!
一匹残らず食い殺せえええええ!!
オウガテイルの入れ食いだぁあああああ!!