CCさくら×テイルズ ~カードを求めて異世界へ~ 作:あんだるしあ(活動終了)
夜。ツバサは簡易ベッドに横になり、夕方の出来事を回想していた。
――港の宿で“マシーナリーズ”というターネットやクラックのグループとガイアスの間に、国境を越えた交流が生まれた。ガイアスとしてはそれを続けたいと言ったのだが、リーダーのターネットがそれを許さなかった。
ターネットは街中にガイアスとツバサを呼び出すなり、リーゼ・マクシア人に反感の強い住人を大勢呼び出して襲ってきたのだ。
敵意、敵意、敵意。
その時のツバサは、「
(あれでよかったのかな。だって拳で語り合うなんて夢見る男の子のメルヘンだよ、現実で通じっこないよ。兵士でも何でもない普通の人たちを攻撃するのだってよくなかったし、あの時はいいと思ったんだけど……)
こんな時に弟たちと妹がいれば。父と母がいれば。ケルベロスと
このもやもやする胸を打ち明けて、灯りになるような言葉やパワーを貰えるのに。
ぴんぽーん
牧歌的な音に我に返った。
ツバサは慌てて玄関に行き、ドアをスライドさせた。
外の廊下に立っていたのは、昼間、住人を焚きつけた張本人、ターネットだった。俯きがちで表情は窺えない。
「ターネット君? どうしたの、こんな夜中に」
“マシーナリーズ”とのおしゃべりでツバサは自宅の場所を教えてある。だからターネットが訪ねてきても何もおかしくない。……もっともこれを話すと、ローエンから「次からは相手を選びましょうね」とお小言を貰ってしまったが。
ふと気づく。ターネットのねじりネクタイにネクタイピンが留められている。
男子に不釣り合いな、星と羽根を鍔のモチーフにしたファンシーなデザインの――剣。
ネクタイピンがぽう、と光を放ったかと思いきや、実寸大の剣の形になってターネットの手に握られた。
(さくらカードの気配!)
ターネットは玄関先でツバサに向けて剣を突き出した。ツバサはそれを避け、星のペンダントトップを胸から取り出した。
「星の力を秘めし鍵よ。真の姿を我の前に示せ。契約の下、つばさが命じる。
身長より長い杖の石附でターネットを突き返し、部屋から放り出した。ターネットはマンションの廊下に転がった。
ツバサもまた廊下に出て、一枚のさくらカードを投げた。
「『
部屋の外へ、マンションの外へ飛び降りた。
この場で騒ぎを起こしては、目撃者が多過ぎる。ターネットはただの不良学生ですまなくなる。
(さくらカードで剣っていったら『
ツバサは「
だが、「
「あう!!」
ツバサはその場に倒れ伏した。
見上げれば「
振り下ろされた鋭い斬撃を――別の長刀が防御し、ツバサを守った。
「アーストさん!」
「夕方の一件を根に持ってまた何かしでかすと予想はしたが、ここまで的中すると気分が悪い」
ガイアスは片手で逆手に掴んでいた長刀を順手の両手持ちに切り替え、「
「ツバサ。これが『さくらカード』か」
「はい。『
皆まで言う前に、ターネットが「
ぱらり、とガイアスの黒髪が一房、落ちた。
「……誰が相手であろうとこの実力、というわけか」
ガイアスが長刀をターネットに向けて構えた。今にも斬りかかろうとしている。
「待って!」
ツバサはガイアスの斜め後ろから、彼の腹に抱きついた。
これにはガイアスも予想外だったようで、次の行動に出あぐねている。
再びターネットが「
「『
ツバサはガイアスを抱えて、アーチの上に着地した。