CCさくら×テイルズ ~カードを求めて異世界へ~ 作:あんだるしあ(活動終了)
デカオタをどうにか退けたホーニャンは、すぐさま道を走って行った。
(本体が近くにいるはず)
気配を辿って草を掻き分けて進めば、太い幹の上に
本体もビッグな
ホーニャンは星のロッドを振り被った。
「汝のあるべき姿に戻れ! さくらカード!」
星のロッドを振り下ろす。
完全にカードに戻った
ホーニャンはほっと息をついた――ところで、頭に拳骨が炸裂した。
「いったぁ!?」
拳骨の主はリッドだった。
「お前なあ。一人で先に行くなよ。もっと危ない魔物が出たらどうするんだ」
「ごめんなさい……」
「謝るならこいつに謝ってやれ」
ひょこん。
リッドの後ろから顔を出したのはケルベロスだった。
「この坊ちゃんの言う通りやで。わいも坊ちゃんらも心配してんねんぞ。はぐれたら力になりとうてもなれへんやんけ」
「ごめんなさい……」
飛んできたケルベロスを両手で受け止め、胸にきゅっと抱いた。
「わかったなら進むで。今度はみんな一緒にな」
「はい」
それからはホーニャンもリッドたちの輪に入って森を歩いた。
途中でフィリアが、大国が
あっというまに感じられる時間で、採掘地跡に着いた。
跡地は一面が干からび、石灰を撒いたように白い。
「なあ……なんか、やばいんじゃないか? 見てみろよ、周りの植物を。こんなもの見たことねえぞ」
「一面、無機物化しています。もはや植物と呼んでいいのかわかりません」
(それ以上に、何だろう。カードの気配は感じない。こんなに周りと違うのに、この白い場所にも魔力はちゃんと感じる。普段感じてるマナとは違うけど、マナがないわけじゃ、ない)
「――お前たち、アドリビトムか」
はっとしてふり返り、ホーニャンは度肝を抜かれた。
来たのは2名。片方は人間の青年だが、片方は二足歩行で鎧を着た大柄な黒猫だったのだ。
「あなたたちは?」
「ヘーゼル村のユージーン・ガラルドだ。アドリビトムには、ヴェイグたちのことも含め、いつも世話になっている」
「俺はティトレイ・クロウ。ヴェイグがまたサレの奴とやり合ったんだって? ったく、あいつもしょうがねえ奴だなあ」
ユージーンとティトレイは、ヘーゼル村からサレが去ったので出て来られたこと、村の
長話になりそうだということで、リッドがユージーンとティトレイにバンエルティア号に来るよう促した。
行きより人の増えた帰り道。一度だけホーニャンは白く無機物化した採掘地跡をふり返った。
命の息吹のない世界を、とても―――うつくしい、と感じた。
満遍なくテイルズキャラを描写しようとするとどうしても(さくらと小狼の)末っ子の描写が平坦になってしまいます。
そういやCCさくら新連載始まるそうですね?