投稿が遅くなって申し訳ありません。
俺とセナとキリトとアスナは、スピアを調べるためにキリトの知り合いの雑貨屋……エギルさんのお店に来た。
「圏内でHPが0に? デュエルじゃないのか?」
「ああ、ウィナー表示が出なかった」
「それで、これがそのとき使われたスピアなんすけど……」
俺はアイテムストレージからスピアを出す。そしてエギルさんは鑑定する。
「プレイヤーメイドだな。グリムロック? 聞いたことないな。少なくとも一流じゃねぇ、特殊な特徴もない」
「固有名は?」
「ギルティソーン……罪の茨ってとこか?」
罪の茨か……
「じゃあ、このスピアが原因じゃないのか?」
「だけどほかに何か見逃しがあるとは……」
「試してみましょ」
「は?」
そう言ってセナはスピアをとって、自分の手に刺した!?
結果はノーダメージ。
「これでこのスピアが原因じゃないことは証明できたわね」
「おい! 万が一のことがあったらどうすんだよ!?」
「は、こんなスピアの一撃くらいで死ぬほどあたしのレベルは低くないわよ」
一撃即死の特殊な武器かもしれないのにどうしてセナはこう考えないんだよ!?
「ま、まあ仕方ない。グリムロックって奴に心当たりがないかヨルコさんに聞いてみよう」
キリトが俺とセナの間に入って言う。
……。
…………。
………………。
ヨルコさんのもとへ行くと、どうやらグリムロックと言う人はヨルコさんがかつて所属していた小規模ギルド『黄金のリンゴ』のメンバーだったらしい。
そしてそのギルドのメンバーはとあるアイテムの行方を売るか使うかで二つの派閥にわかれ、多数決で売ることとなったが、売りに行ったグリゼルダと言う人が睡眠PKで殺されてしまったらしい。犯人は不明。
グリムロックと言う人はその人とこのゲーム内で『結婚』していた仲らしい。
ということは、これはグリムロックと言う人の復讐と言うことかもしれないと言う事だ。
「カインズさんを殺したってことはカインズさんが犯人だったのか?」
「いえ、私とカインズさんとあとシュミットと言う人が『使う』派だったんです」
なるほど。なら、グリムロックって人はその三人の中に犯人がいると思って犯行に及んだわけか……
「ちなみにシュミットって……」
「聞いたことはあるな。たしか青龍連合の」
青龍連合とは、巨大ギルドの一つだ。だったらシュミットさんも狙われているかも……
「シュミットに会わせてもらえませんか? 彼も狙われているかも……」
ヨルコさんも同じ意見のようだ。その辺りは顔の聞くアスナに任せた。
アスナがシュミットさんを呼びに行っている間、ヨルコさんも狙われているかもということで、セナを見張りに付けた。セナが自分自身で犯人を捕まえて無実を証明するためとか言って聞かないからだ。
その間にキリトから聞かれた。
「なぁ、ホーク達のギルドではレアアイテムがドロップされたときはどうしてるんだ?」
俺等のギルド『隣人部』では……
「余程の希少なレア物でない限りは売ることにしてる。俺等のギルドには戦闘に参加は危険な子供プレーヤーもいるから金は多いに越したことないからな。余裕のあるときは使うこともあるけど……だけどほとんどがドロップした奴のケースバイケースだよ」
「そうなのか……アスナのギルドではドロップした人のものでそのあとの使い道はドロップした人の自由だって言ってたな……でもやっぱり何処もそんな感じだよな……」
キリトは何やら考え込んでいた。
アスナがシュミットさんを連れてきて、ヨルコさんと話す。
「グリムロックさんにはグリゼルダさんの敵をうつ権利があるんだわ」
ヨルコさんが、そう言うと――
ガクッ!
――とヨルコさんの顔色が変わった。そして――
「ヨルコさん!?」
ヨルコさんは窓から落ちた。そして……落ちた先の地面で消滅した。
バカな!? また圏内で人が!?
次回こそ解決編です。