圏内でPKが起こった。そして起こった塔の中にいたのはセナだけだった。
「で、動機は?」
「ちょっと待ちなさい!? あたしが犯人って決めつけないでよ!? あたしはやってないわよ!? ホークも見てないで助けなさいよ!?」
アスナが尋問する。
「とは言っても、なんであの塔の中にいたんだよ」
「あんたがぜんぜん帰ってこないから、探しに来てあげたんでしょ!?」
「あれ? お前ら、フレンド登録してないのか?」
キリトが聞いてくる。いや登録はしてあるのだが?
「なんか、それに頼って探したら負けた気がして、だから高いところから見下ろして探そうとしたらあんたらが入って来たのよ」
何故あの塔の中にいたのか? という理由としてはあまりも証明にならないな……というかなにに負けんだよ……
「このままだとお前は牢獄エリア行きだぞ?」
「だからあたしは犯人じゃないわよ!? 信じなさいよ、ホーク!?」
セナが言うと、第三者の声が聞こえた。
「たぶん、その人は犯人じゃないと思います」
言ってきたのは、黒髪の長い女性だった。キャラネームは『ヨルコ』。
ヨルコさんの話によると、殺害された鎧の男はカインズさんといい、ヨルコさんとパーティグループを組んでいた人らしい。しかも彼女とさっきまで一緒にいて、犯人らしき人を目撃しているらしい。それはセナで無いことも言った。
「ほら、見なさい! あたしは犯人じゃないでしょ!?」
するとアスナは言う。
「でもまだ、無実が証明された訳じゃないわ。悪いけどセナさんは私たちと行動を共にしてもらうわ。しばらくホームには戻れないと思って」
「わかったわよ! 無実を証明するために協力するわ! あたしに罪を着せたやつをボコボコにしてやるんだから!」
そんなわけで俺はセナの無実を証明するために犯人探しをすることになった。
「まずはあのスピアね。出所がわかれば犯人を特定できるかも」
「なら鑑定スキルがいるよな? お前は上げてる?」
アスナは首を横に降る。
「ホークは?」
「上げてないな」
「そっか……セナは……上げていたとしてもダメだとして、フレンドリストに上げてる人いるか?」
「友達に上げてる子がいるけど忙しい時間だし……」
友達か……、羨ましいな。
「じゃあ、うちのギルドのサナダ(幸村)の奴に……って、容疑者の身内じゃ、ダメか」
「だな。容疑者を庇うように思われる可能性がある上にホークたちのギルドは評判も良くないから……よし、俺の知り合いの雑貨屋にでも頼むか」
「その前に君のお前って呼び方やめてくれない?」
「えっとじゃあ、あなた?」
「……」
「閃光様」
「……」
「副団長」
「……普通にアスナでいいわよ」
「りょ、了解」
こうして、俺らはキリトの知り合いの雑貨屋に向かうのだった。
ホークはセナの無実を証明できるのか?
次回で解決編の予定です。