「あたしはセナ。見ての通り、女神よ」
「だまれ。わ、私はみかづ――じゃない。ナイトだ」
シグマが二人をつれてきて、自己紹介をする。本当にセナを会議に欠席させて良かった。
「お、俺はキリト。よろしく」
「……アスナです……」
自己紹介を行い。作戦を話し合う。
「スイッチってなに?」
アスナが聞いてきた。
「えっと、君はパーティ組むのはじめて?」
アスナは首を縦に振る。基本的にキリトがアスナに説明する。二人はこの会議であったばかりらしい。
「そう言えば、そっちははじまってからずっとパーティを組んでるのか?」
「あ、ああ、リアルでも……フグ!」
俺は説明しようとするとシグマにとめられる。そして小声で言われる。
「ホークさん……リアルのことはいってはダメです。それに私がベータテスターだってばれたらキバオウさんたちになにをされるか……」
「あ、ああ、悪い」
「どうした?」
「ああ、いや、はじまってから色々と話があったりとかして、パーティを組んだんだ。いずれは俺たちでギルドを作ろうとも思ってる」
「へえ、いいな」
そうして、ボス戦前のミーティングは進んでいくのだった。
第一層ボス部屋前。ディアベルさんを先頭に俺らは動く。
そしてボス部屋を開けてボス戦がスタート。俺らは交代しながら小さい雑魚を攻撃を加える。
大ボスだけとなると、ディアベルさんは何故か俺ら全員を下げて、一人だけボスへ向かう。
「……ボスの武器がベータテストと違う!?」
「なんだって!?」
ディアベルさんはボスに思い切り切られた。そしてディアベルさんはチリとなった。つまりは死んだ。回りはリーダーの死に動揺し、動けない。どうする?
……俺が動くしかない!
「シグマ! セナ! ナイト! 俺らでやるぞ!」
『了解』
するとキリトとアスナも来る。俺らはソードスキルでボスにダメージを与える。
「ホーク! スイッチだ!」
そう言われ、俺らは下がる。そしてキリトはボスにダメージを与えて、言う。
「アスナ! ホーク! 最後の攻撃、一緒に頼む!」
「了解」
「任せろ!」
そして俺らはボスに最後の一撃を与え、ボスを倒した。
「なんでや!? なんでディアベルはんを見殺しにしたんや、お前ら!」
ボスを倒した俺らに来たのはとても冷たい言葉だった。
「見殺し?」
セナが疑問を抱く。
「だってお前らはボスの使う技知っとったやないか! それを教えておけばディアベルはんは死なずにすんだハズや!」
正論だ。だが、それが見殺しにしたこととは違う。いや、半端なところだけ変わったために起きた事故だ。
「わかったで!? お前ら元ベータテスターやろ!」
するとキリトがなにかを言おうとした。俺にはなにを言おうとしたのか何となくわかったが、俺は彼を悪者にしたくはなかったのでとめていった。
「ベータテスターは俺だよ。いや、攻略会議で新しくパーティを組んだ彼と彼女以外、俺らは全員、ベータテスターだ」
するとナイトとセナも察してくれたように、シグマも言う。
「そう、我らはベータテスターのみで構成されしギルド『隣人部』。茅場晶彦に続いて最も情報を持っているプレイヤーだ!」
するとキバオウさんは驚く。
「べ、ベータテスターのみで構成されたギルドやて!? そんなもん、チートどころやないやろが!?」
「そうだ、俺らはチーター集団だ。だが、それのなにが悪い? 俺等の目的はこのゲームをクリアすることだボス戦には次も参加させてもらう。だが、邪魔をするやつは切る!」
そう言って、俺とナイトとセナとシグマは第二層の扉を開いた。
「キリト、アスナ。悪いがお別れだ」
俺はキリトとアスナをパーティから外す。するとキリトは小さな声で言う。
「本当はお前はテスターじゃないんだろ?」
「ああ」
俺はナイトたちをつれて、第二層に入った。
第一層ボス攻略。終了、死亡者一名。俺らはこの仮想世界でもあぶれものになってしまった。
ベータテスターのみで構成されたギルド(嘘)。隣人部。
ホークたちの今後の運命はいかに!?