家に帰り顔を冷やしなら自分ながらに反省していた。
どんな事があっても、もう二度と手を出してはいけないと心に誓った。
裕也の奴も帰りがけ気まずいながら許してくれたみたいだ…。
やっばり俺の親友だ、今思い返しても涙が滲んでく。
こんないい奴いないと思うし、これからも大切に付き合って行こうと思う。
夜も10時を回ってようやく顔の腫れが引いたと思っていた頃、
外の方が何やら騒がしい気がした。カーテン越しに覗いて見たら
家から30mぐらい向こうにある交差点付近に白い服を着た女の子が
立っている様だ。気のせいと思うが何か優美子に似ているような気がする。
何となくもう一度見てみたら、いない様なのでやっぱり気のせいなのかと
安心した。俺はまだ優美子事が忘れられないらしくてよく似た人を見ると
どうやら優美子に見えちゃうらしい。早くこの病気を治さなくちゃあいけない。
腫れの引いた顔を鏡で見て安心して疲れた体を横にしたのだった。
翌朝、早めに出掛けてチャリで飛ばす、やっぱこれが気持ちイイ！
早めにだから車もそんなに多くなく走りやすい。
あっという間に学校に着いた、教室に着いた時俺は心臓が飛び出す程、
ビックリしたのだ。なんと、優美子が教室で自分の席に着いているのだ。
だが、どうも様子がおかしい…、あれだけオシャレに気を使っている彼女の
制服が何だが汚れている様だ。自慢の黒髪は解いてないようで艶がなく
顔色も青白く覇気が無い、キラキラ光る俺の大好きな瞳の光は消えていた。
尚且つ、目の下にクマが現れ誰もいない教室で2人でいると何だが怖くなってくる。
あれだけ好きだった優美子がメチャクチャ怖くて仕方ない！
こっちがビビっていると俺の事に気が付いたらしく向こうから近付いて来た。
久々の会話だ。
「おはよ。聡志君…」
「あぁ、優美子おはよう！」アセ
「ねえ、ゆう君はまだ？」
「あぁ、まだ、速いし後20分は来ないよ。優美子も早めだね…」
「また、逃げたのかなゆう君…、私をおいて酷いでしょう？」
「えっ？ 何の話？ 分からないよ？」
「…………。」
優美子はそれ以上話をしようともせず自分の席に戻って静かにしている。
えっ？ あっ、優美子が、壊れちゃったの？まっ、まさかね？
こうして学校に来てるし、ビックリさせんなよな。
そりゃ、裕也の奴、ズラカマしたけど悪そうにしてたし話せばきっと分かって
くれると思う。いくら口下手の俺でも、それ位の事はこれから
罪滅ぼしも兼ねてやらさせて貰うつもだ。
そろそろ、1～2人と速い奴等が登校して優美子を見てビックリしているのだ。
間もなく、裕也の奴も登校して優美子を見て驚いている。
優美子はと言うと、前を「ぼぉ～」っと見たまま女子友達が話掛けても
相手にもしていない。裕也を見ても知らん顔だ。絶対におかしい！！！
流石の裕也の奴も目が泳いでいる。みんなもヒソヒソと話始めてる。
ヤベェ～～！！！！一体どうしちまったんだよぉ～っ！！！
マジヤベェ～！！裕也も、キョドちまってオラオラ状態だし、
何を話していいか俺にもサッパリ分からない。
お互いパニクってたとこにホームルームが初まり
優美子が教壇の前に行きいつもの進行役をしだしたのだが…、
次の瞬間、皆の目が点になった！
「私は、何も悪い事はしてません！！！」
それは、悲鳴に近いものがあった……。
誰も声が出せなかった…優美子の大きな瞳からポロポロと大粒の涙が流れだし
泣いでいる。担任もビックリしていたが
担任 「あぁ、優美子君は何も悪い事はしてないから落ち着きなさい」と
たしなめるのがやっとだ。すると何を思ったのか急に優美子は
教室の外に走って出ていってしまったのだ！全員が唖然とした中、
担任が皆に落ち着き授業の備える様、指示し慌ただしく優美子を
追いかけて行ったのだった。
俺と裕也は何も言えずただ黙ったまま、どうする事も出来なかったのだった。
俺達は授業どころではなかったが優美子があれから、
気を失い倒れて知美の父親が経営する病院に運ばれ入院した事を聞いた。