とある幻想の異世界物語   作:キノ0421

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どうも、こんばんは。

なんと、なんとぉぉぉぉぉぉぉ

自分の小説が日間ランキング39位にランキングしてました!!驚きましたよ。えぇ、しかも一時期とはいえ評価がオレンジに!今は黄色に下がりましたけどびっくりしまたよ。前回はお気に入り100人で喜んでいたのに今では200人を越えています!これも皆さんのお陰様です!
しかし本当に嬉しいです。こんな駄文と文章力がない自分の小説がランキング入りするんですもの。人間とは欲が出るものでまたランキング入りしたいと願望がでるものですね。なのでこれからも評価してもらえるよう頑張りたいと思います!

今度また記念として小ネタと挿絵を入れたいと思います!
一部訂正しました


6話

6話

 

上条達は廃墟を抜けて、外装が整った空き家が立ち並ぶ場所に出る。上条達はそのまま居住区を素通りし、水樹を設置する苗を貯水池に設置するのを見に行くと、そこにはジンとコミュニティのメンバーなのか子供達が水路を掃除していた

 

「あ、みなさん!水路と貯水池の準備は調っています!」

 

「ご苦労様ですジン坊ちゃん 皆も掃除を手伝ってましたか?」

 

賑やかに騒ぎながらも黒ウサギの元に集まっていく

 

「黒ウサのねーちゃんおかえり!」

 

「眠たいけどお掃除頑張ったよー!」

 

「ねぇねげ、新しい人達ってだれだれ!」

 

「強いの?カッコいい?可愛い??」

 

「YES!とても強く可愛い人達ですよ!皆に紹介するから一列に並んでくださいね。といってもここに居るのは1/6位しか居ないですけどね。」

 

黒ウサギが合図をすると子供達は一斉に横一列に並ぶ。数は20人前後だろう。中には猫耳や狐耳の子供もいた

 

「(マジでガキばっかだな。半分は人間以外のガキか?)」

 

「(実際に目の当たりすると想像以上に多いわ。これで1/6ですって?)」

 

「(私、子供苦手なのに大丈夫かなぁ。)」

 

「(こんだけ多いと食費とか馬鹿になんねーだろうな。)」

 

「(…嫌な予感がする、子供が苦手だからか?)」

 

5人はそれぞれの感想を心の中で述べる、これから共に生活するので悪態をつくわけないいかない

 

「右から逆廻十六夜さん、久遠飛鳥さん、春日部耀さん、オティヌスさん、上条当麻さんです。皆も知っている通り、コミュニティを支えるのはギフトプレイヤー達です。ギフトゲームに参加できない者は彼等の生活を支え、時には身を粉にして尽くさねばなりません。」

 

「あら、別にそんなの必要ないわよ。もっとフランクにしてくれても」

 

「駄目です、それでは組織は成り立ちません。」

 

飛鳥の提案を、黒ウサギは厳しい声音で断わる

 

「流石に厳しすぎないか?」

 

「いいえ、コミュニティはプレイヤー達がギフトゲームに参加し、彼らのもたらす恩恵で初めて生活が成り立つのです、これは箱庭の世界で生きててく以上避ける事が出来ない掟。今のうちから甘やかしては将来の為になりませんから。」

 

「…そう。」

 

黒ウサギはこれ以上、何を言われても聞きませんと言わんばかりに飛鳥を黙らせる

 

「此処に居るのは子供達の中でも年長組にあたります。ゲームには出られないものの、獣のギフトを持っている子もおります。用事を言い付ける時はこの子達を使ってくださいな。皆もそれでいいですよね?」

 

「「「「「よろしくお願いします‼︎‼︎」」」」」

 

耳鳴りがするほどの大きな声で子供達が叫ぶ

 

「ハハ、元気がいいじゃねぇか。」

 

「そ、そうね。」

 

「雰囲気が明るそうでよかった。春日部もそう思うだろ?」

 

「う、うん。」

 

ヤハハと笑う十六夜に、元気な子供をみて微笑む上条、飛鳥と耀はなんとも言えない顔をしていた

 

「さて、自己紹介も終わりましたし!水樹を植えましょう!」

 

「あいよ。」

 

長年使われてない水路だが骨格はまだ残っている。しかし所々には砂利などがあった。流石に全て掃除するのは無理があったのだろう

 

「この水樹だと全ての水路を埋めるのは不可能なので、本拠の屋敷と別館の水路だけにしましょう。こちらは皆で川の水を汲んできたときに時々使ってきたので問題ありません。」

 

「あら、数kmも向こうの川から水を運ぶの?」

 

苗を植える準備をする黒ウサギに代わりジンと子供達が答えた

 

「そうですよ!みんなと一緒にバケツを両手に持って運びました。」

 

「半分くらいはコケてなくなちゃうんだよねー。」

 

「いままで頑張って来たんだ、偉いな。」

 

上条は子供達の頭を撫でる、今まで褒められる事は黒ウサギにしかされたなかったので嬉しいのか尻尾を振る

 

「…大変なのね。」

 

質問をした飛鳥は表情を落としていた、箱庭なのだからもっと幻想的なものを期待していたのだろう

 

「それでは苗の紐を解いて張ります!十六夜さんと上条さんは屋敷への水門を開けてください!」

 

「「へーい。」」

 

十六夜と上条が貯水池に降りようとする、すると黒ウサギがオティヌスを呼び止める

 

「あっ、オティヌスさん。」

 

「なんだ?」

 

「あの…少し濡れますので私が預かってもよろしいでしょうか?」

 

基本無口なのか子供達とは会話は全くせず上条の肩に座る彼女。流石に何度も濡れるのは嫌なのか即答した

 

「仕方ないか。私としても、これ以上は濡れたくはないからな。」

 

ひょこと上条の肩から黒ウサギの手に飛び移る

 

「上条さんは濡れてもいいのかよ…。」

 

「メソメソするな。私だって人間のせいで何度落ちたと思ってる?それとも」

 

「はい、すみません。大人しく濡れてきます。」

 

2人の漫才を見てた黒ウサギは苦笑いをする、十六夜は先に降りて上条を待っていた。オティヌスを預けた上条はすぐに降りて水門を開ける

 

黒ウサギは苗の紐を解く。すると根を包んでいた布から水が激流となり貯水池を埋める

 

「ちょ、少しはマテやゴラァ‼︎流石にこれ以上は濡れたくねぇぞオイ!」

 

「何が少しだよ!思いっきし激流じゃねーか!」

 

十六夜は慌てて石垣まで跳躍するが、そんな人間離れな事など上条には出来るはずもない

 

「オイィィ、なに自分だけ助かってんだよ!上条さんにはそんなちょう」

 

そんな事を言ってる間に激流は上条を襲う、抵抗することも出来ずに流されていく

 

「ガボッゴホッ不幸だぁぁぁぁぁぁぁぁゲボッ。」

 

水門を勢いよく潜る激流と上条は水路を満たしていく。

 

「…とりあえずアイツ助けてくるか。」

 

「…よろしく頼む。」

 

可哀想に思ったのか十六夜は屋敷に伸びる水路を辿っていく

 

 

 

屋敷に着く頃には月が真上に登り、屋敷を照らしていた。月明かりで見えるがホテルのように巨大である

 

「ふ、不幸だ…。」

 

「まぁ…気を落とすなよ。不幸なんて今更の事だろ?」

 

「納得いかねぇ…。」

 

びしょ濡れの上条がふて腐れるがオティヌスはそれをなだめる

 

「遠目から見ても大きいけど、近くでみると一層大きいね。何処に泊まればいい?」

 

「本当は伝統などがあるんですけど、今は好きなところを使っていただいて結構でございます。」

 

「あそこには誰が住んでるんだ?」

 

上条は屋敷の脇にある建物を指差す

 

「あれは子供達の館です。本来の用途は別なんですが、警備の問題でみんな此処に住んでます。」

 

上条達は自室を物色し、貴賓室で集まっていた、黒ウサギは大浴場の掃除に出向いていた

 

『お嬢…ワシも風呂に入らないとアカンか?』

 

「駄目だよ。ちゃんと三毛猫もお風呂に入らないと。」

 

『後生じゃ、風呂だけは勘弁してくれ!』

 

かなり嫌なのか、三毛猫は耀の腕から抜け出し走り去る、それを追いかねるように耀も部屋から出る

 

「あっ!ごめん、お風呂には先に入ってて三毛猫を捕まえてくる。」

 

「ゆ、湯殿の用意ができました!女性様方からどうぞ!って春日部さんは?」

 

耀とすれ違いに黒ウサギが入ってくる、耀が居ないので周りを見回している

 

「三毛猫と鬼ごっこだとよ。」

 

「黒ウサギも先に入ってましょ。」

 

十六夜が簡単に説明すると、飛鳥は黒ウサギの肩を叩く。上条が何かを思い出す

 

「おい、オティヌス。」

 

「…どうしてもか?」

 

話しかけられただけで何かを察する、がその表情は暗かった

 

「どうしてもだよ。黒ウサギー。」

 

「はい、何でございましょう?」

 

有無を言わせず、黒ウサギを呼ぶ

 

「コイツのことも頼めるか?流石に一緒に入るわけにはいかないからな。」

 

「待て、私はまだ許可してないぞ!?兎も掴み取るんじゃない!」

 

「YES!任されました!ささっ、オティヌスさんも行きましょう 」

 

オティヌスも一応女性なので、流石に一緒に入るのはマズイと思ったのか黒ウサギに押し付ける。黒ウサギは嬉々としてそれを了承した、オティヌスは黒ウサギの手の中でジタバタするが抵抗虚しく連れ去れていく

 

「にんげぇぇぇぇぇぇぇぇぇん。」

 

「さてと。」

 

黒ウサギ達がお風呂に向かい、しばらくすると十六夜は立ち上がる

 

「何処か行くのか?」

 

「ん?あぁ散歩だよ。言っておくが付いてくんなよ。」

 

何事かと思い話しかける、散歩だと言われて上条は微妙な顔をする

 

「こんな夜中にかよ。つっても野郎との散歩に付いていくかよ。」

 

「ハハッ、言えてるな。」

 

上条の言葉に笑い、十六夜は貴賓室を後にする

 

 

突如、爆発音が鳴り響く。貴賓室でゆっくりしてた上条は驚くも警戒心を最大限に高めながら周りを伺う、音源が別館の方からだと確認すると、すぐに屋敷を出て別館に向かう。

 

別館の前に行くと十六夜が立っていた。その手には石ころが握られており、クレーターがそこらに出来ていた。別館から慌てて出てきたジンが十六夜に問う

 

「ど、どうしたんですか!?」

 

「侵入者っぽいぞ。例の"フォレス・ガロ"じゃねぇか?」

 

「あの爆発音は十六夜がやったのか?」

 

「まぁな。」

 

2人の質問に答えながらも十六夜の視線の先は木陰にむかってる。そこには黒い人影と瓦礫が散っていた。辛うじて意識がある者が立ち上がる

 

「な、なんというデタラメな力…!」

 

「あぁ、これならガルドの奴とのゲームに勝てるかもしれない!」

 

「こいつら…。」

 

侵入者には敵意はなく、上条は何かに気付く。十六夜は侵入者に歩み寄り声をかける

 

「なんだお前ら、人間じゃねぇのか。」

 

侵入者の姿は犬耳を持つ者、長い体毛と爪を持つ者、爬虫類のような瞳を持つ者

 

「我々は獣のギフトを持つ者。しかし格が低いため、こんな中途半端な変幻しかできない。」

 

「へぇ…で、何か話をしたくて襲わなかったんだろ?ほれ、さっさと話せ。」

 

十六夜だけがにこやかにしている。上条も、ジンも何かを察したのか黙りながら悲しげな表情をする。侵入者達は目配せをした後、頭を下げた

 

「恥を忍んで頼む!我々の、いや魔王の傘下であるフォレス・ガロを叩き潰してほしい!」

 

「嫌だね。」

 

侵入者の言葉を簡単にひと蹴りする。その言葉を聞いた上条は拳を力任せに握っていた、ジンは憂鬱そうに俯いていた

 

「言っておくが人質なら、もうこの世にいねぇから。はいこの話題終了。」

 

「十六夜さん!」

 

俯いていたジンだが、あまりの物言いに慌てて割って入る、しかし十六夜は冷たい声音で接する。上条は険しい表情をしていた

 

「隠す必要あるのかよ。明日には知れ渡る事だろ?」

 

「それにジン、殺されてきた人質を攫っていたのは誰か…わかるだろ。」

 

ジンは振り返る。もし人質を救うために、人質を攫っていくという悪循環なら、この人達も人質を殺したと言ってもいいだろう

 

「そ、それでは本当に人質は?」

 

「…はい。ガルドは攫った人達を、その日に殺していたそうです。」

 

「そんな……。」

 

「クソッ…。」

 

侵入者達は項垂れる、今まで何のために悪さをしていたのか。救うために手を汚したのに救うどころか罪を重ねるだけだったのだから 。上条は何にもしてなやれない自分にムカついた

 

先ほどまで背を向けていた十六夜は振り返り、悪戯をする子供のような笑顔で近寄る

 

「(俺に口裏をあわせろ。)」

 

「は?」

 

口裏をあわせろ、とだけ伝えて今度は侵入者達に近寄る。何かわからないまま上条は十六夜の近くに立つ

 

「お前達、ガルドとフォレス・ガロが憎いか?叩き潰されて欲しいか?」

 

「あ、当たり前だ!俺達はアイツらの所為で今まで散々な目にあってきた!」

 

十六夜が肘で上条をつつく、上条に何とかコイツらを炊きつけろ、と小声で言う。急にそんなことを言われる上条だが言いたいことはあった

 

「それでお前達はガルドに挑んだのか?打倒しようとしたのか?自分に力が無いって決めつけて、他人に任せるのか?」

 

唇を噛み締める。挑戦なぞ最初に挑まれた時しかしてないからだ。何も言い返せなくなる、1人は言い訳をするかのように口を開く

 

「あ、アイツらは魔王の傘下だぞ!?格だって遥かに奴らが上だ。いや仮に勝てたとしても魔王につけられたら」

 

「その"魔王"を倒す為のコミュニティがあるとしたら?」

 

目を丸くして顔を上げる侵入者と、ジンと上条。十六夜がジンの肩を抱き寄せる

 

「このジン坊ちゃんが、魔王を倒すためのコミュニティを作るといっているんだ。」

 

「なっ!?」

 

上条達と侵入者達は驚愕していた

 

「人質のことは残念だった。だけど安心していい。明日ジン=ラッセル率いるメンバーがお前達の仇を取ってくれる!その後も心配しなくていいぞ!なぜなら俺達のジン=ラッセルが"魔王"を倒すために立ち上がったのだから!」

 

「おぉ!」

 

後ろでは上条がもがいているジンの口を塞いでいる。大げさに言う十六夜、それに希望を見る侵入者達。

 

「さぁ、コミュニティに帰るんだ!そして仲間に言いふらせ!俺達のジン=ラッセルが"魔王"を倒してくれると!」

 

「わ、わかった!明日は頑張ってくれよ!」

 

ジンが何か言いたそうにするが、上条が口を塞いでるため何も言えないまま侵入者達は帰る、居なくなったのを確認すると解放され四つん這いになり呆然とするジンだった

 

「上条、お前は先に風呂に入ってろ。俺は御チビと話があるから。」

 

「へーい。」

 

呆然とするジンを無視して屋敷に帰る上条と十六夜、ジンは我に帰り十六夜を追いかける

 

上条が屋敷に戻るとお風呂から上がったのか黒ウサギ達が廊下を歩いていた

 

「あら、上条くんじゃない。」

 

「もう上がったのか。…オティヌスは?」

 

「あー、彼女なら」

 

飛鳥が何かを言おうとすると飛鳥の肩から屍となっていたオティヌスが起き上がる

 

「人間…、私はコイツらとは2度と一緒にお風呂に入りたくない。」

 

「駄目だぞ、上条さんと一緒に入るのは色々と問題があるから我慢してくれよな。」

 

とてつもない殺気が上条に向けられるがスルーする。風呂場で何があったから聞かないほうがいいと悟ったのか、これ以上話を詮索するのはやめた

 

「んじゃ、上条さんも風呂に入ってくるよ。春日部はまだ猫を?」

 

「YES 先程も廊下ですれ違ったので、まだ猫さんを探していると思います。」

 

「そうか、じゃ先に入るから春日部に会ったら言っといてくれないか?」

 

「わかりました!」

 

「ではおやすみなさい。オティヌスちゃんは上条くんの部屋に置いておくから。」

 

「おう、おやすみ。」

 

上条と黒ウサギ達はそのまま別れる。飛鳥と黒ウサギは部屋に向かい、上条は浴場に向かう

 

 

 

上条は大浴場で体を洗い流し、湯に浸かり人心地をつく。寛ぎながら天井みる、箱庭の天幕と同じなのか満天の星空が透けて見えた

 

「綺麗だな…、学園都市だとこんな星空は見れないな。」

 

学園都市に居た時はゆっくり星空を見るなんて暇はなかった、毎日が忙しく戦闘に明け暮れていたからもあるだろうし、記憶がないため星空をゆっくり見るなんて初めてだった。

 

夜空を見ながら寛いでいると大浴場の扉が開く音がする、十六夜かなと扉を見るとタオルを巻いた春日部がいた

 

「…え?」

 

春日部は驚くも何も言わないが恥ずかしいのか頬を染める

 

「す、すみませんしたー!今あがります!」

 

まさか耀が入ってくるなんて思ってもいなかった上条、すぐにお風呂から上がろうと立とうとするが、無口だった耀が口を開く

 

「…別に気にしてない。タオルを巻いているし。上条も入ったばかりなんでしょ?」

 

「確かに入ったばかりだけど、流石に男女が一緒ってのは」

 

何か言う上条の事を無視して髪を軽く洗いお風呂に浸かる。すると三毛猫がニャーニャーと鳴きだす

 

『お嬢!男との混浴なんて認めないぞ!』

 

「三毛猫は少し黙ってて。」

 

三毛猫が何か言ったのか、耀はそのまま黙らせる

 

「春日部って本当に猫と話せるだな。」

 

その様子を見ていた上条が耀に話しかける、もちろん後ろを向きながら

 

「うん。」

 

「羨ましいな。上条さんも1度は動物と話してみたいもんだよ。」

 

表情は見えないが笑いながら言う上条に疑問を抱く耀

 

「上条は怖くないの?」

 

「ん、何がだ?」

 

いきなりの質問に首を傾げる

 

「私が動物と話しているのが。」

 

「あー、最初はビビったけど、上条さんが居た所には春日部より変な奴らとか沢山いたからな。」

 

「…そうなの?」

 

今度は耀が首を傾げる。自慢ではないが自分なりに周りから見たら変人だと自覚をしていた耀にとって意外な言葉だった

 

「まぁな、何かあるたびに噛み付く奴や、電撃を飛ばす奴、ツンデレな妹みたいな奴も居たからな。」

 

「何それ、上条って変な人に好かれるんだね。」

 

「だから春日部なんて可愛いもんだよ。」

 

可愛いと言われて春日部は顔を赤くする

 

「上条みたいな人に会ったのは初めて。今までは気色悪いとばかり言われていたから。十六夜はちょっと違うけど。」

 

『お嬢…。』

 

なんでこんな話題にしたのか春日部自身もわからなかった、ただ上条になら話してもいいと耀は思った、三毛猫もこんな春日部は見た事ないのか驚いていた

 

「そうか?さっきも言ったけど動物と話せるなんて上条さん羨ましいと思うよ。それに今日の試練だってカッコよかったしな。」

 

今まで耀は自分の力を恐れられたり。気色の悪い娘や、電波娘と蔑まれてきた。だけどそんな自分を褒めてくれる、耀は振り返り上条の背中を見る。上条の背中はそこらじゅうに傷が出来ていた。どうやったらそこまで傷だらけになるのか不思議に思ったが今聞くとのぼせそうなので、また別の機会に聞くことにした

 

「じゃあ私はもう上がるね。」

 

『お嬢、良かったな。此処にはお嬢の事を分かってくれる人が沢山いて。』

 

「うん、本当に此処に来て良かった。」

 

三毛猫を抱えながら立ち上がろうとする、が不幸にも足を滑らしたのか耀は上条の方に倒れこむ

 

「あっ。」

 

「え、フゴッ。かぼっ!?」

 

耀の声に振り向くと上条の視線の先には白い素肌が一面に広がる、一瞬だったので何が起きたのかわからない上条だがお湯の中に押される、口や鼻にお湯が入り込むものだから必死にもがくと手が慎ましくも柔らかい何かを掴む

 

「ひゃ!?」

 

耀から可愛らしい声がする、そんなのを気にはしていられない上条は手を動かす。柔らかくて気持ちいいのでずっと掴んでいたくなるが、溺れながらも上条の思考がある事に辿り着く。急いで上条は脱出する

 

「…変態。」

 

「す、すみませんでしたぁぁぁぁ。」

 

耀は自分の胸を押さえながら上条を睨みつける。自分のしでかした事に気付いた上条は水中土下座を試みる。

 

「…貸しだから。」

 

それだけ言い耀は溺れている三毛猫を拾い脱衣所まではしりさる。上条は何かされると構えたが、何もないので再び夜空を見て落ち着き

 

「…上がるか。」

 

 

今起きたことは後日ちゃんと謝るとして、明日は最初のギフトゲームだ、気を引き締める。そのまま黒ウサギから貰ったパジャマに着替える。何であるのかは聞かないで欲しい

 

自室に着くとオティヌスがベット上で立ち、睨んでいた

 

「オイ。」

 

ドスを効かせた声で上条に声をかけるが

 

「明日は大変だろうし、もう寝るぞ。」

 

当然のごとく無視する、今ここで無視しないと長くなりそうだと直感で思った

 

「って、人の話をだな!本気で寝ようとするなっ!」

 

オティヌスが怒鳴ってるが上条は色々あったので疲れたのか直ぐに寝た。久しぶりのベットは心地よかった

 




感想や評価など心待ちにしております。
春休み中なのですぐに続きを投稿できると思います!

挿絵何描こうかなぁ


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