復帰作()な訳ですがほぼ処女作です
文の書き方もわからないし地の文なんて…くっ!
書いてるうちに上手くなりまぁす(白目)
1話
「へぇ、オティヌスね、北欧神話の主神オーディンの別名だったな」
逆廻十六夜は上条当麻の肩に乗るオティヌスをじっと見つめる、さながら品定めをするかのように。
「ほぅ、良く知ってるな。見た目に反して博識なんだな」
「ヤハハ、こう見えて知的派なんでね。それに、そんな小さいのにどうやって生きてるか気になるしな」
口だけが笑う、十六夜の目は尚もオティヌスを見る。
「企業秘密だ」
それだけを言うと、後はもう何も言わないぞと言わんばかりに口を閉じた。するとその様子を見ていた飛鳥と耀がオティヌスを見つめる。
「それ私も気になる、貴女は本当に人間なの?」
「……。妖精?」
「先程も言われた通り私は普通に生きている、だが妖精か…それが一番近いかもな」
一度は人間と言われ納得したが、妖精と呼ばれると何か思う節があるのか顎に手を当て目を伏せる。だがそんなことを許すはずもない理解者がいる。
「オティヌスは普通に生きている。妖精じゃないさ」
そう強く言い上条の瞳には優しくも強い意志があった。
「…そうだな、私は人間だよ」
上条の言葉に頬を少し赤くし口元が緩む。それを隠すように帽子を深く被った。その2人をみてこれ以上追求するのは野暮だと思ったのかオティヌスについて聞かなくなった。
「(うわぁ…、あの1人…いえ2人(?)を除いて問題児ばかりみたいですねぇ…)」
湖に落ちてきた5人を見ていたうさ耳のついた少女は物陰に隠れながら陰鬱そうに重くため息を吐いた。だが少女が一つ気になってることがあった。
「(しかし黒うさぎが呼んだのは確か3人だけのはず、あのツンツンヘアーの方々は一体…。なんならかの手違いがあったのでしょうか?…いえ、だとしてもあの3人は人類最高峰のギフト所持者らしいですし、どうしても入って貰わないと黒ウサギは、黒ウサギは…ッ!)」
十六夜は周りを見回して苛立たしげに言う。
「それでだ。呼び出されたはいいんだけど、何で誰もいねぇんだよ。この場合、紹介状に書かれてた『箱庭』の事を説明する人間が居るんじゃねぇのか」
「そうね、なんの説明もないままでは動きようがないもの」
「………。この状況に対して落ち着きすぎているのもどうかと思うけど」
「(全くもってその通りですけど、黒ウサギが出て行くタイミングが無いんです。)」
密やかに突っ込みを入れる、パニックとかになってれば飛び出して状況説明なりしやすいのだが、ここまで落ち着いてられると出るタイミングを測れるわけもない。
「(悩んでも仕方ないですね、腹を括りますか)」
これ以上待たせると罵倒をあびせられまる可能性がある、出て行こうにもタイミングが必要なのである。そんな事を悩んでるうちに上条が疑問に思ってたことを言う。
「なぁ、さっきも言ってたけど紹介状って何の事だ?上条さんはそんなの受け取ってないんでせうが」
そう、この上条当麻には十六夜や飛鳥、耀に届いたという手紙が来ていなかった。
「はぁ?お前も手紙を貰ってここに来たんじゃねぇのか?」
十六夜の疑問はもっともである、此処にいる上条以外が手紙を貰い、とある招待状を読んでこの世界に来たのだから。
「いや俺はそんなの知らないぞ、知り合いからの頼まれ事を聞いてる途中で気を失って、気が付いたら此処にいたしな」
上条の言葉に嘘はないと、十六夜は表情を見て判断するが納得はいかなかった。
「ふぅん、訳ありってことか。じゃあその辺も含めてそこに隠れてる奴から聞いてみるか?」
物陰に隠れていた黒ウサギは心臓を掴まれたのように飛び跳ねる。
「なんだ貴方もか気づいてたの」
「当然、かくれんぼは負けなしだぜ?」
「…風上に立たれたら嫌でもわかる」
「敵意がないし、その招待状を送った人なんじゃね」
「……へぇ面白いなお前ら」
軽薄ながらも何処か楽しげにわらう十六夜、目は笑ってないが。十六夜と飛鳥と耀は理不尽な招集に加え上空に呼び出された腹いせに殺気が籠った冷ややかな視線を黒ウサギに向ける。あまりの視線に耐えられなくなったのか黒ウサギが飛び出てくる。
「や、やだなぁ、そんな狼みたいに怖い顔をされると黒ウサギは死んじゃいますよ?えぇウサギは往来孤独と狼には滅法弱い生き物なのです。そんな脆弱な黒ウサギに免じてここはひとつ穏便に御話を聞いていただけないでしょうか?」
「断る」
「却下」
「お断りします」
「ウサギ…?」
「こいつがか…」
「あっは、取り付く暇もないございませんね (肝っ玉は及第点、ツンツンヘアーと小人さんは何か無駄な事を考えてるようですが、この状況でNOと言える勝ち気は買いです。問題児ばかりなのは難点ですが)」
両手をあげて降参のポーズとる黒ウサギ、しかしその目は冷静に問題児達を値踏みしていた。それに黒ウサギはおどけつつも、どう接するか考えを張り巡らせている。おもむろに耀が不思議そうに黒ウサギの隣に立ちうさ耳を根っこから鷲掴みして。
「えい」
「ふぎゃ!」
思いっきり引っ張ってた。
「ちょっとお待ちを!触るのならいざ知らず、まさか初対面で黒ウサギの素敵耳を引っ張るとは、どういう了見ですか!?」
「好奇心のなせる業」
可愛らしくドヤ顔をする耀、だがしかしうさ耳を引っ張るのは止めない。
「その好奇心を別の所に注いで下さい!」
「このうさ耳本物なのか?面白そうだな」
今度は十六夜が右から掴んで引っ張る。
「じゃあ私も」
さらに耀と交代で飛鳥が左へとうさ耳を掴み左右に引っ張られた黒ウサギは助けを求める目で上条をみるが。
「おい人間、右手で迂闊に触るなよ、そしてあいつの近くに寄れ」
「わかってるよ、つか触りたいだけかよ!」
現実は非情だった。
「ちょ、ちょっとお待ちを!!」
黒ウサギは言葉にならないような悲鳴をあげ、その絶叫は近隣に木霊した。
そしてオティヌスは大変満足気な顔をしていた
「っ!?ありえないの、ありえないのですよ!?まさか話を聞いてもらうために小一時間も消費してしまうとは。学級崩壊とはこのような状況をいうに違いないのデス」
「おい人間、あいつの耳で遊ぶぞ」
「遊ばないでください!」
「わかった、まぁサラサラしてて気持ちよかったしずっと触りたい感触ってやつか」
半ば本気の涙を瞳に浮かばせながらも、黒ウサギは必死にツッコミを入れた。
「しかも勝手に了承しないで下さい!黒ウサギの素敵耳を褒められるのは嬉しいデスが!」
「おいおい勝手に話を進めるなよ、こいつの耳は皆もんだろ?」
「いい加減にして下さい!話をさせて下さい!」
自慢の耳を褒められて嬉しいのか頬を赤らめる黒ウサギだが、十六夜も場を乱すので強制的に話を聞いてもらえる状況を作ることに成功した。みな海岸に座り込み、3人は彼女の話を《聞くだけ聞こう》という程度には耳を傾けている
「わかったから、いいから話を始めろよ」
黒ウサギは気を取り直して咳払いをし、両手を広げて。
「それではいいですか、皆様方。定例文で言いますよ?さぁ言います!ようこそ『箱庭の世界』へ!我々は皆様の様にギフトを与えられたものたちが参加が許される"ギフトゲーム"への参加資格をプレゼントさせて頂こうかと召喚しました!ここまでよろしいですか?」
「ギフトゲーム?」
「YES!既に気づいていらっしゃるでしょうが、皆様方は普通の人間ではございません!ほの特異な力は神羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。『ギフトゲーム』はその恩恵を用いて競い合うためのゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト所持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある"コミュニティ"に必ず属していただきます」
「嫌だ」
「属していただきます!そして『ギフトゲーム』の勝者はゲームの主催者《ホスト》が提示した商品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております」
「……。主催者って誰?」
「様々ですね。修羅神仏が試練と称し開催させるものや、コミュニティの力を誇示するため独自で開催する者達もございます。中には凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょうが、見返りは大きいです。主催者次第で新たな恩恵≪ギフト≫を手にするのも夢ではありません。ただギフトを掛けた戦いで負ければご自身の才能を失われるのもあしからず」
黒ウサギは愛嬌たっぷりの笑顔だが黒い影をみせる。
「質問いいか?」
静聴していた十六夜が威圧的な声を上げる、ずっとしていた軽薄な笑顔が無くなったことに気づいた黒ウサギは構えるように聞き返す。
「どういった質問です?ルールですか?ゲームの事ですか?」
「そんなものどうでもいい腹の底からな」
十六夜は黒ウサギから視線を外し他の人を見まわし、天幕によって覆われた年に向ける。
彼は何もかも見下すような視線で一言。
「この世界は…面白いか?」
飛鳥と耀は返事を待つ。彼らの招待状にはこう書かれていた。
『家族を、友人を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い。』と、それに見合うだけの物があるかが重要だった。
「YES!ギフトゲームは人を超えた者たちが参加できる新魔の遊戯。箱庭の世界は面白いと、黒ウサギが保証します!」
「俺も質問なんだけど"白夜叉"って知ってるか」
「えぇ、知ってますよ。でも何で白夜叉様を知っているんですか?」
「あぁ、知り合いに教えてもらってね」
「むむっ、何やら訳ありの模様ですね…、どのみち白夜叉様には会う予定でしたのでその時でよろしいでしょうか?」
「そうしてくれると助かるよ、それと上条さんは普通の高校生だからな」
「お前のような奴が普通なわけあるか」
上条が自分は普通と言ったが、あえて言わせてもらう上条当麻もまた『人類最高峰のギフト所持者』と。
如何でしたか?
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