ダンガンロンパQQ   作:じゃん@論破

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Twitterネタまとめ2

#弾丸論破才能総入れ替え企画

晴柳院(天文部)「夜中に出歩くなんて怖くてできません」

屋良井(バリスタ)「ちょっとスタバ行ってくる」

アニー(棋士)「コマが読めないわ」

飯出(歌姫)「ボエエエエエエッ!!!」

六浜(野生児)「できるかあッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#ピュアなうちの子がクズ発言

晴柳院「目障りなんじゃワレ、消えろ」

滝山「馬鹿から搾取した金で食う飯が最高に美味い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#うちの子でお伽噺パロ

 昔々、貧しい身なりをした、白雪命(しらゆきのみこと)という女の子がいました。

 

晴「よ、汚れは下賤の悪霊を現世に留める力がありますぅ!きれいにせんとぉ!」

 

 そう言って誰も頼みもしないのに、お城のあちこちを掃除しては盛り塩と護符を置いていました。そんな城には、女王様が君臨します。女王様の名はマドカと言いました。マドカは魔法の鏡に言います。

 

穂「この世で一番美しいのは私ですか?」

有「みこっちゃんマジ天使」

 

 即答でした。

 

穂「不出来な鏡ですこと」

 

 女王様は怒って、従者に命令しました。

 

穂「晴柳院さんを始末してください。この世から永久追放です」

鳥「流石にそれは」

穂「従者の身で、拒否権があると思って?」

鳥「も、申し訳ございません・・・」

 

 結局従者は命令を受けてしまいました。そして白雪命に言います。

 

鳥「女王様がお怒りです。どうかお逃げください」

晴「そんなぁ・・・」

 

 白雪命は森へ逃げ、森の中で小さな家を見つけました。

 

晴「除霊せんと休憩もできません」

 

 護符を貼ってから白雪命が小屋で休憩していると、小屋の住人たちが帰ってきました。

 

屋「あーだりー」

清「ねみぃ」

ア「コーヒー飲みたいわ」

滝「ハイホー!ハイホー!」

石「今日も宝石コレクションが潤うわ」

飯「列にならんかお前らァ!!」

古「くだらん」

 

 全員小人で、癖が強すぎました。

 

晴「お、お邪魔してますぅ」

滝「ぎゃーっ!きょじん!くちくくちく!」

屋「家があああああ!?」

石「うっさい!女の子なんだから優しくしろっての!」

ア「コーヒーいかが?」

飯「困ったことがあったら俺を呼べ!すぐ助けてやる!」

 

 白雪命は小人たちにもてなされ、そこで匿われることになりました。その頃お城では、マドカがまた鏡に尋ねます。

 

穂「この世で一番美し」

有「みこっちゃんかわいいよみこっちゃん」

穂「・・・どういうことですか鳥木君?」

鳥「わ、私は鳥木ではございません!『Mr.Tricky』でご」

穂「命令に背きましたね?」

鳥「申し訳ございませんでしたああああっ!!!」

 

 白雪命が生きているとを知ったマドカは毒林檎を作り、老婆に変装して小人の家を訪ねました。

 

明「そこのわっぱよ!わしのこの毒入りリンゴを食うてみい!」

 

 ハイテンションで訪ねました。

 

晴「ど、毒入りって言うてもうてるやないですか・・・そんなんいりませんて」

明「まどろっこしいこと言わんで、若いんじゃからガブッといかんかい!」

晴「はぐぅっ!?」

 

 毒林檎を食べた白雪命は眠りにつきました。

 

清「こんなんあったら気分わりぃだろ」

 

 アホ毛小人の提案で硝子の棺に収めることにしました。そこへ、馬に乗った王子が現れました。馬に乗ったというより、馬のひくソリに乗っていました。

 

望「馬はこれでいいのだろうか」

笹「女の子に運ばれてるってだけで罰ゲームだよ・・・」

曽「似合ってるから無問題だよ!」

 

 王子は硝子の棺ごと白雪命を城に連れ帰ろうと、付き人に運ばせました。

 

曽「さ、さすがに重いぃ・・・!」

笹「曽根崎くん大丈夫?」

曽「もう無理ッ!」

笹「あっ!」

晴「ひゃああああああああっ!!?」

 

 付き人が棺を落とすと、ショックで白雪命は蘇りました。

 

笹「どういうこと!?」

曽「原作準拠だよ」

晴「はうあぁ・・・こ、ここは?」

笹「あ、あの、僕のお城に来てくれるかな?」

晴「ふえぇ!は、はいぃ・・・!」

望「曽根崎弥一郎、ソリをひくのを手伝え」

曽「ええ・・・ボク馬役じゃないのに」

 

 蘇った白雪命を連れて、王子は国に帰り、二人は末永く幸せに暮らしましたとさ。

 

 

六「こいつらにやらせたのが間違いだった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#うちの子の秋

ア「日本は秋が一番キレイだって聞いたわ」

六「そうだな。紅葉狩りなどの行楽も風物詩だ」

ア「狩り・・・タカショーね」

六「その狩りではない。銀杏を眺めるのだ」

ア「イチョウ・・・スモウレスラーを見に行くのかしら?」

六「それも銀杏だが違うそうじゃない」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

明尾「最期まで愛する人と共にいて先に逝くことと、愛する人の最期を見届けて少し長く生きること、どちらが幸せかのう?」

六浜「簡単に答えなど出せんが、明尾の場合はもれなく後者になるだろう」

明尾「そうなのか。うむ、六浜に言われては覚悟しなければな」

笹戸「たぶん僕でも分かるよ・・・」

 

望月「清水翔。ちょっと私を壁際に追い詰めて壁に片手を突いてみてくれないか」

清水「(壁ドンってやつか・・・)」ドンッ

望月「私に乱暴するつもりなのだろう。エロ同人誌みたいに」

清水「誰に教わった」

望月「曽根崎弥一郎だ」

曽根崎「言わないって約束し」ボキッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曽根崎「今日はメガネの日なんだって。あとネクタイの日でもあるんだよ」

アニー「コーヒーの日とも聞いたわ」

曽根崎「新聞を片手にカップを傾ける意識高い系ボク。どう?」

清水「うぜえから死ねばいいと思う」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「笹戸君が羨ましいです」

「え、なんで?」

「魚を調達する術と知識を豊富にお持ちだからです。野草ばかりではタンパク質が摂れません故、魚が釣れるというだけで栄養バランスは大きく調整されます。ああ、あの頃は大豆に大変お世話になりました」

「私もあの頃、そんな知識を持っていれば、より良い生活ができていたのか、と思うと」

「よかったら釣り、教えてあげようか?」

「素晴らしい。ですが私も、泥鰌やザリガニやタニシなら多少の心得がございます」

「なんだろう、すごく涙を誘われるや・・・」

 

「鳥木くんはすごいなあ」

「何がでしょうか?」

「だって鳥木くん、自力でマジシャンに、しかも“超高校級”にまでなって家計を支えてるなんて」

「いえ。私にできたことが、偶然皆様の目に留まっただけのこと。私より優れたマジシャンは星の数ほどいらっしゃいます」

「鳥木くんって腰低すぎないかな。一周回って嫌みになっちゃう勢いだよ。敬語なくして喋ってみたら?」

「い、嫌みだなんてとんでも・・・ああ、この敬語がいけないのでございますね。ええっと・・・何を喋ればよろしいのでしょうか。あっいや」

「無理みたいだね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逆上がり編

曽「いやー昔はできたんだけど最近ご無沙汰だからなーできるか分かんないやー。ホント、小学生の頃なら何回でもできたのになーあの頃戻りたいわー懐かしいわー」

石「できないならできないって言いなさい」

#今日は体育の日

 

卓球編

屋「ど、どうなってやがる!?」

明「どこに打ってもわしの手元に戻る!わしは一歩も動くことなく打ち返し続けられるのじゃ!これぞ、明尾ゾーン!」

屋「卓球をしろ卓球を!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#一番目にリプきたキャラと二番目にリプきたキャラの性格を入れ替えて文章を書く

「みこっちゃ〜ん♡」

「ぬあああっ!!抱きつくな有栖川!!止めろ!!呆け者ォ!!」

「!!」Σ(゜д゜)ガーンッ

 

「おい六浜、一局付き合え」

「ふえ・・・お、お手柔らかにお願いしますぅ・・・」

「なんだその軟弱な態度は。気色悪い」

「はうぅ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10/19(清水の誕生日)

「はい清水クン、誕生日プレゼント。誕生日だから清水クンが一番欲しそうなものだよ」

「(どうせアホ毛いじりで整髪剤かなんか・・・)なんだこれは」

「セノビック」

翌朝、曽根崎が無惨な姿(セノビックまみれ)で発見された。

 

「清水翔、誕生日ケーキだ」

「ろうそくぶっ刺さったチーズケーキってのは初めて見た」

「アンジェリーナ・フォールデンスにお前の好みを踏まえて教えてもらった」

「なんであいつが俺の好み知ってんだよ」

「味はどうだ」

「普通にうまい」

「レシピ通りに作ったからな」

「そうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10/21(古部来の誕生日)

「今日は古部来が誕生日だからな。お前の好きなサンマの塩焼きを作ったぞ」

「秋刀魚は海水魚のはずだがな」

「私もそこはよく分からん。で、どうだ。脂ののった新鮮なサンマだぞ」

「やはり魚料理は笹戸が一番腕が良い」

「ぬ・・・そうか」

「(六浜さん、暗に褒められてるの気付いてないね)」

 

「おい古部来」

「なんだ」

「俺ら呼ばれてる」

「なぜ俺とお前が?」

「誕生日が二日違いだからいっぺんに祝おうとしてやがんだ」

「よりにもよってお前と纏められるとはな」

「こちとらの台詞だボケ」

「馬鹿が。暴言で祝おうとしている奴ら気分を損なわせるなよ」

「テメエが言うな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

#たまごかけご飯の日

石川「卵かけご飯の可能性はみんな見直すべきよ。醤油もめんつゆもポン酢も納豆もキムチも山葵も合う万能食なんだから」

清水「だからっつって晩飯が飯と卵だけってなんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハロウィン前日の一幕』

「(›´ω`‹ )」ゲッソリ

「だ、大丈夫か有栖川?かなり疲れているようだが、どうしたんだ?」

「ハロウィンの仮装の衣装作ってんの・・・3日前から徹夜で」

「そ、そうか。どれ、私も手伝おう。どれくらい進んでいるんだ?」

「まだみこっちゃんの服のデザインまでしか」

「おい」

 

「だってみこっちゃん何着せたって似合うし可愛いじゃん!?デザインだけで3日くらい使うっしょ普通!」

「知るか!踏んでもいない地雷を勝手に起爆させるな!」

「その他14人分はもうできてんの。あとはみこっちゃんとアタシのペア仮装だけなんだけど・・・」

「本当にブレんなお前は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10/31(ハロウィン)

 「はろいん」(・_・)

 「ハロウィン、10月末はそういうお祭りなんだよ」

 「まつりかー、まつりはいいよな。まつりすきだ」ε= ( ´ ∀ ` )

 「でね、みんなからお菓子がもらえるんだって」

 「おかし!」Σ(°∀°*)

 「ちゃんとトリックオアトリートって言えればね」

 「・・・手にかいてくれ」(・∀・)_

 「ちょっと賢くなったね滝山くん」

 

 油性ペンでさらさらり。『とりっく おあ とりーと』。

 

 「ほぅほぅ、とりっくおあとりーと!」( `・ω・´ )

 「そうそう」

 「よし!言えたからおかしくれささど!」( `・ω・´ )_

 「そうくると思って用意してたよ。はいこれ」

 「アメだー!」\(°∀°*)/

 「塩飴。夏場はお世話になるんだ。一気に舐めるとしょ」

 「しょっぱーーーーっ!!?」Σ °.・ ( °ε° 川)

 「やると思ったよ!!」

 「あまくないぞ!しょっぱいぞ!」ε=( ` д ´ )

 「うーん、しょうがないなあ。普通のアメもあげるよ」

 「わーい!なあささど!これなんかいやってもいいのか?」( ´ ∀ ` )

 「まあ、みんなに一回ずつはできるかな」

 「じゃおれとささどじゃないやつがいち、にぃ・・・うん、いっぱいもらえる!」( `・ω・´ )

 「そうだね(諦め)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『駄菓子談義』

明尾「駄菓子はスナック菓子よりよっぽど安うて経済的じゃぞ。白飯と合わせたり茶請けになったり汎用性も高い」

鳥木「分かります!!とても!!うまい棒ふりかけやベビースター丼のなんと美味なること!!因みに私のお気に入りは梅ジャム茶漬けです!!」

明尾「こやつできるッ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

11/11 #リプできた二人にポッキーゲームさせる

石アニ編

「食べ物であそべるなんてニッポンは幸せね・・・」

「重ッ!?」

「だけど楽しそうだからやるわ。せーのでいくわよ」

「いいよ、負けないから!」

 ーーーーー

「あれー?アニーサンも石川サンもなんで目合わせないの?ねえねえなんでなんで?」←見てた

「うっさい!!」

「ぎゃふんッ!!?」

 

 

穂鳥編

「こういう時は男性からと決まっています」

「え、えーと・・・失礼します」

「鳥木君、目を閉じなさい」

「ふぁっ!?は、はあ・・・では。(ん?ポッキーがどこにも・・・)あの、穂谷さん?」

「もう開けてよろしいですよ」

「え?・・・あっ」

「甘いです、鳥木君」モグモグ

 

 

古部笹編

「ど、どうしようか古部来くん・・・ッ!?」

「・・・」(ゴゴゴ・・・)

「(なんでもうくわえてるの!?やる気なの!?・・・いや違う!!完全に威圧してるこれ!!)」

「先手必勝、勝負の基本だ。さあどうする」

「・・・ま、負けでいいよもう」

「よし」(もぐもぐ)

 

 

あけみこ編

「ではよいな晴柳院!」

「ふぁい・・・」

「よーい始め!」(サクサクサクサク)

「はわわあっ!?」

「なんじゃもう終わりか、呆気ないのう」

「明尾さん躊躇わなさすぎですって・・・」

「今のではつまらん、もう一番じゃ!」

「か、堪忍してくださぁい!」

 

 

モノ清水編

《心ポッキーゲーム》

「おいコラなんのマネだ!!なんで俺が処刑なんか」

「うぷぷ、安心してよ。ボクからのプレゼントで死にはしないからさ!いいから咥えろよ!」

「んぶっ!?」

「それでは、張り切っていきましょーーーぅ!」ハァハァ

「ん゛ん゛ん゛ー!!!」

アーッ!

 

 

有栖川&有栖川編

「またぬいぐるみ作って徹夜しちゃった・・・ポッキー食べて寝よ。ん」

ふと鏡に映る自分と目が合う。咥えたポッキーと映るポッキーが一直線になるよう位置を調整。食べきる。

「なにやってんだろアタシ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『星を見に行こう』

 

 俺は、夜空というものをよく知らない。月が輝き、星が瞬き、後は深い黒だということは知っている。だがこの目で直に見たことは殆どない。俺の知っている空には、常に太陽がいた。

 

 「すぐベッドに入っちゃうからじゃない?」

 「・・・」

 

 俺はそこらの馬鹿と違い、常に脳を全力で働かせている。過去の俺自身を超えるには、過去の俺を上回る思考が必要だ。十手先より百手先、百手先より千手先を読み続けようとしていたら自ずとそうなった。それだけのことだ。だが常人以上に働かされる脳は、常人以上の休息を要した。八時間では足りん、少なくとも半日近くは休む必要があった。それでも通常の三倍の速さで考えれば常人よりも先を読める、俺はそれを受け入れた。

 その生活によって失われるものなど、考えたこともなかった。そんなことよりも如何に過去の俺を詰めるかの方が、俺には重要だったからだ。

 

 「夜はステキよ。シックでアダルティな時間だもの。夜空を見上げて星を数えながら、大好きな彼と・・・キャッ」

 「ふん、表で女といちゃつくような軟派者のどこが大人だというのか」

 「あらそう?ロマンティックだと思うけれど。だけど、みんなで星を見るのもいいわよ」

 「星と聞いて」

 「「っ!!?」」

 

 日本茶と珈琲を淹れてアニーとチェスに興じていたら、台所から望月が現れた。いたのか貴様。

 

 「六浜童琉の予言によれば、今夜は晴れて、風は穏やか、気温も申し分ない、絶好の天体観測日和だそうだ。そして今日は西の空に流星群が現れる。またとない機会と言えよう」

 「リュウセイグン?」

 「流れ星が多く出現するということだ」

 「アー!メテオスウォームね!ステキだわ!」

 「英語だとそんなに物々しいのか」

 

 唐突に現れたと思ったら今夜の空模様について説明しだした。直接は言わんが、俺とアニーを天体観測に誘っているのか?色々な意味で豪胆な奴だ。俺とは対照的にアニーは気が乗っているようだが。

 

 「実はニッポンの星空って一度見てみたかったの!ウサギが川の向こうの恋人にオリオンをなぞって会いに行くのよね?」

 「色々と混ざり過ぎているな」

 「ねえラン!ワタシたちも行っていいかしら?」

 「むしろ歓迎する。望遠鏡や防寒具や撮影機材などを展望台まで運ぶのに、私一人では手に余るのだ」

 「任せて!ワタシ、これでもフィジカルワークには自信があるの!」

 「それは好都合。古部来竜馬にも手伝いを依頼する」

 「休息時間を削ってまで見る価値があるとは思えんな」

 

 興味がない、というと嘘になる。だが流星群と言えどつまりは隕石の燃焼、俺の脳に鞭を打ってまで見る必要も理由も感じない。

 

 「・・・そうか。まあ気にするな、お前はダメ元だ」

 「ん?」

 「そうよね。リョーマったらママの言いつけを守る子どもみたいに寝るの早いもの。ミッドナイトなんて起きていられないわよね」

 「んん?」

 「機材もかなり重いものだ。普段から将棋ばかりしている古部来竜馬では運べないかも知れないからな・・・」

 「望月、待て」

 

 残念無念といった雰囲気は噯にも出さず、淡々と望月は言って食堂を出ようとした。何故だか俺は、その背中をそのまま行かせてしまうことが堪らなく許せず、つい引き止めてしまった。俺自身の行動に理解が追い付かなかったが、ここで引き下がってはそれこそ恥だ。

 

 「この俺に、高が普段より数刻長く活動することができないだろう、だと?将棋ばかりで撮影機材を持って山を登る程度のことができまいと?随分と侮ってくれるではないか・・・!」

 「違うのか?」

 「ふん!馬鹿にナメられて黙っていられるほど気は長くない!よかろう、貴様らにこの俺の本気を教えてやる!今宵は覚悟しておけ!」

 「(チョロい)」

 「(チョロいわ)」

 

 斯くして、俺は軽率にも無意味な夜更かしと馬鹿の為の労働を自ら宣言してしまった。あれしきの挑発に乗ってしまうとは、俺も未だ未だ未熟ということか・・・!だが武士に二言はない。こうなれば奴らが感服する程の働きをして、奴らの度肝を抜いてやらねば。

 そして、その日の夜。夜時間を報せる放送を聞くのは久し振りだ。それでもまだ望月との約束の時刻まで二時間ある。既に瞼が石のように重い。

 

 「・・・・・・んゴッ!い、いかん!寝るな、起きることに集中するのだ・・・集ちゅう・・・・・・・・・ふガッ!くっ!す、睡魔め・・・小癪な!貴様ら如き盤上でならば束になっても負けんというのに(?)」

 

 いかんいかん、寝まいと集中しようとすると余計に眠りに誘われる。慣れんことをしている所為で思考も鈍っているようだ。この俺が取り付けた約束を寝過ごして反故にするなど許されるべきでないし俺自身が許さん!

 

 「んん・・・ゆるさんぞゆるさん・・・・・・うおっ!?ね、寝言・・・だと・・・?」

 

 寝言で眠らんぞとはこれ如何に。寝言は寝て言え馬鹿め、いや寝言を寝て言っているから正しいのか?違う寝てはいかんと言うに!兎に角寝るな、寝るな古部来竜馬!高々一時間の我慢を二度すればいいのだ。

 

 「そうだ・・・・・・たったそれだけのはn・・・ブはっ!」

 

 愈々本格的に対策をせねば、約束を反故にするどころか碌な睡眠すら摂れずに双方共倒れになってしまう。しかしどうすれば・・・そうだ。確か個室以外での睡眠は禁止だったな。つまりこの部屋を出て行けば、寝てしまおうなどと軟弱な誘惑に靡くこともなくなろう。

 

 「よし」

 

 俺は早速部屋を出、生徒手帳で部屋に鍵をかけた。これで寝るに寝られんぞ。ただ表にいるだけでは手持ち無沙汰なため、馬鹿でも将棋に付き合う奴はいないかと食堂に行ってみることにした。夜中に出歩くなどいつ以来だろう。何故こんなことになったのやら。悔いても仕方ない、一先ず水でも飲もうと食堂の扉を開いた。

 

 「あらリョーマ。待ってたわ」

 「?」

 

 よく見ると灯りが点いていた。誰かいるのかと思えば、アニーが座っていた。硝子のコップに入った珈琲をストローで回し、水差しになみなみ入った珈琲の香りを吟味してから、もう一つ空のコップに注いだ。

 

 「ベストタイミングよ。これだけ冷たければ目も覚めるわ」

 「お前は鼻で温度まで分かるのか」

 「うふふ、バリスタはコーヒーのことならなんでもわかるのよ。どう?」

 「頂戴する」

 

 受け取ったコップ越しに、珈琲の冷たさが指先から伝わる。一口含むと、冷たい感覚が一気に口から喉、そして胸へと落ちていき、同時に脳まで冷たさに驚いて叩かれたように目が冴えた。深みのある苦味、そしてコクが後から舌を過ぎて鼻から抜けていくのを最後に、その一口は後を濁さずに消え去った。

 

 「おお・・・!」

 「どう?とっても深いビターテイストの豆と後味のいい豆をブレンドしたの。目は覚めたかしら?」

 「あ、ああ。かなりマシになった。忝い」

 「いいのよ。ワタシも退屈だったから・・・リョーマ、リベンジしてもいいかしら?」

 「いいだろう」

 

 やはり飲み物はアニーが一番だな。あれだけの眠気をたった一杯で吹き飛ばすとは、流石は“超高校級”だ。チェスをしていればこのまま眠気に纏わり付かれることもあるまい。俺はアニーの向かいに座り、冴えた脳をまた働かせ始めた。

 盤と向かい合っている間は、雑念は消え失せて純粋な思考ができる。先まで少し気を抜けば飛んでいきそうだった意識は確りと冴え渡り、盤上の全ての駒の動きを支配しているかの如き優勢だ。当然だがな、たとえ疲弊した脳と言えど、この俺がこの程度の相手に敗れるわけがない。こうなると、時間が経つのは早いものだ。

 

 「アンジェリーナ・フォールデンス、古部来竜馬。共にいるな。それにしても、昼間と同じ光景だな」

 「む、望月か」

 「ハーイ、ラン。眠気はどう?ウェイクフルブレンドコーヒーはいかが?」

 「私は慣れている。それより機材を運ぶのを手伝ってくれ」

 「いよいよね。それじゃあリョーマ、このゲームはオアズケにしない?」

 「必要ない。お前はあと十手以内に詰む」

 「えっ」

 

 さっさと行くぞ、幾ら睨んでも盤面は変わらん。

 

 

 

 

 

 「流石だな古部来竜馬。私とアンジェリーナ・フォールデンスだけでは二往復は要しただろう」

 「フゥーーーッ・・・フゥーーーッ・・・と、当然だ・・・!!」

 「リョーマ大丈夫?コーヒーでも飲んで落ち着く?」

 「お前はそれ以外にないのか・・・!!」

 

 脚立付きの望遠鏡と天体用カメラを合わせると、まあそれなりの重さになった。それでも両腕に抱え肩に提げ残りを背負えば、一度に運べんこともないものだ。望月の奴め、自分が運ばないと思って余計なものまで運ばせおって。

 

 「設置は私一人で行った方が効率がいい。お前たちはその間自由に休んでいろ」

 「ホットコーヒーもあるわ。寒いからブランケットもしないとね」

 「その前に汗を拭わねば、このままでは風邪をひく。風邪など馬鹿が引くものだ」

 「新説だな」

 

 俺が運んできた望遠鏡を望月が組み立てている間、俺は展望台の椅子に腰掛けて体を休めることにした。手拭いを持ってきておいてよかった。それからアニーが水筒に入れて持って来た熱い珈琲で体を温める。望月の準備が終わるまでの間、森の中から聞こえる虫の声にでも耳を傾けていようか。

 

 「よし、設置完了だ」

 「もう?」

 「情緒のない奴め・・・」

 

 手際が良い、と言えばそうかも知れんが、秋の寒夜に虫の声を聞きながら待つ、ということの趣深さを何故分かろうとせんのだ。

 

 「見てみろ。直に流星群が始まる。肉眼で観測できるのは数分ほどだろう」

 「まったく忙しない、本当に情緒のない奴だ」

 「うふふ、楽しみだわ」

 

 労働の休息もそこそこに、望月が用意した望遠鏡の横に立って西の空を見上げた。果てしなく広がる湖の水平線は夜空の黒と混じり合い判然とせず、其処彼処に瞬く星々がその境界を越えて並ぶ。夜の闇とは少しだけ違い青みがかった闇の中に、一際大きく光を湛える星の瞬きが、然し他の星を邪魔することなく目立つ。

 

 「Wow・・・so beautiful・・・」

 「六浜童琉の予言通り、実に快晴だ」

 

 こんな夜空を見たのは何時以来だっただろうか。幼くして将棋の道を究め始め、それからは昼夜を問わず盤に向かい、軈て夜空を見ることもできん程に脳を酷使し、見ようとも思わなくなった。それで失うものなどないと考えていたし、失ったものが何かを知ることもなかった。だが、俺は自分が思っていた以上に、偉大なものを今まで知らずにいたのかも知れん。

 

 「・・・そうか。これが夜空か」

 

 自分の口から出た言葉に、胸の内で静かに感嘆した。俺は、夜空というものをよく知らない。月が輝き、星が瞬き、後は深い黒だということだけは知っていた。だがそれは、俺が勝手に決めつけていたものでしかなく、実に無知なものだったようだ。夜空はこんなにも眩しく、果てしない。

 

 「あっ」

 

 隣のアニーが小さく声を上げた。指さす先には広大な闇。その黒を渡る一筋の光が煌めいた。それらは絶え間なく暗闇から音もなく生まれ、そして刹那に消える。とどのつまりは隕石の燃焼だなどという理屈を並べる余裕はなかった。そんな暇を与えん程に流星は群れを成して夜空を渡る。

 

 「星が流れるまでに三回願い事を唱えると叶う、という民間信仰を知っているか」

 「あら、紙に書いて竹にぶら下げてお願いするんじゃなかったの?」

 「これ程に絢爛な空だ。利益があると考えるのも頷ける。可能かどうかは知らんがな」

 「思い浮かべるだけでもいいらしい」

 「じゃあ、ワタシたちもやってみない?」

 

 どうせ望月はその類の伝承など信じてはいまい。俺とて自ら動かずに神頼みなどせん。だがこの夜空に、己の目標を宣言することもまた一興。次に夜空を見るまでに、俺は必ずそれを達すると誓おう。

 

 西の地平に向かって、一際大きな星が駈けていった。




好評だったためスクールモード代わりのネタまとめ。
最初のいくつかはかなり昔のものを引っ張り出してきたので、自分で読んでて楽しくなっちゃってました。
パンツの話がないのは、清水じゃパンツを集められそうにないからです。それでもがんばって次のまとめには載せられたらいいなあ

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