ホールでの事件の後、俺を含めて集められた奴らは黙ってその場に居続けた。ただ一つ、この状況下で全員が共通して考えてる唯一のことは、モノクマが言った誰かを殺せばここから出られるってこと。この意味不明な状況で提示された「殺し」というキーワードが、見事に俺たちの間に不安を生んでる。
取りあえず俺は自力で槍を全部引っこ抜いてそこから脱出した。もう今まで感じてたいらいらなんかどうでもいい。それよりももっとデカい問題が現れた。だがこんなデカ過ぎる問題、いくら考えても答えなんか見つかるわけがない。どうすればいいかまったく分からん。気付けば携帯とかの連絡手段もなくなってて、本格的に俺たちはここに攫われてきたらしい。
「この周辺を探索することを提言する。ここがどこなのか、どんな場所なのか。それを理解できれば自ずとすべきことが導き出されるだろう」
「そ、そうだな・・・。とにかく状況を把握することが先決だ。各自この周辺を探索し、後に報告会を開くとしよう」
「いやいや、それ何の意味があんだよ?」
「連れてこられたのなら、脱出する道もある。そんなことも分からないのか」
「じゃあみんな探索が終わったらここに集まることにしない?他に入れそうな建物もないしさ」
「よし!じゃあ早速行くぞ!」
機械的な声で誰かが言って、それに別のが続けた。こんな中での冷静な意見に、誰からともなくそれに従って外に出て行った。俺もこんな物騒な建物にいつまでもいるのはごめんだったから、早いとこ部屋に戻ろうと思った。そんな俺を出口で待ち構えてたらしく、ホールを出た途端に曽根崎に捕まった。
「ねえねえ清水クン!一緒に探索しよう!」
「邪魔だどけ。話しかけるな」
「つれないなあ。いいじゃん、ちょっと話聞きたいだけなんだよ。ボクさ、前からキミに興味あったんだよね。あ、別にヘンな意味でじゃないからね。ボクはちゃんと女の子が好きだから!ちなみにこのメンツだとやっぱ『女王様』穂谷サンが注目株だけど、石川サンはグラマーだし六浜サンも堅そうだけど案外チョロかったりするよ!晴柳院サンも清楚な感じで良いよね!明尾サンはテンション高すぎだし有栖川サンはちょっとケバ過ぎかなー、望月サンはちょっと・・・難しいかな。アンジェリーナサンは論外だね。男がいるみたいだし。・・・えっと何の話だっけ?あ、キミのことか。みんなキミのこと避けてるみたいだけどさ、だからこそ神秘的っていうか?謎を秘めてるっていうか?その辺が気になるから、とにかくキミのこともっと知りたいんだよ。だから変な目で見ないでよ、広報委員としてだって!あ、部屋にボクの広報誌あるけど読む?先週号の特集は「次の標的は希望ヶ峰学園!?あなたの近くに這い寄るテロリスト『もぐら』の正体に迫る!」だったかな確か。興味ある?他にも」
「!」
「どはあっ!なんで殴るの!?」
「死ね」
こんなムカつく奴といつまでも一緒にいられるか。くだらねえ話を耳元でやかましく喚くもんだから拳骨で黙らしてやったら、弱っちそうな悲鳴をあげた。それでも俺の後をちょろちょろついてくる。なんで俺なんかの後付いてくるんだ。どっか別の奴のとこ行けストーカー野郎。
「とにかく、ボクたちも脱出経路を探そうよ。ここ割と広いみたいだから、一緒に探索した方が効率よく回れそうじゃない?」
「・・・」
殴ってもまだへらへらしながらついてくる。引き離せない、と直感した。どうせそのうち、俺についてきても面白いことなんか起きねえって分かるだろ。好きにさせて勝手に離れてくのを待つ方が良さそうだ。俺は黙って曽根崎を無視したまま、この辺りを調べることにした。
多目的ホールを出てすぐ左は湖だ。向こう岸が見えないくらいデカくて、泳いで脱出なんてのは無理そうだ。船でもありゃ別だ、あったとしてそんなもん操縦できる奴がいればの話だが。
そのまま右に進むと左側に白い小屋がある。さっきは中に人がいる気配はなかったけど、今は灯りが点いてる。正面に赤い十字のマークがあるから、保健室的ななんかだろう。俺がその前を通り過ぎようとしたら、後ろを歩いてた曽根崎がまた声をかけてきた。
「あれ?清水クン、ここ見ていかなくていいの?」
「・・・」
「もしかしたらここに脱出の重要な手がかりがあるかも知れないのに・・・調査は足で、根気よく。だよ」
「・・・ちっ、うるせえな」
「ダメだよ。みんな手分けして探索してるのに、清水クンとボクだけ雑なことできないだろ?」
だったらテメエが見ろ。勝手についてきてるクセに知るか。そう言おうと思った。けどその前にその建物から人が出て来た。真っ黒な髪と明らかに作り物の笑顔。さすがにこいつには見覚えがある。たぶんさっき集まってた中じゃ俺と同じくらい有名なはずだ。こいつが例の『女王様』か。
「あら、まだこんなところをうろついてるんですか?近場ばかり見ても全く意味ありませんよ。もっと遠くを探索してください」
『”超高校級の歌姫”
「やあ女王様」
「そう呼ばれるのは好きではありません・・・・。いっそ金輪際、わたしを呼ばないようにしてくださる?」
「うへえ!さすがだね。一言一言が突き刺さるよ。そんなことより、この建物で何か分かった?」
「いいえ。安物のベッドや医療器具、薬品などがありました。医務室のようです。あいにく、お馬鹿さんに効く薬はないようです。残念でしたね」
「医務室ね、なるほどなるほど。ありがとう女王様・・・じゃなくて、穂谷サン」
なんでこいつは怒らねえんだ?この女、いちいち人を馬鹿にした言い回しをしてあからさまに俺たちを見下してやがる。怒るどころか最後にありがとうとか言いやがった。やっぱりこいつに普通の感覚を求めても意味がないらしい。穂谷の方とも話すのは止めとこう、さすがに女を殴ったら何言われるか分からん。
医務室からまた小道を進んでくと、個室のある建物が左側にある。道を挟んで反対側にも建物があって、二つの建物は簀の子の床と鉄板の屋根でできた渡り廊下で繋がってる。個室のある方はいいとして、反対側の建物は最初に見たときは矢印看板でふさがれてたのが開放されてる。気になるから覗くことにした。スルーしたら曽根崎がうるさいとかは関係ない。
この建物はどうやら食堂みたいだ。長テーブルと小綺麗な椅子がきれいに並べられてて、さっきの全員なら余裕で入るぐらい広いのはすぐ分かった。壁際に食器棚が並んでて、白い食器が積み重なってる。奥の方の椅子に座って、カップを傾ける外人の女がいる。こっちに気付くと笑って軽く手を振った。そいつが話しかけてくると、曽根崎は俺の背中を押して奥まで進んでった。
「ハーイ、あなたたちもブレイクしにきたの?」
『”超高校級のバリスタ” アンジェリーナ・フォールデンス』
「別に」
「良い匂いだなあ、それアンジェリーナサンが淹れたの?」
「アニーって呼んでちょうだい。そうよ。コーヒーブレイクだもの、コーヒーがないと。ところで、そっちのアップルヘアーのあなたは?」
「清水翔クンだよ」
「勝手に紹介すんじゃねえ」
「ウフフ・・・よろしく、カケル。そうだ、あなたたちもコーヒーはいかが?」
「いらん」
「ボクも遠慮しておくよ。まだ休憩するほど探索してないしね」
「あらそう。日本のティーンはあんまりコーヒーを飲まないって聞いたけど、本当みたいね」
そんなコーヒー誰が飲むか。毒が入ってるかも知れねえもんをそう簡単に受け取るとでも思ったのかこいつは。その残念そうな顔も演技くせえんだよ。だいたいいきなり下の名前で呼んだり自分からあだ名で呼ばせたり、馴れ馴れしい奴だ。
「そこの奥の部屋は見た?」
「ええもちろん。キッチンだったわ。フードもドリンクもすごいバラエティよ。クッキングも楽しめそうね」
「そっか。ありがとアニーサン。清水クン、ここはもうよさそうだよ」
「・・・」
なんで俺に言うんだ。まるで俺がお前を連れ回してるみてえじゃねえか。お前が勝手に俺をつけ回してるんだろうが。勘違いされるようなこと言うんじゃねえ。俺はさっさとその場で回れ右して食堂を出た。曽根崎がアニーに一言言ってからすぐついて来た。テメエはコーヒー飲んでろ。
渡り廊下を挟んで多目的ホールとは反対側の方も見ておくことにした。こっちの方が広いっぽい。目の前で道は二つに分かれてて、右側は正面の山に登る道、左側は山の麓に沿って湖との間の原っぱの真ん中を通る道。山登りなんてして無駄に体力使いたくねえから、俺は迷わず左の道を選んだ。
個室のある建物のすぐ横を通って進んでくと、左側に建物が見えてきた。青黒い色の壁とガラスの建物で、なんとなく堅物みてえなイメージだ。その正面で、さっきの提案に補足した奴が立ってた。何か考え込んでるっぽかったから無視して行こうとしたら、曽根崎が勝手に話しかけに行きやがった。しかも俺のパーカーのフードを引っ張って。
「ぐおっ!?テメッ・・・はなせボケ!」
「六浜サン!何か分かったことある?」
「むっ、曽根崎か。お、おい・・・そいつは大丈夫なのか?」
『”超高校級の予言者”
「いいのいいの」
「よくねえ!」
「・・・まあいい。どうやらこの建物は施錠されているようだ。暗くて中の様子は分からない、だがテーブルと椅子があることはうかがえる。それから建物を挟んで反対側、すなわち湖に面した方にもテーブルと椅子がある。現時点ではこのくらいだな」
「すごいや六浜サン!なんて分かりやすい説明なんだ!」
「結局何の建物か分からねえじゃねえか」
「そうなのだ・・・。強引に侵入して問題になっても困る。どうしたものか」
「お得意の予言でもしてみたら?」
それっぽく説明してるが、結局何も分からずじまいだ。入れねえ建物をいくら調べたって意味ねえだろ。曽根崎の手を解こうとしながらそんなことを思ってると、曽根崎が口走った言葉で六浜の困った目つきが急に鋭く変わった。
「呆け者!」
「えっ?」
「私の言葉を、根拠もなしに確証を持って言われる予言などと一緒にするな!私がするのは予言などではなく、根拠はあるが確証のない推測だけだ!」
「あ・・・ああ、ごめんごめん。そうだったね」
「じゃあ”超高校級の予言者”ってなんなんだよ・・・」
「そう呼ばれてしまっているのだから仕方あるまい。希望ヶ峰学園が肩書きを変えて同一人物を勧誘したことは一度もない。入学するためにはその肩書きを背負わなければならなかっただけだ」
「あはは、じゃあまた後でね六浜サン、ありがと」
そう言って曽根崎は六浜から離れた。俺は曽根崎に引きずられたまま、その建物を迂回して湖側に出た。六浜の言う通り、しょぼいテントを屋根代わりにしたテラスっぽい場所があった。白い丸テーブルと細い鉄をねじ曲げて作られた椅子がそれぞれに四つずつ、合計16個ある。ここにも他の奴がいた。黒っぽい和服を着た、目つきの悪い感じの奴だ。
「・・・そこからは近付くな」
『”超高校級の棋士”
「え?なんで?」
「馬鹿が近くに寄ると馬鹿菌が感染る」
「ひどいなあ古部来クン。そんな冷たいこと言わないで、仲良く協力しようよ」
「協力はしてやる。だからその馬鹿をこっちに近付けるな」
「あ?」
「うん?・・・ああそっか!キミの言う馬鹿ってボクじゃなくて清水クンのことか!」
「とにかくここにめぼしい物はない。さっさと失せろ」
「まだまともに話はできなさそうだね・・・。じゃあもう行こうか清水クン」
「いい加減離せよ!ふざけやがって!」
俺と曽根崎を見た途端に拒絶してくる古部来とこれ以上話すことなんてない。曽根崎が戻ろうとした時の隙を狙って手を払ってやった。やっと解放された俺は、見たくもない面に背を向けて反対側に歩いてった。
湖の岸に沿って歩くと、すぐに湖にせり出した桟橋があった。結構広くて、幅はだいたい3mくらいあるんじゃねえか。岸から離れた湖の上にある建物は煙突があって屋根は瓦、白塗りの壁となんとなく日本らしい。入口は木の引き戸で中は見えない。桟橋の隅っこで湖を覗き込んでる奴がこっちに気付いて、向こうの方から近付いてきて俺と曽根崎に頭を下げた。
「あ、初めまして。えっと・・・ごめんなさい。名前・・・」
『”超高校級の釣り人”
「・・・清水」
「ボクは曽根崎弥一郎。よろしく♫」
「清水くんと曽根崎くん。うん、覚えた。僕は笹戸優真、”超高校級の釣り人”なんだ」
「笹戸クンはここで何してたんだい?」
「ちょっとあの建物が気になってね。排水とかで水質悪くしてたら、せっかくのきれいな景色が台無しだと思って」
「あれはなんだ」
「閉まっててよく分かんなかった。煙突から煙が出てないし、今は使われてないのかも」
「ちなみにこの湖はどう?キミの腕は振るえそう?」
「うん!魚もいっぱいいるみたいだし、水質も問題なさそう。ただ・・・船とかがないからこっちからの脱出は無理かな」
「そっか。うん、ありがと。よかったらあとで釣り教えてよ」
「え、えっと・・・そんな余裕あるかな・・・?」
やっぱそうか。ここがどこかは知らんが、使える船をほったらかしにするような間抜けな誘拐犯もいねえか。嬉しそうな残念そうな顔をした笹戸に曽根崎が呑気に言った。この状況でのんびり釣りなんかしてられる神経が分かんねえが、あのモノクマって奴が言ってたことが本当なら強ち無理な話でもないのかも知れん。笹戸は苦笑いしながら、もう一度あの建物を調べると行って桟橋を歩いてった。
桟橋から陸に戻って、すぐ横は砂利になっている。なだらかに湖の中まで続いていて、川辺のキャンプ場みたくなっている。さすがに湖の中に入ろうとは思わないが、その辺りに女子が二人いる。一人はケバい格好をして猿のぬいぐるみを抱えたツインテールの女、もう一人は巫女っぽい格好をしたちび女。ちびの方はぶつぶつなんか言ってる。
「是即榊也封天門・・・請道満清明太歳神皆給護・・・」
「みこっちゃ〜ん、この辺いてもあんま意味ないっぽくね?寒いし中入ろうって」
『”超高校級の陰陽師”
『”超高校級の裁縫師”
「臨・兵・闘・者・皆・陣・列・在・前!」
「うわっ!びっくりした〜・・・」
「ふう・・・取りあえず天門はこれでええ思います。あとは鬼門を封じたら、元のところ戻りましょう」
「え〜、まだやんのぉ?」
「張り切ってるね晴柳院サン。それ陰陽道のお祓い?」
「ああ、さっきの・・・。これはお祓いやのうて封印の呪文です。湖や海は暗界に通じてて魔を呼びやすい所なんです」
「さっきからみこっちゃん言ってること意味不明なんだけど。ちょっとデンパっぽくね?」
「彼女は陰陽師だから、その儀式だと思うよ。有栖川サンは晴柳院サンと友達なの?」
「別に、さっきが初対面。でもみこっちゃんちっこくて可愛いからついて来てんの」
「みこっちゃんって晴柳院サンのこと?」
「そ。みことだからみこっちゃん」
晴柳院も訳分かんない奴につけ回されて気の毒な奴だ。だが陰陽師だどうだってのは曽根崎と同じくらい胡散臭い。どっちもどっちか。どっちにしてもいち早く誰かを味方に付けておくってのは、これからどうなるか分からない中では一つの選択肢かもしれない。とはいえ無条件に信じてくる奴は逆に怪しいが。軽く会釈してその場を離れるそいつらも、胸の内じゃ互いをどう思ってるかなんて分かったもんじゃない。
砂利の湖畔の先は森だった。獣道すらない薄暗い森で、考えなしに入っていこうもんなら二度と戻っては来れなさそうだ。こっから先は探索できないと思って引き返そうとしたら、考えなしに森に入っていった奴がいたらしく、俺と曽根崎の前にいきなり人間が降ってきた。
「っ!?」
「うわあっ!?」
「よっ!ん、お前らどっかで見たことあるな?」
『”超高校級の野生児”
「い、いまどこから・・・?」
「・・・なんだ。滝山クンじゃないか。驚かさないでよ」
「えーっと、なんだっけ?ああ、にげられるとこさがしてるんだったよな。こっちからはムリそうだぞ」
「みたいだね。”超高校級の野生児”をもってしても突破できないとなると・・・ボクらには到底無理だ」
「な〜んかヤバそうなもんで囲まれてた。あっちの森に入ったつもりだったのに、よけてるうちにいつのまにかこっちまで来てたんだ」
「は?」
「も、もしかして食堂の横から山を回ってきたの?」
「さあ?そうなんじゃねえの?」
すっとぼけた面してるこいつは髪の毛も服もぼろぼろで足は土にまみれてる。たぶん山を回ってきたってのも普通に回ってきたんじゃないんだろう。降ってきたってことはたぶん、木に登ってそこを飛び移る的なことをしてたんだろう。どうやら常識が通用しないのはこの状況だけじゃなくてこいつもそうみたいだ。
「滝山クン、ヤバそうなものってどんなの?」
「なんかこういうやつ」
「え〜っと・・・分かんないなあ・・・。悪いけど、もっとよく調べてきてくれる?」
「おう、いいぞ」
人差し指でバッテンを作られても意味が分からん。曽根崎に言われると滝山は素直に従ってまた森の中に突っ込んでった。なんでろくに知らない奴の言うことを聞いてこんなわけの分かんない場所に突っ込んでいけるんだ。どんだけ疑うことを知らないんだあいつは。それができちまうってのも気持ち悪いが。
湖畔のそばの森に入っていった滝山とは反対に、俺たちはさっき来た道を引き返すことにした。来るときに通った道の一番奥に、壁にツタが蔓延ってところどころ錆びてるもの凄く古くさい倉みたいなのが建ってる。その前で何やら怪しげなことをしてるジャージ三つ編みは、曽根崎が声をかけると必要以上の声で返してきた。
「おや?明尾サンだ。おーい明尾サン、そこで何してるの?」
「ぬっ、おお!そこにおるのは曽根崎に・・・かの有名な清水じゃな!こんな僻地にまでよう足を運んだ!」
『”超高校級の考古学者”
「うるせえ女だな・・・」
「何も言わずともわしには分かるぞ!この倉に引き寄せられたのじゃろう!わしゃ骨董には詳しうないが、この錆び方といい退廃的な雰囲気といい、なんともそそられるではないか!」
「そうかなあ?ボクはもっときれいな倉庫の方がいいけどな。ほこりっぽそうだし」
「あの瓦の剥げ方、まるで散りゆく髪がごとき哀愁を醸しておる!このくすんだ壁、まさに老いのもたらすシミのようだ!そしてこの鉄扉にかけられた錆びまみれの南京錠のまとう憂いは、確固とした歴史の証であると共に脆く儚い未来を嘆くしわ深き横顔のそれである!なんと・・・なんと煽情的でけしからん建造物であろうか!」
「あ・・・はは・・・。ちょっとボクたちには早すぎるみたいだね、清水クン」
「俺にきくな」
恍惚とした表情を浮かべてる明尾を見て一つはっきりしたことがある。こいつは真正の変態だ。ただの倉に欲情するのも十分キモいが、ハゲだのシミだのシワだの、こいつはジジイを恋愛対象として見てるらしい。喋り方といい無駄なテンションの高さといい、こいつと関わってるとこっちまでおかしくなりそうだ。俺と曽根崎はさっさとその場を離れた。明尾は俺たちがいなくなったらまた倉の中を覗こうとしてた。
倉庫の前の道は真っ直ぐ分かれ道まで続いてて、その途中で食堂の前とは別の登山道があった。向こうよりも緩やかみたいだ。その前に黒い服を着たオールバックの野郎が立ってる。タキシードっぽい服装から、なんかマジシャンみたいだと思った。
「あ。曽根崎君と・・・あなたが清水君でしたね。さっそく仲がよろしいようで、なによりです」
『”超高校級のマジシャン”
「勝手に決めんな」
「ボクが連れ回してるっていうかつけ回してるっていうか」
「そうですか。ああ、こちらの道は行き止まりでしたよ。ガラス張りの施設に続いていましたがその入口が塞がっていて、中は植物園のようでした」
「そうなんだ。他になんか分かったことはある?」
「いえ・・・少なくとも私の見た限りでは、脱出経路は存在しませんでした・・・」
「・・・ちっ」
「お役に立てず申し訳ありません」
「いやいや、気にすることないよ鳥木クン。ボクらなんかこの辺うろついてるだけだから!」
「はあ・・・ありがとうございます」
さっきからこっちの方は鍵がかかってる建物が多い。唯一脱出の手がかりがあるとすれば、いま滝山が見に行ってる森の中だ。もしあいつが脱出口を見つけても、律儀に戻ってくる保証はない。でも、あの馬鹿正直っぷりからしてたぶん戻ってくる。
こっちの方はあらかた探索し終わった。来た道を引き返して多目的ホールに戻ろうかと思ったその途端、また曽根崎がパーカーのフードを掴みやがった。小さな嗚咽と共に俺は、さっきの分かれ道の右側の道に連れて行かれた。少し急な登山道で、そこまで苦じゃないがフードを引かれた状態でまともに登れるほど楽じゃない。
「まだ探索してない場所があるみたいだから、そっちも見ていこうよ」
「だあっ・・・!わかった・・・!分かったから離せ!今すぐ離せ馬鹿野郎!」
「逃げないでよね」
「何してんのあんたたち・・・この状況でよくふざけてられるわね」
『”超高校級のコレクター”
「ケホッ・・・あ?これがふざけてるように見えんのかよ」
「どう見てもふざけてるじゃない。まったく、これだから男って奴は」
「石川さんだね?こっちの方はどう?」
「・・・登山道から横道に逸れて脱出っていうのは現実的じゃないわよね。男子とかあたしとかならいいけど、女の子も多いし」
「この先には行った?」
「飯出と屋良井が一番に行って、望月ちゃんもその後についてったわ。それで十分だと思ったから、あたしは山道を詳しく調べてたとこ」
「なるほど。ありがとう石川さん!じゃあ清水クン、ボクらも行ってみようか」
「ちょっと。上は十分だって言ったでしょ」
「うん、ありがとう!でもやっぱり自分の目で確かめたいよ、広報委員だからさ!」
ポニーテールが目につく女が山道で待ち構えてた。俺と曽根崎のやり取りをみてふざけてるとかふざけたこと言いやがった。こちとらこんな奴につけ回されて迷惑してるっつうのに、そんなことも分からねえのかこの馬鹿女は。だけど、その馬鹿女の言い分を無視してわざわざ登ってくこいつはもっと馬鹿だ。
山道は山の斜面を大きく迂回して、さっきの通りに面した斜面の上にある展望台まで続いてた。馬鹿と煙は高いところに昇るなんて言うが、ここにいる奴は全員馬鹿ってことなんだろうな。俺は曽根崎に連行されたから含めない。
「お、また二人来た。なんかこっちはここで終わりっぽいぞ」
『”超高校級の???”
「やあ屋良井クン。終わりってことは、ここはこの展望台だけ?」
「みてーだな。こっちからは逃げられそうにねえ。くっそ、脱出口見つけてヒーローにでもなれるかと思ったんだけどな」
「はは、そう簡単にはいかないよ。ところで、あっちの道には行った?」
「ん?ああ、なんかガラスの建物まで続いてたけど、鍵がかかってたわ。なんかでっかい木が見えたぜ」
「木ねえ・・・」
登り切ったところを狙ってたんじゃねえかと思うくらいすぐに、じゃらじゃらアクセサリーがうるさい奴が近付いてきた。気の抜けたいい加減な雰囲気は信用できねえが、曽根崎は他の奴と同じようにへらへら対応してた。この二人でどっちかっていうと、曽根崎の方が異常なんだが。
展望台は俺たちが登ってきた道の他にもう一本道があった。屋良井が言うにはガラス張りの建物まで続いてるっていうが、ってことは鳥木が言ってたとこと繋がってるんだろうか。それから木のテーブルと円柱型の椅子に被さるようにツタの天井があって、そこでは短髪黒髪の奴がデッカい紙を睨んでた。俺と曽根崎で覗き込んでみると、それはこの辺り一帯の地図だった。こんなもんをこの短い時間で描けるもんだろうか。
「ほー、すごいや、もう地図が描けたの?」
「むむむ・・・」
『”超高校級の冒険家”
「あれ?おーい。もしもーし、聞こえてますかー?ねえったら」
「どはあっ!!!」
「うわっ!」
「んぬっ!ああ、お前たちか。驚かすな、俺は今この地図を描くのに忙しいんだ」
声をかけた曽根崎を、紙の方見て無視してたそいつは、肩を叩かれるといきなりデカい声を出しやがった。俺と曽根崎もびっくりしたが、こいつもびっくりしてた。どんだけ地図に集中してたんだよ。
「ごめんごめん。その地図、この辺りのでしょ?すごいや!」
「いや、これは仮段階。後の報告会でより詳細なものを仕上げるつもりだ」
「でももうほとんど出来上がってるじゃないか!さすがは”超高校級の冒険家”だね!」
「ふふふ、そうだろう。しかしこの地図はやがてもっと意味を持つようになる!俺たちが力を合わせて作り上げた地図は必ずや、俺たちがこの閉塞空間から脱出する糸口を示すはずだ!」
「その意気だよ飯出クン!」
「お前たちも探索・調査に抜かりのないようにしろ!冒険とは常に気を張り続けることだからな!」
「暑苦しい奴だな」
おっきな身振り手振りで話すこいつは、言葉の通じねえ相手とでも喋ってるつもりなのか?それともこいつは人の言葉を分かってねえのか?たぶん後者の方が近いんだろう。さっきの変態女ほどじゃねえがこいつと話してても耳が痛くなるだけかもしれん。こいつには大人しく地図だけ描かせとくことにした。
「清水翔・・・それがお前の固有名だったな」
『”超高校級の天文部”
「あ?・・・なんだテメエか」
「なになに?望月サンと清水クンって元から知り合い?どういう関係?」
「・・・曽根崎弥一郎、だったな。取り立てて特別という関係は構築していない。強いて挙げるとすれば、職員室の前で頻繁に顔を合わせていた事実がある」
「あー、なるほど!二人ともよく呼び出されてたんだね!」
「だまれ」
「それより望月サン。これからよろしくね!」
「よろしく・・・?何をよろしくする、という意味で言っている?」
「そりゃもちろん清水クンのことを色々聞かせてもらうんだよ!たぶんこの中じゃ一番清水クンと関わりが深いだろうからね!」
「清水翔についてか。私も深く知っているとは言えないが、お前の要求を拒否する理由はない」
そう言って二人は俺の前で握手した。望月はぼーっと曽根崎の顔を見てたけど、曽根崎は望月の顔を見てにやにやしてやがった。勝手に期待してるみてえだけど、俺と望月は今言った以上の関わりはない。つうか誰がこんな電波女と関わるかってんだ。だがこれはこれで、しばらく曽根崎を望月に押しつけられるチャンスだから俺はその握手については何も言わなかった。
まともに探索する気なんかこれっぽっちもなかったのに、曽根崎に連れ回されたせいで、気付けばあちこち歩き回ってた。挙げ句に曽根崎は満足したらさっさと多目的ホールに戻ろうとか言い出した。どんだけ身勝手なんだこいつは。脱出口を探るためにもホールに戻らないわけにはいかないから戻るは戻るが、なんかこいつに振り回されてるような気がして気に入らねえ。
ホールに戻るともうほとんどの奴らは戻ってた。俺と曽根崎が戻ってきて、その後にまた何人かが戻ってくると、ホールにまた16人が集合した。それを確認するや、六浜が手を叩いてその場を仕切りだした。
「再集合したようだな。ではこれより報告会を始める。誰か書記を務めてはくれないか、それぞれの情報をまとめておきたい」
「ふふふ、書記など必要ない!お前たちの報告はこの飯出条治が、ただちにこの地図に描き込んでやる!俺たちが力を合わせた地図を作り上げるのだ!」
「そうか、ありがとう飯出。ではこのホール周辺についての報告から始めてゆこう。ついでに簡単な自己紹介なんかもしていこうか」
ホールの床に描きかけの地図を広げて飯出がペンを取った。それぞれが名前と肩書きを名乗った上で探索した結果を報告しあった。普通に報告してたけど、それについてくぐらい素早く飯出は手を動かしてどんどん地図を仕上げていった。一通りの報告が終わると飯出は手を止めて、出来上がった地図を広げてみせた。
どうやら俺たちのいる場所は湖と山と森に囲まれてて、どこからも脱出できそうな道は見つからなかったみたいだ。
「船がないから湖からの脱出は考えられないね」
「となると山か森になるわね」
「はあ?歩いて山こえろっての?マジで?」
「ここに残りたいのならば強制はしない」
「んっ!んなわけねえだろ!ヒールじゃムリだっつってんの!」
「でも・・・確か滝山クンが森の中を調べてたんじゃなかったっけ?」
「ん〜、やっぱりどこまで行ってもこういうのがあって出られそうなとこはなかったぞ」
「それなんなんだよ・・・バツ?」
また滝山があのバッテンを作った。だからそれじゃ意味が分かんねえっつったろ学習能力ねえのか。いや、そもそも学習能力のあるような奴はこんな格好でうろつかねえか。それにしても森も山も湖も無理となると、それが意味してるのはたった一つだけだ。
「しかしこれは・・・地図を見る限りではだが・・・」
「脱出不可能・・・のようですね」
「オゥ・・・なんてこと・・・」
「ウソだろォ!?じゃあオレたちはどこから連れてこられたんだよ!?」
「船とちがいます?うちらを運んでその後・・・お、置き去りゆうことになりますけど・・・」
「なんちゅうこった!そうじゃ!鳥木!お前さんマジシャンじゃろ!?脱出マジックの要領でここから出るというのはどうじゃ!」
「あ、あの・・・夢を壊すようで申し訳ありませんが、マジックにはタネがありますので、こういう状況とは違います。お役に立てません」
どうやら本当にここから外に出る手段はないらしい。認めたくないが、実際に無理みたいだ。ほとんどの奴は動揺して戸惑ってて、古部来や曽根崎も顔には出してないがたぶんうろたえてる。俺だってそうだ。これからどうすればいいのか全く分からん。けどこんな状況で、たった一人だけ動揺してない奴がいる。
「脱出経路なら、明確に存在しているではないか」
「はっ?」
「なんだと・・・?本当か望月!?」
「どこだ!教えろ!」
「・・・?気付いていないのか?この場所は断じて閉塞空間ではない」
「?」
いい加減なことを言って、望月は一気に注目を浴びた。当然その場にいる全員の視線が集中する。望月はなんでこいつらは分からねえんだ、みたいな不思議そうな顔をして、詰め寄られてるってのに冷静に指を一本立てた。その腕を伸ばすと、全員がその指の方向を見上げた。
「ここは二次元空間ではない。三次元空間である以上、脱出経路は確保されている」
「・・・ふざけるのは顔だけにしてくださいな」
「ふざける?なぜだ?」
「も、望月ちゃん。じゃあどうやって空から脱出するつもり?なにか方法でもあるの?」
「経路と手段が同時に存在する必然性はない」
「つまり、空は封鎖されていないが脱出の手段はないということだな・・・。まあ、気休めにはなるか」
「なるかよ!お前らこの状況分かってんのか!?結局出られねえのは一緒じゃねえか馬鹿か!」
「馬鹿に馬鹿と言う資格はない」
「あァん!?」
くだらねえ、こいつのことだからそんなこったろうと思ったが、本気でそんなこと言ってんだとしたらやっぱりこいつはイッちまってる。しかも古部来が同意したせいで余計にややこしくなって、屋良井が古部来につかみかかった。何がしてえんだこいつら。慌てて飯出と笹戸が止めに入った。
「落ち着け屋良井!この状況が分かっているなら仲間割れは止めろ!協力すべきときだろう!」
「古部来くんも挑発しないで・・・。それより、気休めにはなるってどういうこと?」
「間合いの外に切っ先はない。切っ先が敵の心臓に触れるということは、敵の切っ先も己の心臓に突き立てられている」
「はあ?何言ってんのあんた?」
「つまり、ここから空が見えるということは、空からもここが見えるということだ」
「ああ!誰かが見つけてくれるかもしれないってことだね!」
「そうか・・・確かに、助けを待つという手段もあるわ」
「フードもドリンクもたくさんあったわ。何日かはそうね・・・困ることはないと思うわ」
んな都合良く誰かが来るとは思えんが、何の希望もないままいるよりはマシか。自分から出ようとして遭難なんかしたら馬鹿らしくてつまんねえ洒落にもならん。
さっそく男子たちでSOSの字を作りに行くことになった。けど、先導して外に出ようとした飯出が、玄関の方を見て悲鳴をあげた。
「ぬわあああああああああああああああっ!!?」
「ど、どうした飯出!?」
また全員が同じ方を向く。ホールを出ようとする飯出の足下に、二度と見たくなかったその顔があった。裂けた目と口でにんまり笑って、飯出のことを見上げてる。白と黒に分かれた配色のせいで、なんとなくめまいもする。
「うぷぷぷぷぷ♫」
「んのああああああああああああっ!!?で、でたあああああああああああっ!!」
「あ、悪霊退散悪霊退散!請道満清明護我!」
「こらーーー!人を、いやクマをオバケみたいに言うなーー!」
「い、いまどこから現れた貴様ァ!!いつの間に俺たちの後ろに!!?」
このムカつく声は間違いない。モノクマだ。本当に幽霊かと思うくらい、気付かないうちに俺たちの後ろに回って待ち構えてた。さっきのことを思い出して、俺はモノクマから少し距離をとった。薄気味悪い野郎だ。
「ボクとしたことが、ちょっと忘れてたことがあったんだよね。そんなおっちょこちょいなところもボクのカワイイところなんだけどね!」
「忘れていたこととはなんだ。我々に何の用があって現れたのだ」
「まったく現代っ子はすぐ結論を急かすんだから。一つ一つの過程を重んじないと、立派な結論になんてならないのにね。困ったもんだクマ」
「くだらないことはいいので、早く済ませてくださいな」
「・・・もう。しょうがないなあのび・・・のび育っちゃった問題児たちは。テッテレテンテンテ〜〜〜ン!でんしせいとてちょぉ〜〜〜!」
全員、こいつのくだらない話にもとっさの誤魔化しにも触れないことにした。それよりこいつがどこからともなく取り出したのは、俺たちが学園で配られた電子生徒手帳だった。モノクマは一人一人に手渡して、渡された途端に手帳が起動した。メインメニューに表示されるのは名前と、クラスと、顔写真・・・そして肩書き。
「我々の手帳ではないか!貴様なにをした!」
「別に?危険なことはなんにもしてないよ。ただ、この合宿場の地図と、合宿生活におけるルールの項目を追加しただけ!ボクって、機械もいじれるスーパークマだからね!」
「地図、作る必要なかったんじゃね?」
「・・・」
「それよりさあ、キミたち助けを呼びに行こうとしてたでしょ?」
「ったりめえだろ!こんなとこ連れてこられて大人しくしてられる方がおかしいっての!」
「うぷぷぷぷぷ!無駄なことしちゃってさ!さっきも言ったでしょ!ここから出る方法は一つだけ!この中の誰かを殺しちゃえばいいんだよ!」
「!」
冗談にしても質が悪い。俺たちを閉じ込めて、殺し合いをしろなんて馬鹿げてる。けどこいつはたぶん本気だ。本気で俺たちに殺し合いをさせようとしてる。目的もなんも分からねえが、たとえ外に出るためだとしてもこいつの思い通りになるのはごめんだ。
「ふっざけやがってぇ・・・!」
「うぷぷぷぷ!いくら呼んだって助けなんか来ないんだよ!ボクが決めたルールは絶対!どこぞの憲法みたいに変える変えないの議論にすらならないの」
「・・・お前は何者なんだ?」
「ボクはモノクマ、合宿引率兼、施設長兼、マスコットだよ。その他の詳しいことは電子生徒手帳にあるから読んどいて。今後の生活で必ず役に立つと思うから、大事にしててよね!それでは、ルールを守って楽しいコロシアイ合宿生活を送ってください!バイ、ナラ、シカ、クマ!」
「き、きえた・・・」
モノクマはいきなり現れて、用事が済んだらいきなり消えてった。助けを呼んでも無駄、出たければ殺し合いをしろ。言ってることが一貫してやがる。やっぱりあいつは本気だ。けど助けが来ないなんてのはあいつが言ってるだけ、もしかしたら誰かが気付くかもしれない。そう考えるしか、俺たちにこの状況を乗り切る方法はなかった。
校則一覧
1.生徒達は合宿場内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません
2.夜10時から朝7時までを『夜時間』とします。『夜時間』は立ち入り禁止区域があるので、注意しましょう
3.就寝は寄宿舎に設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します
4.ゴミのポイ捨てなど、合宿場の自然を破壊する行為を禁じます
5.施設長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます
6.仲間の誰かを殺した『クロ』は希望ヶ峰学園へ帰ることができますが、自分が『クロ』だと他の生徒に知られてはいけません
これでプロローグもおしまい。キャラの画像はTwitterの方に載せてるのでよかったら確認してくださいね