セシリアのサンオイル塗りや鈴の一夏へのアピールが終わると、砂浜は少しだけ落ち着きを見せていた。そんな中、生徒の一人が持ってきていたビーチバレー用のボールが一波乱を起こす事になる。その生徒が一夏をビーチバレーに誘うと、それが砂浜中に一気に広まってしまったのだ。
一夏がビーチバレーをすると決まると、当然の如くもう1人の男である太郎にも誘いがきて参加する流れになる。そして、太郎の監視目的で近くにいた千冬も参加する事になった。しかし、ここで大きな問題が浮上する。
「セシリアさんが参加出来ないとは、どういう事ですか?」
「当たり前だ。その水着でビーチバレーなんて出来るわけないだろ!」
太郎がセシリアも参加させようとすると、千冬がそれを止めたのだ。セシリアの参加を諦めきれない太郎は、ボールを手に取る。
「セシリアさん、行きますよ!」
「はい!!!」
太郎がセシリアへとトスを上げる。
セシリアが力強く地面を蹴り、ジャンプする。空中でセシリアは全身をしならせる。胸も大きくそらし、ジャンプの最高到達点に達すると鋭く右手を振りぬく。するとボールは矢の様に飛び、地面に打ち付けられる。セシリアが着地すると、そのたわわな胸が上下に揺れた。激しく揺れた。当然、水着がずれる。布地が少ない水着で激しい動きをすれば、どうなるのかは自明の理。
太郎はセシリアの勇姿を目に焼き付けると、千冬へと振り返る。
「ほら、何の問題も無くプレイ出来るじゃないですか」
「どこがだっ!!!!見えてはイカン物が見えてたぞ!!!!!」
自信満々に何の問題も無いと言う太郎に、千冬は怒声を浴びせた。それもそのはず、日本人に比べて色素の薄い○輪が見えていた。幸い下の毛はきちんと処理していた為、大丈夫であったのだが千冬の怒りを和らげる要素にはならなかった。
「セシリアさんの体には、人様へお見せ出来ないような酷い部分などありません」
「そういう意味ではないっ!」
太郎の論点がズレた物言いへ、千冬は即座に突っ込みを入れている。そこへ遠慮がちにセシリアが割って入って来た。
「あ、あの……太郎さんがお望みでしたら、そ、その……」
「そういうのは卒業してからにしろ!!!」
恥ずかしがりながらも決定的な言葉を発しようとしたセシリアを千冬が制止した。
千冬は内心頭を抱えていた。臨海学校初日からこれではこの先どうなるのか、不安しかない。しかし、悩んでいても事態は好転しない。
「ビーチバレーがどうしてもしたければ水着を変えろ。それともう昼飯の時間だ。先に食事だ」
千冬はそう言って自分達のビーチバレーを見ようと集まった生徒達も解散させた。千冬の指示なら仕方がないと、皆それに従った。太郎も先程、セシリアの痴態を見れた事で多少満たされたのか比較的素直であった。
午後9時、消灯前の旅館は女生徒達の話し声で何処の部屋も騒がしかった。その中で数少ない例外があった。その部屋付近で騒ぐ命知らずはIS学園にほとんど存在しない。そうその部屋こそ世界最強・織斑千冬の泊まる教員部屋である。今、その部屋に忍び寄る1人の少女がいた。
それは浴衣の下に万が一の事態を想定して勝負下着を着たセシリアであった。太郎が教員部屋に泊まる事になったと知ったセシリアは、千冬が席を外しているという可能性に掛け、他の者に気付かれないように太郎の元へと行こうとしていた。しかし、その目論見は早くも崩れ去る。
教員部屋の前には既に4人の先客がいた。
「ちょっと貴方達なにをっ「「シー、静かに」」
セシリアが先客達に話しかけると、先客達はそれを遮り、人差し指を口元で立てて小さな声で注意した。先客達は鈴、箒、シャル、ラウラの4人だった。ラウラが代表してセシリアに状況をハンドサインで伝える。
(この部屋で 異常事態 発生 様子見中)
セシリアも状況を把握し頷いた。セシリアを加えた5人が扉に耳を付け部屋の中の様子を窺った。
「千冬姉、どう?いいだろ?」
「んっ……ああ。もっと強くして構わんぞ」
「よし、じゃあ次は強めで」
「くぁーっ、ソコは、んんっ!」
「たまにはこういうのも良いだろ」
「あ、あっ……もう少しゆっくりっ」
扉の向こうから、千冬の普段聞くことのない艶っぽい声が漏れ聞こえてくる。その場の全員が息を飲む。これは大変な事になった。セシリア達は互いに顔を見合わせる。中でも鈴と箒はその顔色を悪くしていた。
一夏がシスコン気味なのは、鈴と箒も知っていた。まさかとは思っていたが、一夏と千冬がそんな関係だったとは。この厳しい現実に2人は打ちひしがれていた。彼女達に比べてセシリア、ラウラ、シャルの3人は相手が太郎ではなかった事にホッと胸を撫で下ろしていた。しかし、そんな安心は直ぐ粉砕される。
「太郎さんもどう?」
「私はそういうのに煩いですよ」
「俺、結構自信あるんです」
部屋から聞こえてきた一夏と太郎の会話にセシリア達も前のめりになる。太郎に限って男色に走るはずがない。セシリア達はそう思いながらも不安になる。鈴と箒の方は顔色が既に土色状態である。
その時、突然教員部屋の扉が開かれる。
「何をやっとるんだ貴様らは」
そこには千冬が仁王立ちしていた。部屋の奥では一夏が太郎の肩を揉んでいるのがセシリア達の目に映る。
「「はああああ~」」
セシリア達5人は自分達が勘違いしただけだと分かり、安心して大きく息を吐いた。単に一夏がマッサージをしていただけだったようだ。
「この紛らわしいっ!」
「そうよ。心臓止まるかと思ったわ!」
箒と鈴の拳が一夏に襲い掛かる。しかし、それも仕方が無い事だ。乙女を動揺させた罪は重い。
「ちょっ、何なんだよ。羨ましかったなら、お前らもやってやるから殴るなよ」
自分が何故殴られているのか分からない一夏が苦し紛れに言った言葉で、箒と鈴の拳はピタリと止まった。
「本当か。嘘ではないな?」
「今すぐやって!」
箒は一夏の襟を掴んでその言葉が本当なのか問い質す。鈴の方は既にうつ伏せになってマッサージが始まるのを待っている。乙女は現金なのである。
どさくさに紛れて教員部屋へと入り込んだセシリア、シャル、ラウラの3人もまた鈴同様にうつ伏せになっていた。しかし、それは一夏のマッサージを期待しているのではない。3人はチラチラと太郎を見ていた。
「太郎さん、僕は今日すごく疲れちゃったよ~」
「わ、わたくしもですわ」
「私は疲れている分けではないが、マッサージとやらに興味がある」
シャルが甘えたような声でアピールすると、セシリアとラウラもそれに続いた。それを千冬は冷めた目で見ていた。
「小娘どもが盛りおって」
千冬はそう言うと不意にシャルの浴衣の裾をめくり上げる。そこにはスタンダードな薄い水色と白色の2色構成の
「えっ、えっ、なにするんですかっ!?」
千冬は慌てるシャルを無視して、シャルの横にいるセシリアの浴衣をめくり上げた。セシリアが穿いていたのは黒のスケスケレースであった。それを確認した千冬は天を仰ぎ、首を横へと振った。
「昼間の水着といい、お前はちょっと自重しろ」
「あ、あれはわたくしが選んだわけでは……」
セシリアの反論も千冬は無視して、浴衣から手を離した。唐突に始まった千冬のファッションチェック(下着)に、少女達の間で緊張が走る。そんな中で1人例外がいた。
「情報収集を怠ったな」
余裕の表情でそう言ったのはラウラであった。その表情はまさに遥か高みからシャルとセシリアを見下ろしているかのようである。よく分からない自信を見せるラウラの浴衣に千冬が手を伸ばす。そして、浴衣をめくるとそこには────────
白桃が存在した。
シミ1つない、白く赤みも少ない白桃がそこにはあった。
つまり、分かりやすく言うと生まれたままの尻である。
「……おい、なんで下着を穿いていないんだ?」
部屋にいたラウラを除く全員が唖然とする中、千冬がなんとか搾り出すような声で質問する。それに対してラウラは「どうだ」と言わんばかりの自信に満ちた表情でセシリアとシャルにも聞こえるように告げる。
「和服を着る時は下着を着けないと副官の助言で」
《こいつの副官、ホントにロクな奴じゃないな》
ラウラと太郎以外の全員の心が1つになった瞬間である。ラウラはその後、千冬にこっぴどく叱られた。そして、秘かに太郎からはお褒めの言葉をかけられる事となった。
もーも太郎さん、もも太郎さん。
股○につけたキ○○ンゴ。
2つ私にくださいなアッーーーーーーーーーーーー!!!
ラウラーprpr。
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次回更新は土曜日となります。