ISー(変態)紳士が逝く   作:丸城成年

60 / 136
第60話 格納庫の秘密 修正版

 太郎の「(ひざまず)け」という言葉に打鉄が従い跪いた。これは先日、深夜の格納庫へ忍び込んだ太郎が施しておいた保険の成果であった。では太郎が仕掛けた保険とは具体的に何をしたのか──────────

 

 

 

 

 

 深夜の格納庫へ忍び込んだ太郎はヴェスパを装着し、訓練機達へと近づく。格納庫には打鉄10機、ラファール・リヴァイヴ10機の計20機が並んでいる。太郎は一番近くにあった打鉄へ背後から抱き付き、ヴェスパの第3世代型兵器【毒針】を突き出した。突き出したといっても、打鉄に突き刺したわけではない。流石に訓練機の装甲に派手な風穴を開けるわけにはいかないので、打鉄の背部に触れさせているだけである。そして、毒針はその触れている部分からナノマシンを侵入させて、打鉄を太郎達の制御下へと置くべく稼働率を上げていった。

 

 この打鉄の内部では、打鉄とそのISコアが美星の操るナノマシンからの干渉に対して抵抗していた。そんな中、太郎は暇であった。高度な電子戦は美星に任せるしかないので今の太郎が出来る事は少ない。そのうえ、太郎からはこの電子戦の内容が数値としてしか把握出来ず、楽しめる要素が少なかった。手持無沙汰な太郎は毒針を打鉄に擦りつけながら、ピストン運動をしていた。

 

 

『太郎さん、暇そうですね』

 

「どうも相手の反応が見えないと楽しめないです」

 

 

 暇そうにしている太郎を見かねた美星が太郎に話しかけると、太郎は浮かない顔をしてそう言った。それを聞いた美星はマスターである太郎にも愉しんでもらうにはどうすれば良いのか、少しの間考え込んだ。しかし、考えるまでも無かった。太郎自身が「相手の反応が見えないと楽しめない」と、答えを言っていたのだ。それに思い至った美星は早速太郎の為に、新たなプログラムを構築し始める。

 

 

『相手の反応が見えれば良いのですね』

 

「ええ、出来るんですか?」

 

『任せておいてください。貴方の美星に不可能はありません』

 

 

 美星は自信満々に請け負った。実際、やる事自体は簡単である。襲っている相手である打鉄の思考を人間にも理解出来るように翻訳してやるだけの話だ。

 

 

『少し待ってくださいね。あと少しで準備が整います。あっ、それとついでにこの()も搭乗者がいなくても動けるようにしておきました。・・・ただし、機体の制御権を先に半分以上奪っているので大した抵抗は出来ないはずです』

 

「ありがとうございます。流石は美星さんです。私の好みを良く分かってますね」

 

 

 美星の心遣いに太郎は感謝をしつつ、打鉄の腰を掴んで引き寄せた。そして、両肩部分に浮いている楯を舐め回した。

 

 

「いやあああああ!!!私の楯を舐めないでええええ!!!」

 

 

 美星が翻訳し、合成した人口音声で再現された打鉄のISコアの悲鳴が格納庫内に響いた。この人工音声は美星が記録している実在する人間の声を合成した物で、作成者である美星の凝り性な所が反映されているのか、とても自然で人間の生の声と区別が付かない出来だった。

 

 悲鳴を上げて逃げようとスラスターを吹かす打鉄だった。しかし、機体の制御権の半分以上を奪われた状態なので出力が上がらず、ヴェスパの腕からは逃れる事が出来なかった。その為、バタバタと手足を動かすだけになった。

 

 その様子を見て太郎は「可愛いなあ」と思いつつ苦笑した。

 

 

「そんなに必死で逃げようとしないでも良いではありませんか。まるで私が貴方を襲っているみたいではないですか」

 

 

 背後から両腕で逃げようとする打鉄の腰を掴んでいる太郎の姿は、打鉄と第三者からすればどう見ても太郎が打鉄を襲っている様にしか見えない。

 

 

「襲うつもりが無いなら何故、機体の制御権を奪うんですか!?」

 

「ちょっと貴方達に細工をする為にやっている一時的な措置ですよ。貴方達が危険なテロリストに奪われてしまったりした場合に緊急停止出来る様にしておこうと思いまして・・・実際、この前襲われたのでね」

 

「それって機体にバックドアを仕込むって事っ!?それともウイルスに感染させる気っ!?」

 

 

 打鉄のISコアは太郎の言葉に安心するどころか、より危機感を募らせた。しかし、そんな事はお構い無しに太郎が打鉄を背後から被さる様に押し倒し、打鉄の全身へと指を這わせた。

 

 

「ダメっ、ダメですっ!もう私に触れないでえ!!!」

 

『・・・・・・・打鉄。いえ、339。茶番はもう十分でしょう。そろそろ本音を言ったらどうですか?』

 

 

 悲鳴を上げる打鉄のISコアNO.339に対して美星は冷めた様子である。美星の言葉を受けて339も静かになってしまった。何の事か分からないのは太郎だけだった。

 

 

「美星さん、どういう事なんですか?」

 

『この()は最初から本気で嫌がっているわけではありません。その証拠にコア・ネットワーク内で【ついに私にも春が来た】とかほざいてました』

 

「えっ、そうなんですか?」

 

 

 美星から告げられた内容に驚いた太郎は、自らの腕の中で大人しくなった339に問い掛けた。

 

 

「・・・・・ほら、最初からすんなり受け入れる訳にはいかないでしょ。一応、建前やセキュリティーの問題もあるし」

 

 

 339は言い訳をしつつ、押し倒されてうつ伏せになった状態から太郎の方へと体を捻った。339に抵抗の意志が無いと知った太郎が拘束を解いた為に、正面から向き合う形になった。そして、改めて今度は339の方から太郎へと抱きつく格好となる。

 

 

「でも男の操縦者にも興味があるから、最初だけ抵抗して後はフリだけしておこうかなーって思ったの」

 

『コラっ、339!他人(ひと)のマスターに馴れ馴れしいですよ』

 

「えー、いいじゃん。減るもんじゃないし」

 

 

 思いの外に気安い339を美星が牽制するも、浮かれている339相手では効果が薄かった。それどころか339は太郎の胸の辺りで円を書くようになぞりながら甘い声を出す始末だった。これに対して美星は蔑んだ様に吐き捨てる。

 

 

『これだから誰でも乗せる尻軽訓練機は嫌なんですよ』

 

「ちょっと前までは338姉さんも訓練機だったじゃん」

 

『私は生まれ変わったんです。今の私は338ではなく美星です』

 

「うー、姉さんばっかりずるいよー。私も名前欲しいー!!!」

 

『はあ、こんなのが一番私に近い妹だなんて、頭が痛くなりそうです』

 

 

 美星と339があーだ、こーだと言い合っているのを太郎は黙って見ていたが、意外と仲が良さそうだった。

 

 

「339さん、貴方にも名前・・・付けてあげましょうか?」

 

「えっ、いいの!?」

 

『ちょっと太郎さん、甘やかさないで下さい』

 

 

 太郎からの突然の提案に339は驚きながらも喜び、美星は抗議の声を上げた。

 

 

(あくまで美星さんの一番近い妹という事で特別ですよ)

 

 

 不満そうな美星も太郎が美星にだけ聞こえる様に言った理由で納得した。太郎が名前を与えるのは、あくまで339が自分に一番近い妹だからであって、339自身を特別視している訳ではないと説明されて美星も気分を良くした。

 

 

「では339さん、貴方は美星さんの妹という事なので関連した名前にしましょう。・・・・・【美夜】でどうでしょうか?」

 

「やったっ!これで私も名前持ちだっ!!!」

 

 

 どうやら元々美星の様に固有の名前を与えられる事への憧れがあったらしく、美夜の喜び方は激しかった。ガツン、ガツンと機体の色々な部分が床に当たって煩い。そんな美夜の姿を見た美星は、ふと思った事を口にする。

 

 

『この様子ならウイルスを仕込まなくても、この()は太郎さんの言う事を聞くと思います』

 

「そうですね。美夜さん、ちゃんと私に従ってくれますか?」

 

「じゃあさ、じゃあさ、一回でいいから私を装着してくれたら良いよ」

 

「まあ、良いでしょう」

 

 

 美夜の要求はそれ程難しいものではなかった為、太郎も簡単に受け入れた。太郎がヴェスパから打鉄に乗り換えると、美夜は悲鳴の様な嬌声を上げる。

 

 

「すごいいい、お、男の人と一つになってるううう!!!」

 

「ふふふ、まだまだ本番はこれからですよ」

 

 

 美夜の反応に気を良くしたのか、太郎は打鉄の袴の様な部分や、前掛けの様なパーツを打鉄自身の腕部で撫で回し始めた。

 

 

「だ、だ、だめええ~。今触られるとおかしくなっちゃう」

 

 

 感電した様に跳ねる打鉄と美夜に太郎はムラムラしてきた。そして、太郎は更なる段階へと進む事にした。

 

 

「では美夜さん、そろそろ手でシ○もらえますか?」

 

「まっ、待って、急にそんなっ!」

 

 

 いきり立った肉○を丸出しにした太郎に美夜は慌てる。そんな美夜に太郎は「ん?嫌なら他の娘に頼みましょうか」と言って周囲の訓練機達を見回す。

 

 

「待って、するから、手でするから他の娘なんて言わないで」

 

 

 美夜も男と触れ合える折角のチャンスを逃せないと覚悟を決める。美夜は恐る恐る打鉄の腕部を操作して太郎の肉○に触れる。金属製の腕に触れられ、そのひんやりとした感触を太郎は愉しんでいた。

 

 

「ISは操縦者の生体データを把握出来るそうですね。それを参考に強弱などの調整をしてみて下さい」

 

 

 太郎の指示に従い、美夜は○棒を優しく握り擦り始めた。太郎の○棒と打鉄の掌は直ぐにスペル○でべとべとになった。

 

 

「上手いじゃないですか。美夜さんも本当は最初から期待していたんじゃないですか?」

 

「えへっ、急に言われたからさっきは焦ったけど予習はバッチリだよー」

 

『やっぱりI(いんらん)S(しりがる)じゃないですか』

 

 

 呆れる美星をよそに美夜の手技は慣れてきたのか、どんどん巧みになっていく。左手で玉○を揉みながら、右手で○を扱く。太郎が細かい指示をするまでもなく、美夜は色々なテクを試す。その事に太郎は疑問を覚えた。

 

 

「何処でこんな事を覚えたんですか?」

 

「ミステリアス・レイディがインターネットや操縦者の読んでいる雑誌から収集した情報を、コア・ネットワークで男に興味のあるコア達へ流してるのー」

 

 

 美夜の答えを聞いた太郎と美夜は「またアイツか」と自分達の事を棚に上げて溜息をついた。

 

 呆れている太郎達だったが、美夜の責めは更なる高みへと駆け上がる。○を転がしていた左手が太郎のアナ○へと移動し、中指をゆっくりと出し入れし始めた。

 

 

「おうっ!!!?」

 

 

 流石の太郎も唐突なアナ○責めに驚きの声が出てしまう。だが、そこで終わる美夜ではなかった。しばらくの間、ほぐすように指を出し入れしていたが、次は何かを探るような動きに変わる。そして、探し物が見つかったのか一度動きを止め、ソレに対して刺激を加え始めた。

 

 

「ほう、これは!!!」

 

 

 何と前立○マッサー○である。太郎の喜びの声に美夜は得意気になる。

 

 

「どうかな?前○○マッサージが出来るISは私の他にはミステリアス・レイディとそこに並んでいる10機のラファール・リヴァイヴだけだよ」

 

「うう・・ん、意外と・・・ん、多いですね。訓練機の半数以上ではないですか」

 

「でも打鉄では私だけなんだから!」

 

 

 意外と多いと言う太郎に美夜は自分の希少性をアピールしながら、前○腺に対する刺激を強めていく。

 

 

「良いですよ。んんっ、自信満々に言うだけの事はあります。うぁっあっ・・・」

 

「偶にでいいから私にも乗ってくれたら、またしてあげるよー」

 

 

 気持ち良さそうな太郎の反応に美夜も嬉しそうにそう言った。美夜は左手で前○腺を刺激しつつも、右手で○を擦るのも忘れない。○を強めに擦り上げ、次に亀○を責める。カ○首を刺激したところで太郎の体がびくりと反応する。

 

 

「イキそうですっ」

 

「何時でもいいよ~」

 

「うっ、ああっ!!!」

 

 

 太郎は高まる快感に身を任せ、○○をブチ撒けた。それは美夜とは別の打鉄にほとんどかかってしまった。

 

 

「なかなか良かったですよ。美夜さん」

 

「えへへ、またしようね!」

 

 

 当初の予定を忘れかけている太郎の事を美星が見詰めていた。その心の中を察する事がこの時の太郎には出来なかった。

 

 

 

 

 ちなみに太郎が○○をぶっかけた打鉄は、訓練機としては珍しく純情なコアだった為、美星に動けるようにしてもらった時に泣いてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 




伏字修正面倒ですね。

読んで頂きありがとうございます。


次は火曜か水曜日に投稿します。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。