ISー(変態)紳士が逝く   作:丸城成年

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第52話 深夜のカーニバル 2

 時はとあるIS学園の警備員が衝撃の映像を目撃する少し前に遡る。

 

 

 ○慰を終え、悟りを開いたかのような気分になっていた太郎はある事を思い付いた。千冬の部屋から得た戦利品を学園内の淑女達と分かち合おうと考えたのだ。直接の知り合いには自分で連絡をし、学園内に潜むソックスハンター達にも静寐を通して召集をかけた。

 

 

 太郎は集まった人間の中でもいち早く自分の元へ馳せ参じた精鋭達には無条件で戦利品を授けた。

 

 楯無にはワイシャツを、ラウラには布団を、そして静寐にはかつて約束していたソックスとおまけとしてストッキングを渡した。

 

 楯無は太郎が連絡を入れると用件の内容も聞かずに太郎の元に駆け付けた。

 

 ラウラに関しては最初こういった事に興味を持っているのか疑問だった。その為に太郎は呼ぼうか、どうしようかと迷った。しかし、ラウラが千冬に対して並々ならぬ執着を持っていた事を思い出し、一応話してみた。するとラウラは飛ぶ様な勢いでやって来た。というか実際にISを使って飛んで来た。

 

 静寐は他のソックスハンター達に連絡を入れていた為に、楯無やラウラに比べると到着は遅かった。それでも全体で3番目という早さだった。千冬のソックスを与えられた静寐は感動の余り数秒間意識を失ってしまった。そして、意識を取り戻した静寐は太郎に感謝と共に絶対の忠誠を誓った。

 

 シャルは千冬に性的な興奮は覚えないので戦利品の受け取りは辞退した。代わりに太郎の下着を要求し、太郎もそれに応え履いていたブーメランパンツをその場で脱ぎシャルへと渡した。

 

 そうこうしているうちに参加者が集まって来る。 集まった人数は50人を超えた。その内訳は生徒、学園職員、警備員などが参加しておりIS学園のあらゆる場所に淑女達が存在している事を示していた。

 

 思いのほか集まった人数が多く、太郎の部屋には入り切らなくなったうえ、配布する戦利品の数も足りなくなった。その為に太郎は急遽予定を変更して多目的ホールへ場所を変えて、自分の私物も配布しようかと特に仲の良い者達と相談した。

 

 話はどんどん大きくなり、集まっている者達のテンションも際限なく上がっている。そこで楯無が提案する。

 

 

「どうせ多目的ホールを使うなら皆でお宝を持ち寄ってオークションやトレードをしない?」

 

 

 その提案に参加者達も直ぐに賛同した。各自一度部屋に【お宝】を取りに戻った。興奮状態の彼女達はそれぞれ普段は絶対しないような格好をして戻って来た。当然、太郎も脱いだ。静寐はストッキングを頭から被りISスーツを着た。楯無は裸にワイシャツだけを着た。ラウラは布団で簀巻きになっている。シャルは黒革のボンテージ姿で顔には太郎から貰った脱ぎたてブーメランパンツを被っていた。

 

 そこにはもう、自重という言葉は無かった。

 

 誰かがサンバの音楽を流し始めると誰ともなしに踊り始めた。そして参加者達はそのまま多目的ホールを目指して行進を開始した。

 

 先頭を逝くのはもちろん太郎である。頭にブラ、顔にパンツを被った重装備であった。その代わり首から下はネクタイとソックス、股○にペ○○リング、そして靴底の薄いランニングシューズを履いているだけという激しい運動にも耐えられる服装である。この股○に付けているペ○スリングこそが太郎の専用機・ヴェスパの待機状態の姿である。

 

 太郎の激しい腰振りにペ○○リングを装着した息子も激しい動きを見せる。他の者達も激しく踊りながら太郎の後に続く、羞恥心や理性など既に無くなっていた。

 

 自重しない参加者達の行動はエスカレートしていく。楯無はミステリアス・レイディを装着しV字開脚状態で空を舞い喝采を浴びた。当然、その服装は裸ワイシャツのままである。ISスーツに着替えるなどという女々しい行いを学園最凶はしなかった。楯無が空を飛んでいる間、小雨がぱらついていた様に感じた者がいたが気のせいだろう。今日は空に雲一つ無かった。

 

 

「流石は楯無さん。私も負けてはいられませんね」

 

 

 太郎も負けずと踊りを激しくし、体の向きを後方へ向けた。今まで参加者達からは後ろ姿しか見えていなかったのが全て丸見えである。そこかしこで指笛が鳴らされる。そのまま太郎は参加者達の集団を割るように進んでいく。

 

 

「踊り子に触れても良いんですよ~」

 

 

 太郎がそう言うと淑女達はベタベタと太郎の体を触った。太郎は集団の最後尾まで来ると、また向きを変えて先頭へと進む。その時も淑女達は太郎の体を遠慮なく触った。

 

 

(危うくイキかけました・・・・・)

 

『別にイッても良かったのでは?』

 

(本番はこれからなのに未だ早いです!)

 

 

 太郎と美星が話している間に一部の人間が持ち込んだ手持ち花火が全員の手に渡り火が付けられた。目的地はもう直ぐそこだ。そして、花火の火が消える前に参加者達は色とりどりな光に照らされながら目的地へと到着した。

 

 

 

 欲望渦巻く深夜のオークションが始まる。そこは魑魅魍魎達(紳士と淑女)が集う人外魔境。

 

 ここより先に進む者、一切の理性とモラルを捨てよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悲報・セシリアはカーニバルに参加出来ず


セシリアは淑女度が未だ足りなかった。でも悲しむ事は無い。いつか君も目覚めるはずさ。熱いリビドーの爆発に。



読んでいただきありがとうございます。

次は土曜日に投稿予定です。

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