ISー(変態)紳士が逝く   作:丸城成年

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第25話 謝罪、償いの先は・・・

 太郎は静寐、本音、乃登香の3人に覗きをした事を謝ろうとしていた。しかし、他の被害者に対して太郎は何の罪悪感も持ってはいなかった。それは彼女達が太郎にとって野に咲く花の様なものだからだ。野に咲く花を安易に手折ることは紳士の道に反するが、ただ眺め愛でることに何の罪悪感を感じろと言うのか。いや感じるはずが無い。

 

 翻って静寐(しずね)達3人は太郎にとって野に咲いている花ではなかった。彼女達は太郎と対等かどうかは別として、太郎の契約者や協力者や賛同者であった。太郎はそういった自分の側の人間を大事にしていた。もちろん、その意思もだ。だから今回の彼女達への覗き行為は太郎の主義に反するものだった。

 

 

(素直に謝るしかないだろう)

 

 

 太郎は俯いていた。ここは太郎が良く使う整備室で静寐達3人とここで待ち合わせている。太郎の部屋には何体もの等身大フィギュアとその素材やパーツなどが所狭しと置かれており、3人もの客を入れて落ち着いて話せるスペースが無かったのだ。

 

 しばらくすると3人が整備室に入って来た。

 

 

「山田代表、こんばんわ。急にどうしたんですか?」

 

「こんな時間に急に呼び出してすみません。3人に謝っておきたい事があったので来て貰いました」

 

 

 それを聞いて太郎に話しかけてきた静寐だけでなく他の2人も怪訝な顔をした。

 

 

「謝るって何をですか?山田さんに謝られる様な事をされた覚えがないんですが?」

 

「3人が気付いていないだけで私は謝る必要のある事をしてしまったんです」

 

 

 乃登香の問いに太郎が首を横に振りながら答えた。

 

 

「私は貴方達の入浴を覗いてしまったのです」

 

「「「えええっ!!」」」

 

 

 太郎の突然の告白に3人は驚き声を上げた。

 

 

「・・・ど・・・どこまで・・・見ましたか?」

 

 

 静寐が恐る恐るといった感じで聞いた。

 

 

「ほぼ全てと言っていいでしょう。本音さんは胸だけ、静寐さんと乃登香さんはア〇〇以外は全部です」

 

「「ア、ア〇〇・・・・」」

 

「いえ、だからソコは見えていません」

 

 

 太郎の答えに3人供、顔を真っ赤にしている。本音が太郎の事をぽかぽかと叩き始める。全く効いていないが。

 

 

「うー、タローは悪い子だ~。何でそんな事をしたんだよ~」

 

「皆さんが余りにも魅力的過ぎてついやってしまいました。本当に申し訳ありません。この償いはしますので・・・・」

 

 

 太郎は深々と頭を下げた。その姿を見た3人は顔を見合わせ「どうする?」と目配せし合っていた。そこで静寐が一歩、太郎に近付いた。

 

 

「何でわざわざ私達にその事を言ったんですか?黙っていれば分からなかったのに・・・」

 

「貴方達は私にとって身内の様なものです。私のした事は裏切り行為です。だから黙っていることは裏切りをさらに重ねる事だと思い、こうして3人には謝りたいと思ったのです」

 

 

 静寐と乃登香は太郎の言葉に顔は真っ赤のままだが少し落ち着いたのか少し考え込んでいた。そして本音が太郎の袖をくいくいっと引っ張った。

 

 

「タローはウチのお嬢様と仲良いよね~?」

 

「お嬢様?」

 

「生徒会長の楯無さんのことだよ~。私の(うち)は更識家にむかーしから仕えているんだー。だからお嬢様と仲が良いからもういいよ。今回だけの特別だからね~」

 

 

 本音があっさりと許したので、許すことなど考えていなかった静寐と乃登香は自分はどうしようかと迷い始めた。

 

 

(どうしよう?もう恥ずかしくて顔を見れないよ。でも太郎さんのソックスはまた欲しいし・・・。それに本音ちゃんが許したのに私が許さないなんて言って嫌われたらどうしよう)

 

 

 太郎に覗いたと言われてから終始混乱している静寐は激しい葛藤の末、結論を出した。

 

 

「許してもいいですが、私は恋人以外に裸を見せるなんて考えられません。だから1回デートしてください。彼氏に見せたと思うことにします」

 

 

 混乱している静寐は良く分からない理論で自分を納得させた。太郎からすれば願ったり叶ったりな条件だったので直ぐ了承した。

 

乃登香は困っていた。3人の内、2人が許してしまったので自分だけが許さないとは言い出し辛い状況だった。特に普段から引っ込み思案な乃登香にとって場の流れに逆らう事は難しかった。

 

(静寐ちゃんはデート1回・・・。何処かに遊びに連れて行って貰うって事か~。食事とかも奢りなんだろうなー。興味はあるけど流石にデートは恥ずかしいな。静寐ちゃんは山田さんと仲良いみたいだし、彼氏に見せたと思うって・・・・もしかして最後まで・・・)

 

 

 乃登香は裸で絡み合う太郎と静寐を想像し始めた。そして思いついた。

 

 

「山田さん、目には目を歯には歯をという言葉を知っていますか?」

 

「はい、知っていますよ」

 

「では山田さんの裸を撮らせてもらいます。私はそれで許します!!」

 

「いいでしょう」

 

 

「「はあ?」」

 

 

 太郎と乃登香のやり取りに静寐と本音は呆気にとられていた。しかし、太郎達の間では何の問題も感じていないのか握手を交わし交渉成立となっていた。

 

 

「あ、あ、あ、あの乃登香は何で、や、山田代表の裸を?」

 

 

 慌てた様子の静寐が乃登香に聞くと、何度も「内緒だよ」と前置きして理由を打ち明けた。

 

 

「私、漫画を描いてるの。でも男の人の裸なんて見た事無いし、資料もネットで欲しいポーズや構図の物を探すの大変だから」

 

 

 理由を聞いて漫画を描いている事は意外だったが静寐達も納得したのか、もう時間も遅いという事で解散することになった。寮に帰りながら本音が乃登香に「今度、描いた漫画見せてね~」と言っていた。

 

 乃登香のペンネームは【川ヤマ純子】というらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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同人誌を紹介するとあるサイト

 

 

春のイベントで販売された「川ヤマ純子先生」の新刊

 

タイトルは【ひと(なつ)の漢達】

 

あらすじ

 

 漢にしかISが動かせない世界。其処に突然現れた女性IS操縦者 織町 ひと()。彼女は漢しかいないIS男子学園へ半強制的に入学させられる。しかし、このひと夏は実は女性ではなく双子の弟の一夏(かずか)だった。

 

 一夏はIS男子学園で教師をしている愛する兄・万冬(ばんどう)と少しでも一緒に居たいが為に受験したのだが落ちてしまったのだ。そこで姉のひと夏になりすまし、世界で初の女性IS操縦者という希少価値で特別に学園に入れて貰おうとしたのだ。

 

 入学には成功したものの、早々と男である事が他の生徒達にバレてしまった一夏。超難関入試を努力で突破して来た漢達は一夏の不正に腹を立て、一夏に性裁を加える。

 

 鍛え抜かれた漢達に代わる代わる〇される一夏。ISの刀の柄で〇〇〇され、最後は10年以上留年している学園の帝王 海田 次郎の〇〇の前に兄・万冬への愛を忘れ墜ちてしまう。

 

 

 

 

 

コメント

 

 今回の川ヤマ純子先生の新刊はヤバイ。一夏を囲む漢達の体がチョーリアルで筋肉が動き出しそう!!

 

 ISの描写も細かくて凄い(* ̄∇ ̄*)ぐふふ

 

 捗りますな~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




よし、罪を償った太郎は綺麗な体と言ってもいいだろう。

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