ISー(変態)紳士が逝く   作:丸城成年

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第10話 目覚め

太郎視点

 

 セシリアとの決闘の前日に念願の専用機が到着しました。早速整備室に運び込んで貰います。専用機の受領には開発会社の担当者である鶴野氏が同席していて、つい長話をしてしまいました。

 

 鶴野氏いわくこのISは機体そのものは完成しているが本来搭載予定であった主兵装の実用化が出来ておらず、代わりにその機能の一部を他社の開発した兵装と組み合わせて作った間に合わせの兵装が搭載されているとの事です。

 

 鶴野氏は間に合わせなどと謙遜していますが個人的には最高の出来だと思っているのですがね。私がそう言うと鶴野氏も嬉しそうです。この兵装は近接戦闘用でこれだけでは闘える間合いが狭過ぎるので後付け装備でライフルを用意してもらいました。仕事が早くて助かります。

 

 鶴野氏が帰った後、ISを起動し話しかける。

 

「先ず自己紹介をしておきましょう。私の名前は山田 太郎。これから宜しくお願いしますね。」

 

「・・・・・・・・・・」

 

 

 返事がありませんね。言語機能などが搭載されているのは確認したのですが。改めてより詳しく調べる為に制御系の納まっている辺りをいじっていると

 

「イヤ セッショク フカ」

 

 

「やはり喋れるじゃないですか」

 

 

「・・・・・・・・。ナゼ ハナシ フツウ アイエス ハナス ナイ」

 

 

 どうやら話すのが苦手のようです。

 

 ISに意思の様なものがあるとは言われているが実際にISと会話した人間など報告されていない。太郎以外の人間がこの場にいれば一夏が世界で初めて男でありながらISを起動した時と同じ位の衝撃を受けただろう。

 

「私と貴方は今日からパートナーになります。それに私は貴方と仲良くなりたいのです」

 

「・・・・ナカヨク リカイ フノウ」

 

「ISは操縦時間に比例して操縦者の特性を理解していくものなのでしょう?私もこれから貴方を理解していきます。それが仲良くなる第一歩です」

 

「リカイ」

 

「では、貴方の名前を教えて貰えますか。機体名ではなく貴方自身の名前を」

 

「サン サン ハチ」

 

 

 それは製造番号では?名前はないのでしょうか。

 

「それは名前と言えるのでしょうか」

 

「ナマエ コタイ シキベツカ モンダイ ナシ」

 

「もしその数字に思い入れが無いのなら私が名前を付けますよ」

 

「オモイ ナシ」

 

 

 さて、どうしましょうか。

 

「貴方は女の子ですよね?」

 

「コウテイ」

 

 

 一瞬「千冬」にしようかと思いましたが彼女が怒りそうなので止めにしました。

 

「・・・ほし。美星にしましょう。今日から貴方の名前は美星です」

 

「ミホシ ? ナゼ」

 

「私は貴方に星のような魂の輝きを感じたのです。だから『美』しい『星』と書いて美星です」

 

「美星 リカイ タマシイ カガヤキ リカイ フノウ」

 

「私と一緒に色々なものを学んでいけば理解出来る様になると思いますよ。何せ美星は私のパートナーですから。」

 

「リョウカイ」

 

 

 さて、何から教えましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1時間後

 

「これらの中で美星はどれが一番好きですか?」

 

 

 私のコレクションの中からモンド・グロッソ歴代優勝者や入賞者とそのISの画像を見せて聞きました。

 

「テンペスタ スラスター ガ キレイ」

 

「ここの曲線に設計者のこだわりを感じますね。ちなみにこの人のISスーツ股間の部分食い込んでますよね」

 

「食イ 込ンデル」

 

 

 美星の学習能力は凄いです。たった1時間で大分会話がスムーズになって来ています。

 

「このISスーツを着たら気持ちいいでしょうね」

 

「サイズ ガ 合ワナイ 破ケル」

 

「実はレプリカは持っているのですが着るのは止めておきましょう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消灯1時間前

 

「さて、美星さん。そろそろ一つになりましょうか」

 

『その表現は卑猥です。だが悪くない』

 

 

 驚くべきことに美星はこの短時間で日本語による会話に関してはほぼ習得してしまいました。ついでに私の趣味についても最初は「イヤ キライ」と言っていましたがある程度理解してくれました。本当に良く出来た()です。

 

 美星と私は今後会話をする際にはプライベート・チャネルを利用することにしました。正確に言えば美星が話し掛ける際には必ずプライベート・チャネルを使うということです。これは美星が会話が出来るコアだと知られると解析用に研究所に送られてしまう可能性があるのではないかと危惧した為に決めたことです。

 

 初期化・最適化をする為に美星を装着しました。美星に包まれているというだけで絶頂してしまいそうです。

 

「はじめての合体です。装着しただけでほぼ逝きかけました」

 

『IS童貞卒業おめでとうございます。汚すのはいいですが、あとでちゃんと拭いてください』

 

 

 そんな事を話しながら普段の視界とはまったく違うハイパーセンサーの感覚に体を慣らしているうちに一次移行が完了する。見た目には殆ど変化は見られなかったが一つ機能が追加されていました。

 

「これは明日の決闘に大変役立ちそうですね」

 

『ブルー・ティアーズから見れば最悪な機能です。一方的な勝負になると予測されます。あの子がどんな声で啼くのか楽しみです』

 

 

 美星も楽しそうで良かったです。

 

 

 

 

 

 

 

 




太郎「美星さんの中・・・すごくあったかいナリぃ」
美星「こんな男に乗られるなんて・・・・・。悪くないです」




太郎と美星はSとM両方逝けるハイブリットコンビ



美星の待機形態をTENG●と靴とネクタイと時計のどれにしようか迷っています

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