暗殺教室でも俺の青春はまちがっている。   作:sewashi

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今回は本校舎でのお話。
一応雪ノ下目線のつもりです。


九十時間目 洗脳の時間

学園祭が終わり、結果が本校舎には張り出される。

 

1位 中等部3年A組

2位 高等部3年A組

3位 中等部3年E組

 

という結果となった。

「スゲーな、浅野」

「あの陽乃先輩の高等部3年A組を押さえて1位とか……」

「でもさ、この結果。やっぱりE組に目がいっちまうよな……」

「そうそう、二日目途中で店閉めたのに3位だぜ? 最後までやってたらどうなってたか……」

一学期期末での対決、体育祭での対決で、そして今回でもはやE組は最底辺クラスの肩書きが消えつつある。

「E組って、地獄みたいな所だと思ってたけど……あの山の中で自給自足って、案外うらやましいかもな~」

このようにE組に対して好感を持つものも増えてきた。

これなら由比ヶ浜さんの活動も……

 

ピンポンパンポーン!

 

『3年C組、由比ヶ浜結衣さん。至急理事長室へお越しください。繰り返します…………』

 

「!?」

由比ヶ浜さんが呼び出し……もしや!?

私も理事長室へ向かった。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

理事長室の前には由比ヶ浜さんと小町さんが居た。

そして三人で理事長室へ入った。

「おや? 呼び出したのは由比ヶ浜さんだけだったと思いますが……? まあいいでしょう、呼び出された理由はわかりますか?」

理事長の質問に由比ヶ浜さんははっきりと答えた。

「私の『E組の内部進学を可能にしてほしい』という署名活動の件ですよね?」

「その通りです。残念ながら我が校の教育方針的に考え、その要求は承諾することはできません」

「か、確実に二学期中に生徒の三分の二くらいの署名を集めて見せます! ですから……」

「由比ヶ浜さん。我が校の教育方針では、どんなに署名を集めようとその要求を承諾することはありません。そして今後、このような活動は禁止とします」

「なっ!? そんな、あんまりですよ!」

小町さんも言い、流石の私も黙ってはいられない。

「理事長。この学園の教育方針は私もわかっています。しかし誰もが理事長の認めるような強さを持つ生徒にすることはできません。たしかにE組の生徒は学力や生活態度に問題があるかも知れません。しかし、彼等は彼らなりのやり方で力をつけ、高みを目指している。他者を蹴落とし、蔑むことでの強さがあれば、他者を羨み、地力を鍛えてなることも立派な強さと思えます」

理事長は黙る。そして由比ヶ浜さんがさらに言う。

「理事長。あたしは禁止令が下されても、これが原因でE組に落とされてもあたしは認めてもらえるまであがき続けます……」

すると理事長は……

「そうですねぇ、本来ならば由比ヶ浜さんをE組行きにするところですが、貴方はそれでは反省の色が見えません。雪ノ下さんと比企谷さんは三分ほど外で待っててもらえますか?」

「「?」」

三分? いったい何を……

「由比ヶ浜さんと少しお話をしなくてはいけないので」

「わかりました! 絶対に認めてもらいます!」

私と小町さんは理事長室を出た。

 

 ……。

 …………。

 ………………。

 

三分後。由比ヶ浜さんが理事長室から出てきた。

「結衣さん! どうでした!? 理事長に認めてもらえましたか!?」

由比ヶ浜さんは何やらうつむきながら小さく口を動かしている。

「…………ろす…………」

「? 結衣さん?」

「ゆ……由比ヶ浜……さん?」

そして由比ヶ浜さんは顔をあげて目の光を失ったかのような表情で言った。

 

「……E組殺す……」

 

「「!?」」

「……E組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺すE組殺す……」

由比ヶ浜さんは狂ったかのように、去っていった……私は理事長室にいる理事長に尋ねる。

「理事長!? いったい何を!?」

「なに、ちょっと憎悪を煽っただけですよ……しかし、彼女は質がいい。期末試験の結果次第では高等部からは浅野君に代わって、彼女に私の教育論のモデルケースとなっていただきましょうかね……」

私の脳内では、理事長がこの言葉でしか現すことができなかった。

『……化け物……』




由比ヶ浜がぁぁぁぁ!?
次回から二学期期末試験編。

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